JPS6120551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガラス下部に金属、プラスチツクなど
から成る見切部材を装着し、ガラスを弾性部材を
介して胴に装着した携帯用、好ましくは腕時計ケ
ースのガラス部構造に関するものである。

従来の見切板やダイヤリング等の見切部材を装
着するガラス部構造においては、第１図に示すよ
うに胴段部に見切部材を置きその上に、胴とガラ
スに挾持されガラス外周部の防水性と固定をなす
ガラス保持弾性部材（以下防水リングと称す）を
装着したり、あるいは第２図に示すとおり、胴段
部に見切部材を置きその上に、胴との間に防水リ
ングを挾持したガラスを装着し、防水リングを見
切部材の外側まで押ばして見切部材の置かれた胴
段部に当てて止めていた。この場合、ガラスを組
込む時や携帯時等に水圧その他で加圧された時、
胴とガラスに挾持された防水リングが下方に押し
下げられる為に、防水リングを直接あるいは見切
部材等他の部材を介して胴段部で受けなくてはな
らない。しかしながら、見切部材下部に時計内装
部品等の張出し部分があり、それに対応する胴部
分に切欠き等のニゲ部を設けなくてはならない場
合、第１図、第２図に示す従来の構造では、胴部
部を切欠いた場合、切欠き部より平面的に外側に
防水リングを配置しなくてはならず、従つてガラ
ス外形等デザイン的に制約を受けてしまうことに
なつていた。またデサイン上、切欠き部より内側
にガラス外形及び防水リングを配置せざるを得な
い場合には胴段部を厚くしてニゲ部分の上に防水
リングを受ける肉厚を有した胴段部を設けなくて
はならずケースが厚くなつてしまうことになつて
いた。

本考案はこれらの欠点を無くし、ケースを厚く
することなく、内装部品等の張出し部分に制約さ
れずにガラス外形を自由に設定できるガラス部構
造を得ることを目的とするものである。

本考案の要旨は、 ａ ガラス３４と、 ｂ ガラス３４の外周面と胴３２の内周面との径
方向間にシメシロを有して装着される弾性部材
からなる防水リング３３と、 ｃ ガラス３４下面に配置される見切部材として
のダイヤルリング３１と、 ｄ ガラス３４と防水リング３３とダイヤルリン
グ３１とを保持する胴３２と ｅ 胴３２内に収納される内装部品３８とを有
し、 ｆ 前記胴３２には、ガラス３４下面とほぼ同一
高さに形成されるとともにガラス３４の外周下
面に形成された斜面３４ｂとの間に隙間を有す
る寸法に形成され、且つ前記防水リング３３を
受け止める防水リング受け段３２ｂと、前記防
水リング受け段３２ｂより内方で且つ下方に形
成されダイヤルリング３１を受け止めるダイヤ
ルリング受け３２ａと、内装部品３８の部分的
な張り出し部３６を逃げるように前記ダイヤル
リング受け段３２ａに形成されたニゲ部３２ｃ
とが設けられており、 ｇ 前記ダイヤルリング３１は、断面略Ｚ形状に
形成されており、その外周上方にはガラス３４
下面と前記ダイヤルリング受け段３２ａとの間
にサンドイツチ固定される外周上部３１ｂと、
その内周下方には前記ダイヤルリング受け段３
２ａの内端に位置している内方下部３１ｃとが
設けられており、前記外周上部３１ｂの外周上
端には防水リング３３の内周下端部がはみ出し
た際、そのはみ出し部を逃げるニゲ部３１ａが
設けられていることを特徴とする携帯時計のガ
ラス部構造である。

本考案を図により説明する。第３図は本考案の
一実施例を示す部分断面図である。金属あるいは
プラスチツクから成り表面に装飾仕上を施した見
切り部材であり断面略Ｚ形状のダイヤルリング３
１が胴３２に設けられやダイヤルリング受け段３
２ａ上に置かれ、胴３２に合成樹脂などの弾性部
材から成り、径方向にシメシロを有する防水リン
グ３３を介して装着されたガラス３４に押さえら
れ固定されている。防水リング３３は、ダイヤル
リング受け段６２ａと段違いに設けられた防水リ
ング受け段３２ｂに保持され、ガラス組込み、加
圧などにより下方にはみ出さないように装着され
ている。防水リング受け段３２ｂの幅と高さは、
各々の部材が干渉せず、また部品形状のばらつき
で防水リング３３が若干はみ出した場合にもダイ
ヤルリング３１と干渉しない様にダイヤルリング
３１にはニゲ部３１ａが設けてある。内装部品３
８の張出し部３６に対しては、防水リング受け段
３２ｂの肉厚が充分な範囲内で胴３２にニゲ部３
２ｅが設けてあり、この部分の平面的な範囲につ
いては、ダイヤルリング３１が保持できる範囲で
ダイヤルリング受け段３２ａを切欠いてある。３
７は文字板である。

本考案によれば、内装部品の張出し部のニゲ部
に於て、ダイヤルリング受け段を切欠くためケー
スを厚くすることなく薄型化がはかられる。ま
た、内装部品の張出し部に対しても、ガラス、防
水リングの平面的な位置形状は制約を受けること
が無い為、デサイン的に自由な形状設定をするこ
とが可能となる。又、ダイヤルリングは断面Ｚ形
状で、その外周上方の外周上部がガラス下面と胴
のダイヤルリング受け段との間に強固にサンドイ
ツチ固定されるとともにその内周下方の内方下部
が胴のダイヤルリング受け段の内端に配置されて
いるから内装部品の直上まで前記内方下部がレイ
アウトされることとなり、ダイヤルリングの外観
がより立体的となり、外観向上がはかられるもの
である。しかもその外周上部の外周上端にはニゲ
部が設けられており、防水リングの寸法バラツキ
等によりこの外周下端部が下方にはみ出してもそ
のはみ出し部を逃げることができダイヤルリング
をいたずらに押圧することがなく、ダイヤルリン
グの変形、防水リングの浮き上がりによる防水不
良等を確実に防止できる。この場合、胴の防水リ
ング受け段とガラス外周下面の斜面との間に隙間
が形成されているから防水リングの厚さバラツ
キ、ガラス外周、胴内壁内径等寸法のバラツキ等
により防水リングのシメシロに変化が生じ防水リ
ング内周下方にはみ出しが可能となり、防水リン
グの浮き上がり等防止され、多量のはみ出しに対
してもダイヤルリングの前記ニゲ部により確実に
逃げることができる。又、前述の隙間が形成され
るためにはガラス外周部の外径が小さくなりケー
スの径方向寸法も小さくなり、小型化がはかられ
る。

以上に述べた通り、本考案は品質的にも優れ、
デサイン面でも大きな効果が得られ実に有用なも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、従来の構造を示す部分断面
図、第３図、本考案の一実施例を示す部分断面
図。 １１，３１……ダイヤルリング、１２，２２，
３２……胴、１３，２３，３３……防水リング、
１４，２４，３４……ガラス、２５……見切板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ａ ガラス３４と、 ｂ ガラス３４の外周面と胴３２の内周面との径
   方向間にシメシロを有して装着される弾性材か
   らなる防水リング３３と、 ｃ ガラス３４下面に配置される見切部材として
   のダイヤルリング３１と、 ｄ ガラス３４と防水リング３３とダイヤルリン
   グ３１とを保持する胴３２と ｅ 胴３２内に収納される内装部品３８とを有
   し、 ｆ 前記胴３２には、ガラス３４下面とほぼ同一
   高さに形成されるとともにガラス３４の外周下
   面に形成された斜面３４ｂとの間に隙間を有す
   る寸法に形成され、且つ前記防水リング３３を
   受け止せる防水リング受け段３２ｂと、前記防
   水リング受け段３２ｂより内方で且つ下方に形
   成されダイヤルリング３１を受け止めるダイヤ
   ルリング受け３２ａと、内装部品３８の部分的
   な張り出し部３６を逃げるように前記ダイヤル
   リング受け段３２ａに形成されたニゲ部３２ｃ
   とが設けられており、 ｇ 前記ダイヤルリング３１は、断面略Ｚ形状に
   形成されており、その外周上方にはガラス３４
   下面と前記ダイヤルリング受け段３２ａとの間
   にサンドイツチ固定される外周上部３１ｂと、
   その内周下方には前記ダイヤルリング受け段３
   ２ａの内端に位置している内方下部３１ｃとが
   設けられており、前記外周上部３１ｂの外周上
   端には防水リング３３の内周下端部がはみ出し
   た際、そのはみ出し部を逃げるニゲ部３１ａが
   設けられていることを特徴とする携帯時計のガ
   ラス部構造。