JPS6122659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は潤滑油などを清浄に保つ濾器に関する
ものである。

〔従来技術〕

一般に潤滑油などの流体は使用するにつれて不
純物が混入し、この不純物が機器のトラブルを起
こす原因となつている。例えば内燃機関において
は、スラツジや軸受メタルなどの運動部の摩耗に
よる金属屑あるいは外部よりのごみ、砂などが混
入し、損傷や焼付きなどの原因となることがあ
る。また油剤を交換すると廃油処理などの問題が
生じてくるのは勿論、頻繁な交換は、貴重な石油
資源の無駄使いにもなる。このため、金網等から
形成されたフイルタエレメントにより潤滑油中の
不純物を濾過し、潤滑油などを清浄に保つために
濾器が使用されている。

ところで濾器のフイルタエレメントは、前述の
ように金網の網目を通過できない不純物を濾過す
るものであるから、当然不純物により目詰まりす
るので定期的に掃除をする必要がある。そこで従
来の濾器においては、この濾器に空気源およびそ
のコントロールシステムを接続し、空気を利用し
て逆洗浄することにより、フイルタエレメントを
掃除していた。

しかるに従来のこの種濾器においては、フイル
タエレメントを掃除するために利用している空気
が潤滑油に混入し、潤滑油の変質を招くという不
具合があつた。

〔考案の概要〕

本考案はこのような事情に鑑みなされたもの
で、濾篭を回転自在に支承すると共に、この濾篭
を回転駆動するハンドルと、濾篭内に固定され一
端がボデイ外部と連通された管体とを設け、かつ
この管体の周壁に軸方向に穿設した開口の開口縁
を前記濾篭の内周面に摺接させ、さらにこの管体
の開口縁両側で濾篭の内周面に圧接して摺接され
るシーリングメタルを設けるというきわめて簡単
な構成により、フイルタエレメント掃除による油
剤の変質等といつた問題を招くことなく、フイル
タエレメントからの不純物の除去を簡単かつ確実
にしかも効率よく行なえる濾器を提供するもので
ある。以下、その構成等を図に示す実施例により
詳細に説明する。

〔実施例〕

第１図は本考案に係る濾器を示す縦断面図、第
２図は同じく横断面図で、これらの図において符
号１で示すものは、有底円筒状に形成されたボデ
イを示す。このボデイ１の底部には流体としての
潤滑油が流入する流入口２が濾篭３の内側に対向
して開口され、側部には前記潤滑油が流出する流
出口４が濾篭３の外周面に対向して開口されてい
る。すなわちこの濾器は濾篭３内に流体を導入
し、濾篭３外に流出させるように構成されてい
る。前記濾篭３は円筒状に形成された外筒５と、
この外筒５内に装填された内筒６などから構成さ
れている。そして、この濾篭３はその下端面がボ
デイ１の底面上に突設された突起７と当接し、こ
の突起７によりボデイ１内にボデイ１の軸線から
偏心した位置に回転自在に支承されている。また
外筒５および内筒６の周壁には多数の透孔８，８
…が穿設されると共に、これら両部材の周壁間に
は第３図に拡大して示すように、適正なメツシユ
の金網９ａ，９ｂから形成されたフイルタエレメ
ント９が挾持されている。

１０はボデイ１の上部開口を閉塞する蓋体で、
この蓋体１０はボデイ１に螺着したスタツドボル
ト１１、ナツト１２によりボデイ１に固定されて
いる。またこの蓋体１０には前記濾篭３を回転駆
動するためのハンドル１３が取付けられている。

すなわちハンドル１３は蓋体１０に穿設された
挿通孔１４に挿通されたハンドルシヤフト１５、
このハンドルシヤフト１５の先端に軸装されたピ
ニオン１６などから構成されている。そして前記
ハンドルシヤフト１５はスタフイングボツクス１
７内に装填されパツキン押え１８に押圧されたパ
ツキン１９により、密封された状態に回転自在に
軸支されている。前記ピニオン１６は濾篭３の上
端部内周縁に刻設された内向きに歯をもつ内ば歯
車２０と噛合する形状に形成されている。

２１は濾篭３内に軸方向に配設された管体で、
下端縁に突設された固定部により、濾篭３の内周
面と近接するようボデイ１の底面上に固定されて
いる。この管体２１は上端はプラグ２２により閉
塞される一方、下端は連通路２３を介してボデイ
１外部の排出管２４と接続されている。また第４
図に拡大して示すように、管体２１の周壁には濾
篭３の内周面と近接した部分に、フイルタエレメ
ント９に対応して軸方向に延在する開口２５が穿
設されている。この開口２５の開口縁には案内部
材２６が突設され、濾篭３の内周面に摺接してフ
イルタエレメント９を通過した潤滑油を前記開口
２５へ案内している。２７は濾篭３内の潤滑油が
直接開口２５に流入するのを防止するための一対
のシーリングメタルで、このシーリングメタル２
７の表面２７ａは濾篭３の内周面に摺接できるよ
うに、これと等しい曲率に形成されている。２８
は前記シーリングメタル２７を支承する支承部
で、管体２１の両側に突設されている。この支承
部２８はシーリングメタル２７の突出部２７ｂが
嵌入する凹陥部２８ａを有し、シーリングメタル
２７の支承用孔２９を遊貫してこれを濾篭３の内
周面に対し移動自在に支承する支承ピン３０が螺
着されている。３１はシーリングメタル２７と支
承部２８との間に弾装され、シーリングメタル２
７を濾篭３の内周面方向に付勢するばねである。

このように構成された濾器においては、下方の
流入口２からボデイ１内に流入する潤滑油などの
流体は、フイルタエレメント９を通過するときに
スラツジなどの不純物が濾過され、清浄にされた
後に流出口４から流出する。このときフイルタエ
レメント９の内周面には前記スラツジなどの不純
物が付着することになるが、ボデイ１内に流入す
る潤滑油の圧力を利用してフイルタエレメント９
を掃除することができる。すなわち、濾篭３内に
配設された管体２１は一端を排出管２４に接続し
ているために、大気に連通されるからで、ボデイ
１内の潤滑油はその圧力差、実施例においては約
２Kg／cm²により開口２５から管体２１内に流入す
ることができるからである。またこの開口２５の
開口縁が案内部材２６により、濾篭３の内周面に
摺接しているので、濾篭３の潤滑油の開口２５へ
の流入が防止され濾篭３の外側の潤滑油のみがフ
イルタエレメント９を通過して開口２５から管体
２１内に流入することができるからである。そし
て、この濾篭３内の潤滑油の管体２１内への流入
防止効果は、上述したように濾篭３内周面に対し
弾性的に圧接されている。シーリングメタル２７
により一層効果的に行なわれている。

したがつて圧力差により濾篭３の外側の潤滑油
を内側に逆流させ、開口２５に対応したフイルタ
エレメント９の内側に付着した不純物の逆洗浄が
行なえる。さらに濾篭３は回転自在に支承され、
上端部内周縁の内ば歯車２０にはピニオン１６が
噛合しているので、ハンドルシヤフト１５を回転
させることにより濾篭３を回転駆動し、フイルタ
エレメント９を全周面にわたり開口２５と対応さ
せ掃除することができる。

なお上記実施例においては手動によりハンドル
シヤフト１５を回転させる例について説明した
が、電動モータ等により回転させるようにしても
よいのは勿論である。逆洗浄に使用する油量は開
口２５の面積によりあるいは排出管２４の出口に
設けたバルブ３２をコントロールすることにより
適宜変更することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、濾篭内に
配設された管体の一端を排出管に接続し、フイル
タエレメントに対応して周壁を開口すると共に、
この開口縁を濾篭の内周面と摺接させ、さらにこ
の開口縁両側で濾篭の内周面に圧接して摺接され
るシーリングメタルを設けるようにしたから、濾
篭の外側の潤滑油を内側に逆流させることがで
き、前記濾篭を回転自在に支承しこれを駆動する
ハンドルを設けたから、このハンドルにより濾篭
を回転させ全周面を開口に対応させることができ
る。

したがつて、潤滑油の逆流によりフイルタエレ
メントの掃除が行なえるから、従来のように空気
が混入するようなことがなく潤滑油など油剤が変
質するのを防止できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る濾器を示す縦断面図、第
２図は同じく横断面図、第３図はフイルタエレメ
ントを拡大して示す縦断面図、第４図は第２図の
要部を拡大して示す横断面図である。 １……ボデイ、３……濾篭、７……突起、９…
…フイルタエレメント、１５……ハンドルシヤフ
ト、１６……ピニオン、２０……内ば歯車、２１
……管体、２４……排出管、２５……開口、２６
……案内部材、３２……バルブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁にフイルタエレメントを有する円筒状の濾
   篭内に流体を導入し濾篭外に流出させる濾器にお
   いて、前記濾篭をボデイ内に回転自在に支承し、
   かつこの濾篭を回転駆動するハンドルと、濾篭内
   に固定され一端がボデイ外部の排出管に接続され
   る管体とを設け、この管体の周壁に前記フイルタ
   エレメントに対応して軸方向に穿設した開口の開
   口縁を濾篭の内周面に摺接させるとともに、この
   管体の開口縁両側で前記濾篭の内周面に圧接して
   摺接されるシーリングメタルを設けたことを特徴
   とする濾器。