JPS6128090B2 - - Google Patents

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JPS6128090B2
JPS6128090B2 JP5154878A JP5154878A JPS6128090B2 JP S6128090 B2 JPS6128090 B2 JP S6128090B2 JP 5154878 A JP5154878 A JP 5154878A JP 5154878 A JP5154878 A JP 5154878A JP S6128090 B2 JPS6128090 B2 JP S6128090B2
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rainflow
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Tatsuo Endo
Hiroyuki Anzai
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はレインフロウ法の原理に基ずく疲労損
傷の解析監視方法並びに監視装置に関し、特に複
雑に変化するひずみを金属が受ける場合の疲労破
かいの程度を算出するためにレインフロウ法に基
ずき時間的にその大きさが複雑に変化する現象を
高速実時間向きのデータ処理のために「P/V差
法」を用いたものである。
時間的に複雑に変化する現象の評価には従来多
くの場合まず統計量が算出され、次いでこの統計
量に対して各種の検討が加えられている。
例えば、波形の山や谷の分布とか、あるいはス
ペクトル分析装置などを用いてパワースペクトル
密度その他の統計量が算出され利用されている。
しかし金属の塑性変形を伴なう歪変化の例にみら
れるように複雑な波形をもとに解析を行うに当つ
て現象に忠実な方法、例えば消費エネルギやその
他の物理量との対応がよりすぐれている方法によ
つて予め波形を分解し、その後種々の解析を行う
ことが是非必要な場合がある。
本発明にかかるレインフロウ法は、このような
基本的必要性にもとずいて提案されたものである
が、これまでの手続き(手法)は、実時間処理に
対して必ずしも適しなかつた。
本発明はレインフロウ法の新しい手続きである
「P/V差法」とその電子回路による実現によつ
てひずみのような変動現象を実時間処理し解析す
ることを可能としたものである。
特に金属が繰り返し歪を受ける時には所謂疲労
破壊を起さないように設計されねばならない。
複雑な荷重や変形を受ける機械、飛行体、構造
物、装置等は疲労破壊をしないように設計製作さ
れ、かつその安全を確保するために破壊の危険が
監視されねばならない。
また円滑な運転利用をさまたげる疲労破壊の原
因は適時取除き、適時に部品の取替えを行なわな
ければならない。
このため使用材料が使用中にいかなる程度破壊
に近づいているかを高信頼性の実時間可搬軽量の
装置をもつて解析監視し、あるいは必要に応じて
警報を発することが必要である。
本発明はこのような点を考慮したものである。
「P/V差法」に簡単な回路を組み合せれば、
「P/V差」をその平均値や最大(最小)値と組
み合わせて、たとえば「P/V差」と平均値との
函数としての出現頻度を求めることができる。こ
の回路付加によつてレインフロウ法の適用範囲の
拡大ができる。従来のレインフロウ法にもとづく
手法において付加されている平均値を考慮する機
能を本「P/V差法」においても必要によつて併
せもちうるものである。
1 レインフロウ法としての「P/V差法」の原
理 1−1 レインフロウ解析とレインフロウ法 金属の応力−歪関係は、第1図に示すよう
に、ヒステリシスループを画く性質がある。こ
のループの面積は一般にエネルギー損を与える
が、このエネルギー損が疲労被害の程度に関係
する量である。またこのループを取除いた部分
もエネルギー損を与える。金属材料が複雑に変
動する負荷のもとで稼動されているとき、そこ
に生じる歪波形を歪計を用いて測定し、そのと
き生じている応力−歪関係から、ループを作つ
ている部分とそれを除去した部分に分解してそ
れぞれに対応する歪成分を、その歪波形の尖頭
値と谷底値から抽出する波形の解析の仕方を、
レインフロウ解析またはレインフロウカウンテ
イングスまたはレインフロウサイクルカウンテ
イングという。そしてこのレインフロウ解析を
行う方法、およびそれに基ずいて波源の被害の
程度を各時刻ごとに推測し、更にその値から対
象の全寿命を推定するために開発された方法を
レインフロウ法という。
レインフロウ解析は本発明人の1人が提唱し
た波形分解の手法で、国内外の専問家間に広く
知られているが、その主な内容は次の文献に示
されている。
Tatsuo ENDO et al. “Damage
Evaluation of Metals for Random or
Varying Loading” Proceedings of the
1974 Symposium on Mechanical Behavior of
Materials,Vol.1,Page 371―380(1974),
The Society of Materials Science, Japan 次節に述べる「P/V差法」も、本発明人が
新たに発明したレインフロウ解析の手法で、既
発表の上記論文中の3つの手法とは異る立場か
ら、同一の波形分解の結果を与えるようにした
ものである。特に上記論文に述べられている3
手法は電子回路を用いた波形処理に適せず、ま
た電子計算機のプログラミングにも適しなかつ
たが、新らしい「P/V差法」はそのアルゴリ
ズムが簡単で電気回路による実現やプログラミ
ングに適するようになつている。
1−2 「P/V差法」の原理 次に、「P/V差法」の原理について述べ
る。
観測歪波形の尖頭値と谷底値の差の絶対値を
尖谷差絶対値又はP/V差と呼ぶ。また、これ
らのP/V差とこれらのP/V差に加算減算を
施こして得られた値を一般に歪幅値と呼ぶ。
第1図の応力−歪関係において、第2図aに
示すように継続する3つの曲線、,,
が小ループを作るときそれら3
つの曲線のそれぞれの歪幅値成分(P/V差)
i-2,ri-1およびriの間には必ず次の条件 ri-2>ri-1≦ri が成立しているし、またその逆にこの条件が成
立しているときには、これらに対応する3つの
曲線は必らず1つの小ループを作る。従つてこ
の条件を小ループ条件、これら3つの継続する
歪幅値ri-2,ri-1およびriの組を小ループ3
つの組と呼ぶ。
小ループを作る継続した3つの曲線は、第2
図bおよびcに示すように、1つの小ループ
と小ループ無し曲線とに分解する
ことができる。これに対応して、第2図bおよ
びcの下側に示すように、小ループ3つ組(r
i-2,ri-1,ri)は2個の小ループ歪幅値ri-1
と1個の小ループ無し歪幅値ri−ri-1+ri-2
に分解される。このように、小ループ3つ組か
ら2個の小ループ歪幅値を取り除いて、1個の
小ループ無し歪幅値に変換する操作を小ループ
除去と称する。すべての小ループが除去された
歪幅値の系列を小ループ無し系列と呼び、その
一般的な形の例を第2図dに示すが、この系列
は小ループ条件を成りたたせないために単調に
増大し、かつ途中から強く減じている。
1−3 被害の定義 次に被害の定義について述べる。
一般に、同一の全歪幅値Sを与えるような応
力が繰り返し与えられたときに破断に到る回数
をNとすると、SとNとの間には金属の種類に
応じた一定の関係N=F(S)が成り立つこと
が実験的に広く確められており、これはS−N
関係と呼ばれている。
そこで、振幅がSなる歪を1回加えることに
よつて生ずる被害または疲労損傷の程度を1/
N(S)と表わすと、歪幅値S1及びS2がそれぞ
れn1回及びn2回繰り返されたときの被害の程度
は、 n1/N(S1)+n2/N(S2) となることが実験的に確められており、これは
線形被害則と呼ばれている。
ところで、複雑な変動が繰返し加えられたと
きの被害の程度は、次のように与えれば最も合
理的である。
(1) 応力−歪関係が一つのループを作るとき、
そのループに対応する2個の歪幅値成分Sを
生じさせる負荷は、そのSを全歪振幅とする
ような波を生じさせる正弦負荷が1回加えら
れたと同等の被害を与える。
(2) ループを取除いたあとの応力−歪関係の一
つの曲線に対しては、その歪幅値成分Sに対
してそのSを全歪振幅とするような正弦波を
生じさせる負荷が1/2回加えられたとき同等
の被害を与える。
従つて、1個の歪幅値Sに対する被害の程度
はいずれの場合も1/(2N(S)となる。こ
の仮定を支える実験的事実は歪幅値の値が同一
ならば、それを歪振幅値とするループの形状
が、そのループの存在位置に関係なしに同一に
なる、ということである。(ただし、平均歪の
影響の形式的補正は必要ならば容易に可能であ
る。) 以上要するに、レインフロウ法では、与えら
れた歪幅値Sに対して、それに対応する被害を
増分被害と呼び次のように定義する。
f(S)=(1/2)・F-1(S)=1/(2N(S)) ここで、F-1(S)はS−N関係S=F
(N)の逆関係である。
1−4 P/V差法における被害計算の原理 以上をもとに、P/V差法によるレインフロ
ウ解析とそれによる被害の計算の原理を次に述
べる。
歪計から歪波形を入力してP/V差を検出す
るごとに、そのP/V差Sに対応する増分被害
f(S)を求めて全被害Dに累加する。そして
そのP/V差を、今までP/V差を読みこみ、
かつ小ループ除去を施こしてきて得らている歪
幅値の系列の最後尾に追加する。このとき、こ
れによつて小ループ条件が成立すれば次のよう
にして、この小ループを除去すると同時に全被
害の補正を行なう。
すなわち、小ループ3つ組ri-2,ri-1,ri
に対応するそれぞれの増分被害f(ri-2),f
(ri-1),f(ri)をそれぞれ全被害Dから差
引いたのち小ループを構成する2つの曲線の歪
幅値成分ri-1に対応する増分被害2×f(ri-
)と、小ループ無し歪幅値ri−ri-1+ri-2
対応する増分被害f(ri−ri-1+ri-2)とを
全被害Dに加える。
第3図aは補正前の歪幅値系列(b1,b2
a0,a1,a2,a3)及びその全被害D0+f(a1)+
f(a2)+f(a3)を示し、同図bは補正後の
(小ループ無し)歪幅値列(b1,b2,a0,a3−a2
+a1)と小ループ歪幅値a2の対及びその全被害
D0+f(a3−a2+a1)+2f(a2)を示す。ただ
し、D0はa0までの全被害とする。
1−5 P/V差の系列に対する被害の計算処理 次に、逐次的に入力されるP/V差に対する
上述の被害計算の原理に基ずく処理について述
べる。
小ループ無し歪幅値系列をLとすると、Lに
は次の性質があ。Lは、単調に増大する前半部
b=(b1,b2……bn)(m≧0)と強く減少す
る後半部La=(a0,a1……,ao-1)(n≧1)
とからなる。すなわち、 b1≦b2≦……≦bn≦a0>a1……ao-1 が成り立つ。(そうでないと小ループ条件が成
立する)このとき、後半部Laの先頭の歪幅値
a0を最右大歪幅値又は単に最大値と呼ぶ。
このLの最後に続けて、新しく読込んだP/
V差aoを置いた系列において、次の条件 ao-1≦aoで、かつn≧2 が成りたつとき、かつそのときに限り、小ルー
プ条件 ao-2>ao-1≦ao が成立し、ao-2,ao-1,aoは小ループ3つ組
となる。
そこで、これに小ループ除去を施こせば、最
後の2個のao-1とaoが取除かれ、最後から3
番目の歪幅値ao-2は、それと等しいか、又は
より大きい歪幅値a′o-2=ao-2−ao-1+ao
置きかえられる。
今、o-2を新しくnとし、a′o-2をao-2で書き
かえると、得られた系列において、再び次の条
件 ao-1≦aoで、かつn≧2 が成りたつとき、かつそのときに限り、小ルー
プ条件ao-2>ao-1≦aoが成立し、ao-2,ao
−1およびaoは再び小ループ3つ組となる。n
=1のとき、ao-1≦aoが成立しても、bm<a0
≦a1が成りたつだけであるから、勿論小ループ
条件は成立しない。しかし、このときa0はすで
に最大値ではなく、前半部Lbの最後の要素bn
+1mとなり、a1が新しく最大値、すなわち後半
部La、の先頭の要素a0となる。これを最大値
の移動と呼び、その条件 a0≦a1でかつn=1 を最大値の移動条件という。
以上から、前半部Lbは将来の小ループ除去
のためにも、また被害の補正のためにも記憶し
ておく必要はなく、記憶しておく必要があるの
は後半部Laだけでよいことがわかる。従つて
この後半部Laを記憶系列、前半部Lbを消去系
列と呼び、更に小ループ除去の際得られる小ル
ープ歪幅値対の集合を小ループ歪幅値対集合又
は簡単に小ループ対集合と呼びLcと表わす。
すなわち、Laの右端において、読みこまれた
P/V差が付加され、小ループ条件と最大値移
動条件が調べられ、小ループ条件が成立する
と、Laの最後から2番目の値が小ループ歪幅
値対として2個Lcに入れられ、Laの最後から
3番目の値が変えられたのち、最後の2個が除
かれ最大値移動条件が成立すると、Laの先頭
の1個がLbに移される。第4図はこの手順の
流れ図によつて表わしたものである。
ところで、Laに属する歪幅値は将来変るこ
とがあるうるが、LbとLcに既に得られている
歪幅値は、以後変ることはない。よつてLb
cに属する歪幅値は確定、Laに属する歪幅値
は未確定であるという。更に、確定又は未確定
のそれぞれの歪幅値に対応する被害のそれぞれ
の総和を確定被害又は未確定被害という。
1−6 被害計算に適した具体的構造とその処理 以上述べた記憶系列Laを実際に記憶し、か
つそれへの操作を実行させるに適した具体的な
記憶構造を次に与える。
プツシユダウンスタツクPS:記憶系列の最
後の2個を除く残りの記憶系列の格納用。
直前歪幅値レジスタR1:PSの入出力バツフ
ア用と計算用。
現在歪幅値レジスタR0:P/V差データの入
出力用と計算用。
被害レジスタD:全被害格納用の増分被害の加
減算用。
PSの内容をR1も含めて左側に1桁ずつ移す
ことを(従つて実行後R1の内容とPSの先頭の
内容は等しくなる)プツシユダウン(Push―
down)といい、Push―down(R1)と書き、逆
にこれらを右側へ1桁ずつ移すことをポツプア
ツプ(Pop―up)といい、Pop―up(R1)と書
く。
次に、これらのデータ構造PS,R1,R0およ
びDの上で第4図に示した処理を具体的に実行
する操作手順を第5図の流れ図で示す。
この流れ図は、原理の説明のためのものであ
り、実際はこれと等価でより効果的な第7図b
の流れ図が用いられる。
次に、第5図の流れ図の個々の処理について
詳細に説明する。文中丸で囲まれた番号は、流
れ図の処理ボツクスの左肩につけられた番号で
ある。
最初次のようにPSは空にされ、Dは0に破
算されている。
先ずで最初のP/V差データが記憶系列の
先頭a0としてR0に読み込まれ、その増分被害f
(a0)がでDに加えられる。
次にでそのデータがR0からR1に移された
のち、次のP/V差データがで記憶系列の最
後尾としてR0に読み込まれたのち、でその
被害増分がDに加えられる。なお、一番最初に
上記の,,が実行されるときには、PS
にはまだデータは入つていない(すなわちPS
は空である)処理が進行するにつれて、歪幅値
データのPSへの入れ(Push―down)出し
(Pop―up)があり、一般にはPSは空とは限ら
ない。すなわちの実行の前には、一般に記憶
系列a0,a1……,ao-1(ai-1>ai,i=1,
2,……o-1)がPS,R1およびR0に次のように
格納されている。
このときが実行されると次のようになる。
そして、によつてデータaoがR0に読み込
まれ、 となり、でR0のaoの増分被害f(ao)がD
に累加され、Dの内容は、D0+f(ao)とな
る。
そして、この段階で小ループ条件と最大値移
動条件が、とで調べられる。ところでn<
2のとき、かつそのときに限りPSは明らかに
空である。
小ループ条件は、「ao-1≦aoでかつn≧
2」であつたから、この場合「R1≦R0でかつ
PSは空でない」と等価になる。また、最大値
移動条件は「a0≦a1でかつn<2」であつたか
ら、この場合「R1≦R0でかつPSは空である」
と等価になる。
そこでまずでR1>R0を調べ、これが成り
たてば上記の両方の条件は成立しないから、
でR1のデータをPSにプツシユダウンして次を
得、 更にでR0のaoをR1に移したのち、で次の
P/V差データao+1をR0に続み込むのであ
る。
一方、R1>R0が成り立たない、すなわちR1
≦R0が成り立てばPSが空かどうかをで調
べ、空ならば最大値移動条件が成立するので、
最大値の移動を行なう必要がある。この処理前
の状態は次のようになつている。
そこで、R0にあるa1をR1に移し、もとのa0
消せばよい。すなわち、ここでは何もせずに
に進めばこれが行われることになる。
さて、R1>R0でもなく、PSは空である
こともなければ、小ループ条件が成立するか
ら、小ループ除去とそれに伴う被害の補正が必
要になる。これを行うのがからまでであ
る。これを次に述べる。このとき、一般にデー
タ構造PS,R1,R0およびDの内容はそれぞれ
次のようになつている。
そこで小ループ3つ組ao-2,ao-1,aoに対
して、小ループ無し歪幅値a′o-2=ao-2−ao-1
+aoと被害の補正値 D3=D2−f(ao)−f(ao-1)−f(ao-2)+
2f(ao-1)+f(a′o-2)=D2−f(ao)+f
(ao-1)−f(ao-2)+f(a′o-2) を求めなければならない。
ところでPSは直接的に計算には使用できな
い。すなわち、PSのデータao-2は一度R1に出
さ(Pop―up)なければ計算には使用できる。
そこで、上記の計算を2階段に分け、まずao
とao-1について計算して中間結果求めてお
き、それからPSのao-2をR1にポツプアツプし
たのち、この中間結果とao-2との計算を行わ
せるようにする。第1段階では、まずで、D
にはD′=D2−f(ao)+f(ao-1)が得ら
れ、次にでR0にao−ao-1が求める。そこ
で、PSをポツプアツプするとデータ構造PS,
R1,R0及びDの内容は次のようになつてい
る。
そこで、第2階段としてでnにD2−f
(ao)+f(ao-1)−f(ao-2)が求まり、
でR0に目的の小ループ無し歪幅値a′o-2=ao
o-1+ao-2が得られ、で最終的な被害の補
正値 D3=D2−f(ao)+f(ao-1)−f(ao-2)+
f(a′o-2) がDに求められることになる。このときデータ
構造の内容は次のようになつている。
次に、でPSが空かどうかを調べ、空でな
ければPSをポツプアツプして、次のように整
頓したのち、 再び、小ループ条件又は最大値移動条件が成立
するかどうかを調べるためにへ進む。
しかし、もしでPSが空ならばば、そのと
きn=2であるから、記憶系列にはただ一つの
要素a′0しか存在せず、従つて次のP/V差デ
ータを読み込むためにへ進むのである。
2 被害測定装置のシステム設計 本章では、前章で述べた処理を実際のデイジ
タル装置でで実現するための方式設計について
述べる。デイジタル装置としては、次の3つの
場合がある。
1゜ 全機構を特殊なハードワイヤ−ドロツジ
ツク回路で構成する。
2゜ マイクロ・コンピユータを全面的に用い
る。
3゜ 部分的(例えば制御回路等)にマイク
ロ・コンピユータを用いる。
これら3者のどれを選ぶかはそれを実現する
際の処理対象のおかれる状況(例えば処理速
度)と費用による。一般には、処理速度は、1
゜,3゜,2゜の順で遅くなり、費用はこの順
で安価になる。
ここでは、これらに共通して実現される方式
設計について述べる。
2−1 データの型 本システムで取扱われるデータの型は次の3
つである。
型1 A/D変換器の出力であるnビツト2進
数。一般にはn=8、又は12が多い。
型2 被害及び増分被害の値で通常1より小さ
い浮動(又はそれに準ずる方式の)小数点2
進数または固定小数点2進数。
型3 被害の表示パネルへの表示用の2進化10
進数。
2−2 データ領域 2−2−1 プツシユダウンスタツクPS 市販のメモリIC(Random Access Memory
RAM)を用いるプツシユダウンスタツクPSの
構成法を示す。
型1のデータが格納されるプツシユダウンス
タツクPSの大きさは、最高深さ2nで十分であ
ることを証明している。nが8ビツト又は12ビ
ツトのとき、それらはそれぞれ256又は4096の
大きさである。従つてPSは市販のメモリICチ
ツプを用いて安価に、且つ簡単に実現できる。
その構成法の1例を附録1に示す。
2−2−2 被害表(Damage Table)DT ひずみ幅の入力に対して疲労被害を計算する
には次のようにする。すなわち、繰返されるひ
ずみの大きさが大きければ破断に到るまでの繰
返し数は小さく、従つて大きいひずみ1回当り
の破壊への寄与は小さいひずみ1回当りの破壊
への寄与よりも大きいことが計算式の形に与え
られる。すなわち、ひずみの振幅Δε/2と、
繰返し数Nfとの関係を広く研究された結果に
よれば、例えば6f,E,b,εf,cを材料常
数として次の関係が認められている。
Δε/2=6f/E(2Nf)b+εf(2Nf)C したがつて、レインフロウ法としての「P/V
差法」によつてひずみが複雑に変化する場合に
対するΔεが決定されると、これにより上式を
用いて2Nfを求め、その逆数として半サイクル
当りの被害1/2Nfを求め得ることになる。この
計算を実際に実行するには、上式の左辺Δε/
2が与えられてNfを定めねばならないことに
なるからべき乗の計算のみならず複雑な逆函数
の計算が必要になる。
マイクロ・コンピユータでは、ソフトウエア
の支持なしに、これらの複雑な計算はできず、
また仮に実行してもその大きさ負担のために長
時間を要するため比較的速く次々に変化する入
力データを、入力の都度直接計算する方式は現
時点で実用にならない。そこで計算すべき被害
の計算の種類はデイジタルシステムでは比較的
小さい有限個であるため、これを別途に大きな
汎用計算機を用いて予め実行しておき、その結
果を記憶素子、例えばPROMに材質に応じて固
定して記憶させ、ひずみの振幅が与えられるご
とに表をひいて1回当りの被害を計算レヂスタ
ーに加算するものとする。後述するように、プ
ツシユダウンスタツクや被害レヂスターおよび
表(PROM)の必要な大きさは、実際に装置に
実装するに適した大きさであることを理論的に
明らかにしてその結果をここに利用したもので
ある。被害テープル、プツシユダウンスタツ
ク、被害レヂスター、待ち行列の使用は別記の
通り「P/V差法」によるレインフロウ法の研
究の結果利用の可能性としてその実用性が本発
明人より明らかにされ、実際試作されて確認さ
れたものである。
なお平均ひずみの影響および最大ひずみの影
響については説明の複雑化をさけるため省略し
いるが被害率テーブルをひずみ幅と平均値(ま
たは最大値)の二次元アレイの函数として作成
することによつて容易に考慮に入れうるもの
で、第1図aの実際ひずみ幅値d1,d2,d3……
oからその平均値、山谷の値(最大、最小
値)を求めればよい。結論的に平均値や山谷の
値(最大、最小値)の補正に何ら技術的困難は
ない。また被害表の計算を付属のマイクロコン
ピユータで行なうことも可能であり、この場合
例えばRAMに表として入力されDTとして使用
される。
この表は歪幅値(型1)をキーとして表索引
を行ない、その歪幅値に対応する増分被害を読
み出す表である。従つてこの表は、読出しのみ
に用いられるので主としてROM(Read Only
Memory)又はPROM(Programable ROM)
またはRAMを用いて格納される。表の内容は
あらかじめ被害関係を用いて計算したものを記
入しておく。
この表の索引である歪幅値は型1のデータで
あるが、型1のデータの個数は高々2n個であ
るから表の大きさも2nで十分である。
更に歪幅値は絶対値であり、且つ1より1つ
ずつ大きくなり、2n−1までの値しか取らな
いので、歪幅値を番地として、その番地の指す
場所にその歪幅値に対応する増分被害値を格納
しておけばよいことになる。
この被害表のRAMによる構成を附録2に示
す。
なおこの表の採用によつて本方式では加算と
減算のみで処理が行なえる。すなわち掛算や割
算等時間のかかる計算を絶えず実行しなければ
ならないことから解放されたのである。このこ
とが回路の実現を単純にし、或いはマイクロコ
ンピユータの採用によつても実際に被害まで直
接に表示してしまう装置の実現を可能にした1
つの要因である。
先に疲労損傷解析装置の構成について述べた
が本装置において疲労被害(損傷)を計算表示
するため、レインフロウ法による「P/V差
法」によつて波形の分野を行ない、ついでこの
分解の結果をもとに疲労損傷を評価するための
被害を被害表を用いて求めている。
いま入力波形としてひずみの時間的変化を用
いず他の物理現象の変化量ないし、一般的情報
量を入力と考えれば現象の複雑な変化をP/V
差法によつて分解した結果を入力量の変化幅と
その平均値を変数に、頻度分布等の情報量を出
力として出すことができる。このようにして、
物理量その他の情報量(例えば物価、その他変
動量等、社会的情報量)ヒストグラムとして出
力とする装置がレインフロウ法の原理的アルゴ
リズムにもとづく波形解析手続きの応用装置で
ある。
2−2−3 インプツトキユーIQ(Input
Queue) これは、レインフロウ法を実行する処理系と
それへのデータを作る前処理系との中間データ
バツフアである。
このバツフアの意味ある大きさは、2n/3
であることが、計算によつて求められている。
すなわちインプツトキユーが絶対にオーバーフ
ローを生じないためには nQ≧2/2・α α≦2/3 が成立つことが十分である。
ここで、 nQ=インプツトキユーの大きさ α=t/(T−tR) T=継続する尖頭値と谷頭値の間の最小
許容時間間隔 t=1つのP/V差を読み込んで被害を
計算する場合、又は1つの小ループを
見つけて被害の補正を行なう場合の最
小時間間隔 tR=P/V差1つごとの入力処理(前処
理)を行なうのに必要な処理時間。
レインフロウ処理では、1つの尖頭値又は谷
底値に対する処理時間が状況に応じて極めて大
きな差を生じる。
従つて実時間で処理するには、入力処理(前
処理も含む)をレインフロウ処理と並行動作さ
せる。(マイクロコンピユータで実現するには
割込処理させる。) この場合の両者の間のデータバツフアがこの
インプツトキユーである。これによつて処理の
時間的効率はマイクロコンピユータの場合計算
で約90倍にも達する。
インプツトキユーの大きさは2n/3である
からn=8のときは86,n=12のとき1366であ
る。これにはRAMを用いて実現するか又はキ
ユーとして市販されているメモリICチツプを
当てればよい。その構成法を附録3に示す。
2−3 処理系 全処理系は第6図に示すように、データ収集
前処理部、データ解析部及びデータ表示部にそ
れぞれ相当する3つのプロセス、すなわち入力
プロセスIP、レインフロウプロセスRP及び表
示プロセスDPから構成される。そして、入力
プロセスIPからレインフロウプロセスRPへ
は、インプツトキユーIQ経由で、RPから表示
プロセスDPへは被害レジスタD経由で、それ
ぞれデータが渡される。DTは被害表、PSはプ
ツシユダウンスタツクで、ともにレインフロウ
プロセスRPで使用され、DUは表示装置で表示
プロセスからデータ(全被害など)が表示され
る。
次に、3つのプロセスIC,RPおよびDPにつ
いてそれぞれ説明する。
2−3−1 入力プロセスIP 入力プロセスIPはレインフロウプロセスRP
の前処理を行なう。すなわちデータを収集し、
レインフロウプロセスRPが受理可能なように
そのデータを変形する。換言すればこのプロセ
スはA/D変換器から送られてきたサンプリン
グデータ(デイジタル値)の系列から尖頭値と
谷底値を見つける。そして次にP/V差を求め
て、インプツトキユーIQに送り込む。すでに
述べたように、インプツトキユーIQはレイン
フロウプロセスが前に渡されたデータの処理を
実行中のときのバツフア用モメリである。
次に入力プロセスIPの処理手順について第7
図aに述べる。ここで*の部分はソフトウエア
で実現する場合に必要であり、ハードウエアで
実現する場合は不要な処理である。
その処理手順について逐次説明する。
(0)* ソフトウエアでは入力処理が最高実
行優先権を与えられて実時間処理が可能にな
る。
A/D変換器が、一定のサンプリング間隔
で、入力である歪の時間的変化(歪−時間ヒ
ストリー)のサンプリングを行ない、それを
A/D変換器してデイジタル値に変換したの
ち主処理装置MPUに割り込み信号を発し
て、入力データを送りたい旨知らせる。
MPUは直ちに解析表示の処理を中断して入
力処理すなわち入力プロセスIPの起動を命じ
る。このための割り込み前処理の部分であ
る。
(1) A/D変換器からの各サンプリングの瞬間
におけるアナログ値をデイジタル値に変換し
たデータを入力して、現在入力レジスタSO
に入れる。
(2) 状態レジスタ(STATE)は現在の入力歪
波が増加中(up―ward)か、、または減少中
(down―ward)かを示すレジスタである。
次に直前に入力されたデータが入つている
直前入力レジスタS1と現在入力されたデー
タが入つているレジスタSOとの比較が行な
われるが、 (3) 状態レジスタが(up―ward)を示すとき
に、S1>SOならば現在減少に入つたことを示
し、従つてS1にあるデータは尖頭値であるこ
とになる。
そこで、 (4) 状態レジスタを減少中(down―ward)に
切換えると同時に (5) 前の極値(谷底値)が入つているレジスタ
SQを現在の極値(尖頭値)が入つているレ
ジスタS1から差引いたP/V差をIQに送
る。
このことによつて〔すなわちIQ←(S1−
SQ)〕,IQにP/V差を得ることができる。
(3)′,(4)′,(5)′ステートが減少中についても
全く同じような処理が行なわれる。こうして
IQにP/V差が送られる。
(6) 次にS1にあるデータを現在の型値(尖頭
値又は谷底値)としてSQに記憶する〔SQ←
S1〕。
(7) 次に現在のサンプリング値を直前のサンプ
リング値として記憶する〔S1←SO〕。
(8)* ソフトウエアで実現する場合に必要な部
分で割り込みの後処理用である。
2−3−2 レインフロウプロセスRP レインフロウプロセスRPは、インプツトキ
ユーIQから逐次的にP/V差データを取り出
して、プツシユダウンスタツクPSを使用しつ
つ、レインフロウ解析を行ない、それからこれ
に基づいて被害表DTから増分被害を求めつ
つ、全被害を被害レジスタDに記録してゆくプ
ロセスである。
このプロセスの実行手順は、すでにその原理
的説明を第5図の流れ図に基づいて行つたが、
実際にはこれと等価な第7図bの流れ図が使用
される。なお、個々の詳細な説明は、第5図の
説明(1−6被害計算に適した記憶構造とそれ
の処理手順)を参照すれば明らかなので、ここ
では新しく現われたインプツトキユーIQと被
害表DTに関する処理について説明する。第5
図とのRead(R0)は、ここでは、より具体
的にIQからのP/V差データの読み込みとし
て記される。
すなわち、IQが空ならば待ち(第7図bの
と)、IQが空でなければ、その最初に入力
されたP/V差データをR0に読みとる(同図
のとの〔R0←IQ〕)。第7図bにおいて、
のSend(R0’+’)、のSend(R1P’+
’)及びのSend(R1’−’)は、それぞれ
蓄積被害の計算D←D+f(R0),D←D+f
(R1)及びD←D−f(R1)を行わせることを意
味している。被害表DTについては既に説明し
た(2−2−2被害表)が、ここで、増分被害
f(R0)又はf(R1)は、R0又はR1をキーとし
てこの表を索引することを意味する。
なお、第7図bは次章のハードワイヤロジツ
クによる回路設計において、その制御回路の動
作手順を与えるが、その際詳細な説明がある。
2−3−3 表示プロセスDT 表示プロセスは被害レジスタDの内容(型2
のデータで全被害値が格納されている。)を読
み出して、型3のデータ(2進化10進数)に変
換し表示パネルに表示する。さらに計測時間を
別別に測定していれば、この計測時間を全被害
で割ることによつて全寿命(時間)が計算でき
るので、時間余裕をみつけてこれを適時表示す
る。
3 ハードワイヤドロジツクの設計 前章の方式設計をハードワイヤドロジツクで
表現する場合の1例を示す。ここでは、データ
の流れに関する部分については回路(第8図)
を示し、その回路を制御する部分(制御回路)
は、この回路におけるデータの流れを制御する
手続き(第7図)で与えることにする。
この制御の部分は実際は論理回路又はマイク
ロコンピユータで容易に実現できる。
入力プロセスIPを実現した回路をP/V差検
出器、レインフロウプロセスRPを実現した2
個の回路をレインフロウ解析器および、被害累
積器という。
3−1 P/V差検出器 P/V差検出器を第8図aに示す。ここで、
SOを現在入力レジスタ、S1を直前入力レジス
タ、SQを極値レジスタと呼ぶ。またMXi,(i
=1,2,3,4)C1およびA1はそれぞれマ
ルチプレクサ、補数器および加算器を表わす。
この回路の制御手順は入力プロセスIPの流れ
図(第7図a、ただし*の部分を除く)によつ
て示される。
サンプリング時間間隔ごとにA/D変換器
は歪値を測定して、A/D変換器を行ない、
このP/V差検出器に渡す。P/V差検出器
はこのデータを現在入力レジスタSOに入れ
る。
入力歪波が単調に増大中のときは状態レジ
スタSTATEは“up―ward”に、単調に減
少中のときは、“down―ward”にそれぞれ
セツトされている。また、直前入力レジスタ
S1には、直前の入力サンプルデータがセツ
トされている。
(′)従つて状態レジスタSTATEが
“up―ward”(“down―ward”)のとき、S1
>SO(S1<SO)ならば、S1は極大値=尖頭
値(極小値=谷底値)をとる。なお、S1>
SO(S1<SO)の判定は、SO(S1)にS1
(SO)の2の補数を加えたときオーバーフロ
ーを起さないことによつて行なう。すなわ
ち、S1>SOに対しては、SOの内容をMX1
MX2経由でA1に、又S1の内容をMX3,MX4
およよびC1経由でA1にともに通じ、オーバ
ーフロー信号が生じないことで判定し、S1
<SOに対しては、S1の内容をMX1,MX2
由でA1に、又SOの内容をMX4,C1経由でAl
にともに通し、オーバーフロー信号が生じな
いことで判定する。
(′)尖頭値(谷底値)が検出されると
STATEレジスタがup―ward(down―
ward)からdown―ward(up―ward)へ切
換えられる。
(′)SQには直前の谷底値(尖頭値)が
貯えられているから、これとS1にある尖頭
値(谷底値)との差の絶対値(P/V差)を
とつてインプツトキユーIQの送る。S1
(SQ)の内容をMX3,MX4,C1経由でA1
に、SQの内容を(S1の内容をMX1),MX2
由でA1にそれぞれ送ることによつてA1の出
力として目的のP/V差が得られ、これを
IQに送る。
S1にある極値を直前の極値としてSQに移
す。
SOにある現在の入力サンプル値を直前の
入力サンプル値にしてS1に移す。
3−2 レインフロウ解析器 レインフロウ解析器を第8図bに示す。
この回路はP/V差を読みこみ、レインフロ
ウ解析器を行なう回路である。第8図bで、
ROを現在歪幅値レジスタ、R1を直前歪幅値レ
ジスタと呼ぶ。また、PSはRAMを使用したプ
ツシユダウンスタツクで、MDRはメモリデー
タレジスタ、MARはメモリ番地レジスタであ
る。
MXi(i=5,6,7,8)はマルチプレク
サ、C2は補数器、A2は加算器である。
この回路の制御手順はレインフロウプロセス
RPの流れ図(第7図b)によつて示される。
次に、この制御手順と回路との関係について
説明する。
インプツトキユーIQが空ならば待つ。
IQから、その最初に入力されたデータ
(P/V差)をMX5経由で現在歪幅値レジス
タROに入れる。
今入力されたP/V差をMX8経由で、又同
時に加算指示信号’+’をともに被害累積器
(第8図c)に送る。
次に、次のP/V差を読みこむために、
ROの内容(P/V差)を直前歪幅値レジス
タR1に移す。
IQが空ならば待ち、そうでなければ、 IQよりその最初に入力されたデータ
(P/V差)をMX5経由でROに取りこむ。
小ループ条件および最大値移動条件を調べ
る。
R1>ROならば両者はともに成立しないの
でR1の値をPSにプツシユダウンスタツクし
えのち、へゆく。
なお、R1>ROの判定操作は次のように行
われる。R1>ROのとき、かつそのときに限
りRO+(R1の2の補数)がオーバーフロー
を起さない。
従つて、ROの内容を加算器A2に送ると同
時に、R1の内容を補数器C2及びMX7経由で
加算器A2に送る。そしてそこで加算器A2
加算を行なわせると、R1>ROの条件が成立
していれば、オーバーフローを起さず、そう
でなければオーバーフローを起すので判定で
きる。
次に、プツシユダウンスタツクPSが空か
どうかを調べる。もしPSが空ならば、最大
値移動条件が成立するので、に行く。この
あとでR1に移され、R1のデータa0は自然
に消滅し、最大値の移動が自然に行われる。
もし、PSが空でなければ小ループ条件が
成立するので、PSの先頭セル、R1およびRO
の内容(歪幅値)をそれぞれao-2,ao-1
よびaoとすると、これら3個の歪幅値は小
ループ3つ組である。そこで、小ループの抽
出および除去、被害蓄積器への補正情報の送
出が下記の様に行われる。
R1にあるao-1をMX8経由で、又同時に加
算指示信号’+’をそれぞれ被害蓄積器へ送
る。
o−ao-1をROに中間データとして一時
的に貯える。
PSをポツプアツプしてao-2をR1に取り出
す。
R1にあるao-2をMX8経由で、又同時に減
算指示信号’+’をそれぞれ被害蓄積器に送
る。
ROの内容は小ループ無し歪幅値ao−ao-
+ao-2となる。なおとだけで被害の補
正情報が得られるのは前に述べた流れ図の改
良による。
でn=2のとひき、かつそのときに限り
PSは空であり、しかも記憶系列はROにある
唯一の歪幅値(最大値)のみからなつてい
る。従つてPSSが空のときはへゆき、そこ
で小ループを除去された歪幅値a2−a1+a0
対応する被害補正情報を被害蓄積器へ送つた
あと、,,で次のP/V差データをa1
としてIQから取り出すのである。
記憶系列をPS,R1およびROに正しく配置
するため、PSをポツプアツプして整頓す
る。そしてその記憶系列が再び小ループ条件
又は最大値移動条件をもつかどうかを調べる
ためへ戻る。
3−3 被害蓄積器 被害蓄積器を第8図cに示す。被害蓄積器は
レインフロウ−解析器がレインフロウ−解析し
て得た歪幅値をもとに、その歪幅値に対応する
増分被害を求めて被害レジスタDに累加し、あ
るいは補正する回路である。第8図cで、DT
はメモリICチツプ(ROM,PROM又はRAM)
を用いた被害表であり、ERはそのメモリのメ
モリ番地レジスタ(MAR)で実効歪レジスタ
と呼び、IRはそのメモリのメモリデータレジ
スタ(MDR)で増分被害レジスタと呼ぶ。C3
は補数器、MX9はマルチプレクサ、A3は加算
器、Dは被害レジスタである。TRは演算時に
一時的にDの値を保持するレジスタで、直前被
害レジスタと呼ぶ。
次に、この回路を制御する制御回路の動作に
ついて説明する。レインフロウ解析器から歪幅
値が送られてくると、先ず実効歪レジスタER
に入れ、次にメモリICである被害表DTに読出
し制御信号を送る。するとERにある歪幅値を
番地とみなしたときのその番地の指す場所か
ら、(あらかじめ計算して記憶させている)そ
の歪幅値に対応する増分被害が増分被害レジス
タIRに読み出される。次に、レインフロウ解
析器から送られてきた制御信号が加算(又は減
算)指示信号ならば、IRにある増分被害を
MX9(又はC3,MX9)経由でA3に送り、と同時
に直前被害レジスタTRの内容をA3に送り、更
に加算指示制御信号を加算器A3に送つて、そ
れまでの全被害に増分被害を加え(又は減じ
て)被害レジスタDに貯える。
なお、このDに蓄積されている全被害は、適
宜表示装置に送られ、そこで2進化10進化に変
換されたのち表示されることになる。
3−4 レインフロウ−サイクル計数器 レインフロウサイクル計数器を第8図dに示
す。この装置はレインフロウ解析器で解析して
得られた各歪幅値すなわち各レインフロウサイ
クル当りの生起回数を知りたい場合に、被害蓄
積器と並列に(あるいはその代りに)接続され
るオプシヨン回路である。この回路は通常にメ
モリ用ICを用いて構成され、そのメモリデー
タレジスタ側にプラス−マイナス1回路PMC
が第8図dの様に接続されたものである。
次に、この回路の動作について簡単に述べ
る。
最初このメモリのすべての番地の内容は0に
初期化されている。今、レインフロウ解析器か
ら歪幅値データが、メモリ番地レジスタMAR
に送られてくるとする。このとき、読出し制御
信号をこのメモリに与えると、MARにある歪
幅値データを番地と見なしたときの、その番地
の内容がメモリデータレジスタMDRに読み出
される。そこで、レインフロウ解析器からの信
号が加算(又は減算)指示ならば、プラス−マ
イナス1回路PMCを用いて、MDRの内容を1
だけ加算(又は減算)したのち、書込み制御信
号をメモリに送つて、そのMDRの内容を、
MARにある歪幅値に対応する番地へ書込むの
である。こうして、各歪幅値(レインフロウサ
イクル)ごとに、メモリ内のその歪幅値を番地
とみたときの、その番地の指す場所に、その生
起回数が記録されることになる。
4 多チヤネルシステム 一般に歪の測定は、多くの測定点で同時的に
測定されるのが常である。このときは、第9図
に示すよに、第6図の場合を拡張した多チヤネ
ルシステムが有用である。3つのプロセス、入
力プロセス、レインフロウ−プロセス及び表示
プロセスはそれぞれ独自のプロセツサ上に実現
し、並行処理をする。nはチヤネルのとき、イ
ンプツトキユーIQ、プツシユダウンスタツク
PS、現在歪幅値レジスタRO、直前歪幅値レジ
スタR1、被害レジスタDはそれぞれn個用意
される。一方インプツトプロセツサIPでは、各
チヤネルごとの入力の間の相互解析を行うこと
によつて、雑音除去などに有効に処理が計ら
れ、又表示プロセツサでも同様にして、相互解
析を通じて、より詳細に情報を得ることができ
る。
附録(1) プツシユダウンスタツクPSのメモリIC
による構成 PSのメモリICによる構成の1例を第10図a
に示す。ここで、Mはメモリ本体、MARはメモ
リ番地レジスタ、PMCはプラス−マイナス1回
路である。RAMのメモリ−データレジスタMDR
側は通常のようにデータ・バスと相方向接続し、
一方メモリ番地レジスタMARは番地バスとから
は切離されている。
その代りにプラス−マイナス1回路が図のよう
に接続され制御信号Sによつてメモリ番地レジス
タの内容は1だけ増加したり1だけ減ぜられたり
する。最初破算信号によつてMARは0に初期化
される(empty信号がONになる)。Push−down
操作では、まずS信号がプラスを指示してメモリ
番地レジスタの内容が1になり、ついでメモリに
writeの信号がきてメモリデータレジスタの内容
が番地1に書き込まれる。Push−down操作をi
回実行するとメモリデータレジスタの内容がi番
地まで次々と格納される。
次にPop−up操作ではRead信号を出してi番
地の内容がメモリデータレジスタに取り出され、
S信号でマイナス信号を送つてメモリ番地レジス
タの内容がi−1となる。
附録(2) 被害表DTのメモリICによる構成 DTのメモリICによる構成を第10図bに示
す。Mはメモリ本体、MARはメモリ番地レジス
タで、歪幅値が入力され、Read信号が来ると、
その歪幅値を番地とみなしたときの、その番地の
指す場所から、あらかじめ格納されていたその歪
幅値に対応する増分被害が、メモリデータレジス
タMDRに読み出される。
附録(3) インプツトキユーIQのメモリICによる
構成 IQのメモリICによる構成を第10図cに示
す。Mはメモリ本体、MARはメモリ番地レジス
タ、MDRはメモリデータレジスタ、HはICに格
納されているデータのうち最初に入力されたデー
タの所在番地、Tは最後に入力されたデータの所
在番地をそれぞれ指すレジスタ、PCはプラス1
回路、CMPは比較回路で、HがTより1だけ大
きいとき、IQが空であることを示すempty信号
をON、そうでないときOFFにする。
IQにデータを格納したいとき、そのデータを
MDRにおき、Tは内容を1加算したのち、MAR
に入れて、Write信号を出す。逆に、IQよりデー
タを読みだすには、Hレジスタの内容をMARに
移したのち、Read信号を出し、同時にHレジス
タの内容を1加算する。
以上のように、本発明では金属が複雑な歪の時
間的変化を受ける場合の疲労破壊の程度を算出す
るための時間的にその大きさが複雑に変化する現
象の解析の手法、特に高速実時間向きのデータ処
理の手法として新たな「P/V差法」とこれによ
る波形解析装置並びにその応用装置としての疲労
損傷解析装置を提供したものである。
又時間的に変動する現象の波形の山と谷の大き
さそのものを用いず、相隣る二つの大きさの差の
絶対値を検出してこれを用いてレインフロウ法を
具体的に実現したものである。
又マイクロプロセツサまたはハードワイヤード
ロジツクを用いて金属の疲労損傷の程度をP/V
差法と疲労損傷評価に必要な表(PROM,
ROM,RAMなどの記録装置中に貯える)とを用
いて必要な時刻に金属が破壊に近づいている程度
を損傷被害または残存寿命等いわゆる材料の疲労
被害を示す量、または推定破断時間として表示ま
たは出力することができる可搬式実時間処理装置
(但し可搬式とは別途附加されるアタツチメント
を含まない重量が約30Kg以下を意味する)を提案
するものである。
更にデイスプレイプロセスに各1個又は複数個
の副マイクロコンピユータまたはハードワイヤー
ドロジツクを附加して多チヤンネル使用時の性能
を格段に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図a〜b、第3図a,bは本発明
原理説明のための波形図、特性図、第4図、第5
図、第6図、第7図a,b、第8図a〜d、第9
図、第10図a〜cは本発明に係る夫々の異るフ
ローチヤート並びに回路構成図である。 図でSOは、現在入力レジスタ、S1は直前入
力レジスタ、SQは極値レジスタ、MXi(i=
1,2,……a)はマルチプリレクサ、C1(i
=1,2,3)は補数器、Ai(i=1,2,
3)は加算器、ROは現在歪幅値レジスタ、R1
は直前歪幅値レジスタ、PSはプツシユダウンス
タツク、MDRはメモリデータレジスタ、MARは
メモリ番地レジスタ、PMCはプラス−マイナス
1回路、Dは被害レジスタ、DTは被害表、ERは
実効歪レジスタ、IRは増分被害レジスタ、TRは
直前被害レジスタ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ひずみのように時間的に変動する現象量の波
    形にあらわれる相隣りあつた極大、極小の大きさ
    の差の絶対値を順次検出して夫々の大きさをP/
    V差法の原理にもとづく法則に従つて比較し加減
    算して現象量の波形を分解しこれらを情報量とし
    て、疲労被害に有効な歪幅を抽出する所謂レイン
    フロウ法による波形分解の結果と一致せしめるよ
    うにして疲労被害に有効な歪幅を抽出し疲労破壊
    の予知の場合のようにひずみ波形を分解して、疲
    労被害の値を知り、破壊発生までの残存時間を知
    る必要がある場合、疲労損傷を出力とするように
    したことを特徴とするレインフロウ法の原理に基
    ずく疲労損傷の解析監視方法。 2 入力波形の極大、極小を検出するための波形
    のサンプリング部と、サンプリングを行なつた時
    点でのアナログ量をデイジタルデータに変換する
    A/D変換部、デイジタルデータを一時点に貯わ
    えてデータ取り込みのあき時間を利用して波形分
    解の作業をおこなうためにおかれたインプツトキ
    ユー、インプツトキユーからのデータをもとに波
    形の分解合成を行なうレインフロウプロセス部、
    波形分解合成にあたつて一時的に情報を貯わえる
    のに有効なプツシユダウンスタツク、分解された
    波形から疲労被害を求めるための数表を記憶する
    被害表、被害表をひいて得られる疲労被害の数値
    を累積する出力レジスタ、および出力レジスタの
    内容を表示する出力表示部をその構成とすること
    を特徴とするレインフロウ法の原理にもとずく疲
    労損傷の解析監視方法。 3 前記サンプリング部、A/D変換部、インプ
    ツトキユー等のデータ収集前処理部を入力プロセ
    スとし、又プツシユダウンスタツクを活用してレ
    インフロウ法による波形の分解合成を実行して被
    害表をひきその結果を出力レジスタに送るデータ
    解析の部分をレインフロウプロセスとし、また被
    害表から得られる被害を貯える出力レジスタから
    被害損傷の数値を表示するデータ表示部を表示プ
    ロセスとする時、これら3つのプロセスに各1個
    または複数個の副マイクロコンピユーターまたは
    ハードワイヤ−ドロツジツクを加えることにより
    多チヤンネル使用時の性能を向上せしめるように
    したことを特徴とする特許請求の範囲第2項記載
    のレインフロウ法の原理に基ずく疲労損傷の解析
    監視装置。
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