JPS61236105A - ひずみ取り焼鈍による特性劣化がない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

ひずみ取り焼鈍による特性劣化がない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法

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JPS61236105A
JPS61236105A JP7660385A JP7660385A JPS61236105A JP S61236105 A JPS61236105 A JP S61236105A JP 7660385 A JP7660385 A JP 7660385A JP 7660385 A JP7660385 A JP 7660385A JP S61236105 A JPS61236105 A JP S61236105A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 磁気特性に優れた方向性けい素鋼板なかでもとくに、鉄
損の低い方向性けい素鋼板の製造に関してこの明細書で
は、ひずみ取り焼鈍による特性劣化の回避についての開
発研究の成果に関連して以下に述べる。
方向性けい素鋼板は主として変圧器その他の電気機器の
鉄心として利用され、その磁化特性が優れていること、
とくに鉄損(W17150で代表)が低いことが要求さ
れている。
このためには、第一に鋼板中の2次再結晶粒の<Oat
>粒方位を圧延方向に高度に揃えることが必要であり、
第二には、最終製品の鋼中に存在する不純物や析出物を
できるだけ減少させる必要がある。かかる配慮の下に製
造される方向性けい素鋼板は、今日まで多くの改善努力
によって、その鉄損値も年を追って改善され、最近では
板厚0.30mmの製品でW17150の値が1.05
W/Kgの低鉄損のものが得られている。
しかし、数年前のエネルギー危機を境にして、電力損失
のより少ない電気機器を求める傾向が一段と強まり、そ
れらの鉄芯材料として、さらに鉄損の低い方向性けい素
鋼板が要請されるようになっている。
(従来の技術) ところで、方向性けい素鋼板の鉄損を下げる手法として
は、St含有量を高める、製品板厚を薄くする、2次再
結晶粒を細かくする、不純物含有量を低減する、そして
(110) (QQI)方位の2次再結晶粒をより高度
に揃えるなど、主に冶金学的方法が一般に知られている
が、これらの手法は、現行の生産手段の上からはもはや
限界に達していて、これ以上の改善は極めて難しく、た
とえ多少の改善が認められたとしても、その努力の割に
は鉄損改善の実効は僅かとなるに到っていた。
これらの方法とは別に、特公昭54−23647号公報
に開示されているように、鋼板表面に2次再結晶阻止領
域を形成させることにより、2次再結晶粒を細粒化させ
る方法が提案されている。しかしながらこの方法は、2
次再結晶粒の制御が安定していないため、実用的とは言
いがたい。
その他特公昭58−5968号公報には、2次再結晶後
の鋼板の表面にボールペン状小球により、微小ひずみ鋼
板表面層に導入することにより、磁区の幅を微細化し、
鉄損を低減する技術が、また、特公昭57−2252号
公報には、最終製品板表面に、圧延方向にほぼ直角にレ
ーザービームを数mm間隔に照射し、鋼板表層に高転位
密度領域を導入することにより、磁区の幅を微細化し、
鉄損を低減する技術が提案されている。さらに、特開昭
57−188810号公報には、゛放電加工により綱板
表層に微小ひずみを導入し、磁区幅を微細化し、鉄損を
低減する同様の技術が提案されている。
これら3種類の方法は、いずれも2次再結晶後の鋼板の
地鉄表層に微小な塑性ひずみを導入することにより磁区
幅を微細化し鉄損の低減を図るものであって、均しく実
用的であり、かつ鉄損低減効果も優れてはいるが、鋼板
の打抜き加工、せん断加工、巻き加工などの後のひずみ
取り焼鈍や、コーティングの焼付は処理の如き熱処理に
よって、塑性ひずみ導入による効果が減殺される欠点を
伴う。
(発明が解決しようとする問題点) この発明は、上記した先行技術とは発想を異にした磁区
幅の細分化手段をもって、高温におけるひずみ取り焼鈍
においてもなお磁区細分化効果を失なわず、鉄損低域の
実効を確保し得るようにした方向性けい素鋼板を与える
ことを目的とする。
(問題点を解決するための手段) この発明は、方向性けい素鋼板の表面被膜を構成するフ
ォルステライト被膜の欠損部分、およびこの欠損部分の
地鉄内表面近傍層に存在させた(めっきあるいは塗布さ
せた)地鉄と熱膨張率の異なる金属の存在が、製品の磁
区幅の細分化に有利に寄与しかつ製品板のひずみ取り焼
鈍によって細分化効果を失わないという新規知見に立脚
する。
ところで方向性けい素鋼板の製造工程中、最終板厚に冷
間圧延された鋼板は、有害な炭素を取除くため通常脱炭
焼鈍が施される。
この焼鈍によって鋼板の内部に微細な分散第2相からな
る抑制剤を含有した1次再結晶集合組織となるが、同時
に鋼板表面層は微細なSiO□粒子が地鉄内に分散した
「サブスケール構造」となる。
この脱炭・1次再結晶板には、その表面にMgOを主成
分とする焼鈍分離剤を塗布したのち、2次再結晶焼鈍つ
いでそれに引き続き1200℃前後での高温の純化焼鈍
が施される。
この2次再結晶焼鈍によって鋼板の結晶粒は、(110
) (001)方位の粗大な粒になる。また高温純化焼
鈍によって鋼板内部に存在していた抑制剤の1部である
S’PSeやN等は鋼板地鉄外に除去される。
さらに、この純化焼鈍において、鋼板表層のサブスケー
ル中のSingと表面に塗布された焼鈍分離剤中のMg
Oが、次式、 2Mg0 + S10.→Mg25iOaのように反応
して鋼板表面に、フォルステライト(MgzSiOa)
の多結晶からなる被膜を形成し、このとき、余剰のMg
Oは未反応物として、鋼板と鋼板との融着を防止する役
割を果す。
高温の純化焼鈍を終えた鋼板は未反応の焼鈍分離剤を取
除き、必要に応じて絶縁コーティングの上塗りやコイル
セットを取除くための処理を施して製品となすわけであ
る。
ここに発明者らは、フォルステライト被膜の役割を再調
査した結果、この被膜が張力付加型コーティングと同様
、鋼板に張力を付加し、磁区を細分化していること、し
かも鋼板の磁区幅の細分化効果は場所により微妙に異な
っていることを見出した。
そこでさらに鋼板の磁区幅の細分化効果につき綿密な検
討を加えた結果、フォルステライトを欠損させた部分を
人為的に形成すると、その部分で磁区細分化効果が著し
くなること、さらにフォルステライトを欠損させたとき
に同時に必然的に欠損する地鉄部分に地鉄と熱膨張率の
異なる金属をめっきあるいは、塗布などにより埋込むと
、より効果は強くなり、かつひずみ取り焼鈍などの熱処
理によってもその効果が失われないことが新しく見出さ
れたのである。 上記の知見すなわち地鉄表層部に塑性
ひずみ域がみられないフォルステライト被膜付きの方向
性けい素鋼板につき、フォルステライト被膜の欠損領域
をつくること、およびその欠損領域の地鉄内表面近傍層
に地鉄と熱膨張率の異なる金属を存在させることとによ
って、ひずみ取り焼鈍によっても特性改善効果の失われ
ないことの究明に基くものである。
ここに最終仕上焼鈍を経てフォルステライト被膜を有す
る方向性けい素鋼板の表面から、フォルステライト相の
混在する表面近傍の地鉄層をも含めてフォルステライト
被膜を局部的に除去し、その除去跡面上に、地鉄と熱膨
張率の異なる金属を付着させることを特徴とする、ひず
み取り焼鈍による特性劣化がない方向性けい素鋼板の製
造方法(第1発明)、 最終仕上焼鈍を経てフォルステライト被膜を有する方向
性けい素鋼板の表面から、フォルステライト相の混在す
る表面近傍の地鉄層をも含めてフォルステライト被膜を
局部的に除去し、その除去跡面上に、地鉄と熱膨張率の
異なる金属を付着させ、さらに張力を付与する絶縁コー
ティングを施すことを特徴とする、ひずみ取り焼鈍によ
る特性劣化がない方向性けい素鋼板の製造方法。(第2
発明)、 最終仕上焼鈍後のフォルステライト被膜上に張力を付与
する絶縁コーティングを施した方向性けい素鋼板の該コ
ーティング、該フォルステライトおよび、フォルステラ
イト相の混在する表面近傍の地鉄層を局部的に除去し、
該除去部分に地鉄と熱膨張率の異なる金属を付着させ、
ついで上記張力付与コーティング膜とは異なる張力を呈
する上塗コーティングを施すことを特徴とする、ひずみ
取り焼鈍による特性劣化がない方向性けい素鋼板の製造
方法(第3発明)の手順によって上記目的を達成するも
のである。
この発明におけるフォルステライト被膜付きの鋼板とは
、表面被膜がフォルステライト被膜単味のものにかぎら
ず、その上に重ねて一般の上塗りコーティング被膜をそ
なえるものも含むのは、もちろんである。
さて、発明者らは実験室的にフォルステライト被膜の厚
みを局所的に変換させ、その領域、形状厚み差、および
方位などが磁区の細分化に及ぼす影響につき、種々の検
討を加え、鉄損との関係について調査した。
なおこの実験において局所的にフオルステライトを除去
するためには、HF溶液を用いて化学的にフォルステラ
イトを溶解した。
その結果、フォルステライトの欠損領域の形状としては
、第1図(イ)に示したような連続的ま□たは非連続的
の線状形状がとくに鉄損低減効果において有効であるこ
とが認められた。ただし非連続の線状領域においては、
点と点との間隔が0.5mm以上離れると効果は低減し
た。
この点、破線状のように線の一部が少しづつ抜けている
場合は、鉄損低減効果は線状の場合とほぼ同じであった
第2図には上記方法を用いて、板厚0 、23mn+の
方向性けい素鋼板から間隔4mmでフォルステライト被
膜を除去した後の特性を、除去幅の種々な変更の影響に
ついて示した。フォルステライト被膜を除去する上記方
法以外の方法としてナイフェツジによるような機械的手
段も考えられる。
しかしながら、これらの方法で注意しなければならない
のは、下地鉄中に塑性ひずみが加わりそれによる鉄損低
減効果がみかけ上加わることである。
それら塑性ひずみによる効果は、ひずみ取り焼鈍によっ
て効果が失われるためにこの発明法におけるフォルステ
ライト欠損と自ずから区分される。
第3図(イ)はフォルステライト被膜付きの方向性けい
素鋼板の表面に存在するフォルステライト被膜をナイフ
ェツジで0.1 mm幅および0.6 mm幅で圧延方
向と90”をなす平行線(線間隔4nm)状に除去した
後の鉄損W17150と該フォルステライトの除去によ
って導入されたひずみを取除くため800℃で5時間の
焼鈍を行なった後の鉄損とを示した。
0゜1 mm幅でフォルステライト除去をしたものはそ
の直後に塑性ひずみの効果も加わって鉄損が改善されて
いるが、ひずみ取り焼鈍によってその効果が失われるこ
とが判る。これは従来知られているボールペン等による
押圧によってひずみを導入した場合と同様でひずみ取り
焼鈍により著しく鉄損は劣化して磁区細分化による効果
は失われる。
ちなみに第4図はボールペンで圧延方向と直角に平行線
状に4mm間隔でひずみを入れた時の鉄損の改善効果と
、ひずみ取り焼鈍による効果の消失を示したものである
これらに対し第3図の(ロ)は、第3図の(イ)と同様
にフォルステライト除去後、Cuを除去部分にめっきし
たものである。Cuめっきは硫酸銅水溶液中に銅板を浸
漬することで施した。
フォルステライトの線状除去部分のみにCuは析出する
ので、線状めっきを施すことができる。
図示の結果が示すとおりフォルステライト除去部分にC
uめっきを施した場合ひずみ取り焼鈍後の磁区細分化効
果は第3図(イ)の事例と対照的に堅持されて鉄損改善
効果は著しい。
なおフォルステライト被膜の欠損領域は、圧延方向を横
切る向きにて繰返し形成することが、鋼板全体の鉄損を
下げるために有効で、たとえば第1図(ロ)に示したよ
うな領域間の間隔は、第5図に示したように1mm〜3
0mm範囲とすることが望ましい。
またフォルステライト被膜における欠損領域の形成は、
鋼板の両面であっても、片面にのみであっても、その効
果にほとんど変わりはない。次にこの発明に係る方向性
けい素鋼板の製造方法について説明する。
この発明の素材は公知の製鋼方法、例えば転炉、電気炉
などによって製鋼し、さらに造塊−分塊法または連続鋳
造などによってスラブ(鋼片)としたのち、熱間圧延に
よって得られる熱延コイルを用いる。
この熱延板は、Siを2.0〜4.0%程度含有する組
成である必要がある。というのは、Stが2.0%未満
では鉄損の劣化が大きく、また4、0%を超えると、冷
間加工性が劣化するからである。
その他の成分については方向性けい素鋼板、の素材成分
であれば、いずれも適用可能である。
次に冷間圧延により、最終目標板厚とされるが、冷間圧
延は、1回もしくは中間焼鈍を挾む2回以上の冷間圧延
により行われる。このとき必要に応じて熱延板の均一化
焼鈍や、冷間圧延に替わる温間圧延を施すこともできる
最終板厚とされた冷延板は、脱炭可能な程度の酸化性雰
囲気もしくはサブスケール形成可能な程度の弱酸化性雰
囲気中で1次再結晶焼鈍が施される。
ついで、鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離剤を
塗布した上で2次再結晶のための焼鈍とそれに続く高温
純化焼鈍(最終仕上焼鈍)を行なう。
それによって焼鈍分離剤が塗布されている表面にはフォ
ルステライトが形成される。この最終焼鈍が終了した鋼
板は通常余剰の未反応焼鈍分離剤を除去した後、必要に
応じて、電気絶縁性を付与するために絶縁コーティング
が施こされる。
フォルステライトを除去する工程はこの最終仕上焼鈍な
いしは絶縁コーティングが施こされた後に行う。なんと
なれば、フォルステライトの除去処理によって、地鉄の
部分が裸出した直後にめっき等による異種金属の地鉄表
面層への付着を施す方が、地鉄と異種金属の密着性が高
まり、より効果が発揮しうるからである。フォルステラ
イトの部分除去法としてはHF液によるエツチングを適
当なマスクを用いて行う方法、ナイフェツジにより削り
とる方法、回転円板砥石による除去方法、出力を適切に
調整したレーザービームなどの光学的除去などのいずれ
の方法でも良い。
かかる除去処理の難点は地鉄表面に塑性ひずみ域を形成
させないようにすることであるが、それには細心の注意
が必要である。塑性ひずみが導入された場合ひずみ取り
焼鈍後に、多くの場合鋼板の特性が著しく劣化するから
である。しかしこの発明による異種金属の付着によりひ
ずみ取り焼鈍後の劣化は防ぎえるようになったのである
(作 用) ここにこの発明に従い、フォルステライト被膜を除去し
、その直下の地鉄内表面層に異種金属領域を区画形成す
ることによって鉄損物性が改善される理由は、フォルス
テライト除去により鋼板表面に異張力領域が生じること
に加え、地鉄内表面層に存在する異種金属層がその付着
後の焼鈍によって反応を起こし鋼板表面層でより強い異
張力領域を生じるためであろうと考えられる。
また、フォルステライト除去作業によって不可避的に生
じる地鉄欠損領域は漏れ磁束を発生し、そのために積層
した場合の磁気特性は、漏れ磁束が隣接する板を通過す
るため、単板で測定した場合に比して劣るが、この発明
法では、欠損領域を金属で埋めることにより、上該漏れ
磁束の発生を防止するため、磁気特性の劣化を防ぐこと
ができる。
またこれらのフォルステライト除去作業は、張力コーテ
ィングが施された後に行なわれた場合磁気特性向上効果
はさらに増大する。
その理由は張力付与型コートによる張力効果が欠損部分
を線状に与えることによってフォルステライト欠損部分
の効果に加算されるからと考えられる。
しかしながら上記の処理を加えた場合鋼板の層間抵抗が
劣化するので望ましくない。この欠点を補うためにさら
に上塗コーティングを重ねて行う。
その際上記効果を保持するためには、張力コーティング
とは付与する張力の異なるコーティングが必要である。
そのためには、非張力型のりん酸マグネシウムを主剤と
するコーティングが望ましい。
このような異張力弾性ひずみを附加した方向性けい素鋼
板においては、鋼板の地鉄表層部に塑性ひずみ領域やレ
ーザー照射痕のような高転位密度領域を存在させる従来
法の場合と異なり、人為的な塑性ひずみ領域がみられな
いので、通常800℃前後で1分間から数時間にわたっ
て施されるひずみ取り焼鈍を施しても劣化がほとんどな
いという特筆すべき利点かある。前者の場合は、地鉄表
層部の塑性ひずみが高温によって消滅されていくので鉄
損の劣化が生じるという致命的な欠点を有するが、この
発明の場合はひずみ取り焼鈍の有無にかかわらず良好な
鉄損を示す。
実施例 l Si3.2%を含有するけい素鋼素材を常法に従って厚
み0.23mmの製品板とした後、軽圧力によるナイフ
ェツジではは0.1 mm、深さ2.5 μm1圧延方
向に対し70”傾いた41間隔の平行線でフォルステラ
イトの除去を行なった。ただちにフォルステライト除去
後の製品板を3%硫酸銅溶液に3部間浸漬して除去部分
の地鉄内表面層に銅を析出させた。Cuの析出量は0.
4 g/m”であった。1部は比較例AとしてCuめっ
きを施こさなかった。
つづいて当該処理板に、りん酸塩系の絶縁コーティング
を施こして無処理の比較板Bと特性を比べたところ次の
とおりであった。
Bto(T)   Wltzs。(W/kg)実施例1
1゜91    0.85 比較例A    1.91    0.86比較例B 
   1.91    0.92つづいて820℃で3
時間の焼鈍を実施例1の板と比較例A、 Bの板に施し
た結果は次のとおりであった。
B、。(T)  匈、715゜(W/kg)実施例I 
CUth取り焼鈍後)1,910.86比較例A()1
゜910゜92 比較例B()1,91   0.92 実施例 2 Si3,2%を含有するけい素鋼素材を常法にしたがっ
て厚み0.30mmの製品板とした後化学研磨液(フン
化水素酸+過酸化水素水)で幅0.6 mmで圧延方向
と直角の方向に、間隔が5mmピッチの平行配列にてエ
ツチングを施した。しかる後半量は線状にニッケルを電
解めっき(目付量0.5 g/m”) L、残り半量は
電解めっきを施こさなかった。
さらにこれらの板に対して8oo℃×3hの焼鈍を加え
たのちの成績は次のとおりであった。
実施例 3 Si3.2%を含有するけい素鋼素材を常法にしたがっ
て厚み0.23a+mの製品板とした後りん酸マグネシ
ウム25 g  に対しコロイドシリカを13 g  
含を量する組成にて張力付与型のコーティング(熱膨張
係数4X10−”/”C)を施した。
その後回転研石を用いてコーティング表面上に幅0.2
 arm、深さ3μの溝をつくり、フォルステライトを
線状除去した。この線状研削は圧延方向と直角で4mm
ピッチの繰返しの平行線とした。その後電気めっきによ
ってNiを0.5 g/m”の厚みで線状部に付着させ
、加えて非張力型のりん酸マグネシウムコーティングを
上塗りコーティング(熱膨張係数8 Xl0−’/’C
)として施した。
線状のフォルステライト除去を施こさなかった比較例と
磁性を比較すると以下のようである。
Bto(T)   匈1’F/5(1(賀/kg)実施
例 3  1.91    0.83比較例 1.9L
   O,89 上記のサンプルにそれぞれ800’cx5Hのひずみ取
り焼鈍を加えて再び磁性を測定した。
実施例 3  1.91T    O,85比較例 1
.91T  O,89 (発明の効果) かくして、第1〜第3各発明によれば、ひずみ取り焼鈍
を施しても物性が劣化しない鉄損特性に優れた方向性け
い素鋼板を得ることができて有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図はフォルステライトの欠損領域の形成要領と間隔
の定義の説明図、 第2図は除去幅の鉄損値に及ぼす影響を示すグラフ、 第3図はフォルステライト被膜を平行線状に除去し、ま
たその後に焼鈍したときの鉄損挙動を示す比較グラフ、 第4図は線状押圧による場合の性能グラフ、第5図は領
域間間隔が鉄損に及ぼす影響を示すグラフである。 同   弁理士   杉   村   興   作C召
区9

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、最終仕上焼鈍を経てフォルステライト被膜を有する
    方向性けい素鋼板の表面から、フォルステライト相の混
    在する表面近傍の地鉄層をも含めてフォルステライト被
    膜を局部的に除去し、その除去跡面上に、地鉄と熱膨張
    率の異なる金属を付着させることを特徴とする、ひずみ
    取り焼鈍による特性劣化がない方向性けい素鋼板の製造
    方法。 2、最終仕上焼鈍を経てフォルステライト被膜を有する
    方向性けい素鋼板の表面から、フォルステライト相の混
    在する表面近傍の地鉄層をも含めてフォルステライト被
    膜を局部的に除去し、その除去跡面上に、地鉄と熱膨張
    率の異なる金属を付着させ、さらに張力を付与する絶縁
    コーティングを施すことを特徴とする、ひずみ取り焼鈍
    による特性劣化がない方向性けい素鋼板の製造方法。 3、最終仕上焼鈍後のフォルステライト被膜上に張力を
    付与する絶縁コーティングを施した方向性けい素鋼板の
    該コーティング、該フォルステライトおよび、フォルス
    テライト相の混在する表面近傍の地鉄層を局部的に除去
    し、該除去部分に地鉄と熱膨張率の異なる金属を付着さ
    せ、ついで上記張力付与コーティング膜とは異なる張力
    を呈する上塗コーティングを施すことを特徴とする、ひ
    ずみ取り焼鈍による特性劣化がない方向性けい素鋼板の
    製造方法。
JP7660385A 1985-04-12 1985-04-12 ひずみ取り焼鈍による特性劣化がない低鉄損方向性けい素鋼板の製造方法 Granted JPS61236105A (ja)

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US10023932B2 (en) 2012-12-28 2018-07-17 Posco Grain-oriented electrical steel sheet, and method for manufacturing the same

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