JPS6123829Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は針とムーブメント部品にガタを設けた
腕時計の部品固定に関する。

従来の腕時計の針固定構造は時針、分針にハカ
マを設けて筒車、筒カナとの締代により固定して
いる構造が主であり、この構造においては第１に
針が外れないように固定力を確保する必要があり
従つて針の厚さを厚くしなければならず、また針
が厚いため剛性でありスキマを充分にあけなくて
はスレて止りになるためムーブメントの針部が厚
くなる欠点があつた。第２に針の押込力、固定力
が高く針の押込時、外し時に針の変形、キズ、他
部品の変形が発生する欠点があつた。第３に筒カ
ナ、筒車及び分針、時針が円筒状でニゲがないた
め一度押込むと塑性変形をおこし易く、再び押込
んだ場合の固定力が低下するため衝撃によりユル
ミや外れがおこりやすいという欠点を有してい
た。

本考案は上述した問題点を解決することを目的
としたものである。

本考案の要旨は、時針と、分針と、時針と軸係
合する筒車と、分針と軸係合する筒カナと、時針
及び分針の下方に配置される文字板と、時針及び
分針の下方に配置されるガラスとを有し、前記時
針と筒車の軸係合部及び前記分針と筒カナの軸係
合部がそれぞれ非円形に形成されて遊合してお
り、前記文字板の表面には、時針の下部に構成さ
れる中心側の文字板低部と、この文字板低部上り
外周側で時針先端より外方且つ分針先端より内方
に配置され時針の針厚より高く形成されている文
字板段部とが設けられており、前記時針と筒車の
軸係合長さな時針における前記文字板低部とガラ
スとのスキマより長く設定され、前記分針と筒カ
ナの軸係合長さは分針における前記文字板段部と
ガラスとのスキマより長く設定されていることを
特徴とする腕時計の針固定構造である。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図，第２図，第３図，第４図は本考案の一
実施例を示したものであり、地板１に二番軸２を
案内に二番車３が組込まれ地番１をはさんで筒カ
ナ４が固定されている。筒車５は筒カナ４を案内
に組込まれ文字板６により針座７を介して位置が
決められている。時針８は文字板６により軸方向
の下方の位置を決め、ガラス９と文字板６とのス
キマを筒車５と時針８の係合量より少なくなるよ
うに設定することにより軸方向の外れを防止して
いる。文字板６の表面には、時針８の下部に構成
される中心側の文字板低部６ｂと、この文字板低
部６ｂより外周側で時針８の先端より外方で且つ
分針１０先端より内方に配置され時針８の針厚よ
り高く形成されている文字板段部６ａとが設けら
れている。また時針８には第２図，第４図に示す
時針突起８ａ又は第３図に示す非円形状８ｂを構
成し、筒車溝５ａ及び筒車非円形状５ｂと適正な
ガタをもつて係合して円周方向の位置を決めてい
る。分針１０は筒車５又は文字板低部６ａにより
軸方向の位置を決め、ガラス９と文字板６とのス
キマを筒カナ４と分針１０の係合量より少なくな
るように設定することにより軸方向の外れを防止
し、円周方向は筒車５．時針８と同様にして筒カ
ナ４．分針１０により位置を決めている。

以上の如く本考案によれば、まず時針と筒車の
軸係合部．分針と筒カナの軸係合部が平面形状非
円形で遊合しているにすぎないため、従来の如く
針を締代で固定する必要がなく、時針．分針をそ
れぞれ筒車．筒カナに単に投げ込だけでよいか
ら、各針や筒車，筒カナの変形やキズの発生もな
く、又各針の組立がしやすくなつた。又、時針．
分針は、基本的に文字板とガラスのスキマ内であ
れば、文字板表面，ガラス底面と接してもよく、
従つて従来の様な針スキマを文字板表面，ガラス
底面とムリして確保する必要がなく、従つてトー
タル的に薄型な腕時計が得られる。しかも、本考
案は文字板表面に、前述の如き文字板底面と文字
板段部とを設けたから、分針は文字板段部にスレ
るものの文字板低部側に落ちることがないから、
分針が時針とぶつかる危険性が極めて少なくなる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の腕時計の針固定構造の組立断
面図、第２図，第３図，第４図は本考案の針固定
構造の組立平面図である。 １……地板、２……二番軸、３……二番車、４
……筒カナ、５……筒車、５ａ……筒車溝、５ｂ
……筒車非円形状部、６……文字板、６ａ……文
字板段部、６ｂ……文字板低部、７……針座、８
……時針、８ａ……時針突起、８ｂ……時針非円
形状部、９……ガラス、１０……分針。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 時針と分針と、時針と軸係合する筒車と、分針
   と軸係合する筒カナと、時針及び分針の下方に配
   置される文字板と、時針及び分針の上方に配置さ
   れるガラスとを有し、前記時針と筒車の軸係合部
   及び前記分針と筒カナの軸係合部がそれぞれ非円
   形に形成されて遊合しており、前記文字板の表面
   には、時針の下部に構成される中心側の文字板低
   部と、この文字板低部より外周側で時針先端より
   外方且つ分針先端より内方に配置され時針の針厚
   より高く形成されている文字板段部とが設けられ
   ており、前記時針と筒車の軸係合長さは時針にお
   ける前記文字板低部とガラスとのスキマより長く
   設定され、前記分針と筒カナの軸係合長さは分針
   における前記文字板段部とガラスとのスキマより
   長く設定されていることを特徴とする腕時計の針
   固定構造。