JPS6121651Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

（考案の目的） （産業上の利用分野） 本考案は、タイヤ内部に空気を注入するために
用いられるタイヤ空気弁に関する。 （従来の技術） この種のタイヤ空気弁は、タイヤ内部に空気を
注入した場合に、タイヤ内部と大気との間の気密
性を保ち、空気注入時、空気抜き時、タイヤ圧検
査時等における空気の通過を保証する機能を必要
とすることは知られている。 またチユーブレスタイヤにおいては、タイヤビ
ームがリム上に配置されてタイヤ内圧の増大を行
なう必要性から、空気注入量を、リムとビードの
間の空気漏れより大きい量で行なわなければなら
ない。 たとえばフランス特許第1069397号に開示され
ているタイヤ空気弁は、タイヤに気密的に固定さ
れる外側弁胴と、気密制を保証するための内側部
品と、弁体および案内軸を含む可動装置と、栓と
を有して構成されており、構成部品点数が多く、
組み立てに時間を要し、製造コストが高くなる。
また上記形式のタイヤ空気弁では、内側部品と弁
胴との間、および弁体と弁座との間の２つの位置
で気密性を保持する構成にしなければならない。
さらには空気通路断面積が小さいため、空気注入
時や空気抜き時に際して大流量を得ようとする場
合には弁内部装置を離脱せしめる必要がある。 （考案が解決しようとする問題点） 上記した如くタイヤ空気弁の構成部品点数も大
とすると、製造コストが高くなつてしまう。 そこで本考案は以上の欠点を除去するもので構
成を簡単化し、コストダウンを図り得るようにし
たタイヤ空気弁を提供することを目的とする。 （考案の構成） （問題点を解決するための手段） 本考案のタイヤ空気弁は、円錐形弁座を有する
外側弁胴と、弁軸の一端に弁体他端に保持頭部を
設け外側弁胴内に軸方向に可動に配置された内側
可動ユニツトとを有し弁体に設けた円錐係止部を
弁閉じ位置において外側弁胴の円錐形弁座に係合
せしめるようにしたタイヤ空気弁において、上記
内側可動ユニツトの保持頭部に、軸方向に剛くか
つ半径方向に変形可能の複数の弾性片を、弁座方
向に大径開口が位置する円錐形に配設したことを
特徴とする。 （作用） 本考案のタイヤ空気弁において、外側弁胴内に
設けた内側可動ユニツトが、保持頭部に設けた円
錐形弾性片の外側弁胴に当接する固定位置と、内
側可動ユニツトの弁体に設けた円錐系係止部の外
側弁胴の円錐形弁座に当接する固定位置との間で
可動し、したがつてタイヤへの空気注入時には大
きな空気通路を、また弁を閉じる場合には弁体を
動かすに十分な小さい空気通路を形成し得ること
になり、タイヤへの空気入れ、またはタイヤから
の空気抜きに要する作業時間の短縮化を図り得る
ことになる。 （実施例） 以下本考案の一実施例を図面に付き説明する。 第１図に素雌タイヤ空気弁は、先端部分２０に
ねじ面を形成した外側弁胴２１とこの外側弁胴２
１の内部に軸方向に可動に配置される内側可動ユ
ニツトとを有して構成されている。上記外側弁胴
２１にはソケツト部２２、円形ストツプ２３、案
内通路２４および円錐形弁座２５が先端部分２０
側から順に形成されている。 一方、内側可動ユニツトは、弁軸２７の一端に
保持頭部２６および他端に弁体２８をそれぞれ設
けて形成されるものであつて、弁体２８の弁軸側
端面には円錐形係止部２９がまた外周面には円筒
形弾性体３０がストツパ３１を介して外嵌固定さ
れている。 他方上記保持頭部２６には、軸方向に剛くかつ
半径方向に変形可能な複数の弾性片３２，３２…
が一体に形成されている。上記弾性片３２…は全
体として弁座２８の方向が大径開口となる円錐形
を形成している。 しかして上記内側可動ユニツトは、外側弁胴２
１の内部に、保持頭部２６がソケツト部２２内
に、弁体２８の円錐形係止部２９が弁座２５に当
接するように配置される。 本考案によれば、内側可動ユニツトは、保持頭
部２６に設けた円筒形弾性体３２が、外側弁胴２
１の円形ストツプ２３に当接する固定位置と、弁
体２８の円錐形係止部２９が円錐形弁座２５に当
接し封止部を形成する固定位置の２つの位置間を
動くことになる。これら固定位置を保つ内側可動
ユニツトは、弾性片３２が円形ストツプ２３に当
接する位置では通常の空気注入装置を用いて空気
の注入を行ない得、また弁体２８が弁座２５に当
接する位置では、円錐形弾性体の圧縮により弁座
２５と弁体２８の係止部２９との間の当接面の封
止を確実に行なう。 第２図は本考案の他の実施例を示すものであつ
て、この実施例においては、弁胴４０に、半径方
向に弾性、軸方向に剛性の円錐形弾性片４１を設
けるとともに、内側可動ユニツトの保持頭部４２
の下面４３に円形当接面を形成するようにしてあ
る。 次に本考案のタイヤ空気弁と従来のタイヤ空気
弁をタイヤに組み込んだ場合における実験例を示
す。 容量26リツトルのタイヤについて実施されたテ
ストで得られた空気入れ時間と空気抜き時間。

【表】 上記の表から明らかなように、本考案のタイヤ
空気弁は、何等の操作を加えないで、内部装置を
引出した従来のタイヤ空気弁と同等の時間で作動
することができる。従来のタイヤ空気弁では引出
された内部装置を再装着しなければならないの
で、空気入れまらは空気抜きに要する作業時間の
短縮化を図り得ることになる。 なお本考案のタイヤ空気弁では弁内部装置を離
脱することなく大流量の注入を行ない得るので、
現在では２回に分けて行なわれているチユーブレ
スタイヤへの空気入れを１回で行ない得る。 （考案の効果） 以上述べたように本考案によれば、外側弁胴お
よび内側可動ユニツトを金属、プラスチツク、ゴ
ム等の成形品、または機械加工品で作り得るの
で、製造コストを下げることができ、また弾性片
が半径方向に変形可能であるから、内側可動ユニ
ツトの外側弁胴への装着を簡単に行ない得し、し
かもタイヤ空気弁の気密区域は弁体と弁座との間
の部分だけであるから、大流量の空気注入を行な
い得るという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるタイヤ空気弁の断面図、
第２図は本考案の他の実施例を示す図である。 ２１……外側弁胴、２３……円形ストツプ、２
５……円錐形弁座、２６……保持頭部、２７……
弁軸、２８……弁体、２９……円錐形係止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 円錐形弁座を有する外側弁胴と、弁軸の一端
   に弁体他端に保持頭部を設け外側弁胴内に軸方
   向に可動に配置された内側可動ユニツトとを有
   し弁体に設けた円錐係止部を弁閉じ位置におい
   て外側弁胴の円錐形弁座に係合せしめるように
   したタイヤ空気弁において、上記内側可動ユニ
   ツトの保持頭部に、軸方向に剛くかつ半径方向
   に変形可能の複数の弾性片を、弁座方向に大径
   開口が位置する円錐形に配設したことを特徴と
   するタイヤ空気弁。 ２ 上記弾性片が保持頭部に一体に成形されてい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のタイヤ空気弁。