JPS6124045B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は撹拌機の回転制御装置に関するもので
ある。

例えば撹拌機で撹拌をしながら重合反応を促進
させるポリエステル等の重合反応槽では、槽内反
応物の重合が進むにつれて反応熱が発生するが、
同時に反応が進んだことによつて粘度も大きくな
り、そのため撹拌熱が発生し重合反応に悪い影響
を与え、また撹拌機の回転負荷も粘度が大きくな
つたことによつて増大することになるので原動機
がオーバーロードになる恐れがある。そこでこれ
ら撹拌熱及び負荷を調整するため撹拌機の回転機
を制御する必要がある。

従来この種の重合反応槽の撹拌機の回転制御方
法としてはモータの極数変換方式、可変速モータ
ーによる方式、機械的減速機による変速方式等も
あるが、これらはいずれも手動式で操作していた
ので省力化、品質の安定化のため自動化が強く要
望されていた。

本発明は上記のうち機械的減速機による変速方
式を完全自動化して実用上好適なものにしたもの
であり、撹拌機に減速機及び変速機を介して主電
動機を連結すると共に、変速機に変速機操作用電
動機を連結し、主電動機の負荷及び撹拌機の回転
数を検出して変速機操作用電動機の運転・停止を
制御するようにした装置において、変速機の変速
操作軸に、該軸と同軸にねじ棒を設け、該ねじ棒
にソケツトを螺合させると共にこのソケツトは回
転しないように構成してねじ棒の正逆回転によつ
てソケツトがねじ棒上を往復移動し得るように構
成し、前記ソケツトの移動経路に該ソケツトの移
動位置を検出して前記操作軸の駆動を制御するリ
ミツトスイツチを設けた撹拌機回転制御装置を要
旨とするものである。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は重合反応槽の概略図を示したもので、
１は熱媒加熱用ヒータ、２は反応槽ジヤケツト、
３は重合反応槽、４は撹拌機、５は減速機、６は
変速機、７は変速機操作用電動機、８は主電動機
（37^KW）、９は熱媒を示している。ところでジヤケ
ツト２に入る熱媒９はプログラム制により一定の
温度曲線になるべくヒータ１を制御している。従
つて槽３内の温度はジヤケツト２の加熱と、重合
反応による反応熱と、要に反応が進むにつれて重
合度が大きくなつたことによつて粘度が大になる
ため撹拌機４を一定回転で回転させれば負荷の増
大と共に上昇する撹拌熱とによつて変化する。第
２図は共重合ポリエステル製造の具体例に関し、
横軸に反応進行時間を示し縦軸にＡは反応槽内温
度、Ｂは熱媒温度、Ｃは撹拌機回転数、Ｄは主電
動機８の電力変化を示す。そこで槽３内温度は第
２図で示したＡの曲線になるように反応を進行さ
せようとするならば、撹拌熱をいかに均一化する
か、即ち撹拌機の回転数をいかに制御するかが一
番の問題点とされる。従来はこの撹拌機の回転を
手動で減速比を変え一定時間毎に回転を決めてい
た。

第３図は本発明装置の要部拡大図を示すもの
で、１０は変速機６の変速操作軸６ａと同軸に連
結された30゜の梯形ねじ棒であり、このねじ棒１
０にはねじ棒１０の回転に伴つて一緒に回転しな
いように一部分がねじ棒１０と同方向に設けた溝
（図示せず）に係合したソケツト１１が螺合して
おり、従つてソケツト１１はねじ棒１０の正逆回
転によつて往復移動する。ソケツト１１の移動経
路上には、その移動位置即ち変速機６の変速操作
軸の回転数の程度によつて撹拌機４の減速比回転
数が検出できるようにこの移動経路を挾んでジグ
ザグ状にリミツトスイツチLSnが複数個配置され
ている。１３はリミツトスイツチLSnのブラケツ
トである。第４図は縦軸に撹拌機４の回転数と横
軸にソケツト１１位置の相関を示したものでリミ
ツトスイツチLS₁は16rpmを検出し、リミツトス
イツチLS₆は40rpmを検出する。

そこでまず第２図に示すように始動時は撹拌機
４の回転数を40rpmで開始する。重合反応が進む
につれて粘度が大きくなるので撹拌熱が上昇し槽
３内温度が上る。槽３内の最高温度は品質上275
℃以下にしなければならない。また撹拌熱の上昇
と共に撹拌機４の負荷も増大するが、こほ撹拌機
４の電動機８は35KWが最も良いのでこれらの条
件から、第２図のＣ曲線に従つて撹拌機４の回転
数を制御することになる。始動から電動機８の負
荷が増大して35KWになると変速機操作用電動機
７を運転する図外の制御装置を動作させて、この
変速機操作用電動機７を運転し撹拌機４の回転数
を35rpmに下げる。この際ねじ棒１０も同時に回
転するからソケツト１１は移動してリミツトスイ
ツチLSnに当り撹拌機の回転数を検出し上記制御
装置を動作させて変速機操作用電動機７を停止さ
せ、撹拌機４を回転数35rpmで回転させる。さら
に重合反応が進行し、電動機８の負荷が増大して
35KWになると電気信号により変速機操作用電動
機７を運転する制御装置を動作させて、再度この
変速機操作用電動機７を運転し、撹拌機４の回転
数を30rpmに下げ、前記と同様にして、撹拌機４
の回転数を検出し、上記制御装置を動作させて変
速機操作用電動機７を停止させる。このようにし
て所定の時間反応し、反応物の粘度が高くなり、
撹拌機４の電動機８の負荷が増大して35KWにな
る毎に変速機操作用電動機７を運転し、撹拌機４
の回転数を順次下げる。

以後所定の反応時間帯で移動するソケツト１１
によつて各リミツトスイツチLSnが27、25、
16rpmの回転数を順次検出して制御装置を動作さ
せ変速機操作用電動機７の運転停止を繰返して段
階的に自動的に撹拌機４の回転数を下げ重合反応
を完了させる。

本発明は以上の実施例でも明らかのように、撹
拌熱を粘度との関連から撹拌機の負荷を自動的に
下げ反応槽内の温度を均一化し品質の向上を図り
得るものであり、従来手動変速であつたこれらの
ものを完全自動化して省力化及び電動機の保護を
可能にし、また回転数の上下限をインターロツク
に組入れることができ減速機の機械保護をも可能
にしたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は撹拌機の全体説明図、第２図は具体例
における反応進行時間と反応槽内温度Ａ、熱媒温
度Ｂ撹拌機設定回転数Ｃおよび主電動機の電力変
化Ｄの関係を示すグラフ、第３図は本発明装置の
一実施例を示す要部拡大図、第４図はリミツトス
イツチと撹拌機の回転数との関係を示すグラフで
ある。 ４……撹拌機、５……減速機、６……変速機、
７……変速機操作用電動機、８……主電動機、１
０……ねじ棒、１１……ソケツト、LSn……リミ
ツトスイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 撹拌機に減速機及び変速機を介して主電動機
   を連結すると共に、変速機に変速機操作用電動機
   を連結し、主電動機の負荷及び撹拌機の回転数を
   検出して変速機操作用電動機の運転・停止を制御
   するようにした装置において、変速機の変速操作
   軸に該軸と同軸にねじ棒を設け、該ねじ棒にソケ
   ツトを螺合させると共にこのソケツトは回転しな
   いように構成してねじ棒の正逆回転によつてソケ
   ツトがねじ棒上を往復移動し得るように構成し、
   前記ソケツトの移動経路に該ソケツトの移動位置
   を検出して前記操作軸の駆動を制御するリミツト
   スイツチを設けた撹拌機回転制御装置。