JPS6120561B2 - - Google Patents

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JPS6120561B2
JPS6120561B2 JP53045142A JP4514278A JPS6120561B2 JP S6120561 B2 JPS6120561 B2 JP S6120561B2 JP 53045142 A JP53045142 A JP 53045142A JP 4514278 A JP4514278 A JP 4514278A JP S6120561 B2 JPS6120561 B2 JP S6120561B2
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JP
Japan
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yeast
soluble
water
insoluble
glucan
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JP53045142A
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Kunpei Kitamura
Yoshiharu Shirasu
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Kirin Brewery Co Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
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  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔〕 発明の背景 技術分野 本発明は、新規多糖およびその製造法に関す
る。さらに具体的には、本発明は、アルカリ水溶
液および熱水可溶性かつ水不溶性酵母グルカン、
および酵母源からその製造法、に関する。
本発明による酵母グルカンは、その熱水溶液を
冷却させると水性ゲルを与えるという点で従来の
酵母グルカンとは異なつている。
先行技術 酵母菌体より化学的処理によつて酵母グルカン
を調整する方法は公知である(たとえば、「ジヤ
ーナル・オブ・ケミカル・ソサイアテイー
(Journal of Chemical Society)」第3862頁、
1958年、および、「蛋白質、核酸、酵素」第15
巻、第1463頁、1970年)。この場合の化学的処理
は主としてアルカリ水溶液による酵母菌体の処理
からなり、アルカリ可溶性部分を溶解除去して残
存するグルカンを回収するという原理にたつとこ
ろから、得られる酵母グルカンはアルカリ水溶液
に不溶であると共に常温の水にも熱水にも保溶の
物質である。従つて、酵母グルカンの性質とし
て、「酵母グルカンはβ−1,3−グルコシド結
合を主体とする多糖で、ヨードで呈色しない。他
の多糖とは異なり、水にもアルカリにも溶けな
い」とされている(前記「蛋白質、核酸、酵素」
第15巻、第1464頁、1970年、参照)。このような
酵母グルカンも強アルカリ加熱処理すると水に可
溶性のものとなるもののようであるが(特公昭47
−15712号公報参照)、そのような激しい処理によ
れば酵母グルカンはかなりの変性を受けていると
考えられる。
一方、β−1,3−グルコシド結合を主体とす
る多糖の他の例として、カードランがある(「高
分子」第16巻、第1197頁、1967年)。カードラン
は加熱凝固性であつて、その水懸濁液を加熱する
ことによつてゲル化し、そのゲルは熱不可逆性を
有している。
ある種の細菌の培養によつて寒天様多糖が生産
されることが知られている(特公昭52−12798号
公報)。しかし、その場合の多糖はグルカンでは
ないばかりではなく水溶性である。
最近に到り、酵母菌体を低濃度の担子菌由来酵
母細胞膜溶解酵素で処理したのち、菌体から熱水
抽出法により高粘度多糖類を分離回収したことが
報告された(日本農芸化学会昭和53年度大会講演
要旨集、第92頁(講演番号2H−4))。報告され
たところによればこの多糖はグルカンを主成分と
するものであるとのことであり、また高粘度多糖
類とされているところからこの多糖は水溶性であ
ることが示唆される。
〔〕 発明の概要 要 旨 本発明は、上記の先行技術からは予想されなか
つた新規多糖およびその用途に関する。
本発明による新規多糖は、75℃以上の熱水に可
溶、PH9.5以上のアルカリ水溶液に可溶および水
に不溶性の酵母グルカンである。
この酵母グルカンは、本発明方法によれば、サ
ツカロマイセスに属する酵母の菌体もしくは酵母
エキス等抽出残渣にアースロバクターの生産する
酵母細胞膜溶解酵素を作用させ、生成する酵母グ
ルカンを取得することによつて製造される。
この酵母グルカンの一つの用途は、その水性ゲ
ルのそれである。本発明によれば、この酵母グル
カンの性質をもつぱら利用したものとして、この
酵母グルカンの水性ゲルをゲル状化材の少くとも
一部とするゲル状食品が提供されることになる。
本発明酵母グルカンは、食品の増量材としても利
用される。
効 果 従来の酵母グルカンが熱水不溶性およびアルカ
リ不溶性であつたところより、本発明による酵母
グルカンの独特の溶解性は思いがけなかつたこと
である。このような新規な酵母グルカンは酵母細
胞膜原料に酵母細胞膜溶解酵素を作用させて調製
されるが、一般に酵母細胞膜溶解酵素の主要因子
はβ−1,3−グルカナーゼと考えられているの
で、この種の酵素を酵母グルカン調整に用いるこ
とはなかつた。酵母細胞膜溶解酵素を酵母細胞膜
原料に作用せしめると、その反応のある時期にお
いて高分子のグルカンが遊離し、分離取得され得
ることは思いがけなかつたことである。
本発明酵母グルカンはその熱水溶液を冷却する
と水性ゲルとなり、水性ゲルとしては各種の用途
があるが、このゲルは可食性であるところから経
口利用が可能である。経口利用の場合には、単な
る食品ないしは食品原料としてだけでなく、この
酵母グルカンが有する制癌作用(同時提出特許願
(2)参照)を生かして健康食品タイプの摂取されや
すい制癌ないしは癌予防剤をつくることができ
る。
酵母細胞膜溶解酵素を作用させるべき原料とし
ては、酵母の菌体の外に有価物抽出残渣、たとえ
ば酵母エキス抽出残渣、を用いることができる
が、酵母エキス抽出残渣は目的とする酵母グルカ
ンが局在している細胞膜が主成分であるという点
で有用であるだけではなく、安価な原料という点
からも有利である。ちなみに、たとえば酵母100
gから、酵母エキス約43gおよび本発明酵母グル
カン約3gを得ることができる。
〔〕 発明の具体的な説明 1 酵母グルカン 本発明による酵母グルカンは、精製したもの
(詳細後記)について下記の性質を有する。
(1) 元素分析 C 39.1% H 5.7% O 54.9% 灰分 0.3% (2) 分子量 ゲル過法による平均分子量は50000〜
120000である。
(3) 融点(分解点) 一般に多糖類にあつては融点は認められない
が、270℃付近で完全に炭化する。
(4) 比旋光度 〔α〕24 −20−14゜(C=0.5%、ジメチルス
ルホキシド中) (5) 紫外部吸収スペクトル 著名な吸収は認められない(第1図)。
(6) 赤外線吸収スペクトル 890cm-1にβ−型のグリコシド結合に特有な
吸収が認められる(第2図)。
(7) 溶剤に対する溶解性 常温の水に不溶。熱水(75℃以上)に可溶。
アルカリ水溶液(PH9.5以上)に可溶。メタノ
ール、エタノール、エーテルおよびアセトンに
不溶。ジメチルスルホキシドに可溶。90%蟻酸
に可溶。
なお、本発明酵母グルカンの水に対する溶解
度の温度依存性は、下記の通りである。これ
は、本発明酵母グルカンの0.5%水懸濁液を下
記の各温度で10分間保持して、グルカンの溶解
性を検討して得たものである。
温度(℃) 溶解性〓 65 − 70 − 75 + 80 ++ 85 ++ 〓 − 不溶 + かすかに溶解 ++ 完全に溶解 また、本発明酵母グルカンの水に対する溶解
度のPH依存性は下記の通りである。これは、下
記のPHの溶液に0.5%になるように本発明酵母
グルカンを懸濁させて撹拌し、室温3時間放置
後、遠心分離により固液分離し、上澄液の糖含
量をフエノールー硫酸法により測定して得たも
のである。
PH 溶解度(%) 12.0 100 11.0 74 10.5 10 10.0 2 9.5 1 9.0 0 8.5 0 8.0 0 7.0 0 (8) 呈色反応 アンスロン反応、モーリツシユ反応に対して
陽性。
ニンヒドリン反応、ビウレツト反応、キサン
トプロテイン反応、エルソンモルガン反応、ジ
フエニルアミン反応に対して陰性。
(9) 塩基性、酸性、中性の別 水懸濁液は中性。
(10) 物質の色 白色。
(11) 糖の組成 100%グルコースよりなる。
(12) 糖の結合様式 β−1,3−グルカナーゼにより分解される
ことから、主としてβ−1,3−グルコシド結
合である。
(13) 特異的性質 本物質の水性懸濁液を75℃以上に加熱すると
溶液となり、これを冷却するとゲル化凝固す
る。ゲル化は熱可逆的である。
(14) 制癌作用 本物質は制癌作用を有する。
(詳細は、同時出願特許(2)参照) 本発明による酵母グルカンの用途の詳細は後記
した通りである。
添附第1図は、本発明酵母グルカンの2.4%苛
性ソーダ溶液中の紫外線吸収スペクトルを模写し
たものである。第2図は本発明酵母グルカンの赤
外線吸収スペクトルを模写したものである。
2 酵母グルカンの調整 (1) 原料 酵母細胞膜を有する原料が一般に使用され
る。酵母細胞膜原料の一例は酵母菌体であり、
他の一例は酵母の有価物抽出残渣である。抽出
残渣には、酵母エキス抽出残渣、核酸抽出残
渣、グルタチオン抽出残渣その他がある。
酵母菌体は生菌体でも使用可能であるが、酵
素作用を受けやすくするため予め熱処理したも
のが望ましい。熱処理は50〜80℃程度、好まし
くは60〜70℃程度、の温度で3〜60分間、好ま
しくは5〜20分間、菌体を水性スラリー状態で
加熱することからなる。
酵母の酵母エキス抽出残渣は抽出工程から得
られたままのものを使用することができるが、
予じめアルカリ処理をしたものが好ましい。酵
母グルカン収量が増大するからである。アルカ
リ処理は、抽出残渣をPH10以上、好ましくはPH
12〜13、のアルカリ水溶液中で、5〜40℃程度
の温度、好ましくは室温付近で5〜120分間程
度、好ましくは5〜60分間程度、撹拌するるこ
とからなる。
酵母細胞膜原料は、上記のような前処理とは
別にあるいは同時に、あるいは酸素反応系にお
いて酸素作用の促進物質である水溶性亜硫酸塩
もしくはSH化合物、例えば2−メルカプトエ
タノール、システイン等、による処理に服させ
ることが好ましい。この処理は上記のような処
理と同時に行なうことが便利である。
酵母としては酵母細胞膜溶解酵素により溶解
され得る酵母品種のすべてを使用することがで
きる。例えば、具体的にはサツカロマイセス
(Saccharomyces)属の酵母、その他、いわゆ
るパン酵母、ビール酵母、清酒酵母等がある。
(2) 酵母細胞膜溶解酵素 本発明方法に使用する酵母細胞膜溶解酵素
は、たとえばアースロバクター
(Arthrobacter)の生産する酵素(特公昭47−
32674号及び特公昭48−2790号各公報参照)お
よびである。なお、微生物の分類は種々の観点
からの判断によつてなされるので、アースロバ
クターに属する該酵素生産菌はオエルスコビア
にも分類される可能性がある。酵素は、少くと
も部分精製されたものが好ましい。具体的に
は、市販品としてアースロバクターの酵素であ
る「ザイモリエイス」(登録商標)がある。
(3) 酵素反応 酵母細胞膜原料の適当濃度の水性懸濁液、た
とえば5〜30%懸濁液に、酵素を適当量添加
し、撹拌する。その際、酵素作用促進物質とし
て、前記の亜硫酸塩またはメルカプトエタノー
ル等をこの反応系に加えても良い。反応温度は
使用酵素の作用範囲内の適当値、たとえば20〜
60℃、好ましくは30〜50℃、程度である。反応
系のPHは使用酵素の適当値、たとえば6.0〜
11.0、好ましくは7.0〜10.0、である。反応時間
は使用酵素量に依存する。通常、反応中に酵母
グルカンが遊離してくるために反応系の粘度上
昇が認められるので、反応系の粘度が最高に達
した時に反応を中止するのが好ましい。それ以
上に過度に反応時間を延長すると、酵母グルカ
ンの過分解が起つて収量の低下をきたし、極端
な場合には目的の酵母グルカンを得ることがで
きなくなる。所定の反応時間経過後、反応物を
遠心分離その他の手段で不溶物と可溶物とに分
離し、不溶物を良く水洗する。この不溶物を水
に懸濁し、系のPHを適当なアルカリ(たとえば
水酸化ナトリウム)で12以上に調整し(あるい
は、PH12以上のアルカリ水溶液に直接この不溶
物を懸濁し)、適当温度、たとえば室温、で5
〜20分間撹拌して酵母グルカンを溶解させ、遠
心分離、過等の手段を用いて不溶物を除去し
て、透明な溶液を得る。この溶液に撹拌下に適
当な酸(たとえば塩酸)を添加してPHを7〜
9.0に低下させると酵母グルカンが析出する。
析出した酵母グルカンを水洗し、脱水、乾燥す
れば、本発明の酵母グルカンが得られる。この
標品について上記の溶解−析出操作を繰返せ
ば、精製品が得られる。
3 酵母グルカンの用途 (1) 水性ゲル 本発明酵母グルカンの適当濃度、たとえば
1.0〜8.0%、好ましくは2.0〜6.0%、程度の水
性懸濁液をつくり、これを75℃以上の温度に昇
温させて酵母グルカンを溶解させ、必要に応じ
て過してから冷却すれば、水性ゲルが得られ
る。ゲルは熱可逆性を有している。
酵母グルカン濃度が0.5%未満では、冷却し
てもグルカンと水とが分離して水性ゲルを得る
ことができない。
酵母グルカンの水性ゲルの物性値は下記の通
りである。
酵母グルカン濃度 ゲル強度(g/cm2 1% 10.3 2% 50.6 4% 182.7 6% 304.5 この水性ゲルは、その性質を利用して各種の
用途に用いることができる。具体的には、たと
えば、食品、化粧品等の増粘剤、医薬の賦形
剤、医薬自身(制癌剤としての用途は同時出願
の特許願(2)参照)、その他がある。
(2) ゲル状食品 本発明酵母グルカンの水性ゲルはゲル状食品
のゲル状化材の少くとも一部として使用するこ
とができる。
たとえば、本発明酵母グルカンの2%水懸濁
液にクエン酸、レモンエツセンス、庶糖等を添
加して加熱および冷却すれば、清涼感のある水
ヨウカン様の食品をつくることができ、また牛
乳等を添加すればヨーグルト様の食品をつくる
ことができる。この例の場合はゲル状化材の全
部が酵母グルカン水性ゲルからなつているが、
寒天、ゼラチンその他のゲル状化材を併用する
ことができることはいうまでもない。
本発明の利用にかゝるゲル状食品は、含まれ
ている本発明酵母グルカンの持つ制癌作用を有
している。従つて、本発明の利用にかゝるゲル
状食品は、制癌ないし癌予防効果が期待できる
健康食品としても有用である。
なお、上記のような水性ゲルの状態での用途
の外に、本発明酵母グルカンは、水不溶性グル
コース重合体として各種の用途(たとえば、粉
末として医薬の希釈剤ないし賦形剤)に使用可
能であり、また各種の誘導体(たとえば、カル
ボキシアルキル化)に変換することができるこ
とはいうまでもない。
4 実施例 実施例 1 圧搾ビール酵母800gを水に懸濁させて、2リ
ツトルとした懸濁液を、60℃で15分間加熱処理
し、冷却後、遠心分離により菌体を集め、水で2
回洗浄した。洗浄酵母を水に再懸濁させて、2リ
ツトルとした。亜硫酸ナトリウム25.6gをこれに
添加して溶解し、PHを苛性ソーダ液を用いて7.8
に調整した。溶解酵素「ザイモリエイス60000」
200mgを添加し、38℃で3時間撹拌下に反応させ
た。反応物を遠心分離することによつて不溶物を
集め、水で数回洗浄後、水に再懸濁させ、苛性ソ
ーダ液を用いてPH12.9とした。遠心分離及びセラ
イトを用いた過によつて不溶物を除去して、ほ
ぼ透明な溶液を得た。溶液のPHを塩酸を用いて
7.0とし、遠心分離によつて生成した沈澱を集
め、水で数回洗浄後、沈澱物をPH12.8のアルカリ
水に溶解した。セライトを用いた過によつて少
量の混濁物質を除去し、溶液のPHを除々に塩酸を
滴加することによつて8.0として沈澱を析出さ
せ、遠心分離によつて沈澱を集め、水洗後、メタ
ノール、エーテルで順次洗浄し、乾燥することに
よつて0.8gの酵母グルカンを得た。
なお、本実施例(以下の実施例においても同
様)で使用したビール酵母はビール醸造に普通に
使用されているものであり、また酵素「ザイモリ
エイス」は生化学工業(株)より購入したもので
ある。
実施例 2 ビール酵母の酵母エキス抽出残渣200gを水に
懸濁させて、2リツトルとした。苛性ソーダ液を
用いてPH13.0に調整し、室温で30分間撹拌した。
塩酸を用いてPH8.0とし、溶解酵素「ザイモリエ
イス60000」500mgを添加し、38℃で3時間撹拌下
に反応させて、反応物を得た。反応物から実施例
1と同様に処理して、酵母グルカン12.0gを得
た。
実施例 3 ビール酵母の酵母エキス抽出残渣200gを水に
懸濁させて2リツトルとした。苛性ソーダ液を用
いてPH7.8に調整し、溶解酵素「ザイモリエイス
60000」500mgを添加し、39℃で4時間撹拌下に反
応させて、反応物を得た。反応物から実施例1と
同様に処理して、酵母グルカン8.5gを得た。
実施例 4 ビール酵母の酵母エキス抽出残渣200gを水に
懸濁させて2リツトルとした。メルカプトエタノ
ールを0.1Mとなるように添加し、苛性ソーダ液
を用いてPH7.8に調整後、溶解酵素「ザイモリエ
イス5000」5gを添加し、38℃で2時間撹拌下に
反応させて、反応物を得た。反応物から実施例1
と同様に処理して、酵母グルカン18.2gを得た。
実施例 5 ビール酵母の酵母エキス抽出残渣200gを1規
定の苛性ソーダ溶液1.5リツトルに懸濁させ、室
温で30分間撹拌した。亜硫酸ナトリウム25.6gを
添加し、PHを塩酸によつて8.0に調整した後、溶
解酵素「ザイモリエイス60000」500mgを添加し、
30℃で3時間撹拌下に反応させ、反応物より実施
例1と同様の処理を行つて、酵母グルカン22.5g
を得た。
実施例 6 酵母の酵母エキス抽出残渣200gを水に懸濁さ
せて、2リツトルとした。亜硫酸ナトリウム25.6
gを添加し、苛性ソーダ液を用いてPH12.8に調整
後、室温、10分間、撹拌した。塩酸を用いてPH
8.0とし、溶解酵素「ザイモリエイス60000」500
mgを添加し、38℃、3時間、反応させ、反応物よ
り実施例1と同様に処理して酵母グルカン26.4g
を得た。
参考例 1 本発明酵母グルカン4gを懸濁させ、砂糖10
g、クエン酸0.3gを添加し、煮沸して酵母グル
カンを溶解した後、オレンジエツセンス0.2mlを
添加混合し、冷却することによつて清涼感のある
ゲル状食品を得た。
参考例 2 参考例1のクエン酸及びオレンジエツセンスの
代りにインスタントコーヒー粉末1gを、酵母グ
ルカンを溶解した後添加溶解して、コーヒー風味
の水ヨウカン状の食品を得た。
参考例 3 牛乳100mlに砂糖20g、ゼラチン1.25gおよび
本発明酵母グルカン2.5gを添加し、加熱溶解
し、卵1個を良く撹拌して少量づつ加え、加熱し
た後、冷却してプリン様の食品を得た。
参考例 4 100mlの水に寒天1.2gおよび本発明酵母グルカ
ン0.6gを加えて煮沸溶解し、インスタントコー
ヒー0.8g及び砂糖25gを溶かし込み、型に入れ
て冷却して、食感良好なコーヒーゼリーを作製し
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明酵母グルカンの紫外線吸収スペ
クトル、第2図は本発明酵母グルカンの赤外線吸
収スペクトル、をそれぞれ模写したものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の物性値で特定される、熱水およびアル
    カリ水溶液に可溶かつ水に不溶の酵母グルカン。 (1) 元素分析 C 39.1% H 5.7% O 54.9% 灰分 0.3% (2) 分子量 ゲル過法による平均分子量は50000〜
    120000である。 (3) 融点(分解点) 一般に多糖類にあつては融点は認められない
    が、270℃付近で完全に炭化する。 (4) 比旋光度 〔α〕24 −20〜−14゜(C=0.5%、ジメチル
    スルホキシド中) (5) 紫外部吸収スペクトル 著名な吸収は認められない(第1図)。 (6) 赤外線吸収スペクトル 890cm-1にβ−型のグリコシド結合に特有な
    吸収が認められる(第2図)。 (7) 溶剤に対する溶解性 常温の水に不溶。熱水(75℃以上)に可溶。
    アルカリ水溶液(PH9.5以上)に可溶。メタノ
    ール、エタノール、エーテルおよびアセトンに
    不溶。ジメチルスルホキシドに可溶。 90%蟻酸に可溶。 (8) 呈色反応 アンスロン反応、モーリツシユ反応に対して
    陽性。 ニンヒドリン反応、ビウレツト反応、キサン
    トプロテイン反応、エルソンモルガン反応、ジ
    フエニルアミン反応に対して陰性。 (9) 塩基性、酸性、中性の別 水懸濁液は中性。 (10) 物質の色 白色。 (11) 糖の組成 100%グルコースよりなる。 (12) 糖の結合様式 β−1,3−グルカナーゼにより分解される
    ことから、主としてβ−1,3−グルコシド結
    合である。 (13) 特異的性質 本物質の水性懸濁液を75℃以上に加熱すると
    溶液となり、これを冷却するとゲル化凝固す
    る。ゲル化は熱可逆的である。 2 サツカロマイセス(Saccharomyces)属に属
    する酵母の菌体または有価物抽出残渣にアースロ
    バクター(Arthrobacter)の生産する酵母細胞膜
    溶解酵素を作用させ、生成する酵母グルカンを取
    得することを特徴とする、下記の物性値で特定さ
    れる熱水およびアルカリ水溶液に可溶かつ水に不
    溶の酵母グルカンの製造法。 (1) 元素分析 C 39.1% H 5.7% O 54.9% 灰分 0.3% (2) 分子量 ゲル過法による平均分子量は50000〜
    120000である。 (3) 融点(分解点) 一般に多糖類にあつては融点は認められない
    が、270℃付近で完全に炭化する。 (4) 比施光度 〔α〕24 −20〜−14゜(C=0.5%、ジメチル
    スルホキシド中) (5) 紫外部吸収スペクトル 著名な吸収は認められない(第1図)。 (6) 赤外線吸収スペクトル 890cm-1にβ−型のグリコシド結合に特有な
    吸収が認められる(第2図)。 (7) 溶剤に対する溶解性 常温の水に不溶。熱水(75℃以上)に可溶。
    アルカリ水溶液(PH9.5以上)に可溶。メタノ
    ール、エタノール、エーテルおよびアセトンに
    不溶。ジメチルスルホキシドに可溶。 90%蟻酸に可溶。 (8) 呈色反応 アンスロン反応、モーリツシユ反応に対して
    陽性。 ニンヒドリン反応、ビウレツト反応、キサン
    トプロテイン反応、エルソンモルガン反応、ジ
    フエニルアミン反応に対して陰性。 (9) 塩基性、酸性、中性の別 水懸濁液は中性。 (10) 物質の色 白色。 (11) 糖の組成 100%グルコースよりなる。 (12) 糖の結合様式 β−1,3−グルカナーゼにより分解される
    ことから、主としてβ−1,3−グルコシド結
    合である。 (13) 特異的性質 本物質の水性懸濁液を75℃以上に加熱すると
    溶液となり、これを冷却するとゲル化凝固す
    る。ゲル化は熱可逆的である。
JP4514278A 1978-04-17 1978-04-17 Novel polysaccharide and its use Granted JPS55709A (en)

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