JPS6123470Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ハンガを介して電車線を吊支する吊架線は、ハ
ンガによる摩擦や衝撃で傷つけられるので、ハン
ガの掛止箇所には吊架線を保護するカバーが取り
付けられる。本考案はこの吊架線保護カバーに関
するものである。本考案に係る保護カバーは、吊
架線を挟んで相対向して係合される一対の半部か
ら成る形式のもので、両半部が同一形状であつて
取付が容易で、構造簡単、製造容易であるが、強
い係合力が得られることを特徴とするものであ
る。

以下図についてその一実施例を説明する。この
保護カバーは、吊架線Ｗを挟んで相対向して係合
される一対の同形の半部２から成る。両半部は互
いに係合された状態において全体として糸巻状を
成し、その中間部にハンガＨが掛けられ、それの
脱落は両端部の鍔３によつて阻止される。

半部２は、弾性合成樹脂材で一体成形されたも
ので、半円筒状の胴４と、この胴４の両端外周に
相対向して設けられた一対の同形の鍔片３ａ，３
ａとから成る。

各鍔片３ａの一側には、外側に弧状の係合片５
を残すように切除された切欠６が設けられてい
る。この切欠６の周縁には、内方に高い段部６ａ
が形成されている。係合片５の先端には、内方に
突出した係合爪５ａが設けられている。

各鍔片３ａの他側には、前記切欠６と同形の突
片７が設けられている。この突片７の外周縁には
外側に高い段部７ａが形成されている。そして、
この突片７は、対向する他の半部の切欠６内へ、
互いに段部６ａ，７ａを噛合させて嵌合可能であ
る。突片７の基部外側には、対向半部の爪５ａが
係合可能な凹部７ｂが形成されている。

胴４の一方の縁部には、外方に高い段部４ａが
形成され、またその他方の縁部には内方に高い段
部４ｂが形成されており、対向半部の胴の縁部と
互いに嵌まり合うことができる。

しかして、吊架線Ｗを挟んで一対の半部を互い
に勝手違いに対向させて押し合わせれば、係合片
５を弾性的にわずかに外方にたわませながら、突
片７が切欠６内に進入し、係合片先端の爪５ａが
突片基部の凹部７ａに嵌まり込んだ状態で一体に
係合して保護カバー１を構成する。

以上要するに、本考案は、両半部が同一形状で
あるため製造が容易であると共に、取付作業が簡
単で、暗い状況下においても取付が迅速に行える
利点がある。また構造簡単であるが、強い結合力
を持ち、外力により容易に離脱するおそれもな
く、長期使用に耐えることができる。これが本考
案の特徴である。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の斜視図、第２図は同正面図、第
３図は半部の斜視図、第４図は半部の平面図、第
５図は同側面図である。 １……保護カバー、２……半部、３……鍔、３
ａ……鍔片、４……胴、５……係合片、５ａ……
爪、６……切欠、６ａ……段部、７……突片、７
ａ……段部、Ｈ……ハンガ、Ｗ……吊架線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両者間に吊架線を挟んで径方向に対向係合さ
   れ、全体として糸巻状を成す一対の同形半部から
   成り、この半部は半円筒形胴と、胴両端外周に設
   けられた鍔片とから成り、鍔片の一側には夫々周
   縁に段部を有する切欠が設けられ、切欠の外側に
   は先端内方に突出した係合爪を有する弧状の係合
   片が残され、鍔片の他側には夫々他の対向半部の
   切欠の段部と噛合可能な段部を有する突片が設け
   られ、この突片の基部外側には前記係合片の爪が
   係合可能な凹部が設けられている吊架線保護カバ
   ー。