JPS6121156B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は所定の寸法に打抜き形成された感圧感
熱融合性フイルムを感熱融解させると共に該フイ
ルムを合成樹脂成形品の表面所定位置に圧着して
装飾を施すことを特徴とした合成樹脂成形品の製
造方法とその装置及びその成形品に関するもので
ある。

化粧品等の高級イメージを現わす容器には金
色、銀色等を有しかつ表面に凹凸を有する金属プ
レートが装着されているが、金属プレートの製作
には抜きプレス、曲げプレス、メツキ処理、アル
マイト処理、コート処理等を施こさなければなら
ず、更にこの金属プレートを容器の表面に接着す
る作業が能率が悪くコスト高になる等の欠点があ
つた。一方一般向き普及商品にはプラスチツク製
容器の表面にアルミ箔を真空蒸着したフイルムを
用いてホツトスタンプ又はホツトトランスフアー
により熱転写する方法が実施されていたが質量感
に欠けると共にこの転写部分に化粧品の中味が付
着したり、使用による摩耗により変色、退色、消
失する等の欠点があつた。更にこれ等の欠点を改
善する為に従来も例えば本件特許出願人の開発に
係る特開昭54−83961号公報等に示す如く、美麗
な印刷等の施こされた感圧融合性プレートをイン
サート成形することにより、外表面にメタリツク
な色調を有する立体的模様や文字を顕出させた合
成樹脂成形品を製造する方法及びその成形品は公
知であるが、この方法は金型代が高価である為に
小量の生産ではコスト高になり、又インサート成
形する際に感圧融合性プレートと金型内の凹凸面
とを位置合せすることが困難である等の欠点があ
つた。

本発明に係る方法及び成形品は従来の之等の欠
点に鑑み開発された全く新規な技術に関するもの
である。

図により本発明に係る方法の一実施例を具体的
に説明すると、第１図に於て、Ａは本発明に使用
される感圧感熱融合性フイルムであつて、表面層
１、中間層２、裏面層３の三層より構成されてお
り、表面層１はキズ防止を図る目的でエステル系
塗膜又は耐熱性のあるセロフアンフイルムで、中
間層２はアルミホイルで、更に裏面層３はホツト
メルト系接着剤の塗膜又は合成樹脂フイルムで構
成されている。上述のフイルムＡは表面層１の裏
面に印刷を施すことによつて所望の色彩を得るこ
とが出来、特に中間層２の作用によつて金属プレ
ートと全く同等な質量感を現出することが可能で
ある。

次に第２図に於て、Ｂは合成樹脂成形品であつ
て、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の何れかゝら
構成され、その天面５の中央部には前記フイルム
Ａが溶着し得る凹所４が穿設されている。

続いて第３図乃至第５図に於て、６はホツトス
タンプ装置の熱板であつて、その下面にはＴ字形
雌型７が図示せざる両面接着テープ又はボルトで
固定されている。９はキヤビテイであつて、その
中央の縦穴８には前記雌型７が上下に摺動し得る
如く挿入されている。１０はホツトスタンプ装置
の固定盤であつて、この上表面中央には成形品Ｂ
を固定し得るコアー治具１１が起立されている。
１２はキヤビテイ内壁であり、そのキヤビテイ面
ｂと前記雌型７の先端部７′の下底面ａとは成形
品Ｂの天面５に対応する曲面を持つて形成されて
いる。１３はキヤビテイ９の中間に穿孔されたフ
イルム送り貫通溝であつて、この溝１３を通して
テープ状のフイルムＡを自動的に送ることが出来
るように構成されている。１４はキヤビテイ９の
温度上昇を防ぐ為の冷水循環孔である。猶、キヤ
ビテイ９にはスプリング１６を介して制限ボルト
１５によりホツトスタンプ装置の可動側より垂下
されている。

上記図により本方法の工程を順に説明すると、
本発明に於てはキヤビテイ９の溝１３内に第８図
に示す如きテープ状のフイルムＡを間欠的に自動
送りし得るように取付け、次にコアー治具１１に
予め成形された成形品Ｂを取付け、熱板６を加熱
することによつて雌型７を250〜280℃に保ちこの
状態でキヤビテイ９に制限ボルト１５によつて可
動側から垂下されているスプリング１６の作用で
雌形７を下降させると雌型７の下端でフイルムＡ
を打抜くと共に熱板６からの伝導熱によつてこの
打抜かれたフイルムＡの中間層２たるアルミホイ
ルを加熱することによつてその裏面層３であるホ
ツトメルト系接着剤の塗膜又は合成樹脂フイルム
を溶融し、更に下降することによつて打抜かれた
フイルムＡを成形品Ｂの凹所４の嵌入圧着し、こ
のフイルムＡの裏面層３を凹所４の底面に熱溶着
し、第７図に示す如き成形品Ｂを得ることが出来
る。

上記実施例に於て、雌型７の下底面ａに文字模
様等の凹凸を形成した場合には成形品Ｂの天面に
溶着されたフイルムＡに第６図に示す如き凹凸模
様Ｃを形成することが可能である。

上記実施例に於て、成形品Ｂを熱硬化性樹脂で
成形した場合には、フイルムＡの裏面層３はホツ
トメルト系接着剤の塗膜のみが有効であり、合成
樹脂フイルムは使用出来ない。

本発明に係る方法及び装置は上述の如く、キヤ
ビテイ、フイルム自動送り、ホツトスタンプ装置
等を組合せて使用することによつて、テープ状に
送られて来るフイルムを所定の形状に打抜くと共
にこの打抜かれたフイルムを成形品の所定位置に
加熱圧着して完全に一体的に溶着することが出
来、従つて予め成形した成形品の裏面に簡単確実
にフイルムを一体的に取付けることが出来、又こ
のフイルムは中間層にアルミホイルが介在し、か
つ表面層に印刷、着色等の施こされたセロハン等
の層を設けたのでメタリツク感を現出することが
出来、これを成形品の表面に溶着した場合には金
属プレートと同等の質量感を現わすことが出来、
又雌型の下底面に凹凸を設けることによつてフイ
ルムの表面に凹凸模様を形成することも可能であ
り、しかも上述の工程で実施出来るので作業能率
が良く、少量製品でも安価に生産することが出来
る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はフイルムの断面図、第２図は成形品の
説明図、第３図乃至第５図は工程を示す説明図、
第６図及び第７図は完成品の説明図、第８図はフ
イルムの平面図である。 Ａ：感圧感熱融合性フイルム、Ｂ：成形品、
２：中間層、３：裏面層、４：凹所、６：熱板、
７：雌型、９：キヤビテイ、１１：コアー治具、
１３：貫通溝、Ｃ：凹凸面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ アルミニウムホイルよりなる中間層の表裏面
   に夫々ポリエステル系途膜又はセロハンフイルム
   よりなる表面層とホツトメルト系接着剤の塗膜又
   は合成樹脂フイルムよりなる裏面層とを積層して
   なる感圧感熱融合性フイルムを加熱された雌型で
   打抜くと共に中間層を加熱しながら裏面層を溶融
   しかつ予め成形され更にコアー治具に取付けられ
   た成形品の外表面に圧着し、該打抜かれたフイル
   ムを成形品に一体的に溶着することを特徴とした
   合成樹脂成形品の製造方法。 ２ 所定の形状を持つた下底面を有するＴ字形雌
   型を熱板に取付けかつ固定盤に成形品を取付固定
   し得るコアー治具を起立突設してなるホツトスタ
   ンプ装置と、前記雌型を昇降し得る縦穴と前記フ
   イルムをこの縦穴に直交して移送し得る貫通溝と
   を有するキヤビテイと、前記フイルムを貫通溝に
   間欠自動的に供給し得る自動供給装置とよりなる
   合成樹脂成形品の製造装置。 ３ アルミニウムホイルよりなる中間層の表面に
   印刷、着色の施こされたエステル系塗膜、又はセ
   ロハンフイルムよりなる表面層を積層しかつ中間
   層の裏面にホツトメルト系接着剤の塗膜又は合成
   樹脂フイルムよりなる裏面層を積層してなる感圧
   感熱融合性フイルムを所定の形状に打抜くと共に
   裏面層を加熱溶融させて合成樹脂成形品の外表面
   所定位置に圧着し溶着させたことを特徴とした合
   成樹脂成形品。 ４ 成形品の表面に一体的に溶着されたフイルム
   の表面に凹凸模様を形成したことを特徴とした特
   許請求の範囲第３項記載の合成樹脂成形品。