JPS6127973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属ストリツプの連続塗装設備におけ
る化成液加熱装置に関するものである。

連続塗装設備で金属ストリツプを連続塗装する
場合、一般に、前処理として金属ストリツプを燐
酸塩系の化成液に浸漬して、その表面に化成皮膜
を形成させ、次工程での塗料の密着性を向上させ
ている。

ところで、前記化成処理をするにあたつては、
化成液を70℃前後に加熱して使用する必要があ
る。そのため、従来においては、化成処理槽に、
蛇管またはプレート式熱交換器を設け、これに、
ボイラからの100℃以上の加圧蒸気を供給して化
成液を加熱している。

しかしながら、この方法では、化成液が伝熱面
を隔てて100℃以上の高温流体に接するため、伝
熱面で加水分解してスラツジが生成され、これが
伝熱面に焼付き、熱伝達を阻害するばかりか、焼
付いたスラツジの除去が面倒であるという欠点を
有していた。また、従来方法において、加圧蒸気
は別個のボイラにより生成していたので燃料費が
嵩み、ランニングコストが高いという欠点をも有
していた。

本考案は、前記従来方法における欠点を除去す
るためになされたもので、オーブンからの排ガス
熱またはオーブンからの排ガス中の溶媒を焼却す
る排ガス処理装置（以下、インシネレータとい
う）からの排ガス熱を利用して温水製造装置によ
り温水をつくり、この温水（100℃以下）を化成
処理槽に設けた熱交換器に供給することにより化
成液を加熱するようにして、省エネルギーを図る
とともに、化成処理槽における熱交換器の伝熱面
での付着スラツジを減少させるばかりか、スラツ
ジを容易に除去することのできる化成液加熱装置
を提供することを目的とする。

つぎに、本考案にかかる化成液加熱装置を一実
施例である図面にしたがつて説明する。

図において、１は化成処理槽、２はコータ、３
はオーブン、４は前記オーブン３で蒸発した塗料
の溶媒蒸気を有する排ガス中の溶媒を焼却する公
知のインシネレータである。そして、金属ストリ
ツプは前記化成処理槽１でその表面を化成処理し
たうえでコータ２で塗料を塗布され、つづくオー
ブン３で乾燥焼付されて製品化されるものであ
る。

５，６は熱交換器で、オーブン３からの排ガス
は熱交換器５で熱交換されたうえでインシネレー
タ４で焼却され、その焼却排ガスは熱交換器５を
通つた後、熱交換器６でオーブン３への供給空気
を予熱する。そして、熱交換器６を出た排ガスは
温水製造機７に供給され、製造機７を通過する水
を加熱する。一方、この温水は化成処理槽１に設
けた熱交換器８，８に供給され、化成液を加熱す
るようになつている。

なお、前記実施例では、温水製造機７の熱源と
して、オーブン３からの排ガス熱と、これに加え
てインシネレータ４での焼却熱とを利用したが、
いずれか一方でもよいことは勿論である。

以上のことから明らかなように、本考案によれ
ば、化成液の加熱は温水により行なうため、その
温度は100℃以下で、従来方法より低温であるた
め、化成処理槽に設ける熱交換器表面でのスラツ
ジの生成は少なく、かつ生成しても焼付かないの
でスラツジの除去が容易である。

また、温水製造機での熱源は金属ストリツプの
連続塗装設備から発生する排ガス熱を利用するた
め、従来のものに比して大巾な省エネルギーを図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案にかかる化成液加熱装置を備え
た金属ストリツプ連続塗装設備の概略説明図であ
る。 １……化成液槽、２……コータ、３……オーブ
ン、４……排ガス処理装置、７……温水製造機、
８……熱交換器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化成処理槽、コータ、オープンおよびオーブン
   からの排ガス処理装置からなる金属ストリツプ連
   続塗装設備において、前記オーブンまたは排ガス
   処理装置からの排ガス熱を利用して温水をつくる
   温水製造装置と、化成処理槽に設けられ前記温水
   により化成液を加熱する熱交換器とで構成したこ
   とを特徴とする金属ストリツプ連続塗装設備にお
   ける化成液加熱装置。