JPS6127956Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は炉底部に吹込ノズル（内管）とそのノ
ズルを保護する冷却用流体吹込環状ノズル（外
管）とを有する底吹転炉又は上吹、底吹併用転炉
においてこの転炉々体を支持して施回駆動するト
ラニオン軸に連結する回転継手としての転炉用流
体供給装置の改良に関するものである。

従来上吹転炉および底吹転炉用の回転継手は単
なる同軸心の多重管の組合せ構造であつた。この
ような構造では導入流体の種類が増すごとに同軸
心の管をそれに伴い増すことになり通常四重管構
造程度までは実例があるがそれ以上のものは実用
上不可能である。

そこで従来は底吹転炉に於いて見られる如く内
管用流体、外管用流体の各導管を夫々１本設け、
トラニオンリングより吹込ノズル又は冷却用流体
吹込環状ノズルまでの間の配管部分に於いてガス
の分岐部を配置し各ノズルにガスを分岐供給して
いる。

ここで内管用流体とは酸素、Ar、CO₂、N₂、
空気もしくはそれらの混合物であり、外管用流体
とは炭化水素系ガス、炭化水素系液体、Ar、
CO₂、N₂もしくはそれらの混合物である。

したがつていずれかのノズルにおいて煉瓦の溶
損が異常に早く進んだ場合、そのノズルの内管用
流体と外管用流体の流量及び流量比を単独に制御
出来ないため、そのノズルの溶損が直ちに炉底煉
瓦の寿命を支配することになり他の羽口廻りの煉
瓦が十分使用出来ても炉底煉瓦を交換せざるを得
ないということになり経済的に損失である。

又別の方法として異常溶損ノズルを耐火物又は
地金等で閉塞してしまう方法もあるが順次このよ
うに羽口を閉塞して行く場合、精錬遂行上に限度
があり結局は炉底煉瓦の早期交換につながる欠点
を有していた。

本考案は以上の点に鑑み、この欠点を解消する
ためになされたもので、その要旨は夫々のノズル
の内管用流体もしくは外管用流体のいずれか一方
の流量を単独で制御可能にしたことにある。即ち
異常溶損したノズル内管もしくは外管の流体流量
を個別に変化させることにより、その冷却効果を
コントロールすることが出来るためで例えば異常
溶損したノズルの外管用流体の流量をノズル毎に
コントロールする例では外管用流体流量を増し冷
却効果を高めれば羽口出口部分に地金の附着が起
り、その地金が丁度羽口周辺の煉瓦を保護し、溶
損ノズルの溶損速度を下げる。その結果各羽口に
亘つて均一な溶損状態とすることができるし、又
逆に羽口づまりが起きそうな場合は外管用流体流
量を減らし、多すぎる附着地金を溶解し羽口づま
りを除くことができる。このような制御を可能と
するためには、流量調整弁２４をノズル毎の外管
用流体導管に設ける必要がある。ところが通常転
炉の外周部に流量調整弁２４を設けることは高熱
のため不可能であることと、地金の落下による破
損の可能性が高いこと、更に弁操作の電気配管等
を熱的に保護するのに極めて難しいという点であ
る。

したがつて流量調整弁２４は回転継手以前の導
管途中に設けねばならない。このため回転継手に
はノズル本数分だけ独立した流路を設ける必要が
ある。

本考案はこれを解決するために案出されたもの
である。

以下本考案を一実施例に基づき詳細に説明す
る。水平に突出するトラニオン軸４を有する傾動
自在なトラニオンリングに保持され炉底に吹込ノ
ズルを同軸に取り囲む環状ノズルとを有する複数
の羽口を設けた転炉において、前記トラニオン軸
４の回転ケーシング１の端部２のフランジ３を取
付け、これを回転側とし回転ケーシング１内にシ
ール装置２７によりシールを保つた状態で回転自
在にはめ合う円筒状部を有する固定アセンブリ５
の端部６にはベンド７を介して例えば内管用流体
供給管８に連結されているベンド７に連通するよ
うに内管用流体吹込流路９を固定アセンブリ５及
び回転ケーシング１に穿設せしめ、該内管用流体
吹込流路９はトラニオン軸４の水平穴１０の中に
設けられた中間管１１を接続され内管用流体を供
給せしめている。

又前記回転ケーシング１の内周面及び固定アセ
ンブリ５の円筒状部外周面の少なくとも一方の表
面円周方向に沿う複数の連絡溝１２を軸方向のシ
ール装置より内方に間隔をおいて設け、一端がそ
れぞれ前記連絡溝１２に開口し、他端は回転ケー
シング１より露出する部分の固定アセンブリ５に
設けた外管用流体供給管１６に連通させ外管用流
体流路１４を形成し、又前記連絡溝１２に連通す
るように回転ケーシング１に外管用流体導管１８
を設けている。図中２０は冷却水供給管、２１は
冷却水排水管、２２は冷却水入側管、２３は冷却
水排出管であり、２５は流量調整弁２４の信号供
給用電線であり、２６はシール装置２７間に設け
たガス洩れ検出機である。

本考案は上述のように構成することにより、回
転ケーシング１が固定アセンブリ５を中心として
回動した場合外管用流体導管１８，１９は必ず連
絡溝１２に開口していることにより外管用流体は
外管用流体供給管１６、外管用流体流路１４を経
て流れて来る。

又連絡溝１２の両端にはそれぞれシール装置２
７が設けられていることよりガス漏れの心配がな
いが、本考案ではトラニオン軸４の先端に設けら
れた回転ケーシング１が固定アセンブリ５を覆う
形で設けられていることより外管用流体導管１８
からトラニオン軸４までの距離Ｌが長くなりその
間に流量調整弁２４の取付が容易になり流量調整
弁２４のバルブ動作とガス供給との制御の応等性
能が良くなる効果を有するのである。

したがつて本考案装置を上吹、下吹併用転炉に
適用した場合、更にその特徴が生かされる。つま
り通常底吹転炉においては内管には精錬用酸素が
すべて炉底羽口（12〜30本）を用いて吹き込まね
ばならない。

これに対し本考案によれば上吹、下吹併用転炉
においては羽口数２〜12本程度であるため個々の
羽口の状況が監視し易く、全体的にバランスのと
れた煉瓦の浸蝕状態を維持する内管もしくは外管
のいずれか一方の流量の調整が各羽口ごとに損耗
状態を制御しやすい等すぐれた効果を有するもの
である。

又上述に用いる流量調整弁は炉体鉄皮に設けな
いですむことより地金の落下による破損を防止出
来るほか保守も行いやすい効果も有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本考案断面図、第２図は同上一部の拡大断面
図、第３図は一部の斜視図である。 １は回転ケーシング、２は端部、３はフラン
ジ、４はトラニオン軸、５は固定アセンブリ、６
は端部、７はベンド、８は内管用流体供給管、９
は内管用流体流路、１０は水平穴、１１は中間
管、１２は連絡溝、１４は外管用流体流路、１６
は外管用流体供給管、１８は外管用流体導管、２
０は冷却水供給管、２１は冷却水排出管、２２は
冷却水入側管、２３は冷却水出側管、２４は流量
調整弁、２５は信号供給用電源、２６はガス洩れ
検知機、２７はシール装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉底に吹き込みノズル（内管）と環状ノズル
   （外管）とを有する羽口を配設した転炉であつ
   て、該転炉のトラニオン軸端に設けた前記羽口へ
   流体を供給する回転継手において、前記トラニオ
   ン軸４端に連結された円筒状の回転ケーシング１
   内周面に回転自在に円筒状の固定アセンプリ５を
   挿嵌し、前記回転ケーシング１内周面が、前記固
   定アセンブリ５のいずれか一方の外周面との回転
   摺動部に複数条の連絡溝１２を形成し、該連絡溝
   １２の両側にシール装置２７を配設し、前記回転
   ケーシング１の外周に前記連絡溝１２と連通する
   複数の流体導管１８を設け、該流体導管１８の
   夫々の管路に流量調整弁２４を配置し、かつ前記
   固定アセンブリ５内に前記連絡溝１２と連通する
   流体流路１４を穿設し、該流体流路１４と連通す
   る流体供給管１６を前記固定アセンブリ５外周に
   設けてなることを特徴とする転炉用流体供給装
   置。