JPS6121670B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は殺菌充填プロセスに於て使用する場合
に好適な滅菌システムに関し、特に固形物を含ん
だ液状製品を一定の背圧をかけながら連続的に滅
菌し、無菌的に無菌タンクに回収することができ
る滅菌装置に関する。

近年、鑵詰製品やレトルト製品に比べて品質的
に良好な製品を得ることができる、無菌充填装置
が注目を集めはじめている。ところが、上記の無
菌充填装置に於ては、従来鑵詰やレトルト製品で
は可能であつた固形物を含んだ製品を処理するこ
とが困難であつた。その理由の１つとして、従来
の無菌充填プロセスに於ては、固形物を含む製品
を一定の条件で、しかも連続的に滅菌することが
可能な連続滅菌装置が確立されていなかつたこと
がある。即ち、無菌充填プロセスに於て、処理物
の滅菌は通常100℃を越える高温でなされる場合
が多く、常圧下では滅菌装置内で、製品が沸騰を
起こし、このため滅菌装置内に一定の背圧をかけ
ながら処理する必要があつた。

従来の連続滅菌装置に於る背圧のかけ方の１つ
として、殺菌手段の前後にポンプを設け、２台の
ポンプで背圧をかける方法がとられていた。とこ
ろが上記の方法では、製品を殺菌状態にまで滅菌
できるような殺菌条件をとると、後方のポンプに
は相当の高温高圧がかかり、上記ポンプの性能面
から、製品を一定条件で滅菌することが困難であ
つた。上記の問題は、無菌充填プロセスに於て致
命的なものである。また、敢えて上記のような高
温高圧下でも装置的に耐え得るポンプを使用する
場合には、特殊な構造・材質とならざるをえず、
また高価なものとなる等種々の問題があつた。

また従来の滅菌装置に於る他の背圧のかけ方と
して、上記の場合に於る後方のポンプの代わり
に、圧力制御弁もしくはホモゲナイザーを使用す
る方法があるが、この場合には、製品に含まれる
固形物が圧力制御弁又はホモゲナイザーの部分で
詰まり、システム内の圧力異常を起こし、装置が
破壊する等の問題があり、固形物を含む製品を処
理する場合には、一切使用することができなかつ
た。

本発明の目的は、固形物を含む液状製品を、一
定の背圧をかけながら、連続的に高温短時間で滅
菌することが可能であるとともに、上記の殺菌条
件を達成しつつ、殺菌性を保持した状態で、製品
以外（水、もしくは製品の混合液）を装置外に排
出し、製品のみを無菌タンクに回収することが可
能な、無菌充填プロセスに於る滅菌装置を提供す
ることにある。

本発明者らは、上記の目的を達成すべく滅菌装
置について研究を進めた結果、滅菌装置に於て、
圧力制御弁を設けた排水用管、背圧用ポンプを設
けた背圧用管、及び殺菌手段から無菌タンクに繋
がる移送用管を設け、(1)作業前の装置滅菌の際の
熱水は、上記排水用管から装置外に排出し、この
際殺菌手段には上記圧力制御弁によつて背圧をか
け、(2)次の、実際に製品を無菌タンクに回収し始
めるまでの、水運転の際の水の混つた製品は、上
記背圧用管より装置外に排出し、この際殺菌手段
には上記の背圧用ポンプによつて背圧をかけ、(3)
実際の製品を無菌タンクに回収する際には、無菌
タンクで空気圧によつて殺菌手段に背圧をかけ
る。このようにすることによつて、圧力制御弁及
び背圧用ポンプを、実質的に製品が通る配管から
外すことによつて、圧力制御弁及び背圧用ポンプ
を極度の高温高圧条件下に置くことなく、殺菌手
段に一定の背圧をかけることが可能となり、しか
も、上記の様な比較的簡単な構造で固形物を含ん
だ製品を連続的に滅菌し、無菌状態を保持したま
ま、製品のみを無菌タンクに回収できることを見
出した。

本発明は上記の知見に基づいてなされたもの
で、その要旨は、少なくとも、殺菌手段、該殺菌
手段に液状製品を圧送するための圧送ポンプ、空
気圧の制御が可能な無菌タンク、背圧用ポンプ、
及び排水用の圧力制御弁からなり、該無菌タンク
は移送用管により殺菌手段と連結され、該背圧用
ポンプは該移送用管より分岐する背圧用管に設け
られ、該圧力制御弁は該移送用管又は該背圧用管
より分岐する排水用管に設けられ、該圧送ポンプ
及び該無菌タンク又は該圧送ポンプ及び該背圧用
ポンプ又は該圧送ポンプ及び該圧力制御弁によつ
て背圧をかけることを特徴とする、固形物を含ん
だ液状製品を連続的に滅菌し、該無菌タンクに無
菌的に回収することが可能な滅菌装置、である。

以下図面に基づいて、本発明について詳しく説
明する。

第１図は、本発明滅菌装置の好ましい一態様を
示すフロー図である。

本発明殺菌装置で、背圧用管２１は、圧送ポン
プ３から無菌タンク６に繋がる移送用管２０の加
熱装置４より後方の部分から分岐し、また、排水
用管２２は、移送用管２０の上記と同じ部分又は
背圧用管２１の背圧用ポンプ８よりも前方の部分
から分岐するものである。

本発明に於て、前記加熱装置４はそれに続くホ
ールデイングチユーブ２３と共に、本発明で言う
「殺菌手段」を構成している。

実際にこの滅菌装置を稼動させる場合には、第
１段階として、装置内の無菌性を確保するため
に、例えば130〜150℃の熱水で約30分間装置滅菌
を行なう。第２段階として、製品の代わりに水を
流す水運転、第３段階として、上記水運転から実
際の製品への切り替え運転、第４段階として、製
品を無菌タンクに回収する実液運転、と以上の各
段階を追つて稼動される。

先ず、装置滅菌の段階では、開閉弁１１が開放
され、水タンク１から装置内に供給された水は、
圧送ポンプ３によつて加熱装置４に送られる。圧
送ポンプ３は、比較的定量性のの高い固形物を含
む液状製品を送ることができる。モーノ型ポン
プ、ロータリー型ポンプ等を使用することが好ま
しい。

また、加熱装置４としては、固形物を通すこと
ができる表面掻き取り式熱交換器、プレート式熱
交換器、チユーブ式熱交換器、等を使用すること
が可能であり、撹拌機能を有した表面掻き取り式
熱交換器を使用することが特に有効である。

加熱装置４に送られた水は、加熱装置４で、例
えば130〜150℃まで加熱される。加熱後ホールデ
イングチユーブ２３で滅菌された熱水は、冷却器
５（この段階では稼動されていない）、移送用管
２０、排水用管２２を通り、冷却器９で100℃以
下に冷却後、圧力制御弁７を経て装置外に排出さ
れる。この際、加熱装置４には、上記圧力制御弁
７によつて一定の背圧がかけられ、水は絶えず一
定条件で滅菌される。尚、この際開閉弁１２，１
３，１５は閉鎖され、開閉弁１４は開放されてい
る。

第２段階の水運転に入ると、冷却器５が稼動さ
れ始め、上記冷却器５を通過後の水の品温が約50
℃以下にまで冷却されれるようになつた時点で、
冷却器９の稼動を止め、開閉弁１４を閉鎖し、開
閉弁１５を開放する。したがつて、この場合に、
背圧用管２１に設けられた背圧用ポンプ８は極度
の高温下に置かれず、加熱装置４には、上記背圧
用ポンプ８によつて、一定の背圧をかけることが
可能である。

次に上記の水運転が安定した後、水タンク１の
開閉弁１１を閉鎖し、開閉弁１２を開放すること
にによつて、ホツパー２から製品が供給されて、
実液運転に切り替えられる。尚、この際にも、上
記の場合と同様に加熱装置４には、背圧用ポンプ
８によつて一定の背圧がかけられ、装置内の無菌
状態を崩すことなく、固形物を含んだ製品を背圧
用管２１から排出できる。

次に、完全に製品に切り替つた時点で、開閉弁
１５は閉鎖され、開閉弁１３が開放され、製品は
無菌タンク６に回収され始める。上記無菌タンク
６は、圧力センサー１８及び圧力コントローラー
１９を備え、圧力センサー１８でタンク内の圧力
を感知し、圧力コントローラー１９でタンク内の
圧力を、空気圧によつて絶えず一定に制御する機
能を有し、かつ耐圧性のものである。したがつ
て、実液運転の際にも、加熱装置４には上記の無
菌タンク６で制御された空気圧によつて、絶えず
一定の背圧がかけられる。

最後に、無菌タンク６に回収された製品は、開
閉弁１３を閉鎖し、開閉弁１６を開放して、充填
包装工程等次工程に送られる。

以上のように、本発明滅菌装置によれば、特に
固形物を含んだ液状製品を、一定の背圧をかけな
がら連続的に滅菌し、無菌的に無菌タンクに回収
することが可能であり、無菌充填プロセスに於る
滅菌装置として使用する場合に非常に有効であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明滅菌装置の一実施例を示すフ
ロー図である。 １……水タンク、２……ホツパー、３……圧送
ポンプ、４……加熱装置、５，９……冷却器、６
……無菌タンク、７……圧力制御弁、８……背圧
用ポンプ、１０……エアーフイルター、１１〜１
６……開閉弁、１７……圧力操作弁、１８……圧
力センサー、１９……圧力コントローラー、２０
……移送用管、２１……背圧用管、２２……排水
用管、２３……ホールデイングチユーブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 殺菌手段、該殺菌手段に液状物を圧送するた
   めの圧送ポンプ、空気圧の制御が可能な無菌タン
   ク、背圧用ポンプ、及び排水用の圧力制御弁から
   なり、該無菌タンクは移送用管により殺菌手段と
   連結され、該背圧用ポンプは該移送用管より分岐
   する背圧用管に設けられ、該圧力制御弁は該移送
   用管又は該背圧用管より分岐する排水用管に設け
   られてなることを特徴とする、固形物を含んだ液
   状製品を連続的に滅菌し、該殺菌タンクに殺菌的
   に回収することが可能な滅菌装置。