JPS6119397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内部構成部品の構造およびその配設
構造を改良した縦長状のウインド形空気調和機に
関する。

横開き戸の開閉自由度を大きくとることができ
るころから、間口が狭い縦長状のウインド形エア
コンが多用される傾向にある。この種機器に備え
られる蒸発器および凝縮器には通常フインチユー
ブ形熱交換器が用いられている。さらに詳述すれ
ばこの熱交換器は複数枚のフインを垂直方向に狭
少の間隙を存して立設し、これらに熱交換パイプ
を水平方向に貫通し、かつ上下方向に蛇行してな
る。また蒸発器においては熱交換作用にともなつ
てドレン水が生成され順次フインを流下してドレ
ン受皿に集溜するようになつている。したがつて
蒸発器はフインが垂直方向であるがゆえに、ドレ
ン水が流下しやすく都合が良い。しかしながら上
記凝縮器においては、蒸発器のようにドレン水が
生成されることがない。しかも凝縮器は蒸発器よ
り大きな形状であり、熱交換パイプの曲成部分を
形成するＵパイプの数が多くなる。したがつて凝
縮器の製造手間がかかり、コスト高になるという
不都合がある。

本考案は上記事情にもとづきなされたものであ
りその目的とするところは熱交換効率を保持した
ままで凝縮器のＵパイプの数を小とし、しかも空
気調和機本体を間口の狭い縦長状とするとともに
安定性よく取付けることができるようにしたウイ
ンド形空気調和機を提供するものである。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明
する。図中１は取付枠２に固定され間口が狭く、
かつ縦長状に形成されたウインド形空気調和機本
体である。上記取付枠２は図示しない被空調室の
窓に横開き式の開閉戸３ａとともに組込まれるよ
うになつている。また上記本体１の前面下部には
各種スイツチおよび制御スイツチからなる操作盤
４ａが設けられている。さらに本体１内は第２図
に示すように仕切壁４によつて上下方向に２分さ
れ、この上部に室内と連通する熱交換室５が、下
部に室外と連通する機械室６がそれぞれ設けられ
ている。上記熱交換室５に対向する本体１の前面
壁１ａには吸込口７と吐出口８とが左右に並んで
設けられ、第１図に示すような鍔戸パネルで覆わ
れている。そしてこれらの間にその一端部が近接
するようにして熱交換室５に縦長状の蒸発器９が
設けられている。この蒸発器９は熱交換室５の奥
行方向に対して斜めに傾いて立設されたフインチ
ユーブ形熱交換器からなる。さらに詳細すれば、
この蒸発器９は垂直方向に狭少の間隙を有して設
けられた複数枚のフイン１０ａ…と、これらに熱
交換パイプ１０ｂが水平方向に貫通し、かつ上下
方向に蛇行して構成されている。一方機械室６は
風向仕切板１１によつて前後方向に区画され、そ
の背面側には後述する縦長状の凝縮器１２が、か
つ前面側には圧縮機１３がそれぞれ配設されてい
る。これら凝縮器１２と圧縮機１３および上記蒸
発器９とは冷媒管を介して冷凍サイクルを構成す
るように連通している。上記凝縮器１２は、狭少
の間隙を存し、水平方向に積重ねられた複数枚の
フイン１３ａ…と、これらに直管部を垂直方向に
貫通し、前記直管部を曲成部すなわちＵパイプを
介して接続して幅方向に蛇行する熱交換パイプ１
３ｂとからなる。すなわちこの熱交換パイプ１３
ｂの曲成部分は蒸発器９のように両側面に突出せ
ず上下端面から突出する。したがつて熱交換面積
は蒸発器９より大きいにも係わらず、熱交換パイ
プ１３ｂの曲成部の数は少くてすむ。また凝縮器
１２上端部近傍の上記仕切壁４には二軸モータ１
４が固定されていて、この一方の回転軸１４ａは
仕切壁４ａを貫通して熱交換室５に延出されてい
る。そしてこの回転軸１４ａには熱交換室用フア
ンとしての円筒形状の縦長状の第１の横流フアン
１５が嵌着され、これは蒸発器９の近傍に位置す
るとともにこの上下方向長さと略同じ長さを有し
ている。また他方の回転軸１４ｂは機械室６下部
に延長され、これには機械室用フアンとしての円
筒形状の縦長状の第２の横流フアン４６が嵌着さ
れている。この第２の横流フアン１６は凝縮器１
２の近傍に位置し、かつこの上下方向長さと略向
じ長さを有している。また１７は回転軸１４ｂの
軸受である。一方上記背面壁１ｂには外気吸込口
１８が設けられ一側壁１ｅには外気吐出口１９が
設けられ図示しない鍔戸パネルで覆われている。
そして上記風向仕切板１１と略平行に側壁１ｃか
ら第２の横流フアン１６にかけて補助風向仕切板
２０が設けられている。したがつて二軸モータ１
４を回転駆動することにより、第１，第２の横流
フアン１５，１６が回転し、被空調室内空気は吸
込口７から熱交換室５に導かれ、蒸発器９を介し
て吐出口８から吐出されるようになつている。ま
た外気は外気吸込口１８から機械室６に導かれ、
凝縮器１２を介し風向仕切板１１と補助風向仕切
板２０の間に導かれ、外気吐出口１９から吐出さ
れるようになつている。

一方、上述した蒸発器９、圧縮器１３、機械室
および熱交換室用の各フアン１５，１６は上記凝
縮器１２の幅寸法内に配設され、空気調和機本体
１の間口をより一層狭小化するようになつてい
る。さらに、上述の圧縮機１３および機械室用の
フアン１６は上記凝縮器１２の高さ寸法内に収容
され、空気調和機本体１の高さを小さくせしめて
いる。

しかして、操作盤４ａを操作して、冷凍サイク
ル運転を行うとともに二軸モータ１４に通電する
とにより、室内空気は蒸発器９と、外気は凝縮器
１２とそれぞれ熱交換し、被空調室に冷気を吐出
してこの空気調和を行うことができる。

以上説明したように本考案によれば、本体の背
面に位置し機械室に収納され水平方向に狭少の間
隙を存して積重ねた複数枚のフインに熱交換パイ
プの直管部を垂直方向に貫通するとともに前記直
管部をＵパイプを介して接続し幅方向に蛇行する
ようにした縦長形状の凝縮器と、この凝縮器に送
風する機械室用フアンを円筒形状のフアンとし組
合せる構成としたから、幅方向に影響を与えるこ
となく垂直方向に熱交換器とフアンの大きさを延
長でき間口が狭い縦長状のウインド形空気調和機
を得ることができると共に前記Ｕパイプを少なく
できるから凝縮器自体の大きさも小さくすること
ができる。

さらに圧縮機を凝縮器と離間して設けかつ本体
前面側に収納したから、機械室用フアンの送風抵
抗とならないと共に圧縮機の重さを窓枠に支持で
き安定性のよいウインド形空気調和機を得ること
ができる。さらに、凝縮器の幅寸法内に前記蒸発
器の幅寸法内に前記蒸発器、圧縮機円筒形状の機
械室フアンおよび熱交換室用フアンを収納したか
ら一層間口が狭い縦長状のウインド形空気調和機
を得ることができる。また凝縮器の高さ寸法内に
圧縮機および円筒形状の機械室用フアンを収容し
たことで、一層高さ寸法が小さい空気調和機を実
現することができる。しかも、その効果は、本体
の下部を室外と連通する機械室としたウインド形
空気調和機にとつてきわめて有利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は空気調和機を取付けた状態の斜視図、第２
図は同じく一部切欠した斜視図、第３図は第２図
−線に沿う横断面図である。 １……本体、４……仕切壁、９……蒸発器、１
２……凝縮器、１３ａ……フイン、１３ｂ……熱
交換パイプ、１３……圧縮機、１５……熱交換室
用フアン、１６……機械室用フアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縦長形状に形成された本体と、この本体内にそ
   の本体内を上下方向に仕切るよう設けられ仕切ら
   れた上部空間に室内と連通する熱交換室を、下部
   空間に室外と連通する機械室を構成する仕切壁
   と、前記熱交換室内に収容された蒸発器と、前記
   本体の背面に位置して前記機械室内に収容され水
   平方向に狭少の間隙を存して積重ねた複数枚のフ
   インに熱交換パイプの直管部を垂直方向に貫通す
   るとともに前記直管部をＵパイプを介して接続し
   幅方向に蛇行する縦長形状の凝縮器と、この凝縮
   器と離間して設けられた前記機械室内でかつ前記
   本体前面側に収容された圧縮機と、前記凝縮器と
   前記蒸発器にそれぞれ送風すると共に垂直方向に
   設けられかつ駆動源を共用するよう前記仕切壁に
   固定されたモータによつて回転される円筒形状の
   機械室用フアン及び熱交換室用フアンとからな
   り、前記凝縮器の幅寸法内に前記蒸発器、前記圧
   縮機、前記円筒形状の機械室用フアン及び熱交換
   室用フアンを収容するとともに、前記凝縮器の高
   さ寸法内に前記圧縮機及び前記円筒形状の機械室
   用フアンを収容したことを特徴とするウインド形
   空気調和機。