JPS6123461B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、加熱を目的とするヒータ、暖房、
乾燥などのあらゆる分野に利用可能な減圧平衡発
熱方法およびその装置に関する。

本発明者は特開昭57−19582号、特開昭57−
19583号、特公昭59−52342号および特公昭59−
52753号などにおいて、減圧平衡発熱方法および
該方法を用いた乾燥方法または装置を提案した。

そして、その基本的な技術内容は、密閉された
中空室内の空気を、回転体の回転作用により強制
吸引して室外に排気させ、室内を減圧して室内外
の圧力差を畧々一定の平衡状態に保つと共にこの
平衡状態を維持しながら前記回転体の回転作用を
継続させて空気との摩擦作用を促進して摩擦熱を
発生させ、この摩擦熱により中空室内を加熱する
ようにした減圧平衡発熱方法であり、さらに、密
閉された中空室内の空気を、回転体の回転作用に
より強制吸引して室外に排気させ、室内を減圧し
て室内外の圧力差を畧々一定の平衡状態に保つと
共にこの平衡状態を維持しながら前記回転体の回
転作用を継続させて空気との摩擦作用により促進
して摩擦熱を発生させ、この摩擦熱により中空室
内を加熱し、さらに中空室内に手動または自動操
作で外気を供給するようにした減圧平衡加熱方法
である。

この発明は上述した技術内容を前提とし、かつ
これを利用して発熱効果のより優れた新規な減圧
平衡発熱方法およびその装置を提供するものであ
る。

すなわち、この発明は回転体の回転作用によつ
て生ずる摩擦熱を中空室の排気側に設けた蓄熱空
間部を経て熱交換部内に集中させ、かつ該熱交換
部を絞り構造として蓄熱空間部に導入される発熱
空気をより有効に圧縮させて起熱効果を向上でき
るようにした減圧平衡発熱方法およびその装置を
提供するものである。

以下にこの発明に係る装置の実施例を図面につ
いて説明する。

各図において、１は密閉構造の中空室、２は該
中空室１に必要に応じて設けられる外気導入部
で、開閉自在の弁３を有する。４は減圧摩擦熱発
生機構で、電動モータ５と一または二以上のフア
ン６および該フアン６を覆う管状筒７とにより構
成され、フアン６と管状筒７との間には微少な間
隙ｇを形成しフアン６が回転する管状筒７によつ
て形成される空間に摩擦熱発生部８が形成され、
滞溜空気との摩擦効果を向上できる構成とするこ
とができる。なお、該減圧摩擦熱発生機構４はそ
のフアン６の径の大きさ、羽根６ａの枚数、羽根
６ａの傾斜角度、フアン６間の距離、フアン６の
取付数などを自由に変更でき、特開昭58−172402
号「多段フアン付回転体」に示す構成をとること
ができる。また、フアン６はプロペラフアン、シ
ロツコフアンなど好みの形状の回転羽根６ａによ
つて構成され、所望の傾斜角度を有し、かつ、中
空室１内の空気を吸引排気するように回転方向が
定められており、さらに滞溜空気との摩擦効果が
向上する構成を備える。

９は、前記減圧摩擦熱発生機構４の排気側の開
口部４ａに接続される筒状の排気通路を示す。

１０は該排気通路９の蓄熱空間部で、最外部の
フアン６よりも外側に於いて形成されれば良く、
次段の絞り構造を有する熱交換部１１との間隔
は好みの長さに設定できる。なお、前記熱交換部
１１は、一以上複数竝設できると共に各構成は排
気通路９に平行する多数の小口径の小通路１２に
よつて絞り構造となつており、かつ排気通路９と
直交する方向に多数の並行した熱交換部１３を連
設して熱交換通路１４を熱交換板１３と平行方向
に形成できる。１５は排気口、１６は案内堰板、
１７はモータ軸をそれぞれ示す。

なお、図において中空室１は、その容積が必ず
しも大きいことを必要とせず、管状筒７の下部と
殆んど一致する位の小容積としても実施できる。
また、管状筒７と電動モータ５並びにフアン６と
の関係は、図示では電動モータ５およびフアン６
を中心として管状筒７と環状通路構成をもつて形
成されているが、その構成は何等制限されるもの
ではない。さらに中空室１および管状筒７はいず
れも断熱構造体としても良い。

叙上の構成に基づいて作用を説明する。

電動モータに通電し、フアン６を回転させれ
ば、減圧摩擦熱発生機構４が働き、まず密閉され
た中空室１の空気は、フアン６の吸引排気作用に
よつて、排気通路９を経て次第に排気され、中空
室１内が減圧され、中空室１の内外の圧力差が次
第に大きくなる。ついで或る圧力差に達した時点
で畧々一定の平衡状態を維持する。この平衡状態
ではフアン６の回転領域内にある摩擦熱発生部８
において、空気の滞溜現象が生じ、フアン６との
摩擦作用が反覆継続するので摩擦熱が発生して次
第に温度が上昇すると共に、フアン６の回転排気
作用は、蓄熱空間部１０に加熱された空気を強制
的に送り込もうとするため圧縮作用が行われ圧縮
熱も発生して前記摩擦熱と共に蓄熱空間部１０内
の空気温度は急激に上昇する。しかも、この蓄熱
空間部１０内の熱は、次段の熱交換部１１に伝播
し、該部１１の熱交換通路１４を通過する空気そ
の他の流体によつて熱交換され該流体を加熱でき
る。

したがつて蓄熱空間部１０、熱交換部１１のい
ずれかまたは両者を加熱用釜として利用できる。

つぎに外気導入部２の弁３を開けば外気が中空
室１内に導入されると同時にフアン６で排気作用
を受けている中空室１、管状筒７および排気通路
９の蓄熱空間部１０および熱交換部１１内の発熱
空気は排気口１５より外部に吐出される。

そして中空室１内の空気が引続き外気との間で
所望の圧力差の下で減圧平衡状態を保持する時
は、フアン６の回転に伴う摩擦熱発生作用が進行
して発熱すると共に蓄熱空間部１０内に送り込ま
れた空気は次段の熱交換部１１に強制的に送出さ
れる過程で、絞り構造のために圧縮作用を受け、
圧縮熱の発生をも伴いその結果、排気口１５より
吐出される空気は十分に発熱された状態となる。

したがつて、この起熱された空気も亦同様に熱
源として好みの用途に実施できる。

この発明によれば、回転体の排気回転作用によ
つて得られる摩擦熱その他の熱エネルギーを排気
側の蓄熱空間部に貯えることができ、かつ該蓄熱
空間部と連設する絞り構造が熱交換部によつて
種々の流体との熱交換が可能となると共に、排気
通路より外部に吐出する熱エネルギーも亦熱源と
して活用できる効果がある。

さらに装置としてコンパクト化できるので小型
でかつクリーンな熱源として暖房用、加熱釜用、
乾燥用など広く加熱を目的とする用途に供し得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図およびび第２図はこの発明に係る減圧平
衡発熱装置の二実施例を示す縦断説明図である。 １……中空室、２……必要に応じて取付けられ
る弁３を有する外気導入部、４……減圧摩擦熱発
生機構、５……電動モータ、６……フアン、９…
…排気通路、１０……蓄熱空間部、１１……熱交
換部、１５……排気口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 密閉された中空室内の空気を、回転体の回転
   作用により強制吸引して室外に排気させ、室内を
   減圧して室内外の圧力差を略々一定の平衡状態に
   保つと共に、前記回転体の回転作用に基づいて得
   られる熱を、中空室の排気側に設けた蓄熱空間部
   を経て絞り構造を有する熱交換部より外部に取り
   出せるようにしたことを特徴とする減圧平衡発熱
   方法。 ２ 密閉された中空室内の空気を回転体の回転作
   用により強制吸引して室外に排気させると同時に
   中空室内に外気を導入させて室内を減圧し室内外
   の圧力差を略々一定の平衡状態に保つと共に、前
   記回転体の回転作用に基づいて得られる熱を、中
   空室の排気側に設けた蓄熱空間部を経て絞り構造
   を有する熱交換部より外部に取り出せるようにし
   たことを特徴とする減圧平衡発熱方法。 ３ 開閉自在の外気導入部を有する密閉構造の中
   空室、該中空室内の空気を排気通路を経て強制排
   気して中空室内外の圧力差を略々一定の平衡状態
   に保つことができ、かつ発熱機能を有する回転
   体、前記排気通路に順次と形成される蓄熱空間部
   および絞り構造を有する熱交換部より成ることを
   特徴とする減圧平衡発熱装置。 ４ 回転体は、一以上複数設けることを特徴する
   特許請求の範囲第３項記載の減圧平衡発熱装置。 ５ 絞り構造を有する熱交換部は、一以上複数段
   連設することを特徴とする特許請求の範囲第３項
   記載の減圧平衡発熱装置。