JPS6122239Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、炉体内に円筒形のレトルトを水平に
若しくは傾斜を付して設置し、そのレトルトの一
端から投入された塊状若しくは粉状の原料をレト
ルトの回転により他端へ移送しつつ撹拌して加熱
するようにしたロータリーキルンに関し、さらに
詳細には、炉体内の高温度の燃焼ガスをレトルト
の一端に設けた原料投入用ホツパー内と、レトル
ト内とへ送給するようにしたロータリーキルンに
関する。

他のキルンと同様に、ロータリーキルンにおい
ても、原料を所望温度に加熱する前に予熱してお
くことが、急激な加熱によるひび割れや変質を防
止し、かつ、均一な加熱を行なうために望ましい
ことであり、従来は、ホツパーからレトルトへ原
料を導入する原料供給管の周りに炉体内の高温度
の燃焼ガスを導いて原料供給管を加熱し、これに
よりその中を通る原料を間接的に予熱する方式が
採用されていたが、導かれた燃焼ガスの有する熱
エネルギーの極一部しか原料の予熱に利用されず
熱効率が低い欠点があつた。

本考案は、このような欠点を除去し、熱効率の
高いロータリーキルンを提供することを目的とす
るものである。

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図において、１は耐火物によつて構築され
た炉体であつて、内部に構成された炉室１１の底
面にバーナー１３を備えた数個の火室１２が設け
られ、バーナー１３から噴射された燃料の燃焼に
よつて炉室１１内が高温度に保たれるようになつ
ている。炉室１１内には、円筒形のレトルト２が
前下がりの緩傾斜を付して設置され、その後端部
は炉体１の後面壁に形成された円形孔１４を通つ
て炉体１外へ突出しており、前端部には円筒形の
ふるい２１が一体に連設されていて、レトルト２
から送られた被加熱物を選別し、ふるい２１の円
周に形成されたふるい目を通つた小径の被加熱物
は回収用シユート２２へ、大径の被加熱物はふる
い２１の開放端から排出シユート２３へ夫々落下
するようになつている。また、レトルト２は、前
後両端部外周に突成されたリング２４，２４を炉
体１の内外に設置されたローラ２５，２５で支承
され、かつ、前端部外周に設けられたギヤー２６
が図示しないモーター出力軸に固定されたピニオ
ンにかみ合つていて、そのモーターの駆動により
一方向に回転するようになつている。

３は原料投入用のホツパーであつて、炉体１の
前方に設置され、底面に連設された原料供給管３
１がレトルト２の前端の開口２７に差し込まれて
いて、ホツパー３に投入された原料ａが原料供給
管３を通つてレトルト２内に供給されるようにな
つている。

４は炉体１の上方に設置されたブロアーであつ
て、その吸気管４１が炉体１の中央部に形成され
た排気孔４４に接続されていて、炉室１１内の燃
焼ガスを排気管４２から排出するとともに、排気
管４２から分岐された枝管４３の他端が炉体１の
後面壁を貫いてふるい２１の開放面の中心に臨ん
でおり、排気管４２及び枝管４３に介設されたダ
ンパー４９，４５の開度調節によつて、燃焼ガス
の一部がふるい２１を通つてレトルト２内に送ら
れ、内部温度を高めるとともに還元雰囲気に保つ
ようになつている。

なお、第１図には図示を省略したが、レトルト
２の内面には、第２図に示すように、他数のかき
板２８ａ，２８ｂ……が中心に向かつて植設さ
れ、レトルト２の回転によりかき板２８が被加熱
物を上方へ持ち上げた後、下向きに傾斜して落下
させる作用を繰り返し、被加熱物を撹拌するとと
もに原料の塊を重力落下により粉砕するようにな
つている。このかき板２８ａ，２８ｂ……は、第
２図に示すように、レトルト２の軸方向において
数組に分割され、相互に位相がずれているととも
に、レトルト２の移送方向前方へゆくにしたがつ
てその高さは徐々に低くなつており、また、第３
図に示すように、各かき板２９の先端は回転方向
に屈曲している。なお、第４，５図に示すよう
に、かき板２８をレトルト２の軸方向に対して斜
めに植設すると、レトルト２が前下がりに傾斜し
ていなくても被加熱物を前方へ移送することがで
きるとともに、被加熱物がかき板２８上を軸方向
に滑るため、特に、かき板２８の付根付近に被加
熱物の一部が付着するのを防止することができる
利点がある。

さて、本実施例においては、ブロアー４の排気
管４２にもう一本の枝管４６が分岐され、この枝
管４６はホツパー３の下端部側面に形成された流
入口３２に接続されていて、枝管４６に介設され
たタンパー４７の開度調節により、炉室１１内の
高温度の燃焼ガスの一部がホツパー３に供給さ
れ、ホツパー３内に投入された原料ａの間に構成
された間隙を通つて上昇する間に原料ａを予熱す
るようになつている。ホツパー３の上面は蓋３３
によつて密閉され、この蓋３３に原料投入管３４
と排気管４８が挿通され、排気管４８は吸気管４
１に接続されていて、原料ａを予熱した燃焼ガス
は排気管４８から排出される。

上記実施例によつて具体的に説明したように、
本考案のロータリーキルンは、炉体内に円筒形の
レトルトを水平に若しくは傾斜を付して設置し、
該レトルトの一端から投入された原料を該レトル
トの回転により他端へ移送しつつ撹拌して加熱す
るようにしたロータリーキルンにおいて、前記炉
体に形成した排気孔に吸気管を接続したブロアー
の排気管を、前記レトルトの前記一端に設けた原
料投入用ホツパーと、前記レトルトの前記他端と
に臨ませ、前記炉体内の燃焼ガスを前記ホツパー
内と前記レトルト内とへ送給する構成としたこと
を要旨とするものであつて、炉体内の燃焼ガスを
ホツパー内に送給するようにしたから、ホツパー
内の原料が高温度の燃焼ガスに直接接触して極め
て効率良く予熱することができるとともに、レト
ルト内へも送給するようにしたから、レトルト内
の温度が高められて熱効率が著しく向上し、さら
に、レトルト内を還元雰囲気に保つて被加熱物の
酸化を防止することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦
断面図、第２図はレトルトの縦断面図、第３図は
その拡大断面図、第４図はレトルト内面に植設さ
れたかき板の変形例を示す断面図、第５図は第４
図Ａ−Ａ線断面図である。 １：炉体、２：レトルト、３：ホツパー、４：
ブロアー、４２：排気管、４６：枝管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉体内に円筒形のレトルトを水平に若しくは傾
   斜を付して設置し、該レトルトの一端から投入さ
   れた原料を該レトルトの回転により他端へ移送し
   つつ撹拌して加熱するようにしたロータリーキル
   ンにおいて、前記炉体に形成した排気孔に吸気管
   を接続したブロアーの排気管を、前記レトルトの
   前記一端に設けた原料投入用ホツパーと、前記レ
   トルトの前記他端とに臨ませ、前記炉体内の燃焼
   ガスを前記ホツパー内と前記レトルト内とへ送給
   する構成としたことを特徴とするロータリーキル
   ン。