JPS6123292Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は農用トラクタと作業機とを結合する３
点リンクの取付け装置に係るものである。

農用トラクタの３点リンクは作業機のカテゴリ
が異なるとリンクピン径も異なるので、その都度
リンク杆を交換する必要がある。このような事態
を解消するために、従来では、例えばロアリンク
のピン孔を大径のカテゴリに合せておき、小径を
使用する場合はリンク杆のピン孔にカラー等を装
着して、同一のリンク杆を異なるカテゴリに適用
できるようにしていた。ところが、このようにカ
ラー等を使用するものでは、カラー等が摩耗また
は粉失するとリンク杆を共用化できなくなる欠点
があつた。また、農用トラクタ側にカテゴリの異
る作業機の取付孔をそれぞれ各別に設けたもので
は、カテゴリの異る作業機を取付けると、その取
付位置も変るので、その都度３点リンク装置を操
作して作業機の姿勢を調節しなければならず煩し
いと云う問題があつた。

本考案は上記の如き欠点を一掃すべく創案され
たものであつて、その目的とするところは、第１
のカテゴリのリンクピンと第２のカテゴリのリン
クピンとからなる段付き状の異径ピンと３点リン
クを構成するリンク杆の一端部を挾んで、対向す
る第１および第２のブラケツト片とを備え第１の
ブラケツト片には異径ピンの小径部と嵌合する小
径の孔を、第２のブラケツト片には異径ピンの大
径部と嵌合する大径の孔を穿設すると共に、前記
異径ピン大径部の段付き状端部を第１のブラケツ
ト片の内面と、リンク杆部の側面とに接当切換え
係止することにより、カテゴリの異る作業機で
も、異径ピンを同一方向から挿入するのみで、同
じ取付位置に的確に結合できるようにした農用ト
ラクタの３点リンク取付け装置を提供しようとす
るにある。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、１は農用トラクタと作業機（いず
れも図示省略）とを結合する３点リンクを構成す
るリンク杆（ロアリンク）であつて、その一端に
は第１のカテゴリの作業機に設けた装置ピン（図
示省略）と嵌合する小径のピン孔Ａを設けると共
に、リンク杆１の他端には第２のカテゴリの装着
ピンと嵌合する大径のピン孔Ｂを設けている。
Ｃ，Ｃは図示しないリフトアームから垂下された
リフテイングロツト２の取付け孔である。尚孔
Ａ，Ｂはリンク杆の揺動を許容するようにボール
ジヨイントを介して設けられている。

３は前記リンク杆１の一端部を、図示しない農
用トラクタに枢支結合するために農用トラクタに
設けられたリンクブラケツトであつて、リンク杆
１の一端部を挾んで対向する第１のブラケツト片
４と第２のブラケツト片５とで構成される。そし
て、前記第１のブラケツト片４には、リンク杆１
に形成した小径のピン孔Ａと同一径の孔６を穿設
すると共に、第２のブラケツト片５には、リンク
杆１に設けた大径のピン孔Ｂと同一径の孔７を穿
設して両孔６，７を相対向させている。

８は前記小径の孔Ａに嵌合する小径部８ａと大
径の孔Ｂに嵌合する大径部８ｂとからなる段付き
状の異径ピンであつて、その小径部８ａの先端と
基部とには、それぞれ受け止めピン９を装着する
ための孔１０，１０を穿設している。１１はピン
９の摩耗を防止するワツシヤである。

そして、リンク杆の小径１のピン孔Ａをリンク
ブラケツト３に係止した場合には、異径ピン８の
段付き状端部が、リンク杆１の側面に接当し、ま
たリンク杆１の大径のピン孔Ｂを係止した場合に
は、同じ方向から挿入した異径ピン８の段付き状
端部が、第１のブラケツト片４の内面と接当する
ようになつている。

次に叙上の如く構成した本考案の作用について
説明する。第１のカテゴリの作業機を農用トラク
タに装着するときは、リンク杆１に形成した小径
のピン孔Ａが作業機の装着ピンと一致する。従つ
て、このときはリンクブラケツト３側に大径のピ
ン孔Ｂが位置するので、第２図に示すように第２
のブラケツト片５の大径の孔７から、第１のブラ
ケツト片４に向つて異径ピン８を小径部８ａ側か
ら挿入する。ついて異径ピン８の大径部８ｂをリ
ンク杆１のピン孔Ｂに嵌挿して、異径ピン８の段
付き状端部を第１のブラケツト片４の内面に接当
させ、異径ピン８の小径部８ａを第１のブラケツ
ト片４の外側に突出させる。そして、この小径部
８ａにワツシヤ１１を装着して、内側の孔１０に
ピン９を取付けることにより、異径ピン８を受け
止め係止させればよい。

また、第２のカテゴリの作業機を取付ける場合
には、リンク杆１の前後を反転する。すると、第
３図に示すようにリンクブラケツト３側にリンク
杆１の小径のピン孔Ａがくるので、前記したのと
同じ方向から異径ピン８を挿入し、今度は異径ピ
ン８の小径部８ａをリンク杆１のピン孔Ａに挿通
して、異径ピン８の段付き状端部をリンク杆１の
側面に接当させればよい。このときは異径ピン８
の大径部が第２のブラケツト片５の外側に突出す
るが、小径部８ａの先端側の孔１０にピン９を装
着すれば、異径ピン８が受け止め係止される。こ
のようにリンク杆１を前後反転しても、同一方向
から挿入した異径ピン８によつて、確実に係止で
きるのでカテゴリの異つた作業機の取付を容易に
行うことができるうえ、いずれの作業機でも、リ
ンクブラケツト３の同一位置に取付けることがで
きるので、その都度３点リンク装置を操作して作
業機の姿勢を調節する煩しさがない。また、リン
ク杆１を前後反転したときは、リフテイングロツ
ト２の取付け位置をも前後に変更することは勿論
である。

これを要するに本考案は、第１のカテゴリのリ
ンクピンと第２のカテゴリのリンクピンとからな
る段付き状の異径ピンと３点リンクを構成するリ
ンク杆の一端部を挾んで、対向する第１および第
２のブラケツト片とを備え、第１のブラケツト片
には異径ピンの小径部と嵌合する小径の孔を、第
２のブラケツト片には異径ピンの大径部と嵌合す
る大径の孔をそれぞれ相対向させて穿設すると共
に、前記異径ピン大径部の段付き状端部を第１の
ブラケツト片の内面と、リンク杆部の側面とに接
当切換え係止することにより、カテゴリの異る作
業機を結合自在に構成したものであるから、作業
機のカテゴリが変わつてもリンク杆を前後反転し
て、異径ピンを同一方向から挿入するのみで、容
易に取付けることができ、しかも、いずれの作業
機でもリンクブラケツトの同一位置に装着するこ
とができるのでその都度３点リンク装置を操作し
て作業機の姿勢を調節する煩しさはなく、能率よ
く作業機の付け変え作業を行うことができる。ま
た、従来のようにカラー等を用意する必要が全く
ないので、カラー等の摩耗および粉失等によるト
ラブルが発生しなくなる等、きわめて有用な実用
的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る農用トラクタの３点リンク
取付け装置の一実施例を示すものであつて、第１
図はロアリンク装着状態の斜視図、第２図は同上
要部の断面図、第３図はカテゴリの異なる作業機
の装着状態を示す要部の断面図である。 図中、１はリンク杆、３はリンクブラケツト、
４は第１のブラケツト片、５は第２のブラケツト
片、６は小径の孔、７は大径の孔、８は異径ピ
ン、８ａは小径部、８ｂは大径部、９は受け止め
ピンである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１のカテゴリのリンクピンと第２のカテゴリ
   のリンクピンとからなる段付き状の異径ピンと、
   ３点リンクを構成するリンク杆の一端部を挾ん
   で、対向する第１および第２のブラケツト片とを
   備え、第１のブラケツト片には異径ピンの小径部
   と嵌合する小径の孔を、第２のブラケツト片には
   異径ピンの大径部と嵌合する大径の孔をそれぞれ
   相対向させて穿設すると共に、前記異径ピン大径
   部の段付き状端部を、第１のブラケツト片の内面
   と、リンク杆部の側面とに接当切換え係止するこ
   とにより、カテゴリの異る作業機を結合自在に構
   成したことを特徴とする農用トラクタの３点リン
   ク取付け装置。