JPS6123002Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は金属マツフルケースを設けたトンネ
ル式加熱炉、特に該金属マツフルケースの変形防
止機構にかゝるものである。

熱処理品の還元または無酸化加熱のために雰囲
気ガスを用いるが、ガス純度を高く保持するた
め、しばしば金属マツフルケースが使用される。
長寸法の、例えばろう付炉に用いられる10ｍにも
およぶマツフルケースは昇温時や処理品の送入な
どのとき各部、特に上、下に温度差が生じ易く、
このためマツフルケースが変形し故障の原因とな
る欠点を持つている。本考案はこの欠点を除去す
ると共に処理品を均一に加熱するためのものであ
る。

以下に、この考案を添付図面を参照して説明す
る。

符号１はマツフルケース２を設けたメツシユベ
ルト３搬送のガス雰囲気加熱炉で、図に示す如く
炉を長手方向に、、に区割し、各区間毎に
上部ヒーター４に対し熱電対測温点５′、下部ヒ
ーター６に対し熱電対測温点７′を設けたもので
ある。

一般に、昇温時にマツフルケース３の上部と下
部の昇温速度に差があり、マツフルケースを大き
く彎曲させる事が多い。この変形を防ぐには、昇
温中の如何なる時も上部と下部を同温度にするこ
とが必要である。

従つて、第２図に示す温度調節機構を、この考
案にあつては、各区間に設けたものである。この
温度調節動作を昇温時について説明する。

通電されたヒーター４，６によりその区間が昇
温され２のマツフルケースも加熱昇温される。こ
のとき調節計８により調節温度が設定されてお
り、設定温度までヒーター６は連結通電される。
熱電対５と７の測温値は、温度差検出−設定器１
０によりその温度差（偏差）が検出され、その値
を温度偏差調節計９に与え、偏差値に比例して加
熱電流調整器１１，１２により、ヒーター４の電
流値を増減して熱電対５の測定するマツフルケー
ス２の温度を、熱電対７の測定するマツフルケー
ス２の温度と同温度にするものである。熱電対７
の測定位置７′の昇温に追随して熱電対５の測定
位置５′が昇温し、同温度となる。この動作は熱
処理品が送入され温度が降下したときも、上記と
同じ動作により上、下を同温度とするものであ
り、昇温が終了し定値温度調節動作時も上記調節
動作を行い、上下を同温とするものである。

以上の如く本考案の温度制御機構により、マツ
フルケースの変形を防止し、処理品を均一加熱す
ることが可能となるすぐれた効果がえられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の熱処理炉の説明的な断面図で
あり、第２図は本考案における温度制御方式の一
例を示す結線図である。 １……炉、２……金属マツフルケース、３……
メツシユベルトコンベアー、４，６……加熱ヒー
ター、５，７……熱電対、５′，７′……熱電対測
温点、８……温度調節計、９……温度偏差調節
計、１０……温度差検出−設定器、１１，１２…
…加熱電流調整器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属マツフルケースを設けたトンネル式加熱炉
   の長手方向を一対の加熱ヒーターを一区間とする
   数区間に分け、各区間のマツフルケースの上部と
   下部を測温点とする前記加熱ヒーターに対応する
   熱電対を設け、この熱電対と接続する温度調節手
   段により対応する加熱ヒーターの出力を調節して
   区間の温度を調節するとき、上部または下部のど
   ちらか一方の温度を基準温度とし他方はこの基準
   温度と温度差を常に零とする温度調節を加熱の時
   間経過にともなう全温度範囲において行い、炉内
   の上、下の温度を常に同温とし、マツフルケース
   の温度差による変形を防止すると共に熱処理品を
   均一に昇温することを特徴とする熱処理炉。