JPS6246410Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、移動農機等に用いられるオイルフイ
ルター装置に関するものである。

一般に、移動農機等にあつては、オイル中に含
まれる鉄粉やごみ等の夾雑物を除去するために、
オイル経路中にオイルフイルター装置を設けてい
るが、従来、この種オイルフイルター装置は、第
５図に示す如く、底面１ａにオイルポンプへの流
出管２が連結されたオイルケース１に濾過体３を
着脱自在に内装し、オイルケース１の外側から流
入したオイルを濾過して夾雑物を除去し、夾雑物
が除去されたオイルを流出管２から流出していた
ので、濾過体３に目詰りが生じ、適宜掃除をする
必要があつた。しかしながら、このものは、濾過
体３のみを取り外して掃除していたため、濾過体
３に付着した夾雑物は濾過体３とともに取り出す
ことができるが、オイルケース内側壁に付着した
り底面に沈降したりした夾雑物を取り出すことが
できず、しかもこれら夾雑物が濾過体３の着脱操
作時に逆に流出管２内に侵入してしまう欠点があ
つた。

本考案は、上記の如き実状に鑑みこれらの欠点
を一掃すべく創案されたものであつて、オイルケ
ース内の夾雑物を、濾過体の掃除作業時に濾過体
とともにオイルケースから悉く取り出すことがで
きるオイルフイルター装置を提供せんことを目的
とするものである。

本考案の構成を、図面に示された実施例に基い
て説明する。まず、第１図、第２図に示した実施
例のものは、前記した従来例のものと同様、オイ
ルケース１の底面１ａには図示しないオイルポン
プに連通する流出管２の一端が連通連結されてい
る。網状筐体で形成された濾過体３は、外径がオ
イルケース１の内径よりも小さくなつていて、オ
イルケース１内に遊嵌状に内装されるようになつ
ている。そして、濾過体３の底面には連通口３ａ
が突設してあつて、連通口３ａを流出管２に嵌入
することによつて、濾過体３内部が流出管２に連
通した状態で濾過体３をオイルケース１内に装着
できるようになつている。

４は濾過体３の底面側、即ち流出管２側に設け
られた上面開放状の受体であつて、該受体４の底
面４ａは濾過体３の底面３ｂに一体的に固定され
ており、また周面４ｂはオイルケース１の側壁１
ｂ内周に移動自在に摺接している。そして、受体
４は、濾過体３とともにオイルケース１に着脱自
在に内装できるようになつている。

図中、５はオイルケース側壁１ｂに連通固定さ
れた流入管、６はオイルケース１に螺合する蓋
体、７は濾過体連通口３ａに外嵌されたパツキ
ン、８はオイルケース１上縁に設けたパツキンで
ある。

また、第３図、第４図の実施例に示した受体９
は、周面９ａがオイルケース側面１ｂの内面略全
域に摺接するものであるが、周面９ａの流入管５
対応位置には流入孔９ｂが設けられていてオイル
ケース１と流入管５が連通するようになつてい
る。そして、受体９の底面９ｃには、流出管２に
遊嵌する連通孔３ａが嵌装する支持孔９ｄが穿設
されている。

次に、叙上の如く構成した本考案の作用につい
て説明する。流出管２に連結したオイルポンプの
作動によつて、流入管５からオイルケース内に流
入したオイルは、濾過体３内に達する過程で濾過
体３によつて鉄粉、ごみ等の夾雑物が濾過されて
除去された後、濾過体３内から流出管２を経てオ
イルポンプに達する。この様にして除去された夾
雑物は、濾過体３に附着したり、あるいはオイル
ケース１内壁面に附着したりするため、これら除
去した夾雑物を取除くための掃除作業を適宜行な
う必要がある。

この場合、第１図、第２図に示された第一実施
例のものは、蓋体６を外してから濾過体３を引き
上げれば、受体４も濾過体３とともに引き上げら
れることになる。このとき、受体４の周面４ｂが
オイルケース１の側壁１ｂ内面に摺接しているか
ら、周面４ｂの上縁が側壁１ｂ内面に附着した夾
雑物の掻き落し作用を行ないながら引き上げられ
ることになる。従つて、濾過体３の取り外し時
に、夾雑物をオイルケース１内に残すことなく濾
過体３とともに悉く取り出すことができる。そし
て、取り出した濾過体３の掃除終了後、濾過体３
をオイルケース１に内装するには、受体４の周面
４ｂをオイルケース側壁１ｂに嵌合した状態で押
し下げるだけでよい。即ち、オイルケース側壁１
ｂに摺接する受体周面４ｂが濾過体３の位置決め
用ガイドとなるため、連通口３ａを流出管２に嵌
合する位置決め操作が不用となるうえに、濾過体
３がたとえ長大なものであつても取付操作時にオ
イルケース側壁１に接触したりして損傷すること
を防止できる。

一方、第３図、第４図に示す第二実施例のもの
は、夾雑物はオイルケース周壁１ｂに付着するこ
となく受体９内周面に付着するが、第一実施例の
もの同様、濾過体３を取り外す際に、受体９を引
き上げれば、濾過体３とともに夾雑物を残すこと
なく悉く取り出すことができる。従つて、いずれ
の実施例のものにおいても濾過体３の掃除時に夾
雑物が流出管２に侵入することを確実に防止でき
るものである。

尚、受体は、上記各実施例に限定されるもので
はなく、要は、流出側一側面が有底状で周面がオ
イルケース内壁面に摺接したものであればよく、
その材質は金属製の他、軽くて防錆効果の優れた
合成樹脂製であつてもよい。さらに受体の有底面
は、受体の摺動が容易となるように網状体で形成
してもよい。その場合には、濾過体のメツシユと
同等かそれ以下のメツシユであることが好まし
い。

以上要するに、本考案は、オイルケース外側か
ら流入したオイルを濾過してオイルケース外に流
出するようにしたオイルフイルター装置におい
て、上記オイルケースに内装する濾過体を、オイ
ルの流出側一側面は有底状で周面はオイルケース
内壁面に摺接する受体とともにオイルケースに着
脱できるように構成したことから、濾過体は、受
体とともに取り出されることになる結果、オイル
ケース内の夾雑物は悉く取り出すことができて夾
雑物の掃除作業を簡単に行なうこができる。しか
も、濾過体の着脱時に、周面がオイルケース内壁
面に摺接する受体が濾過体の案内ガイドとして利
用できるため、濾過体の位置決めが確実となるう
えに、濾過体がオイルケースに接触することを阻
止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るオイルフイルター装置の
実施例を示すものであつて、第１図は全体縦断面
図、第２図は要部縦断面図、第３図は他の実施例
を示す全体縦断面図、第４図は同上要部縦断面
図、第５図は従来例を示す全体縦断面図である。 図中、１はオイルケース、１ａは底面、１ｂは
側壁、２は流出管、３は濾過体、４はオイルフイ
ルター受体、９はさらに他の受体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オイルケース外側から流入したオイルを濾過し
   てオイルケース外に流出するようにしたオイルフ
   イルター装置において、上記オイルケースに内装
   する濾過体を、オイルの流出側一側面は有底状で
   周面はオイルケース内壁面に摺接する受体ととも
   にオイルケースに着脱できるように構成したこと
   を特徴とするオイルフイルター装置。