JPS6122761B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば任意の画像とこの画像に相似す
る他の画像との倍率を測定する装置に関するもの
である。

一般に、印刷に先立つ写真製版工程において
は、複数枚の原稿（印刷すべき画像を写し取つた
フイルム）と版下（刷上がつた本の頁と同じスペ
ース内に原稿の画像を適当に拡大したり、縮小し
たりして複写したものをアレンジして貼付けた紙
葉又は画像の枠のみを書込んだ紙葉）とが用意さ
れる。そして原稿を色分解した後網かけをすると
き、あるいは原稿を直網分解するときなどに両者
の画像の相対倍率をあらかじめ測定してその測定
値をカメラなどに設定しておくことにより版下の
画像大に拡大もしくは縮小したフイルムが作られ
る。

これらフイルムはその後版下と同じ配置で透明
フイルム上に貼付けられ、印刷原版に焼付けられ
る。そしてそのままの大きさで紙などに印刷され
るのである。

以上の工程において、原稿画像と版下画像との
倍率計算は原稿数が多いだけに頻繁に行なわれ
る。

従来においてはまず原稿と版下とをライトテー
ブル上に置きスケールをあてがつて計測した後、
それらの数値を計算機で計算しており、これに要
する時間と労力はかなり大きなものとなつてい
る。

本発明はこのような点に鑑みて成されたもの
で、倍率測定をもつと簡便な操作で行なえるよう
工夫し、倍率はスケールの操作だけで得られるよ
うにしてなるものである。

また、本発明は同一のスケールで必要に応じて
単なる寸法の測定も行ないうるよう工夫してなる
ものである。

以下、図面を参照して本発明の一例につき詳細
な説明を行なう。

第１図及び第２図において、１０はスケールの
本体を構成する中空箱体である。

中空箱体１０は垂直断面がほぼＵ字形の上部材
１２と平板状の下部材１４とからなり、両者はビ
ス１６等で固着されている。そして下部材１４は
好ましくは透明材で構成され、上部材下より突出
する両側縁には夫々目盛１８，２０，２２，２４
が設けられている。

また、上部材１０には上記目盛に接近した側面
にスリツト２６，２８が設けられている。

上記中空箱体１０の空室内には二組のポテンシ
ヨンメータが箱体の長手方向にて固定されてい
る。これらはやはり同方向に伸びる案内部材３
０，３２を介してケースである上部材１２に固定
されている。

ポテンシヨメータは帯状の抵抗素子３４，３６
と、これに接触するブラシ３８，４０を有した摺
動子４２，４４とを備えている。抵抗素子３４，
３６は案内部材の内方の側壁に設けられているス
リツト内に固着されており、摺動子４２，４４は
案内部材の上下壁から対向して突出する案内突条
４６に支持され、ブラシ３８，４０を介して上記
抵抗素子３４，３６と接触しつつ中空箱体１０の
長手方向に沿つて自在に移動できるようになつて
いる。

なお、ポテンシヨメータは上記の形態の他、抵
抗素子を丸棒状にしてそれを摺動子中心に設けた
穴に挿通するような構成（図示せず）としてもよ
い。

前記案内部材の外方の側壁にもスリツトが設け
られており、このスリツトと前記中空箱体のスリ
ツト２６，２８とを連通して中空箱体の側縁に至
る指示部材４８，５０が設けられている。この指
示部材４８，５０は摺動子４２，４４に固着され
ており、この摺動子を案内部材３０，３２に沿わ
せて摺動させる役目と、先端で被計測体や目盛を
指す役割を果すものである。

なお、目盛は第１図示の如く中空箱体１０の一
端に位置する基準目盛１８，２０と中空箱体の長
手方向に沿つて設けられた寸法目盛２２，２４と
から成つている。しかし、基準目盛１８，２０の
みを設けておいてもよい。

次に、第３図は前記ポテンシヨメータから得ら
れる信号を処理する回路を示している。

この回路はポテンシヨメータの抵抗素子３４，
３６及び摺動子４２，４４と電気的に連絡し、摺
動子の停止位置で規定される発生信号を処理して
信号比又は各信号をデジタル表示するものであ
る。

図において抵抗素子３４，３６は夫々除算回路
５２に結線され、摺動子４２，４４は夫々電源回
路５４に結線されている。除算回路５２は電源回
路５４とも結線されており、上記各抵抗素子３
４，３６及び各摺動子４２，４４と除算回路５２
及び電源回路５４とで夫々閉回路が形成され、
夫々ポテンシヨメータとなつている。除算回路５
２は対数変換回路５６、減算回路５８及び逆対数
変換回路６０を含むもので、そこから出る信号は
Ａ／Ｄ変換回路６２に向い、次いでデジタル表示
器６４に向うようになつている。また、電源回路
５４は乾電池を組込んだ電源であつても交流から
直流に変換させるような電源であつてもよく、上
記除算回路５２、Ａ／Ｄ変換回路６２、デジタル
表示器６４に夫々結線され、夫々に電力を供給す
るようになつている。なお、上記種々の回路は好
ましくは第１図示の如く中空箱体１０内の端部６
６に組み込まれるが、中空箱体とは別体として設
けてもよい。

また、電源回路５４と除算回路５２との間は他
の迂回路で結線してその中途に切換スイツチ６８
を設けていずれか一方のポテンシヨメータのみを
作動させるようにすることもできる。

さて、上記のようなスケールを用いて原稿画像
と版下画像との倍率の計測を行なう要領を以下に
述べる。

まず、スケールをその目盛の付いた下部材１４
を下にしてライトテーブル上の原稿にあてがい、
一方の基準目盛１８を画像の端（又は原稿の端）
に合わせる。

次いで、指示部材４８を指でもつて画像の反対
側の端までスライドさせ停止させる。

そして、今度はスケールを版下にあてがつて上
記原稿に対応する版下の画像の端（又は枠）に他
方の基準目盛２０を合わせ、上記と同様にして他
方の指示部材５０をスライドさせ画像端に合わせ
る。

この後、電源スイツチ（図示せず）をONにす
ると夫々のポテンシヨメータから発生する信号電
流が除算回路５２に至つてアナログ信号として除
算できるように対数変換され、しかる後Ａ／Ｄ変
換回路６２でデジタル信号に変換されてデジタル
表示器６４で除数として表示される。

この除数が原稿画像と版下画像との相対倍率と
なるものである。

この数値はただちに分解網取カメラに設定され
て撮影される。そしてこの結果得られたフイルム
印刷原版に焼付けるべく版下と類似のスペースを
有する他の透明フイルムに貼り付けられるのであ
る。

また、以上のような操作は、原稿をもとにして
版下の枠を描く場合にも応用できる。

すなわち、版下に縦線を記入した後両ポテンシ
ヨメータで原稿と版下の縦方向を設定し、しかる
後原稿の横方向に一方の指示部材４８をスライド
させていつて停止させ、最初に表示された倍率が
そのまま表示されるように他方の指示部材５０を
スライドさせて行けばよい。

かくして得られた他方の指示部材５０が指示す
る寸法目盛２４がそのまま版下の横方向の長さに
なるのである。

次に、このスケールを用いて単なる寸法を計測
する場合の要領について述べる。

この場合は切換スイツチ６８がOFFとされ、
一方の組の抵抗素子及び摺動子にのみ通電するよ
うになる。

そして、スケールを被計測物にあてがつて指示
部材を前記要領と同じように移動させることによ
り、ポテンシヨメータで発生した信号が除算回路
５２を素通りしてただちにＡ／Ｄ変換回路６２に
至りデジタル表示器６４で寸法数値が表示される
こととなる。

本発明は以上のようにスケールの両側にポテン
シヨメータが設けられているので、スケール本来
の利点をそのまま生かしつつ、ある画像と他の画
像又はある寸法と他の寸法の倍率をデジタルで表
示することができ、この数値をただちに他の操作
に利用できるのである。

また、本発明によれば初回の操作で表示された
ある方向の除数値をもとにして他の方向の寸法を
長さとして指示することも可能であるから、写真
製版作業はもとより、機械製図作業、和洋裁作業
等にも利用することができるのである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係るスケールの一例を示すもの
で、第１図はその平面図、第２図は第１図におけ
る―線拡大階段断面図、第３図はスケールに
利用される電気回路の一例のフローチヤートであ
る。 １０……中空箱体、１８，２０……基準目盛、
２６，２８……スリツト、３０，３２……案内部
材、３４，３６……抵抗素子、４２，４４……摺
動子、４８，５０……指示部材、５２……除算回
路、５４……電源回路、６２……Ａ／Ｄ変換回
路、６４……デジタル表示器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 両側縁に夫々目盛が設けられ、かつ夫々の目
   盛に対応してスリツトが設けられた中空箱体と、
   上記中空箱体にその長手方向に固定された二つの
   抵抗素子と夫々の抵抗素子に沿つて移動しうる摺
   動子と、夫々の摺動子に固定された上記スリツト
   を貫通して夫々の側縁に至る指示部材と、上記抵
   抗素子及び摺動子と電気的に連絡し、各摺動子の
   停止位置で規定される二つの発生信号の両方もし
   くは一方を処理しても信号比もしくは各信号をデ
   ジタル表示する信号処理回路とからなり、該信号
   処理回路内には二組の抵抗素子及び摺動子のいず
   れか一方を電気的に断続させうる切換スイツチが
   設けられ、当該スイツチがONのとき二組の抵抗
   素子及び摺動子で得られる信号の除数が得られ、
   OFFのときは一組の抵抗素子及び摺動子により
   単なる寸法が得られるようにしたスケール。 ２ 前記信号処理回路が中空箱体内に設けられた
   特許請求の範囲第１項記載のスケール。 ３ 前記目盛は中空箱体の一端に位置する基準目
   盛と中空箱体の長手方向に設けられた寸法目盛と
   からなる特許請求の範囲第１項又は第２項記載の
   スケール。