JPS61194345A - ガス濃度検出方法 - Google Patents

ガス濃度検出方法

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JPS61194345A
JPS61194345A JP60035124A JP3512485A JPS61194345A JP S61194345 A JPS61194345 A JP S61194345A JP 60035124 A JP60035124 A JP 60035124A JP 3512485 A JP3512485 A JP 3512485A JP S61194345 A JPS61194345 A JP S61194345A
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electrochemical
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gas
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Hajime Nishizawa
西澤 一
Yoshihiko Mizutani
水谷 吉彦
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は固体電解質を用いてガス濃度を検出する方法に
関するものであり、特に固体電解質と一対の多孔質電極
にて構成される電気化学的セルの二つをポンプセル及び
センサセルとして用いて、被測定ガス中の被測定成分の
濃度を測定する方法に関するものである。
(従来波j4r ) 従来より、固体電解質を用いた電気化学的セルにて構成
される装置(素子)、例えば自動車用内燃機関の排気ガ
ス中の酸素濃度若しくは未燃焼ガス濃度を検出する空燃
比センサとして、酸素イオン導電性の固体電解質である
ジルコニア磁器と一対の多孔質電極とを用いて電気化学
的セルを構成し、該一対の電極間に流される電流による
電極反応にて電気化学的ポンピングを行なう一方、該一
対の多孔質電極の一方を、所定のガス拡散抵抗を有する
細隙な空間或いは多孔質セラミックス層等の拡散律速手
段を介して、外部の被測定ガス存在空間に連通(露呈)
せしめ、外部の酸素濃度若しくは未燃焼ガス濃度に対応
したポンピング電流を出力するセンサが知られている。
また、このような空燃比センサと同様な、電気化学的ポ
ンピング作用とガスの拡散律速の原理を利用した、水、
水素、二酸化炭素等の検出器(電気化学的装置)も知ら
れている。
ところで、かくの如き電気化学的セル(ポンプセル)の
一つと拡散律速手段とを含んで構成される電気化学的素
子(シングルセルタイプ)を用いて、被測定ガス中の被
測定成分(ガス)濃度によって異なるガス濃度拡散量を
測定する方法(シングルセル法)にあっては、該電気化
学的セルのポンピング作用による抵抗分極のため、ポン
ピング電流値によって、濃淡電池を構成するガス成分の
分圧に対応する起電力値のずれが生ずる問題があった。
このため、上記の如き電気化学的セルの二つを用いて、
その一方を電気化学的ポンプセルとし、その他方を電気
化学的センサセルとした構造の電気化学的素子(ダブル
セルタイプ)を用い、ガス濃度によって異なるガス濃度
拡散量を測定することによって、上記シングルセル法に
おける問題を解消したガス濃度検出法(ダブルセル法)
が考えられている。
なお、このダブルセルタイプの電気化学的素子において
、電気化学的ポンプセルは、その一対の電極間に流され
る電流による電極反応によって電気化学的ポンピング作
用を為し、これによって、所定の拡散律速手段を通じて
導かれる被測定ガスが接触せしめられる一方の電極の周
りの雰囲気を制御するものであり、また電気化学的セン
サセルは、その一対の電極にそれぞれ接触せしめられる
雰囲気(その一つは前記ポンプセルのポンピング作用に
よって制御される雰囲気である)中における濃淡電池を
構成するガス成分の分圧差に基づいて惹起される起電力
を検出するものであり、そして、この電気化学的センサ
セルの起電力が所定の値となるように、前記電気化学的
ポンプセルのポンピング電流を制御し、その制御された
ポンピング電流値によって、被測定ガス中の被測定成分
の濃度を測定するようにしている。
(問 題 点) しかしながら、このようなダブルセル方式によるガス濃
度検出法にあっては、ポンプセルの一方の電極(内側ポ
ンプ極)とセンサセルの一方の電極(検出極)とが共に
接触せしめられる雰囲気中における被測定成分の濃度分
布や、電極保護層の如き多孔質セラミックス層若しくは
電極自体の有する拡散抵抗による濃度分布の発生によっ
て、該内側ポンプ極と該検出極との間にガス成分の分圧
差が生じてしまい、これが、測定時の誤差やり−ン雰囲
気(特に大気の如き高酸素濃度ものも)を被測定ガスと
する場合のポンプセルの劣化の原因となっているのであ
る。けだし、大気の如き不活性ガスと酸素ガスとよりな
る雰囲気中の酸素濃度を検出する場合には、内側ポンプ
極近傍の酸素分圧が検出極近傍の酸素分圧に比べて更に
低くなるため、検出極近傍の雰囲気を低酸素分圧に保つ
ように制御すると、かかる内側ポンプ極近傍は極端な酸
素欠乏状態となり、このため内側ポンプ極近傍のジルコ
ニア固体電解質が著しい還元作用を受け、これがポンプ
セルにおける固体電解質の劣化につながることとなるか
らである。
(解決手段) ここにおいて、本発明は、かかる問題を解決するために
為されたものであって、その特徴とするところは、第一
の固体電解質とこれに接して設けられた多孔質な一対の
第一及び第二の電極とを含む電気化学的ポンプセルと;
第二の固体電解質とこれに接して設けられた多孔質な一
対の第三及び第四の電極とを含み、且つ該第三の電極が
前記電気化学的ポンプセルの第一の電極に近接して設け
られる電気化学的センサセルと;被測定ガスを被測定ガ
ス存在空間より予め定められた拡散抵抗の下に導き、前
記電気化学的ポンプセルの第一の電極及び前記電気化学
的センサセルの第三の電極に接触せしめる拡散律速手段
とを含んで構成される電気化学的素子を用いて、該第三
の電極近傍における濃淡電池を構成するガス成分の分圧
を零付近の所定値とするように、すなわち該電気化学的
センサセルの起電力が所定の値となるように前記電気化
学的ポンプセルのポンピング電流を制御し、その制御さ
れたポンピング電流値によって被測定ガス中の被測定成
分の濃度を測定するに際して、該電気化学的センサセル
の第三の電極と他の電極との間で電気化学的補助ポンピ
ング作用を行なわしめると共に、かかる電気化学的補助
ポンピング作用による該第三の電極の周りの雰囲気の変
化が、前記電気化学的ポンプセルの電気化学的ポンピン
グ作用による前記第一の電極の周りの雰囲気の変化と同
一方向となるようにしたことにある。
すなわち、本発明にあっては、大気の如き、被測定成分
(酸素)と不活性ガス(窒素)のみよりなる被測定ガス
を対象とする場合において、換言すれば電気化学的ポン
プセルの第一の電極と電気化学的センサセルの第三の電
極が共に晒される雰囲気中、例えば電気化学的素子内に
形成される内部空所内において濃淡電池を構成するガス
成分の分圧差が発生し易く、更にこの分圧差によるポン
プセルの劣化が生じ易い場合、該センサセルの第三の電
極を利用して、この電極と他の電極との間において少し
の電気化学的ポンピング作用を行なわしめることにより
、かかる濃淡電池を構成するガス成分の分圧差を減少せ
しめ、以て上述の如きポンプセルの劣化を防止せしめ、
また或いは、常時、電気化学的ポンプセルのポンピング
電流に対応した電流を電気化学的センサセルの第三の電
極に流すことによって、該第一の電極及び該第三の電極
に接触せしめられる雰囲気中の濃淡電池を構成するガス
成分の分圧差を常時極めて小さく抑え得るようにしたこ
とにあり、以て測定対象とする全ての雰囲気中における
検出精度を向上せしめ得るようにしたのである。
前述したように、第一の電極(内側ポンプ電極)と第三
の電極(検出電極)の近傍における濃淡電池を構成する
ガス成分の分圧差は、濃度差としては小さい値であり、
補助ポンピング電流としての第三の電極に流す電流はポ
ンプセルのポンピング電流に比して小さい値でも上記効
果を得られるため、検出セルの出力電圧に与える抵抗分
極の影響は低く押さえることが可能であり、ダブルセル
法の特徴を損なうことなく行なうことができるのである
ところで、このような本発明に従って、電気化学的セン
サセルの第三の電極を利用して、それと他の電極、すな
わち第一、第二若しくは第四の電極との間で電気化学的
補助ポンピング作用を行なわしめるには、具体的に第1
図〜第3図に明らかにした如き構成に従って実施される
こととなるのである。
先ず、第1図は、電気化学的センサセルの第三の電極と
第四の電極との間に補助ポンピング電流を流して、それ
らの間で電気化学的補助ポンピング作用を行なわしめる
ようにした本発明の原理的な一例を示すものであり、そ
こにおいて、電気化学的ポンプセル2は、第一の固体電
解質4とこれに接して設けられた多孔質な第一の電極6
及び第二の電極8とから構成されている。また、電気化
学的センサセル12は、第二の固体電解質14とこれに
接して設けられた多孔質な第三の電極16及び第四の電
極18から構成されている。そして、かかるポンプセル
2の第一の電極6とセンサセル12の第三の電極16と
がそれぞれ露呈せしめられる内部空所10が、かかるポ
ンプセル2及びセンサセル12から構成される電気化学
的素子の内部に設けられている。なお、この内部空所1
0は、適当な拡散律速手段を介して、外部の被測定ガス
存在空間に連通せしめられ、該拡散律速手段を通じて予
め定められた拡散抵抗の下に、被測定ガスが、かかる内
部空所lO内に導かれるようになっている。
そして、センサセル12の第三の電極16と第四の電極
18との間には、補助ポンプ電源20が設けられ、抵抗
22を介して、それら電極16゜18の間に、所定の電
流値の直流電流が補助ポンピング電流として流されるよ
うになっている。また、所定の濃淡電池を構成するガス
成分分圧の基準ガスに晒される第四の電極18と内部空
所10内の雰囲気に晒される第三の電極16との間にお
いて、濃淡電池を構成するガス成分分圧差に基づいて惹
起される起電力は、電圧計24にて検出されるようにな
っている一方、内部空所10内の雰囲気を制御するポン
プセル2の第一の電極6と第二の電極8との間には、ポ
ンプ電源26が接続されて、それら電極6.8間に所定
の直流電流がポンピング電流として流されるようになっ
ており、電流計27にて、その値を測定するようになっ
ている。
したがって、このような構成において、ポンプセル2の
ポンピング動作、すなわちポンプ電源26から供給され
る直流電流によって、第一及び第二の電極6,8間に惹
起される電気化学的ポンピング作用によって、内部空所
10内の第一の電極6の周りの雰囲気中のガス濃度(被
測定成分濃度)が変化させられる。このとき、同じく該
内部空所10内に露呈せしめられているセンサセル12
の第三の電極16の周りの雰囲気と前記第一の電極6の
周りの雰囲気との間に、かかる濃淡電池を構成するガス
成分の分圧差が生じても、センサセル12の第三の電極
16と第四の電極18との間に流される補助ポンピング
電流による電気化学的補助ポンピング作用によって、ポ
ンプセル2における電気化学的ポンピング作用による第
一の電極6の周りの雰囲気の変化と同一方向となるよう
に、該第三の電極16の周りの雰囲気が変化せしめられ
るところから、かかる第一の電極6の周りの雰囲気と第
三の電極16の周りの雰囲気における濃淡電池を構成す
るガス成分の分圧差は、効果的に減少乃至は消滅せしめ
られることとなるのである。
換言すれば、ポンプセル2の第一の電極6の周りの雰囲
気中の濃淡電池を構成するガス成分の分圧が減少せしめ
られる時には、センサセル12の第三の電極16の周り
の雰囲気中の濃淡電池を構成するガス成分の分圧も、上
記補助ポンピング作用によって減少せしめられることと
なり、また第一の電極6の周りの雰囲気中のガス成分の
分圧が増大せしめられる時には、同様に、第三の電極1
6の周りの雰囲気中の分圧も増大せしめられ、以てそれ
ら電極6.16間において濃淡電池を構成するガス成分
の分圧差が可及的に減少するようにされるのである。
また、第2図に示される本発明を実施するための第二の
構成にあっては、ポンプセル2の第一の固体電解質4と
センサセル12の第二の固体電解質14とが、直接に或
いは他の固体電解質を介して一部において電気的に接続
されており、そしてその接続部2日を通じて、ポンプセ
ル2の第一の電極6とセンサセル12の第三の電極16
との間に所定の補助ポンピング電流が流されるようにな
っているのである。より具体的には、第一の電極6、第
一の固体電解質4、接続部28、第二の固体電解質14
、第三の電極16を含む回路上に補助ポンプ電源20が
設けられることにより、かかる第一の電極6と第三の電
極16との間に、かかる補助ポンプ電源20に対応する
直流電流(補助ポンピング電流)が流れ、以てそれら電
極6.16の間において補助ポンピング作用が行なわれ
ることにより、上述の場合と同様に、かかる第三の電極
16の周りの雰囲気中の濃淡電池を構成するガス成分の
分圧が変化せしめられて、第一の電極6の周りの雰囲気
との間の分圧差が減少せしめられることとなるのである
さらに、第3図に示される本発明を実施するための第三
の構成にあっては、上記第2図の場合と同様に、ポンプ
セル2の固体電解質4とセンサセル12の固体電解質1
4とが接続部28を介して部分的に電気的に接続せしめ
られると共に、第一の電極6と第三の電極16とが接続
されており、ポンプセル2のポンピング電流の一部が、
かかる接続部28を通じて、センサセル12の第三の電
極に流れるようになっている。
すなわち、第二の電極8、第一の固体電解質4、接続部
28、第二の固体電解質14、第三の電極16を含む回
路上にポンプ電源26が位置することとなり、そのため
第二の電極8に流れるポンプ電流が、一部、センサセル
12の第三の電極16側に洩れて流れることとなり、こ
れによって、第二の電極8と第三の電極16との間にお
いて、所定の補助ポンピング作用が実施されて、上剥の
場合と同様に、第三の電極16の周囲の濃淡電池を構成
するガス成分の分圧が変化せしめられることにより、第
一の電極6との間のガス分圧差が効果的に減少せしめら
れることとなるのである。
なお、第1図及び第3図に示された、本発明を実施する
ための第一及び第三の構成にあっては、第一の電極6と
第三の電極16とを一つの共通電極のそれぞれの部分と
して使用する方法も、用途に応じて用いることができる
。すなわち、共通電極(第一及び第三の電極)と第二の
電極間で電気化学的ポンピングを行ない、且つ該共通電
極の内、ポンプ電流密度が小さい部分を検出電極として
第四の電極との間でその起電力を測定してセンサセルと
成し、該センサセル出力電圧にポンプセルのポンピング
による起電力の影響が無いように構成するのであるが、
ここにおいても、該共通電極の内側ポンプ電極部と検出
電極部との濃淡電池を構成するガス成分の分圧差を減少
せしめるべく、上記第一及び第三の構成によって補助ポ
ンピングを行なうのである。
ところで、かくの如き三つの具体的手法に従って、所定
の被測定ガス中の被測定成分の濃度を検出するに際して
は、ポンプセル2のポンピング電流は、センサセル12
の起電力の値(電圧計24にて検出される)に従って制
御せしめられることとなるが、そのようなセンサセル1
2の起電力が所定の値となるようにポンプセル2のポン
ピング電流を変化せしめるに際して、センサセル12の
第三の電極16に流れる電流、換言すれば補助ポンピン
グ電流も変化させる場合において、該補助ポンピング電
流による電気化学的補助ポンピング作用による抵抗分極
の大きさは、センサセル12の濃淡電池の原理による起
電力未満とすることが望ましく、更に望ましくは50%
以下とされる。
尤も、かかる補助ポンピング電流の電流値を変化させる
ことなく一定とする場合にあっては、上記抵抗分極の大
きさがセンサセル12の濃淡電池の原理による起電力を
超えるようになっても何等差支えなく、その場合にあっ
ては、センサセル12の起電力のしきい値が該抵抗分極
よりも大きな値で設定されることとなる。
また、補助ポンピング電流は、上述のように、第三の電
極16近傍の雰囲気と第一の電極6近傍の雰囲気の差異
を減少させるために流すものであるが、今、ポンプセル
2の印加電圧(Vp)とポンプ電流(11;第一の電極
6に流れる電流)及びセンサセル12の起電力(Vs)
との関係について述べると、補助ポンピング電流(■3
)を流さない場合(I3=0)、Vp対(1++Iz)
特性曲線の限界電流値(第一の電極6近傍の雰囲気変化
点)は、第16図に示す様に、Vs対(■1+13)特
性曲線の限界電流値(第三の電極16近傍の雰囲気変化
点)に比べて小さな値であり、第一の電極近傍の雰囲気
変化が第三の電極近傍の雰囲気変化に比べて生じ易いこ
とが認められる。
ここで、I3を徐々に増加してやると(結果として■1
は減少する)、第17図に示す様に、上記限界電流値の
差は減少し、遂には一致し、逆転する。そして、この両
限界電流が略一致するI。
対■3の比率を選ぶと、測定誤差の少ない耐久性の良い
状態で測定を有利に行なうことができるのである。
なお、この条件を満足するI3の大きさは、拡散律速手
段の形状、拡散抵抗値、第一の電極6と第三の電極16
の相対的な位置、形状、電極面積それらの電極が露呈さ
れる空間の形状(10)及び多孔質電極、電極上の多孔
質層の厚さ、多孔度等によって異なり、一義的に規定す
ることは困難であるが、一般に、補助ポンピング電流:
I、は、その増加と共にセンサセルに抵抗分極を生じさ
せ、ダブルセル方式における特徴を減少させてしまうと
ころから、補助ポンピング電流の平均電流密度:Ji(
mA/龍2〕は、ポンピング電流の平均電流密度’ J
 + (mA / w” )以下となるように(J、l
≧Jl)補助ポンピング電流:■、を流すことが望まし
く、またJ、≧2X10−’XJIにおいて、両限界電
極値の差を減少するのに効果があることが確認されてい
る。換言すれば、本発明において補助ポンピング電流:
I3は、2X10−3XJI≦J3≦JI、好ましくは
5 X 10−’x J、≦J3≦0.5 X J l
の下に、流されることとなるのである。
このように、本発明に従ってセンサセル12の第三の電
極16に補助ポンピング電流を流すことによって、かか
る第三の電極16近傍の雰囲気とポンプセル2の第一の
電極6近傍の雰囲気の差異を補正し、以て(A)測定精
度の向上を図り、また(B)電気化学的素子の耐久性の
向上;すなわち第一の電極6から伝導イオンを汲み出す
(第一の電極6から第二の電極8にイオンを移動させる
)場合、第一の電極6近傍のイオン濃度が極端に減少し
て、電極付近の固体電解質4が分解される現象を防止或
いは緩和することが可能となるのであるが、そのなかで
も、上記(A)を目的とする場合には、常時ポンプセル
2のポンピング電流に比例した、或いはポンピング電流
に対して特定の関数関係にある割合の電流を、補助ポン
ピング電流として流すのが効果的であり、また上記(B
)を目的とする場合には、第一の電極6から伝導イオン
を汲み出す方法、特に不活性ガスと被測定成分のみの混
合ガスの場合に補助ポンピング電流を流す方法も有効で
あり、この場合にはその反対方向若しくは低電流時には
、補助ポンピング電流を必ずしも流さなくてもよいので
ある。
また、以上述べた如き手法に従って補助ポンピング電流
が流された場合において、本発明の好ましい態様にあっ
ては、被測定ガス中の被測定成分の濃度を測定するため
に、被測定成分の全拡散量に対応した電流、すなわちポ
ンプセル2の第一の電極6に流れる電流とセンサセル1
2の第三の電極16に流れる電流の和が、出力電流とし
て取り出され、これによってかかる被測定成分の濃度が
決定されることとなるのである。
なお、かくの如き本発明において、ポンプセルやセンサ
セルとして用いられる電気化学的セルを構成するイオン
伝導性の固体電解質(4,14)としては、酸素イオン
導電体であるジルコニア磁器、Bi2O5YzO+系固
溶体等の他、プロトン導電体であるS r Ceo、9
sY bo、oso3−a、ハロゲンイオン導電体であ
るC a F 2等が用いられる。そして、このような
固体電解質は、一般に板状形状において用いられること
となるが、その他の形状であっても何等差支えない。
また、拡散律速手段は、ポンプセルの第一の電極の及び
センサセルの第三の電極周りの空間に、被測定ガスを外
部の被測定ガス存在空間より予め定められた拡散抵抗の
下に導くものであって、例えばピンホールやギャップ等
の細隙な空間、若しくはセラミックスの多孔質層等で形
成されることとなる。特に、本発明の好ましい態様に従
えば、°ポンプセルの第一の電極とセンサセルの第三の
電極とが、電気化学的素子内に形成される内部空所内に
実質的に露呈せしめられ、且つ該内部空所が上記拡散律
速手段を介して外部の被測定ガス存在空間に連通せしめ
られるようになっている。
さらに、かかる内部空所は、拡散律速手段を実質的に構
成して、被測定ガス存在空間に連通せしめられる構造と
されたり、そのような空所内に、拡散律速手段の拡散抵
抗に比して小さい拡散抵抗を有する多孔質層が必要に応
じて充填せしめられたりされることとなる。また、この
多孔質層は、第三の電極(検出極)を覆っている多孔質
層の多孔度が、、第一の電極(内側ポンプ極)を覆って
いる多孔質層の多孔度よりも低く、すなわち検出極被覆
層の拡散抵抗を内側ポンプ極被覆層の拡散抵抗に比べて
大とすることにより、より少量の補助ポンピング電流で
両電極間の濃淡電池を構成するガス成分の分圧差を減少
せしめ、補助ポンピングによる抵抗分掻のセンサセル出
力電圧に与える影響をより少なくすることができる。そ
してまた、ポンプセルの第一の固体電解質とセンサセル
の第二の固体電解質の少なくとも何れか一方を、所定の
拡散抵抗を有する多孔質層として、それが拡散律速手段
を構成するようにすることも可能である。
なお、本発明には、本発明の趣旨を逸脱しない限りにお
いて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改
良等を加えることができるものであり、本発明が、その
ような実施形態のものをも含むものであること、また言
うまでもないところである。
(実 施 例) 以下に、幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に
明らかにするが、それらの実施例はあくまでも本発明の
理解を容易にするためのものであて、本発明の範囲を何
等限定するものではないことが理解されるべきである。
先ず、第4図及び第5図に示される酸素センサは、板状
の固体電解質を積層して構成される積層型の電気化学的
素子を用いて、第1図に示される如き補助ポンピング電
流通電構造に従って、ガス(酸素)濃度を検出する具体
例を示すものであって、そこにおいて電気化学的素子は
、電気化学的ポンプセル30と電気化学的センサセル3
2が積層されて構成されている。
そして、かかる電気化学的ポンプセル30は、ジルコニ
ア磁器等からなる板状の固体電解質34とその両側の相
対向する位置に接して設けられた白金などからなる多孔
質な内側ポンプ電極(第一の電極)36及び外側ポンプ
電極(第二の電極)38とから構成されており、また電
気化学的センサセル32は、同じく板状の固体電解質(
第二)40とその両側の相対向する位置に接して設けら
れた多孔質な測定電極(第三の電極)42及び基準電極
(第四の電極)44とから構成され、そしてそれらポン
プセル30とセンサセル32との間に、内部空所となる
キャビティ46を形成する気密質セラミックス板48が
介在せしめられている。
したがって、かかる気密質セラミックス板48を間にし
て、ポンプセル30とセンサセル32とが重ね合わされ
ると、第5図に示されるように、それらセル間にキャビ
ティ46が形成され、このキャビティ46にポンプセル
30の内側ポンプ電極36とセンサセル32の測定電極
42がそれぞれ露呈せしめられることとなる。また、こ
のキャビティ46は、ポンプセル30の固体電解質34
に設けられた拡散律速手段としてのピンホール50を通
じて、外部の被測定ガス存在空間に連通せしめられ、こ
のピンホール50にて規定される予め定められた拡散抵
抗の下に、被測定ガスがかかるキャビティ46内に導き
入れられるようになっている。
なお、かかるポンプセル30とセンサセル32の各電極
のリード部を電気的に絶縁するために、それぞれ絶縁層
52が設けられ、またポンプセル30の外側ポンプ電極
38は、外部に露出せしめられて被測定ガス雰囲気に晒
されるようになっている一方、センサセル32の基準電
極44は、気密質セラミックス板54.56の積層によ
って形成される空気通路58内に露呈せしめられて、該
空気通路58の開口端部から導入される基準ガスとして
の大気に接触せしめられるようになっているのである。
そして、このような構成の電気化学的素子において、ポ
ンプセル30の二つのポンプ電極36゜38間にポンピ
ング電流を流すために、ポンプ電源(直流電源)60が
設けられており、またこのポンプ電源60は、センサセ
ル32の電極42゜44を含む回路に抵抗62を介して
接続されている。したがって、ポンプ電源60は、ポン
プセル30の二つのポンプ電極36.38間に所定のポ
ンピング電流を流す一方、分流された直流電流が補助ポ
ンピング電流としてセンサセル32の測定電極42と基
準電極44との間に流され、以て所望の補助ポンピング
作用が行われ得るようになっているのである。
なお、センサセル32の測定電極42と基準電極44と
の間に発生する起電力を測定するために、電圧計64が
設けられ、またポンプセル30の第一の電極36を通る
ポンピング電流を測定するために、第一の電流計66が
、更にセンサセル32の測定電極42を流れる補助ポン
ピング電流を測定するために、第二の電流計68がそれ
ぞれ設けられ、そしてそれら二つの電流計66.68に
て検出される電流値の和を、出力電流として取り出し、
これに基づいて被測定ガス中の被測定成分濃度が検出さ
れるようになっている。
因みに、かかる構成の酸素センサにおいて、センサセル
32の起電力が0.45 Vとなるように、大気(被測
定ガス)中において、ポンプ電源60からポンプセル3
0に直流電流を流して、装置を動作せしめたところ、電
流計66.68にて検出されるポンピング電流(Ip)
及び補助ポンピング電流(Is)は、それぞれ10.0
mA、及び0.1mAであった。なお、ポンプ電源60
は、30にΩの抵抗62を介して基準電極44に接続さ
れている。
また、従来の補助ポンピング電流(I s)を流さない
酸素センサと上記構造の酸素センサとを、それぞれ大気
中で上記と同様に10時間動作させたところ、従来タイ
プの酸素センサでは、ポンプセルに外観変化が現われ、
該ポンプセルを構成するジルコニア固体電解質の劣化を
生じたが、補助ポンピング電流(Is)を0.1mA流
した本発明に従う酸素センサには、その外観に全く変化
が認められず、高酸素濃度中において動作させても十分
耐久性があるものと認められた。
また、第6図及び第7図に示される例における電気化学
的素子は、前例とは異なり、ポンプセル30とセンサセ
ル32との間に形成された細隙な円環状の平坦空間70
が拡散律速手段として用いられているところに、大きな
特徴を有している。
この平坦空間70は、固体電解質からなるスペーサ部材
72をポンプセル30とセンサセル32の間に介装する
ことによって形成され、そしてポンプセル30の固体電
解質34に設けられたガス取入れ孔74を通じて、外部
の被測定ガス存在空間に連通せしめられている。
また、ポンプセル30の内側ポンプ電極36とセンサセ
ル32の測定電極42の上には、それぞれ多孔質絶縁層
76.78が設けられ、この多孔質絶縁層76.78を
介して、平坦空間70に予め定められた拡散抵抗をもっ
て導かれる被測定ガスに実質的に接触せしめられるよう
になっている。
なお、これら多孔質絶縁層76.68の拡散抵抗は、拡
散律速手段としての平坦空間70の拡散抵抗に比して非
常に小さいものであるが、測定電極42を覆っている多
孔質絶縁層78の多孔度が内側ポンプ電極36を覆って
いる多孔質絶縁層76の多孔度に比べて小さくなる、従
って拡散抵抗が大きくなるようにしてあり、より少量の
補助ポンピング電流で両電極間における濃淡電池を構成
するガス成分の分圧差を減少せしめている。また、かか
る多孔質絶縁層76は内側ポンプ電極36と略同程度の
大きさとされ、さらに多孔質絶縁層78は測定電極42
よりもやや大きな大きさとされているに過ぎないため、
第7図に示されるように、固体電解質N72によってポ
ンプセル30の固体電解質34とセンサセル32の固体
電解質40がそれらの一部において電気的に接続された
構造となっている。
なお、かかる電気化学的素子には、また、それを構成す
るセルを所望の温度に加熱して、効果的に作動させるた
めに、センサセル32の外側にヒータ80を2枚の絶縁
層82.82にて挟んだ構造のセラミツ□クヒータ層8
4が積層、形成されている。
そして、センサセル32の測定電極42と基準電極44
との間に生じる起電力を測定するために電圧計64が設
けられると共に、ポンプセル30の二つのポンプ電極3
6.38間に所定のポンピング電流を流すためにポンプ
電源60が設けられ、またかかるポンプセル30の内側
ポンプ電極36を流れるポンピング電流とセンサセル3
2の測定電極42を流れる補助ポンピング電流との和を
出力電流として取り出すために、電流計86が設けられ
ている。
したがって、かかる構成の酸素センサにおいて、ポンプ
電源60から所定のポンピング電流がポンプセル30の
二つのポンプ電極36.38間に通じられると、ポンプ
セル30の固体電解質34とセンサセル32の固体電解
質40とが固体電解質層72を介して部分的に電気的に
接続されているところから、ポンピング電流の一部が外
側ポンプ電極38から測定電極42に向かって(或いは
その逆に)流れ、そこに有効な電気化学的補助ポンピン
グ作用が行なわれることとなるのである。そうすると、
本実施例の通電構造は、第3図の補助ポンピング電流通
電方式に相当することとなる。
このように、本実施例の構造の酸素センサにあっては、
センサセル32の測定電極42に流される補助ポンピン
グ電流は、ポンプセル30のポンピング電流の一部分が
利用されるものであり、そしてそのような補助ポンピン
グ電流の大きさは、測定電極42を覆う多孔質絶縁層7
8の大きさく接続部の大きさ)によって増減せしめられ
、例えばかかる多孔質絶縁層78の面積を、測定電極4
2に対する同心円状配置において、大きくしたり、小さ
くしたりすることによって、ポンプセル30側から適切
な値のリーク電流(補助ポンピング電流)を得ることが
でき、以て内側ポンプ電極36付近と測定電極42付近
における酸素濃度差を大幅に減少せしめることができる
のである。
さらに、第8図に示される電気化学的素子は、前記第二
の実施例のものとは異なり、セラミ、2クヒ一タ層84
がポンプセル30の外側に積層、配置されていると共に
、センサセル32の固体電解質88が、所定の拡散抵抗
を有する多孔質層とされており、更に第一の電極36と
第三の電極42が一つの共通電極のそれぞれ反対側の面
を構成しているところに特徴がある。多孔質固体電解質
90は、多孔質固体電解質88に比して拡散抵抗が非常
に小さく、被測定ガス拡散量に与える影響は殆ど無視し
得る。共通電極36(42)の上面は、多孔質固体電解
質90に接しており、測定電極として働き、共通電極3
6(42)の下面は、固体電解質34に接しており、内
側ポンプ極として働くのである。
そして、センサセル32の基準電極44は、外部の被測
定ガスに晒されるようになっている(被測定ガスが基準
ガスとなる)一方、かかる基準電極44と、測定電極4
2(36)との間に補助電源(直流電源)92が接続さ
れ、この補助電源92によって、所定の補助ポンピング
電流が、それら基準電極44と測定電極として働く共通
電極42(36)の上面との間に流されるようになって
いる。
したがって、ポンプセル30の二つのポンプ電極、すな
わち外側ポンプ電極38と、内側ポンプ電極として働く
共通電極36(42)の下面との間にポンプ電源60か
ら所定のポンピング電流が通電せしめられると、被測定
ガスは、センサセル32の基準電極44、多孔質固体電
解質88を通って所定の拡散抵抗の下に拡散せしめられ
、多孔質固体電解質90の多孔構造内の雰囲気を構成す
るようになるが、その際、補助電源92から供給される
補助ポンピング電流によって、基準電極44と測定電極
として働く共通電極42(36)の上面との間において
補助ポンピング作用が為されるために、共通電極36(
42)の上面側、すなわち測定電極側の雰囲気が調整さ
れて、共通電極36(42)の下面側、すなわち内側ポ
ンプ極側との間における濃淡電池を構成するガス成分の
分圧差を効果的に減少せしめることができるのである。
また、第9図に示される電気化学的素子は、拡散律速手
段としての平坦空間70が矩形形状とされ、その一端部
が素子の端部に開口せしめられ、直接に被測定ガス存在
空間に連通せしめられているところに特徴がある。この
矩形の平坦空間70は、スペーサ部材72がポンプセル
30とセンサセル32の間に介在せしめられることよっ
て形成され、そしてこの平坦空間70に、ポンプセル3
0の内側ポンプ電極36及びセンサセル32の測定電極
42が、それぞれ拡散抵抗が非常に小さい多孔質絶縁層
94.96を介して実質的に露呈せしめられた構造とさ
れている。
そして、補助電源92が、ポンプセル30の内側ポンプ
電極36とセンサセル32の測定電極42とを含んで構
成される回路上に配置されて、前記第2図に示される補
助ポンピング電流通電方式に従って、かかる内側ポンプ
電極36と測定電極42との間に所定の補助ポンピング
電流が流されるようになっているのである。なお、ポン
プセ、ル30の固体電解質34とセンサセル32の固体
電解質40とは、スペーサ部材72にて部分的に、すな
わち平坦空間70の両側に位置するスペーサ部材72部
分において、電気的に接続された構造とされており、そ
のような接続部を介して内側ポンプ電極36と測定電極
42との間に電流が流されることとなるのである。
更にまた、第10図及び第11図に示される電気化学的
素子においては、ポンプセル30とセンサセル32が、
同一の固体電解質板34(40)上に併置して形成され
ており、そしてポンプセル30の外側ポンプ電極38と
センサセル32の基準電極44とが共用とされている。
また、第9図の具体例と同様な矩形形状をなす平坦空間
70は、気密質のセラミックス板100と気密質な絶縁
性セラミックス板102を重ね合わせることによって形
成され、更にかかる絶縁性セラミックス板102の外側
に、セラミックヒータ層84が積層、形成されている。
そして、ポンプセル30の内側ポンプ電極36とセンサ
セル32の測定電極42は、抵抗62及びスイッチ10
4を経て接続されており、ポンプセル30のポンピング
電流の一部をセンサセル32の測定電極42、基準電極
44間に補助ポンピング電流として流し得るようになっ
ている。すなわち、高抵抗62と直列に接続されたスイ
ッチ104は、測定条件により、ON、OFFされ、そ
のON時に、センサセル32の測定電極42、基準電極
44間に補助ポンピング電流が流されることとなるので
ある。これによって、大気の如き被測定ガスが高酸素濃
度である時に、ポンプセルの内側ポンプ電極36周りと
センサセル32の測定電極42周りの酸素濃度差を減少
せしめ、以てポンプセル30の固体電解質34の劣化を
効果的に防止せしめたのである。
また、第12図及び第13図に示される電気化学的素子
においては、第一の電極と第三の電極とが、多孔質絶縁
層76.78及び固体電解質層72に形成されたピアホ
ール105を経て接続された一つの共通電極36(42
)のそれぞれの部分を構成している。また、固体電解質
34と固体電解質40は、固体電解質層72を介して一
部で電気的に接続された構造となっている。共通電極3
6(42)と第二の電極38との間にポンプ電源60を
接続して、ポンピング電流を流すと、ポンプ電流の大部
分は該共通電極の内側ポンプ電極部36に流れ込むが、
その一部が固体電解質層72を経て共通電極の測定電極
部42に周り込んでくる。多孔質絶縁層78の面積を変
えることにより、固体電解質層72と固体電解質40と
の接続面積が変わるため、これにより共通電極の測定電
極部42に流入するリーク電流の全ポンプ電流に対する
比率を適正値とするようになっている。
更にまた、第14図及び第15図に示される電気化学的
素子においては、第一の電極と第二の電極とが一つの共
通電極36(42)のそれぞれの部分を構成している。
すなわち、内側ポンプ電極として働くのは共通電極36
(42)の固体電解質34に接する面(上面)の、主と
して外側ポンプ電極38と対向する部分であり、−力測
定電極として働くのは、共通電極36(42)の多孔質
固体電解質90に接する面(下面)である。共通電極3
6(42)は、多孔質固体電解質90と接する部分でメ
ツシュ状に構成してあり、このメツシュの網の目の部分
で固体電解質34と多孔質固体電解質90が直接、接続
されるようになっている。多孔質固体電解質90の多孔
度は大きく、多孔質絶縁層76よりも拡散抵抗が小さく
なるようにしである。
従って、外側ポンプ電極38と共通電極36(42)と
の間にポンプ電源86を接続して、ポンピングを行なう
と、ポンピング電流は、外側ポンプ電極38と共通電極
36(42)のこれと対向する面との間で流れ、特に電
気化学的素子の端面に近い側で電流密度は大となり、メ
ツシュ状になっている共通電極36(42)の中心部分
では、電流密度は小となっている。この素子では、測定
電極として働く共通電極36(42)下面とポンプ電極
として働く同電極の上面との間で生ずる濃淡電池を構成
するガス成分の分圧差を減少せしめるため、ポンプセル
のポンピング電流の一部が共通電極36(42)のメツ
シュ部を通過して同電極下面にまわり込んで流れるよう
にしており、測定電極部への補助ポンピングを効果的に
行なっているのである。
(発明の効果) 以上述べた如き本発明手法に従って、電気化学的センサ
セルに少量の電流を流して、補助的な電気化学的ポンピ
ング作用を行なわしめ、以てかかるセンサセルの第三の
電極の周りの雰囲気を調整して、他方の電気化学的ポン
プセルの第一の電極の周りの雰囲気との差異を補正する
ことにより、測定精度の向上が効果的に図られ得、また
被測定ガス成分が高濃度の被測定ガス中における測定時
の固体電解質の劣化を防止せしめ、以て電気化学的セル
乃至は素子の耐久性を効果的に改善せしめ得たものであ
り、特に酸素センサにおいて、被測定ガスを大気として
、高酸素濃度下でポンピング電流値の大きい測定を行な
うに際して、固体電解質の劣化の問題を何等顧慮する必
要がなくなったことは、本発明の優れた利点となるもの
であり、そこに本発明の大きな工業的意義が存するもの
である。
また、かかる本発明に従うガス濃度検出方法は、所定の
リーン雰囲気又はリッチ雰囲気で運転される自動車エン
ジンの排ガスセンサにおける空燃比の検出に有利に適用
され得るものであるが、電気化学的センサセルの基準極
を大気のように酸素濃度一定の雰囲気中に露呈すること
により、リーン雰囲気からリッチ雰囲気までにわたる領
域で燃焼せしめられた排気ガスの空燃比を連続的に精度
良く測定することが可能であり、更には気体中の酸素以
外の窒素、二酸化炭素、水素等の電極反応に関与する成
分の検出器或いは制御器等における検出手法にも適用さ
れる他、プロトン導電体を用いた湿度センサにおける検
出法としても、本発明は好適に採用されるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図及び第3図は、それぞれ本発明の実施形
態の異なる例を示す概念図であり、第4図は本発明にて
用いられる電気化学的素子の一つを分解して示すと共に
、そのような素子に対する通電及び検出形態の一例を示
す説明図、第5図は第4図におけるV−V断面説明図で
あり、第6図は本発明の他の例を示す第4図に相当する
説明図、第7図は第6図における■−■断面説明図であ
り、第8図及び第9図はそれぞれ本発明の他の異なる例
を示す第4図に相当する説明図であり、また第10図は
本発明の更に異なる他の例を示す第4図に相当する説明
図、第11図は第10図におけるXI−XI断面説明図
、また第12図は本発明の更に異なる他の例を示す第4
図に相当する説明図、第13図は第12図におけるXI
[I−XI[[断面説明図、また第14図は本発明の更
に異なる他の例を示す第4図に相当する説明図、第15
図は第14図におけるXV −XV断面説明図、第16
図及び第17図はそれぞれポンプセル及びセンサセルの
ポンプ電流と端子電圧との関係図である。 2:電気化学的ポンプセル 4:第一の固体電解質 6:第一の電極    8:第二の電極10:内部空所 12:電気化学的センサセル 14:第二の固体電解質 16:第三の電極   18:第四の電極20:補助ポ
ンプ電源 22:抵抗 24:電圧計     26:ボンプ電源28:接続部 30:電気化学的ポンプセル 32:電気化学的センサセル 34:固体電解質(第一) 36:内側ポンプ電極(第一の電極) 38:外側ポンプ電極(第二の電極) 40:固体電解質(第二) 42:測定電極(第三の電極) 44:基準電極(第四の電極) 46:キャビティ  50:ピンホール60:ポンプ電
源  64:電圧計 66:第一の電流計 68:第二の電流計70:平坦空
間 84:セラミックヒータ層 86:電流計    88:多孔質固体電解質90:多
孔質固体電解質

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)第一の固体電解質とこれに接して設けられた多孔
    質な一対の第一及び第二の電極とを含む電気化学的ポン
    プセルと;第二の固体電解質とこれに接して設けられた
    多孔質な一対の第三及び第四の電極とを含み、且つ該第
    三の電極が前記電気化学的ポンプセルの第一の電極に近
    接して設けられる電気化学的センサセルと;被測定ガス
    を被測定ガス存在空間より予め定められた拡散抵抗の下
    に導き、前記電気化学的ポンプセルの第一の電極及び前
    記電気化学的センサセルの第三の電極に接触せしめる拡
    散律速手段とを含んで構成される電気化学的素子を用い
    て、該第三の電極近傍における、濃淡電池を構成するガ
    ス成分の分圧を零付近の所定値とするように、すなわち
    該電気化学的センサセルの起電力が所定の値となるよう
    に前記電気化学的ポンプセルのポンピング電流を制御し
    、その制御されたポンピング電流値によって被測定ガス
    中の被測定成分の濃度を測定するに際して、 該電気化学的センサセルの第三の電極と他の電極との間
    で電気化学的補助ポンピング作用を行なわしめると共に
    、かかる電気化学的補助ポンピング作用による該第三の
    電極の周りの雰囲気の変化が、前記電気化学的ポンプセ
    ルの電気化学的ポンピング作用による前記第一の電極の
    周りの雰囲気の変化と同一方向となるようにしたことを
    特徴とするガス濃度検出方法。
  2. (2)前記電気化学的ポンプセルの第一の電極と前記電
    気化学的センサセルの第三の電極とが、前記電気化学的
    素子内に形成された内部空所に実質的に露呈せしめられ
    、且つ該内部空所が前記拡散律速手段を介して前記被測
    定ガス存在空間に連通せしめられている特許請求の範囲
    第1項記載の検出方法。
  3. (3)前記第一及び第三の電極が露呈せしめられる内部
    空所が、前記拡散律速手段を実質的に構成して、前記被
    測定ガス存在空間に連通せしめられている特許請求の範
    囲第2項記載の検出方法。
  4. (4)前記第一及び第三の電極が露呈せしめられる内部
    空所内に、前記拡散律速手段の拡散抵抗に比して拡散抵
    抗の小さい多孔質層が充填されている特許請求の範囲第
    2項または第3項に記載の検出方法。
  5. (5)前記電気化学的ポンプセルの第一の固体電解質と
    前記電気化学的センサセルの第二の固体電解質の少なく
    とも何れか一方が、所定の拡散抵抗を有する多孔質層と
    され、前記拡散律速手段を兼ねている特許請求の範囲第
    1項または第2項に記載の検出方法。
  6. (6)前記電気化学的センサセルの第四の電極が、所定
    の基準ガス存在空間に露呈されている特許請求の範囲第
    1項乃至第5項の何れかに記載の検出方法。
  7. (7)前記電気化学的センサセルの第三の電極と他の電
    極との間に流される補助ポンピング電流が、前記電気化
    学的ポンプセルのポンピング電流の増減に対応して増減
    する電流であり、且つ該補助ポンピング電流により生ず
    る抵抗分極の大きさが、該電気化学的センサセルの濃淡
    電池の原理による起電力の50%以下であり、また前記
    電気化学的補助ポンピング作用を行なわしめるに有効な
    電流値において流される特許請求の範囲第1項乃至第6
    項の何れかに記載の検出方法。
  8. (8)前記電気化学的センサセルの第二の固体電解質と
    前記電気化学的ポンプセルの第一の固体電解質とが一部
    で電気的に接続され、且つ該第三の電極が電気化学的ポ
    ンプセルの第一の電極に接続されており、そして該電気
    化学的ポンプセルのポンピング電流の一部が、かかる両
    接続部を通じて、前記電気化学的センサセルの第三の電
    極に流される特許請求の範囲第1項乃至第7項の何れか
    に記載の検出方法。
  9. (9)前記第一の電極と前記第三の電極とが、一つの共
    通電極のそれぞれの部分を構成している特許請求の範囲
    第8項記載の検出方法。
  10. (10)前記第一の電極と前記第三の電極とが、所定の
    抵抗素子を介して接続されている特許請求の範囲第8項
    記載の検出方法。
  11. (11)前記第二の電極と前記第四の電極とが、一つの
    共通電極である特許請求の範囲第10項記載の検出方法
  12. (12)前記電気化学的センサセルの第二の固体電解質
    と前記電気化学的ポンプセルの第一の固体電解質とが一
    部で電気的に接続されており、且つ該電気化学的センサ
    セルの第三の電極と該電気化学的ポンプセルの第一の電
    極との間に所定の電源を接続して、該電源からの直流電
    流を補助ポンピング電流として、それら電極間に流すこ
    とによって、該第一の電極を前記他の電極として用いる
    ようにした特許請求の範囲第1項乃至第7項の何れかに
    記載の検出方法。
  13. (13)前記電気化学的センサセルの第三の電極と第四
    の電極との間に、所定の電源からの直流電流を補助ポン
    ピング電流として流すことにより、該第四の電極を前記
    他の電極として用いるようにした特許請求の範囲第1項
    乃至第7項の何れかに記載の検出方法。
  14. (14)前記第一の電極と前記第三の電極とが、一つの
    共通電極である特許請求の範囲第13項記載の検出方法
  15. (15)前記電気化学的ポンプセルの第一の電極に流れ
    る電流と前記電気化学的センサセルの第三の電極に流れ
    る電流の和を出力電流として用い、被測定ガス中の被測
    定成分の濃度を測定する特許請求の範囲第1項乃至第1
    4項の何れかに記載の検出方法。
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