JPS6121060B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は薬草を含有する蜂蜜の製造方法に関す
る。

草根木皮の植物性の天然物を取つて薬用に供す
るものを生薬と言い、中国では古くから漢方医術
があり、その用いる生薬を漢薬（漢方薬）と呼
び、日本では固有のものを加え和漢薬と呼び、家
庭薬として重宝がられている。生薬はアルコール
に浸して有効成分を浸出したり（チンキ）、水浸
液又はアルコール浸液を蒸発させ有効成分を濃縮
したり（エキス）、有効成分を結晶に分離させて
有効成分を純粋に得たりし、近年では医学、薬学
界からも再認識されているものであるが、原料臭
に独特なものがあり、味は苦く、辛く、渋くて不
快なものが多く、薬効は優秀であつても、芳香
性、刺激性の面で服用に供し難いものが多かつ
た。

蜜蜂が草木の花の蜜腺から花蜜を集め、冬季の
食物として巣房に蓄えておいたものを採取し、蜜
ろうなどを除き精製した甘味料を蜂蜜と言うが、
その主成分は果糖およびぶどう糖であつて、その
他にしよ糖、たんぱく質、有機酸等を微量ずつ含
み、純良品は透明で香気がある。蜂蜜は蜜源の花
の種類により色、香味、粘度、構成糖等品質にそ
れぞれ相違があり、特徴になつている。蜜蜂が冬
季の食物として巣房にたくわえておいたものが蜂
蜜であつてみれば、蜂蜜は蜜蜂の食料として最適
であることは論じるに及ばないことである。

本発明は従来服用に供し難かつた薬草類と天然
の甘味料たる蜂蜜とをブレンドし、その混合物を
蜜蜂によつて加工されることにより、従来全く存
在しなかつた薬草を含有する蜂蜜を製造する方法
の創作であつて、蜂蜜の甘味の中に渾然と融合し
た薬草類を老若男女を問わず愛飲し易いようにな
すと共に、蜜蜂に加工させることにより安全性と
保存性を加味させ得た、新しい保健飲料の誕生を
可能になし得る等の特長を有するものである。

以下、本発明の構成を実施用例により説明す
る。

巣房より採集し分離機等にかけて搾汁した蜂蜜
と薬草類の煎出液又は乾燥粉末との混合物を貯え
た開口容器を配置し、蜜蜂がこの混合物を吸つて
巣房内に貯えた蜂蜜をもう一度巣房より採集し、
蜜ろう等を除くために濾過して、薬草を含有する
蜂蜜を製造するものである。

次に、本発明の作用効果を実施用例により説明
する。

蜜蜂が草木の花の蜜腺から花蜜を集めて冬季の
食物として巣房に蓄えると言う習性を利用し、蜜
蜂の食料として最適の蜂蜜に、従来苦味性、芳香
性、辛味性等の性状のために服用に供し難かつた
薬草類を混合して、もう一度蜜蜂に食べさせて巣
房内に蓄えさせ、本発明に係る薬草を含有する蜂
蜜を製造するものである。それ故、本発明に係る
薬草を含有する蜂蜜、例えて言うなら漢方蜂蜜、
は純粋の蜂蜜である。この場合、薬草類は煎出液
又は乾燥微粉末に造成しておけば、蜂蜜と混合し
易く、また蜜蜂が食べやすいようになせるもので
ある。辛味、苦味のある薬草類を果して蜜蜂が食
べるかどうかであるが、この点については実験の
結果糖度さえあれば蜜蜂は食べると言うことが判
明したもので別に問題はなかつた。また、蜂蜜と
薬草類の混合比率は、糖度、有効成分等の点を考
慮に入れた場合、重量比で蜂蜜80％、薬草類エキ
ス20％が最適のようであつた。しかし、該混合比
率は蜂蜜の蜜源植物、薬草類が個々に有する諸性
状により限定的なものではない。かくて、蜜蜂に
吸われた薬草類と蜂蜜の混合物は、蜜蜂の腹部内
の消化器官、いわゆる蜜のうに一旦貯えられ、こ
の間に自然に消化殺菌され、蜜蜂の働きを借りて
充分に混和され、しかも蜜蜂の腹部内に貯えられ
ている間に薬草類の刺激性、芳香性が蜂蜜と渾然
一体となることによつて緩和され、従来の薬草類
単味や蜂蜜単味では想到し得ない全く新しい風味
の蜂蜜が誕生するものである。その上、殺虫剤の
一吹きで即座に死ぬ弱い蜜蜂が食する安全性と常
温のままで長期保存が可能な蜂蜜の有する保存性
が約束されるので、薬草類の薬効と蜂蜜の薬効が
そのままの状態で亨受し得る、健康にとても効果
的な自然のままの滋養保健飲料である等、前記し
た様な顕著な諸効果を奏するものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 巣房より採集して搾汁した蜂蜜と薬草類の煎
   出液又は乾燥粉末との混合物を蜜蜂に食べさせて
   巣房内に貯えさせた後にもう一度巣房内より採集
   することを特徴とする、薬草を含有する蜂蜜の製
   造方法。