JPS61270302A - 鉄基自溶性合金粉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は溶射その他の方法により肉盛表面層を形成する
ために使用する耐摩耗性のある鉄基自溶性合金粉に関す
るものである。

（従来の技術） 溶射等の方法により肉盛表面層を形成−するために使用
する自溶性合金粉は一般的にニッケル基またはコバルト
基に自溶性を付与する成分としてホウ素およびシリコン
が添加されたものを基本組成とし、これにクロム、炭素
、タングステンまたはモリブデンなどの合金成分が添加
されている。これらのニッケル基およびコバルト基の自
溶性合金粉はホウ素およびシリコンの自溶性作用により
合金の溶射性、溶融性などが良く、このため肉盛作業性
が非常に良好で、また耐熱性、耐摩耗性にも比較的すぐ
れている。しかし、自溶性合金の肉盛性と耐摩耗性とに
相反する傾向が認められ、耐摩耗性が要求され特に過酷
な摩耗を受ける条件の個所では肉盛性を性能の主体にお
いたニッケル基およびコバルト基の自溶性合金では満足
されないうえに高価である。そこで、一般的な金属であ
る鉄を用いることも特公昭５７−６５０８号公報等によ
って提案されているが、この公報によれば鉄は５％以上
添加されると自溶性が低下し目的を達成できないとされ
ている。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は安価な鉄を用いておりながら、特に過酷な摩耗
を受ける条件の個所でも耐摩耗性に優れているとともに
肉盛性も良り、シかも、安価な鉄基自溶性合金粉を提供
しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明の鉄基自溶性合金粉は、重量パーセントで、クロ
ムｌＯ〜３０％、モリブデン５〜１５％、バナジュウム
１０％以下、ホウ素１〜５％、炭素１〜５％、シリコン
０．１〜５％、マンガン０．１〜５％、ニッケル１５％
以下、コバルト１５％以下、残部鉄よりなるものである
。

（作用） 以下に本発明の各成分の作用とその限定理由を述べる。

クロムは他の炭化物、ホウ化物を生成する成分とともに
炭素またはホウ素と結びついて硬い複合炭化物または複
合ホウ化物を形成し、耐摩耗性を向上させる。クロムの
作用は含有量が１０％以上で著しくなり、３０％を越え
ると合金の融点が高くなり、肉盛作業性が悪くなるから
、クロムの含有量は１０〜３０％に限定される。

モリブデンは５％未満の含有量ではほとんど効′　果が
認められないが、５％以上になると含有量の増加にした
がい硬さおよび耐摩耗性が著しく向上する。しかし１５
％を越えると粗大炭化物が生成し始めて脆くなるから、
モリブデンの含有量は５〜１５％に限定される。

バナジウムは全く添加しなくても自溶性合金として目的
を達成できるが、１０％以下の範囲で添加すると微細な
炭化物を均一に晶出し、耐摩耗性をより向上させる効果
がある。しかし、含有量が１０％を越えるとバナジウム
炭化物はその結晶核数が増加せず、形状が粗大化し始め
、添加量に見合った耐摩耗性の向上も認められなくなる
から、バナジウムの含有量は１０％までである。

ホウ素はヒユージングの時に酸化物を浮上分離させる自
溶性を付与する成分で、１％以上の含有量になると自溶
性が発揮される。またホウ素番マ硬いホウ化物を形成す
るから耐摩耗性を向上させるための効果的な成分でもあ
るが、含有量が５％を越えるとホウ化物が多くなり過ぎ
て跪くなるから、ホウ素の含有量は１〜５％が適当する
範囲である。

炭素は融点を下げて肉盛性を改善すると同時に種々の炭
化物生成成分と結びついて炭化物を生成して耐摩耗性を
向上させる。炭素含有量が１％未満では炭化物の生成が
不充分で耐摩耗性が劣るものとなり、５％を越えると炭
化物量が多くなり過ぎ脆くなるから、炭素含有量の適当
する範囲は１〜５％である。

ニッケルおよびコバルトは肉盛時の酸化を低減して肉盛
作業性を改善する作用を有するが、全く添加しなくても
自溶性合金として作用する。しかし１５％以下の範囲で
添加すればそれだけ肉盛作業性が改善される。両成分は
いずれも高価で合金の価格の上昇をきたすから、ニッケ
ルまたはコバルトの含有量は１５％以下が適当な量であ
る。

その他、原料に起因してアルミニウム、リン、イオウな
どの不純分を若干含有することがあっても差支えない。

（実施例） 実施例Ｉ クロム１５．４％、モリブデン９．７％、バナジウム４
．８％、ホウ素４．０％、炭素２．２％、シリコン１．
１％、マンガン２．９％、残部鉄よりなる鉄基自溶性合
金粉および比較例として市販のクロム１７％、ホウ素３
．５％、炭素１％、シリコン４％、鉄４％、残部ニッケ
ルよりなるニッケル基自溶性合　　″金粉を予めスチー
ル・グリッド・ブラストにて前　　□処理した４０ｆｉ
Ｘ６０鶴×７１ｍの一般構造用圧延鋼材ＪＩＳ　Ｇ　３
１０１の５Ｓ４１製平板に酸素−アセチレン粉末溶射機
を用いて熔射し、その後直ちに同しく酸素−アセチレン
炎にて加熱ヒユージングして厚さ約１．５鶴、ロックウ
ェル硬さＩＩＲＡ８６．５の鉄基自溶性合金肉盛層と厚
さ約１．５　ｍ　（ロックウェル硬さＨＲ＾８１．４　
）のニッケル基自溶性合金肉盛・層とを得た。耐摩耗性
の基準試料として合金工具鋼材ＪＩＳ　Ｇ　４４０４の
冷間金型用３ＫＤ１１製（ロックウェル硬さＨＲ＾８１
）で４０鶴×６０ｆｉ×８．５ｆｉの平板を用い、各試
料のブラスト摩耗試験を投射材として三河５号硅砂、投
射ノズル孔径９謹φ、投射圧力５ｋｇ　／　ｃｄ、投射
角度１７．５度、投射路１ｊｉＩ６０ｎ、投射時間５分
の条件で行った。その結果、ニッケル基自溶性合金によ
る肉盛層の耐摩耗性がＳＫＤ　−Ｉｆの０．９１倍に対
して本実施例の鉄基自溶性合金粉による肉盛層は５ＫＤ
−１１の１．７２倍の耐摩耗性を示した。

実施例２ クロム２７．８％、モリブデン５．７％、ホウ素１゜５
％、炭素４．３％、シリコン４．５％、マンガン４゜６
％、残部鉄よりなる鉄基自溶性合金粉を予めスチール・
グリッド・ブラストにて前処理した４０額×６０龍×７
鰭の一般構造用圧延鋼材ＪＩＳ　Ｇ　３１０１の５Ｓ４
１製平板に酸素−アセチレン粉末溶射機を用いて熔射し
、その後直ちに水素ガス雰囲気の炉中にて１１５０℃で
、１分間加熱ヒユージングして厚さ約１．５　ｎロック
ウェル硬さＨＲＡ８５．６の鉄基自溶性合金肉盛層を得
た。摩耗性の基準試料として合金工具鋼材ＪＩＳ　Ｇ　
４４０４の冷間金型用５ＫＤＩＩ製（ロックウェル硬さ
Ｈ１？Ａ８１　）で４０■Ｘ　６０　ｔｍ　Ｘ８．５鶴
の平板を用い、各試料のブラスト摩耗試験を投射材とし
て三浦５号珪砂、投射ノズル孔径９鶴φ、投射圧力５　
ｋｇ／ｃｄ、投射角度１７．５度、投射距離６０ｍｍ、
投射時間５分の条件で行った。その結果、本実施例の鉄
基自溶性合金粉による肉盛層はＳＫＤ　−１１の１．５
９倍の耐摩耗性を示した。

実施例３ クロム１１．３％、モリブデン１４．２％、バナジウム
８．９％、ホウ素４．８％、炭素１．２％、シリコン１
．１％、マンガン２，１％、残部鉄よりなる鉄基自溶性
合金粉を予めアルミナ・ブラストにて前処理した７　０
　ｍ　Ｘ　９０　ｖｍ　Ｘ　７　ｍの一般構造用延鋼材
ＪＩＳ　Ｇ　３１０１の５Ｓ４１製平板上に載せ、窒素
ガス雰囲気の炉中にて１１２０℃で１分間加熱ヒユージ
ングして厚さ一約１．５鶴ロックウェル硬さ１（ＲＡ８
６．９の鉄基自溶性合金肉盛層を平板上に得た。端部の
肉盛層は薄かったので厚さが約１，５鶴である試料の中
央部から肉盛した４　０　ｗ　Ｘ　６００Ｘ約８．５鰭
の平板を切出し、ブラスト摩耗試験を投射材として三浦
５号珪砂、投射ノズル孔径９ｗφ、投射圧力５　ｋｇ　
／　ｃｄ、投射角度１７．５度、投射距離６０鶴、投射
時間５分の条件で耐摩耗性試験を行った結果、本実施例
の鉄基自溶性合金粉による肉盛層は５Ｋｎ−１１の１．
８６倍の耐摩耗性を示した。

実施例４ クロム１４．６％、モリブデン１０．０％、バナジウム
５．１％、ホウ素３．２％、炭素２．４％・シリコン０
゜３％、マンガン０．３％、ニッケル１３．２％、コバ
ル）　１２．８％、残部鉄よりなる鉄基自溶性合金粉お
よび比較例として市販のクロム１７％・ホウ素３．５％
、炭素１％、シリコン４％・鉄４％・残部ニッケルより
なるニッケル基自溶性合金粉を予めスチール・グリッド
・ブラストにて前処理した１９鶴φ×２００鶴の丸棒表
面に酸素−アセチレン粉末溶射機を用いて熔射し、その
後直ちに同じく酸素−アセチレン炎にて加熱ヒユージン
グして厚さ約０．５０の肉盛層を得た。この肉盛丸棒よ
り約２０日φＸ３Ｑｍの円柱を切出し、切断両端面に２
２ｆｉφ×４鶴の円盤状をした２７％クロム白鋳鉄を同
心円状に有機接着剤で接着し、摩耗試験用試料とした。

また合金工具鋼鋼材ＪＩＳ　Ｇ　４４０４の冷間金型用
５ＫＤ−１１製（ロックウェル硬さＨＲ＾８１）の２０
０φ×３０ｎの円柱の両端に同じく２２ｆｉφＸ４ｍの
円盤状をした２７％クロム白鋳鉄を同心円状に接着して
基準試料とした。これらの試料をバレル内容積１９００
ｍＪ、回転半径２００ｆｉの遠心バレル機を用い、バレ
ル回転数２０゜ｒ’ｐ’ｍ・焼成メディア（ＩＣ−７２
０）　１．５　ｋｇ。

コンパウンド（ＧＬＣ）　２　ｃｃ、水７００ａ＋１．
試験時間５時間の条件で摩耗試験を行い、その後両端面
に接着した円盤状をした２７％クロム白鋳鉄および接着
材を除去し、円柱のみの摩耗量を調査した結果、ニッケ
ル基自溶性合金粉による肉盛層の耐摩耗性は５ＫＤ−１
１の０．７９倍であるのに対して、本実施例の鉄基自溶
性合金粉による肉盛層はＳＫＤ　−１１の１．２９倍の
耐摩耗性を示した。

（発明の効果） 前記説明から明らかなように、従来のニッケル基および
コバルト基の溶射用自溶性合金では耐摩耗性のうえで満
足されず、また、これらの自溶性合金の主成分がニッケ
ルまたはコバルトであるため高価であるという欠点を有
しているのに対し、本発明は鉄を多量に用いておりなが
ら、特に過酷な摩耗を受ける条件の個所でも耐摩耗性に
優れているとともに肉盛性も良くしかも安価な溶射等に
使用する鉄基自溶性合金粉を提供できたもので、本発明
は産業の発達に寄与するところ極めて大なるものがある
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 重量パーセントで、クロム１０〜３０％、モリブデン５
   〜１５％、バナジュウム１０％以下、ホウ素１〜５％、
   炭素１〜５％、シリコン０．１〜５％、マンガン０．１
   〜５％、ニッケル１５％以下、コバルト１５％以下、残
   部鉄よりなる鉄基自溶性合金粉。