JPS6121224B2 - - Google Patents
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- JPS6121224B2 JPS6121224B2 JP4116778A JP4116778A JPS6121224B2 JP S6121224 B2 JPS6121224 B2 JP S6121224B2 JP 4116778 A JP4116778 A JP 4116778A JP 4116778 A JP4116778 A JP 4116778A JP S6121224 B2 JPS6121224 B2 JP S6121224B2
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- bis
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- dicyanophenol
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Description
この発明は、2,6−ビス(カルボキシヒドロ
キシメチル)フエノール誘導体と含窒素化合物と
酸素とから、金属触媒の存在下で2,6−ジシア
ノフエノール誘導体を製造する方法に関する。
2,6−ジシアノフエノール誘導体は、各種医
薬、農薬および染料の合成原料として有用な化合
物である。 従来、ホルミルフエノール誘導体からシアノフ
エノール誘導体の製造法として多くの方法が提案
されている。例えば、ホルミルフエノール誘導体
に酸性条件下でトリアゾ水素酸ソーダを作用させ
る方法〔C.Shuerch,Jr.J.Am.Chem.Soc.,70,
2293(1948)〕があるが、この方法は非常に不安
定で爆発の危険性があるトリアゾ水素酸ソーダを
用いなければならないので、反応操作がむずかし
く、工業的に適した方法ではない。 また、ホルミルフエノール誘導体とヒドロキシ
ルアミンとを反応させて、一旦ヒドロキシベンズ
アルドキシム誘導体にした後、このヒドロキシベ
ンズアルドキシム誘導体を種々の脱水剤により脱
水してシアノフエノール誘導体を製造する方法
〔USP2644830明細書:I.B.Johns etal.J.Org.
Chem.,27,592(1962)〕があるが、この方法は
製造工程が複雑であるという欠点を有している。
さらに、2−ホルミルフエノールをヒドロキシル
アミン硫酸塩とギ酸ソーダで処理することにより
2−シアノフエノールを製造する方法〔Ger.
Offen.2014984公報〕は、長期の反応時間を要す
るので工業的とはいえない。 ベンズアルデヒドを銅触媒の存在下、酸素含有
ガスとアンモニアによりアンモ酸化してベンゾニ
トリルを製造する方法〔W.Brackman etal,
Rec.Trav.Chim.,82,757(1963):A.Misono
etal,Bull.Chem.Soc.Japan,40,912(1967)〕
は、反応系中に水が存在するとアンモ酸化反応が
妨害されるため反応系を非水状態に保たなければ
ならず、したがつて原料の除湿や反応容器の密封
などを要して工業的に不利である。さらに、この
方法を2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチ
ル)フエノール誘導体から2,6−ジシアノフエ
ノール誘導体を製造する反応に応用してみても、
目的物の収率が向上しないことを知つた。 そこで、この発明者らは、この方法を改良して
高収率で2,6−ジシアノフエノール誘導体を製
造することを目的に鋭意研究した結果、意外に
も、ベンズアルデヒドからベンゾニトリルを製造
するアンモ酸化において反応を妨害していた水
が、この発明の方法では反応媒体として使用でき
ることを見い出し、この発明に到達した。 すなわち、この発明は、一般式() (ただし、式中Xは水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基およびハロゲン原子を示
す。) で表わされる2,6−ビス(カルボキシヒドロキ
シメチル)フエノール誘導体と、アンモニア、尿
素および無機アンモニウム塩からなる群から選ば
れた含窒素化合物と、酸素とを、銅、鉄およびマ
ンガンからなる群から選ばれる金属の単体、酸化
物、水酸化物、塩化物、硫酸塩および/または酢
酸塩を用いた金属触媒の存在下、塩基性水媒体中
で反応させることを特徴とする一般式() (ただし、式中のXは前記と同じ意味を有す
る。) で表わされる2,6−ジシアノフエノール誘導体
の製造方法に関するものである。 この発明の方法で用いる2,6−ビス(カルボ
キシヒドロキシメチル)フエノール誘導体は一般
式()で表わされる。 (ただし、式中Xは前記と同じ意味を有す
る。) 2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)
フエノール誘導体の具体例として、例えば、2,
6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)フエノ
ール、低級アルキル基の置換した2,6−ビス
(カルボキシヒドロキシメチル)フエノール、低
級アルコキシ基の置換した2,6−ビス(カルボ
キシヒドロキシメチル)フエノール、ハロゲン原
子の置換した2,6−ビス(カルボキシヒドロキ
シメチル)フエノールなどが挙げられる。 この発明の方法に用いられる含窒素化合物とし
ては、アンモニア、尿素および無機アンモニウム
塩などが挙げられるが、その他各種のアミン類も
用いることができる。無機アンモニウム塩とし
て、例えば、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウ
ムおよび硫酸アンモニウムなどが挙げられる。 一般式()においてXがハロゲン原子である
2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)フ
エノールを用いるときには特に尿素が好ましく、
また一般式()においてXが水素原子、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基である2,6−ビス
(カルボキシヒドロキシメチル)フエノールを用
いるときには特にアンモニアが好ましい。 アンモニアは液体アンモニア、アンモニアガ
ス、アンモニア水溶液として用いることができ、
尿素ならびに塩化アンモニウム、炭酸アンモニウ
ムおよび硫酸アンモニウムなどの無機アンモニウ
ム塩は、そのままでも、またこれらの水溶液とし
ても用いることができる。 アンモニアの使用量は、2,6−ビス(カルボ
キシヒドロキシメチル)フエノール誘導体の使用
量に対し化学量論的に2モル倍以上であればよ
く、好ましくは3〜75モル倍であり、塩化アンモ
ニウムの使用量は、2,6−ビス(カルボキシヒ
ドロキシメチル)フエノール誘導体の使用量に対
し化学量論的に2モル倍以上であればよく、好ま
しくは2〜8モル倍であり、尿素、炭酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウムなどの使用量は、2,6
−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)フエノー
ル誘導体の使用量に対し等モル以上であればよ
く、好ましくは1.5〜7.5モル倍である。 この発明の方法における酸素は、酸素ガス、窒
素などの不活性ガスで希釈した酸素含有ガスおよ
び空気などとして用いることができる。特に、空
気を用いるのが簡単で好都合である。 酸素の供給量は、反応液1当り0.015〜
1.5Nl/分、好ましくは0.075〜0.75Nl/分、であ
る。酸素の供給量が前記の範囲の量よりも少ない
ときは反応速度が小さくなり、前記の範囲より多
くしても酸素の供給量を多くすることによる利点
がない。 この発明の方法に用いる金属触媒は、銅、鉄お
よびマンガンからなる群から選ばれる金属の単
体、酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩および/
または酢酸塩である。なかでも、銅の単体、酸化
物、水酸化物、塩化物、硫酸塩および酢酸塩が好
ましい。 金属触媒の使用量は、2,6−ビス(カルボキ
シヒドロキシメチル)フエノール誘導体1モル当
り0.001g原子以上、好ましくは、0.05〜0.5g原
子である。金属触媒の使用量が、2,6−ビス
(カルボキシヒドロキシメチル)フエノール誘導
体1モル当り0.001g原子より少ないと反応速度
が著しく小さくなり、0.5g原子より多くても格
別の効果はない。 塩基性水媒体は、水に塩基性物質を溶解させる
ことにより調製され、塩基性物質としてはカセイ
ソーダ、カセイカリ、炭酸ソーダおよび炭酸カリ
などが挙げられる。塩基性物質の使用量は、2,
6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)フエノ
ール誘導体の使用量に対して1〜10モル倍、好ま
しくは2〜5モル倍である。その他塩基性水媒体
として、緩衝溶液を用いることもできる。このよ
うな緩衝溶液として、炭酸ソーダと炭酸水素ソー
ダを含む水溶液、リン酸一水素ソーダとカセイソ
ーダを含む水溶液、リン酸一水素ソーダとリン酸
ソーダを含む水溶液などが挙げられる。 反応混合液中の2,6−ビス(カルボキシヒド
ロキシメチル)フエノール誘導体の濃度は、通常
0.2〜50重量%が適当であり、特に0.5〜15重量%
が好ましい。 反応温度は80〜140℃、特に90〜130℃が好まし
い。また反応圧力は常圧でも加圧でもよい。反応
時間は、2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメ
チル)フエノール誘導体の種類や量、あるいは反
応温度などにより異なるが、通常、1〜2.5時間
である。 反応終了後、得られる反応生成液からの2,6
−ジシアノフエノール誘導体の単離は、例えば、
つぎのような操作によつて行なうことができる。 反応生成液に、そのPH値が5以下になるまで塩
酸、硫酸などの鉱酸を添加した後、2,6−ジシ
アノフエノール誘導体をエーテル、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの有機溶媒で抽出する。そ
して、この有機溶媒層を蒸留することにより、
2,6−ジシアノフエノール誘導体を単離する。 この発明の方法で得られる2,6−ジシアノフ
エノール誘導体は一般式()で表わされる。 (ただし、式中Xは前記と同じ意味を有す
る。) 2,6−ジシアノフエノール誘導体の具体例と
して、例えば、2,6−ジシアノフエノール、低
級アルキル基の置換した2,6−ジシアノフエノ
ール、低級アルコキシ基の置換した2,6−ジシ
アノフエノール、ハロゲン原子の置換した2,6
−ジシアノフエノールなどが挙げられる。 この発明の方法を実施することによつて、従来
のような複雑な工程を経ることなく一段の反応工
程において、短縮された反応時間で高収率、高選
択率で2,6−ジシアノフエノール誘導体を製造
することができる。 次にこの発明の実施例および参考例を示す。 実施例1〜17および参考例 オートクレーブ中で、2,6−ビス(カルボキ
シヒドロキシメチル)フエノール誘導体50mmol
とカセイソーダ8gとをアンモニア水(アンモニ
アを28重量%含有)122gに溶解した溶液に金属
触媒を添加混合し、さらに水を加えて全量500ml
の反応混合液とした。この反応混合液に、圧力2
Kg/cm2(ゲージ)で空気を0.25Nl/分の流速で流
通させながら、撹拌下125℃で120分間反応を行な
つた。 反応終了後、反応生成物から金属触媒を別す
ると均一な溶液が得られた。この溶液に12N−塩
酸27mlを加えてPH値を2とした後、エチルエーテ
ル各500mlで5回抽出し、抽出液中に含まれる
2,6−ジシアノフエノール誘導体をガスクロマ
トグラフイーで分析した。その結果を第1表に示
す。なお、2,6−ビス(カルボキシヒドロキシ
メチル)フエノール誘導体の反応率は、いずれも
100%であつた。 参考例から明らかなように、この発明の方法に
よると、2,4−ビス(カルボキシヒドロキシメ
チル)フエノール誘導体の水酸基に隣接しないカ
ルボキシヒドロキシメチル基はシアノ基に変換さ
れず、ホルミル基に変換されるにとどまる。
キシメチル)フエノール誘導体と含窒素化合物と
酸素とから、金属触媒の存在下で2,6−ジシア
ノフエノール誘導体を製造する方法に関する。
2,6−ジシアノフエノール誘導体は、各種医
薬、農薬および染料の合成原料として有用な化合
物である。 従来、ホルミルフエノール誘導体からシアノフ
エノール誘導体の製造法として多くの方法が提案
されている。例えば、ホルミルフエノール誘導体
に酸性条件下でトリアゾ水素酸ソーダを作用させ
る方法〔C.Shuerch,Jr.J.Am.Chem.Soc.,70,
2293(1948)〕があるが、この方法は非常に不安
定で爆発の危険性があるトリアゾ水素酸ソーダを
用いなければならないので、反応操作がむずかし
く、工業的に適した方法ではない。 また、ホルミルフエノール誘導体とヒドロキシ
ルアミンとを反応させて、一旦ヒドロキシベンズ
アルドキシム誘導体にした後、このヒドロキシベ
ンズアルドキシム誘導体を種々の脱水剤により脱
水してシアノフエノール誘導体を製造する方法
〔USP2644830明細書:I.B.Johns etal.J.Org.
Chem.,27,592(1962)〕があるが、この方法は
製造工程が複雑であるという欠点を有している。
さらに、2−ホルミルフエノールをヒドロキシル
アミン硫酸塩とギ酸ソーダで処理することにより
2−シアノフエノールを製造する方法〔Ger.
Offen.2014984公報〕は、長期の反応時間を要す
るので工業的とはいえない。 ベンズアルデヒドを銅触媒の存在下、酸素含有
ガスとアンモニアによりアンモ酸化してベンゾニ
トリルを製造する方法〔W.Brackman etal,
Rec.Trav.Chim.,82,757(1963):A.Misono
etal,Bull.Chem.Soc.Japan,40,912(1967)〕
は、反応系中に水が存在するとアンモ酸化反応が
妨害されるため反応系を非水状態に保たなければ
ならず、したがつて原料の除湿や反応容器の密封
などを要して工業的に不利である。さらに、この
方法を2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチ
ル)フエノール誘導体から2,6−ジシアノフエ
ノール誘導体を製造する反応に応用してみても、
目的物の収率が向上しないことを知つた。 そこで、この発明者らは、この方法を改良して
高収率で2,6−ジシアノフエノール誘導体を製
造することを目的に鋭意研究した結果、意外に
も、ベンズアルデヒドからベンゾニトリルを製造
するアンモ酸化において反応を妨害していた水
が、この発明の方法では反応媒体として使用でき
ることを見い出し、この発明に到達した。 すなわち、この発明は、一般式() (ただし、式中Xは水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基およびハロゲン原子を示
す。) で表わされる2,6−ビス(カルボキシヒドロキ
シメチル)フエノール誘導体と、アンモニア、尿
素および無機アンモニウム塩からなる群から選ば
れた含窒素化合物と、酸素とを、銅、鉄およびマ
ンガンからなる群から選ばれる金属の単体、酸化
物、水酸化物、塩化物、硫酸塩および/または酢
酸塩を用いた金属触媒の存在下、塩基性水媒体中
で反応させることを特徴とする一般式() (ただし、式中のXは前記と同じ意味を有す
る。) で表わされる2,6−ジシアノフエノール誘導体
の製造方法に関するものである。 この発明の方法で用いる2,6−ビス(カルボ
キシヒドロキシメチル)フエノール誘導体は一般
式()で表わされる。 (ただし、式中Xは前記と同じ意味を有す
る。) 2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)
フエノール誘導体の具体例として、例えば、2,
6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)フエノ
ール、低級アルキル基の置換した2,6−ビス
(カルボキシヒドロキシメチル)フエノール、低
級アルコキシ基の置換した2,6−ビス(カルボ
キシヒドロキシメチル)フエノール、ハロゲン原
子の置換した2,6−ビス(カルボキシヒドロキ
シメチル)フエノールなどが挙げられる。 この発明の方法に用いられる含窒素化合物とし
ては、アンモニア、尿素および無機アンモニウム
塩などが挙げられるが、その他各種のアミン類も
用いることができる。無機アンモニウム塩とし
て、例えば、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウ
ムおよび硫酸アンモニウムなどが挙げられる。 一般式()においてXがハロゲン原子である
2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)フ
エノールを用いるときには特に尿素が好ましく、
また一般式()においてXが水素原子、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基である2,6−ビス
(カルボキシヒドロキシメチル)フエノールを用
いるときには特にアンモニアが好ましい。 アンモニアは液体アンモニア、アンモニアガ
ス、アンモニア水溶液として用いることができ、
尿素ならびに塩化アンモニウム、炭酸アンモニウ
ムおよび硫酸アンモニウムなどの無機アンモニウ
ム塩は、そのままでも、またこれらの水溶液とし
ても用いることができる。 アンモニアの使用量は、2,6−ビス(カルボ
キシヒドロキシメチル)フエノール誘導体の使用
量に対し化学量論的に2モル倍以上であればよ
く、好ましくは3〜75モル倍であり、塩化アンモ
ニウムの使用量は、2,6−ビス(カルボキシヒ
ドロキシメチル)フエノール誘導体の使用量に対
し化学量論的に2モル倍以上であればよく、好ま
しくは2〜8モル倍であり、尿素、炭酸アンモニ
ウム、硫酸アンモニウムなどの使用量は、2,6
−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)フエノー
ル誘導体の使用量に対し等モル以上であればよ
く、好ましくは1.5〜7.5モル倍である。 この発明の方法における酸素は、酸素ガス、窒
素などの不活性ガスで希釈した酸素含有ガスおよ
び空気などとして用いることができる。特に、空
気を用いるのが簡単で好都合である。 酸素の供給量は、反応液1当り0.015〜
1.5Nl/分、好ましくは0.075〜0.75Nl/分、であ
る。酸素の供給量が前記の範囲の量よりも少ない
ときは反応速度が小さくなり、前記の範囲より多
くしても酸素の供給量を多くすることによる利点
がない。 この発明の方法に用いる金属触媒は、銅、鉄お
よびマンガンからなる群から選ばれる金属の単
体、酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩および/
または酢酸塩である。なかでも、銅の単体、酸化
物、水酸化物、塩化物、硫酸塩および酢酸塩が好
ましい。 金属触媒の使用量は、2,6−ビス(カルボキ
シヒドロキシメチル)フエノール誘導体1モル当
り0.001g原子以上、好ましくは、0.05〜0.5g原
子である。金属触媒の使用量が、2,6−ビス
(カルボキシヒドロキシメチル)フエノール誘導
体1モル当り0.001g原子より少ないと反応速度
が著しく小さくなり、0.5g原子より多くても格
別の効果はない。 塩基性水媒体は、水に塩基性物質を溶解させる
ことにより調製され、塩基性物質としてはカセイ
ソーダ、カセイカリ、炭酸ソーダおよび炭酸カリ
などが挙げられる。塩基性物質の使用量は、2,
6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)フエノ
ール誘導体の使用量に対して1〜10モル倍、好ま
しくは2〜5モル倍である。その他塩基性水媒体
として、緩衝溶液を用いることもできる。このよ
うな緩衝溶液として、炭酸ソーダと炭酸水素ソー
ダを含む水溶液、リン酸一水素ソーダとカセイソ
ーダを含む水溶液、リン酸一水素ソーダとリン酸
ソーダを含む水溶液などが挙げられる。 反応混合液中の2,6−ビス(カルボキシヒド
ロキシメチル)フエノール誘導体の濃度は、通常
0.2〜50重量%が適当であり、特に0.5〜15重量%
が好ましい。 反応温度は80〜140℃、特に90〜130℃が好まし
い。また反応圧力は常圧でも加圧でもよい。反応
時間は、2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメ
チル)フエノール誘導体の種類や量、あるいは反
応温度などにより異なるが、通常、1〜2.5時間
である。 反応終了後、得られる反応生成液からの2,6
−ジシアノフエノール誘導体の単離は、例えば、
つぎのような操作によつて行なうことができる。 反応生成液に、そのPH値が5以下になるまで塩
酸、硫酸などの鉱酸を添加した後、2,6−ジシ
アノフエノール誘導体をエーテル、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの有機溶媒で抽出する。そ
して、この有機溶媒層を蒸留することにより、
2,6−ジシアノフエノール誘導体を単離する。 この発明の方法で得られる2,6−ジシアノフ
エノール誘導体は一般式()で表わされる。 (ただし、式中Xは前記と同じ意味を有す
る。) 2,6−ジシアノフエノール誘導体の具体例と
して、例えば、2,6−ジシアノフエノール、低
級アルキル基の置換した2,6−ジシアノフエノ
ール、低級アルコキシ基の置換した2,6−ジシ
アノフエノール、ハロゲン原子の置換した2,6
−ジシアノフエノールなどが挙げられる。 この発明の方法を実施することによつて、従来
のような複雑な工程を経ることなく一段の反応工
程において、短縮された反応時間で高収率、高選
択率で2,6−ジシアノフエノール誘導体を製造
することができる。 次にこの発明の実施例および参考例を示す。 実施例1〜17および参考例 オートクレーブ中で、2,6−ビス(カルボキ
シヒドロキシメチル)フエノール誘導体50mmol
とカセイソーダ8gとをアンモニア水(アンモニ
アを28重量%含有)122gに溶解した溶液に金属
触媒を添加混合し、さらに水を加えて全量500ml
の反応混合液とした。この反応混合液に、圧力2
Kg/cm2(ゲージ)で空気を0.25Nl/分の流速で流
通させながら、撹拌下125℃で120分間反応を行な
つた。 反応終了後、反応生成物から金属触媒を別す
ると均一な溶液が得られた。この溶液に12N−塩
酸27mlを加えてPH値を2とした後、エチルエーテ
ル各500mlで5回抽出し、抽出液中に含まれる
2,6−ジシアノフエノール誘導体をガスクロマ
トグラフイーで分析した。その結果を第1表に示
す。なお、2,6−ビス(カルボキシヒドロキシ
メチル)フエノール誘導体の反応率は、いずれも
100%であつた。 参考例から明らかなように、この発明の方法に
よると、2,4−ビス(カルボキシヒドロキシメ
チル)フエノール誘導体の水酸基に隣接しないカ
ルボキシヒドロキシメチル基はシアノ基に変換さ
れず、ホルミル基に変換されるにとどまる。
【表】
【表】
実施例 18
2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)
フエノール50mmolとカセイソーダ8gとを水に
溶解して全量を500mlとして、これをオートクレ
ーブに仕込み、ついで酸化第2銅1gを添加混合
した。この反応混合液に圧力2Kg/cm2(ゲージ)
でアンモニアガスを0.07Nl/分の流速で、および
圧力2Kg/cm2(ゲージ)で空気を0.25Nl/分で流
通させながら、撹拌下125℃で120分間反応を行な
つた。 反応終了後、反応生成物を前記実施例と同様に
処理して、2,6−ジシアノフエノールをガスク
ロマトグラフイーで分析した。 その結果2,6−ビス(カルボキシヒドロキシ
メチル)フエノールの反応率は100%であり、
2,6−ジシアノフエノールの収率は88%であつ
た。 実施例 19〜27 2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)
フエノール誘導体50mmolとカセイソーダ8gと
含窒素化合物とを水に溶解して全量を500mlにし
て、これをオートクレーブに仕込み、ついで所定
量の金属触媒を添加混合した。この反応混合液に
圧力2Kg/cm2(ゲージ)で、空気を0.25Nl/分の
流速で流通させながら、撹拌下125℃で120分間反
応を行なつた。 反応終了後、反応生成物を前記実施例と同様に
処理して、2,6−ジシアノフエノール誘導体を
ガスクロマトグラフイーで分析した。 その結果を第2表に示す。なお、2,6−ビス
(カルボキシヒドロキシメチル)フエノール誘導
体の反応率はいずれも100%であつた。
フエノール50mmolとカセイソーダ8gとを水に
溶解して全量を500mlとして、これをオートクレ
ーブに仕込み、ついで酸化第2銅1gを添加混合
した。この反応混合液に圧力2Kg/cm2(ゲージ)
でアンモニアガスを0.07Nl/分の流速で、および
圧力2Kg/cm2(ゲージ)で空気を0.25Nl/分で流
通させながら、撹拌下125℃で120分間反応を行な
つた。 反応終了後、反応生成物を前記実施例と同様に
処理して、2,6−ジシアノフエノールをガスク
ロマトグラフイーで分析した。 その結果2,6−ビス(カルボキシヒドロキシ
メチル)フエノールの反応率は100%であり、
2,6−ジシアノフエノールの収率は88%であつ
た。 実施例 19〜27 2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチル)
フエノール誘導体50mmolとカセイソーダ8gと
含窒素化合物とを水に溶解して全量を500mlにし
て、これをオートクレーブに仕込み、ついで所定
量の金属触媒を添加混合した。この反応混合液に
圧力2Kg/cm2(ゲージ)で、空気を0.25Nl/分の
流速で流通させながら、撹拌下125℃で120分間反
応を行なつた。 反応終了後、反応生成物を前記実施例と同様に
処理して、2,6−ジシアノフエノール誘導体を
ガスクロマトグラフイーで分析した。 その結果を第2表に示す。なお、2,6−ビス
(カルボキシヒドロキシメチル)フエノール誘導
体の反応率はいずれも100%であつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式() (ただし、式中Xは水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基およびハロゲン原子を示
す。) で表わされる2,6−ビス(カルボキシヒドロキ
シメチル)フエノール誘導体と、アンモニア、尿
素および無機アンモニウム塩からなる群から選ば
れた含窒素化合物と、酸素とを、銅、鉄およびマ
ンガンからなる群から選ばれる金属の単体、酸化
物、水酸化物、塩化物、硫酸塩および/または酢
酸塩を用いた金属触媒の存在下、塩基性水媒体中
で反応させることを特徴とする一般式() (ただし、式中Xは前記と同じ意味を有す
る。) で表わされる2,6−ジシアノフエノール誘導体
の製造方法。 2 金属触媒として銅の単体、酸化物、水酸化
物、塩化物、硫酸塩および/または酢酸塩を用
い、2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチ
ル)フエノール誘導体として一般式()におい
てXがハロゲン原子である2,6−ビス(カルボ
キシヒドロキシメチル)フエノールを用い、およ
び含窒素化合物として尿素を用いることを特徴と
する特許請求の範囲第1項記載の一般式()に
おいてXがハロゲン原子である2,6−ジシアノ
フエノールの製造方法。 3 金属触媒として銅の単体、酸化物、水酸化
物、塩化物、硫酸塩および/または酢酸塩を用
い、2,6−ビス(カルボキシヒドロキシメチ
ル)フエノール誘導体として一般式()におい
てXが水素原子、低級アルキル基、および低級ア
ルコキシ基である2,6−ビス(カルボキシヒド
ロキシメチル)フエノールを用い、および含窒素
化合物としてアンモニアを用いることを特徴とす
る特許請求の範囲第1項記載の一般式()にお
いてXが水素原子、低級アルキル基および低級ア
ルコキシ基である2,6−ジシアノフエノールの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4116778A JPS54145634A (en) | 1978-04-10 | 1978-04-10 | Preparation of 2,6-dicyanophenol derivative |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4116778A JPS54145634A (en) | 1978-04-10 | 1978-04-10 | Preparation of 2,6-dicyanophenol derivative |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS54145634A JPS54145634A (en) | 1979-11-14 |
JPS6121224B2 true JPS6121224B2 (ja) | 1986-05-26 |
Family
ID=12600860
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4116778A Granted JPS54145634A (en) | 1978-04-10 | 1978-04-10 | Preparation of 2,6-dicyanophenol derivative |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS54145634A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19647527C1 (de) * | 1996-11-16 | 1998-03-12 | Degussa | Verfahren zur Herstellung von Cyanoverbindungen durch Ammonoxidation |
AR089249A1 (es) * | 2011-12-19 | 2014-08-06 | Bayer Ip Gmbh | 4-ciano-3-fenil-4-(piridin-3-il)butanoatos sustituidos, procedimientos para su preparacion y su uso como herbicidas y como reguladores del crecimiento de plantas |
-
1978
- 1978-04-10 JP JP4116778A patent/JPS54145634A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS54145634A (en) | 1979-11-14 |
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