JPS6127832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車等の搬送装置の改良に関する
ものである。

一般に、例えば自動車等の取付けラインのよう
に、各作業ステーシヨンが順次連続して配置さ
れ、この作業ステーシヨンに順次自動車等を搬送
する装置としては、自動車等を載置して水平方向
に移送するシヤトル装置と、そのシヤトル装置上
の自動車等を各作業ステーシヨンで持ち上げるエ
ジエクト装置とからなる搬送装置が採用されてい
る。

しかしながら、上記搬送装置で搬送される自動
車等は一種類だけでなく、次のロツトにおいては
他種の自動車等を搬送する場合があるものであつ
て、その場合には、自動車等を持ち上げるエジエ
クト装置は、自動車等の位置決め、クランプ等を
行う治具の形態、取付け位置が変更するものであ
り、上記自動車等の変更に対処するための治具の
交換、調整に多大の時間を要し、稼動率が低下す
る不具合を有するものである。

本考案はかかる点に鑑み、シヤトル装置上の自
動車等を持ち上げるエジエクト装置が、搬送方向
に沿つて両側に設けた複数のエジエクトロツド
と、各側において少なくとも２つのエジエクトロ
ツドの上部で水平状態で回転自在に支持され且つ
それぞれに複数の治具を取り付けるようにした一
対の治具取付けバーと、この治具取付けバーを回
転させるロータリアクチユエータと、治具取付け
バーの回転位置を規制するストツパ機構とを備え
るようにした自動車等の搬送装置を提供し、複数
種類の自動車等の搬送に適合できるようにしたも
のである。

以下、本考案の実施例を図面に沿つて説明す
る。第１図および第２図には自動車車体の組付け
ラインにおける搬送装置の一部を示すものであつ
て、１は自動車車体２を載置して水平方向（図の
右方から左方）に移送するシヤトル装置、３は該
シヤトル装置１の両側に配設されそのシヤトル装
置１上の自動車車体２を持ち上げるエジエクト装
置であつて、このエジエクト装置３で自動車車体
２を持ち上げた状態で所定の組付け作業が行われ
るものである。

上記シヤトル装置１は、上面に自動車車体２支
持用の治具４ａを備えた搬送方向に長いシヤトル
バー４を有し、該シヤトルバー４は駆動モータ５
によりラツク、ピニオン（図示せず）を介して水
平方向に往復運動するように構成され、往動時に
自動車車体２を次の作業ステーシヨンに順次搬送
し、エジエクト装置３により自動車車体２が持ち
上げられた時に、逆方向に復動し次の移送に備え
るものである。

次に、上記エジエクト装置３において、６はシ
ヤトル装置１の両側に所定間隔をもつて搬送方向
に沿つて配設された複数（図の場合片側に３本
宛）のエジエクトロツド、７は該エジエクトロツ
ド６の上部に水平状態で回転自在に支持された後
部一対の角柱状の回転治具取付けバー、８は該回
転治具取付けバー７の前方に同じくエジエクトロ
ツド６の上部に水平状態で回転不能に支持された
前部一対の固定治具取付けバー、９は上記回転治
具取付けバー７を回転させるロータリアクチユエ
ータである。

両治具取付けバー７，８には、持ち上げる自動
車車体２の位置決め、クランプ等を行う治具１０
が取り付けられるものであるが、回転治具取付け
バー７にはその複数の面に上記治具１０が取り付
けられるものであつて、その異なる面には種類の
異なる自動車車体２用の治具１０が固定される。
尚、図示したものにおいては、車種の変更に対す
る自動車車体２の変更部分はその後方部分に限ら
れている場合である。

上記エジエクトロツド６は、油圧シリンダ１１
の作動が、ラツクバー１２、ピニオンを包含する
伝達機構１３を介して伝達され、シヤトル装置１
両側の全部のエジエクトロツド６が同期して同時
に上下昇降動するように構成されている。

尚、シヤトル装置１は組付けラインの長さだけ
長手方向に延長して設けられ、このシヤトル装置
１の両側に作業工程数に応じた数の作業ステーシ
ヨンを構成するエジエクト装置３が所定間隔で順
次配設されるものである。

次に、上記エジエクト装置３の具体的構造を、
２車種用と３車種用とについてそれぞれ詳細に説
明する。

＜実施例 １＞ 第３図ないし第７図に示すように本例のエジエ
クト装置３Ａは２車種用であつて、前記回転治具
取付けバー７の上面と下面にそれぞれ異なる種類
の自動車車体２用の治具１０，１０が取り付けら
れるものである。この回転治具取付けバー７は一
端が固定治具取付けバー８の軸受１４に支承さ
れ、他端はエジエクトロツド６の上部に固定され
たブラケツト１５に立設された軸受１６に支承さ
れるとともに、該ブラケツト１５に固定されたロ
ータリアクチユエータ９に連結されて水平状態で
回転自在に設けられている。

１７は上記回転治具取付けバー７の回転位置を
規制するストツパ機構であり、該ストツパ機構１
７は第５図に示す如く、固定治具取付けバー８に
固着された固定板１８と、回転治具取付けバー７
に固着されて一体的に回転し両側に上記固定板１
８の上下面に当接する２つの当接面１９ａ，１９
ｂを有する回動板１９とからなり、一方の当接面
１９ａが固定板１８の片面に当接して第１の回転
位置が規制されるとともに、他方の当接面１９ｂ
が固定板１８の他面に当接して第２の回転位置が
規制されるものであり、回転治具取付けバー７が
180゜回転した位置でそれぞれ停止されるもので
ある。

又、２０は回転治具取付けバー７の回転位置を
固定するロツク機構であり、このロツク機構２０
は第６図にも示す如く、治具取付けバー７と一体
的に回転する軸部２１の両側に180゜の位相差を
もつて互いに平行な平坦面２１ａ，２１ａが設け
られる一方、ブラケツト１５にロツクシリンダ２
２が固定され、このロツクシリンダ２２のロツド
２２ａの伸縮動により、ロツド２２ａの先端面と
上記平坦面２１ａ，２１ａが当接してロツクする
ように構成されている。

さらに、２３はロータリアクチユエータ９の治
具取付けバー７と反対側の軸端部９ａに固定され
た切換カムであつて、該切換カム２３は治具取付
けバー７の回転と同じに回転し、作動子２３ａ，
２３ａがその回転停止位置に応じてそれぞれの回
転位置検出用のリミツトスイツチ２４，２４を作
動させるものであり、このリミツトスイツチ２
４，２４により前記ロツクシリンダ２２を作動さ
せる。

又、上記切換カム２３はその両側内側面が、前
記固定板１８と回転板１９とが当接する前に、緩
衝部材２５の両側に突出した出没子２５ａ，２５
ａに当接して該出没子２５ａ，２５ａを圧入する
ものであつて、これにより治具取付けバー７の回
転は緩速化され、ストツパ機構１７における停止
時の衝撃が緩和される。

上記の如き本例エジエクト装置３Ａによれば、
車種の変更時には、ロツク機構２０のロツクシリ
ンダ２２によりロツク状態を解除した後、ロータ
リアクチユエータ９を作動して回転治具取付けバ
ー７を治具１０とともに回転させ、変更後の車種
に対応した治具１０を上面に回動させ、切換カム
２３が緩衝部材２５の出没子２５ａに当接して緩
速された状態でストツパ機構１７により回転位置
が正確に規制されるのに続き、ロツク機構２０が
作動して治具取付けバー７の回転位置をロツクす
る。よつて、変更後の車種用の治具１０が治具取
付けバー７の上面に位置し、新しい車種の自動車
車体２を位置決め保持して持ち上げることができ
るものである。

＜実施例 ２＞ 第８図ないし第１３図に示すように本例のエジ
エクト装置３Ｂは３車種用であつて、治具取付け
バー７の上面と両側面の３面にそれぞれ異なる種
類の自動車車体２用の第１〜第３治具１０ａ，１
０ｂ，１０ｃが取り付けられるものである。この
治具取付けバー７は、両端がそれぞれエジエクト
ロツド６，６の上部に固定されたブラケツト２
６，２７に立設された軸受２８，２８に支承され
るとともに、一端部（左端）にはブラケツト２６
に固定されたロータリアクチユエータ９が連結さ
れて水平状態で回転自在に設けられている。

２９および３０は、上記治具取付けバー７の回
転位置を規制する第１ストツパ機構および第２ス
トツパ機構であり、第１ストツパ機構２９は治具
取付けバー７の両側面の第１および第３車種用の
第１および第３治具１０ａ，１０ｃの回転位置を
規制するものであり、第２ストツパ機構３０は治
具取付けバー７の上面の第２車種用の第２治具１
０ｂの回転位置を規制するものである。

すなわち、上記第１ストツパ機構２９は、第１
０図に示す如く、治具取付けバー７の軸部３１下
方のブラケツト２６に固着された固定板３２と、
治具取付けバー７の軸部３１に固着されて一体的
に回転し両側に上記固定板３２の両側面に当接す
る２つの当接面３３ａ，３３ｂを有する回動板３
３とからなり、一方の当接面３３ａが固定板３２
の片面に当接して第１の回転位置が規制されると
ともに、他方の当接面３３ｂが固定板３２の他面
に当接して第３の回転位置が規制されるものであ
り、治具取付けバー７が180゜回転した位置でそ
れぞれ停止されるものである。

一方、上記第２ストツパ機構３０は、第１１図
および１２図に示す如く、治具取付けバー７の軸
部３１側方のブラケツト２６に固着されたガイド
３４に上記軸部３１に対して接離自在に移動可能
に支持された基体３５と、該基体３５にピン３６
にて揺動自在に支承された第１および第２揺動片
３７，３８と、該基体３５を摺動させるシリンダ
３９と、治具取付けバー７の軸部３１に上記第１
および第２揺動片３７，３８と対向して固着され
て一体的に回転する第１および第２回動片４０，
４１とを有している。

第１回動片４０と第２回動片４１とはそれぞれ
相対する当接面４０ａ，４１ａを有し、第１揺動
片３７と第２揺動片３８もその先端に上記両当接
面４０ａ，４１ａと当接可能な相対する係止面３
７ａ，３８ａをそれぞれ有している。又、第１揺
動片３７は、その先端下部の係止面３７ａが第１
回動片４０の当接面４０ａと当接した際に、その
後部下面が基体３５の第１規制面３５ａに当接し
てその上方揺動が規制されるように基体３５に支
承されているとともに、基体３５との間に連結さ
れたスプリング４２により第１規制面３５ａに当
接する回転方向に付勢されている。一方、第２揺
動片３８は、その先端上部の係止面３８ａが第２
回動片４１の当接面４１ａと当接した際に、その
前部下面が基体３５の第２規制面３５ｂに当接し
てその下方揺動が規制されるように基体３５に支
承されている。尚、４３は第２揺動片３８の上方
揺動限界を規制する突起である。

又、４４は、シリンダ３９によつて揺動する基
体３５に固着された作動体４５によつて作動し、
基体３５の移動位置を検出するリミツトスイツチ
である。

さらに、治具取付けバー７のロータリアクチユ
エータ９と反対側の軸部４６には、３つの切換カ
ム４７ａ，４７ｂ，４７ｃが固着され、この切換
カムは第１３図にも示すように、治具取付けバー
７の回転に応じてそれぞれの回転位置でリミツト
スイツチ４８ａ，４８ｂ，４８ｃを作動するもの
であつて、治具取付けバー７の各回転位置を検出
するものである。

本例においては、上記第２ストツパ機構３０
は、治具取付けバー７を第２治具１０ｂが上面に
来る第２の回転位置に停止する際に、シリンダ３
９の作動によつて基体３５を前進させて回動片４
０，４１と揺動片３７，３８を当接可能とし、前
記第１ストツパ機構２９による第１および第３の
回転位置での停止時には、基体３５を後退させて
回動片４０，４１と揺動片３７，３８とが当接し
ないようにするものである。

又、第２ストツパ機構３０は、治具取付けバー
７の回転方向に応じて回動片４０，４１と揺動片
３７，３８の当接関係が異なるものである。第１
１図は、第１治具１０ａが上面にある第１の回転
位置から90゜回転した第２の回転位置に停止させ
た場合であつて、第１回動片４０と第１揺動片３
７が係止して治具取付けバー７の回転を規制して
おり、第２揺動片３８は第２回動片４１にて押し
上げられている。尚、この状態からの第２揺動片
３８の復帰はその自重によつて行われる。

これに対し、第１２図は、第３治具１０ｃが上
面にある第３の回転位置から前記と逆方向に90゜
回転して第２の回転位置に停止させた場合であつ
て、第２回動片４１と第２揺動片３８が係止して
治具取付けバー７の回転を前記第１１図の場合と
同一位置に規制しており、第１揺動片３７は第１
回動片４０にて押し下げられている。尚、この状
態からの第１揺動片３７の復帰はスプリング４２
によつて行われる。

上記の如き本例エジエクト装置３Ｂによれば、
車種の変更時には、この変更後の車種に対応した
回転位置に治具取付けバー７をロータリアクチユ
エータ９によつて回転させるものであるが、その
回転位置に応じて第１ストツパ機構２９もしくは
第２ストツパ機構３０により治具取付けバー７の
回転を規制し、所定の治具１０ａ，１０ｂもしく
は１０ｃが上面に来るように停止させることによ
り、３種類の車種に適合できるものである。

従つて、以上の如き本考案自動車等の搬送装置
によれば、シヤトル装置上の自動車等を持ち上げ
るエジエクト装置を、エジエクトロツド上で且つ
ロータリアクチユエータによつて水平状態で回転
可能に支持された治具取付けバーに複数の治具を
取り付けるようにするとともに、ストツパ機構に
より治具取付けバーの回転位置を規制するように
構成し、治具取付けバーの回転位置を選択するこ
とにより複数種類の自動車等の搬送に適合できる
ようにしたものであつて、種類の変更に短時間で
対処でき、稼動率の向上を図ることができる利点
を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は搬
送装置の一部概略平面図、第２図は同側面図、第
３図ないし第７図は２車種用の本考案１のエジエ
クト装置を示し、第３図は要部平面図、第４図は
同側面図、第５図は第３図のＡ−Ａ線に沿う断面
図、第６図は同Ｂ−Ｂ線に沿う断面図、第７図は
同Ｃ−Ｃ線に沿う矢視図、第８図ないし第１３図
は３車種用の実施例２のエジエクト装置を示し、
第８図は要部平面図、第９図は同側面図、第１０
図は第８図のＤ−Ｄ線に沿う断面図、第１１図は
同Ｅ−Ｅ線に沿う断面図、第１２図は異なつた係
止状態を示す第８図のＦ−Ｆ線に沿う断面図、第
１３図は第８図のＧ−Ｇ線に沿う矢視図である。 １……シヤトル装置、２……自動車車体、３，
３Ａ，３Ｂ……エジエクト装置、４……シヤトル
バー、４ａ……治具、５……駆動モータ、６……
エジエクトロツド、７，８……治具取付けバー、
９……ロータリアクチユエータ、１０……治具、
１７，２９，３０……ストツパ機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車等を載置して水平方向に移送するシヤト
   ル装置とそのシヤトル装置上の自動車等を持ち上
   げるエジエクト装置とからなる自動車等の搬送装
   置において、上記エジエクト装置が、搬送方向に
   沿つて両側に設けた複数のエジエクトロツドと、
   各側において少なくとも２つのエジエクトロツド
   の上部で水平状態で回転自在に支持され且つそれ
   ぞれに複数の治具を取り付けるようにした一対の
   治具取付けバーと、この治具取付けバーを回転さ
   せるロータリアクチユエータと、治具取付けバー
   の回転位置を規制するストツパ機構とを備え、複
   数種類の自動車等の搬送に適合できるようにした
   ことを特徴とする自動車等の搬送装置。