JPS6119301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、陶磁器、陶磁製タイル若しくは耐火
煉瓦等の焼成に使用される窯業用炉のバーナー装
置に関し、特に、熱効率の高いバーナー装置に関
する。

窯業用炉、特に、ドロマイト煉瓦、高アルミナ
煉瓦等の耐火煉瓦の焼成に使用される高温炉にお
いては、バーナーが炉内の高熱に曝されて焼損が
甚しいため、バーナーの外周をジヤケツトで覆つ
て冷却水を通すのが通常であるが、ジヤケツト内
で加熱された冷却水は、炉としては全く用途がな
く、高温度のまま排出されれているのが現状であ
つて、大量の熱エネルギーが無駄に消費されてい
た。

一方、特開昭55−28492号公報には、燃料管を
中心としてその周りに三重の空気供給管を配置
し、流れの方向を反転して内側から外側へ導かれ
た空気を先端部において燃料と混合して噴出する
ようにしたたバーナーが開示されているが、この
ようなバーナーは、空気が三重管の外側から中心
の噴孔へ急激に絞られるため、噴孔から噴出する
際の圧力損失が大きく、噴出速度が低い欠点を有
し、また、従来のバーナーと構造が全く異なるた
め、高温炉用として特別に製造する必要があつて
著しく高価になる欠点があつた。

本考案はこのような欠点を除去し、燃焼用空気
によりバーナーを冷却して耐久性及び燃効率を向
上するとともに、空気の圧力損失が小さく、通常
のバーナーを利用して安価に製造することができ
るバーナー装置を提供することを目的とするもの
である。

以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図に本考案の第１実施例を示す。図におい
て、Ａは空気管２の中心に燃料管１が挿入された
二重円筒形のバーナーであつて、燃料管１の後端
は接続体３の後面に形成された小径孔３１に嵌入
固定されて燃料供給パイプ４に接続され、空気管
２の後端は接続体３の前面に形成された大径孔３
２に嵌入固定されており、燃料管１の先端に形成
された噴孔１１は空気管２の先端に形成された噴
孔２１の中心に配置されて、燃料管１及び空気管
２を通つて圧送された燃料と空気が噴孔１１，２
１で混合されて噴射されるようになつている。

上記の構成において、接続体３の外周に形成さ
れた空気供給孔３３を送風機に接続し、かつ、空
気管２の外周をジヤケツトで覆つて冷却水を循環
させれば、従来公知の水冷式バーナーになるので
あるが、本実施例においては、バーナーＡの外周
が空冷用のジヤケツトＢで覆われている。このジ
ヤケツトＢは、外筒６の中心に先端開放の内筒５
が挿入された二重円筒形をなし、内筒５の後端が
外筒６の後方へ突出してバーナーＡの空気管２に
固定され、内筒５の先端の開口５２から少し前方
へ離間した外筒６の前端が空気管２に固定されて
いるとともに、内筒５の後端部外周に形成された
空気流入口５１に空気供給管７が接続され、さら
に、外筒６の後端部外周に形成された空気排出口
６１がパイプ８によつてバーナーＡの接続体３の
空気供給口３３に接続されている。

上記構成になる本実施例のバーナー装置は、ト
ンネル窯等の窯業用炉の炉壁ａに透設されたバー
ナー取付孔ｂに先端部を挿入してバーナーＡの燃
料管１及び空気管２の噴孔１１，２１を火炎案内
孔ｃに臨ませ、ジヤケツトＢの外筒６の外周に突
設されたフランジ９で炉壁ａに固定されて装置さ
れ、図示しない送風機から空気供給管７を通つて
送られた空気が図に矢線で示すように、ジヤケツ
トＢの内筒５内を後端から先端へ流れ、先端の開
口５２から外筒６内に入つて逆に前端から後端へ
流れて空気排出口６１から排出される間にバーナ
ーＡの熱を奪つてこれを冷却し、かつ炉内の輻射
熱がバーナーＡに伝わるのを遮断して自らの温度
を高め、高温度に加熱された排出空気はパイプ８
を通つてバーナーＡの接続体３の空気供給口３３
に供給され、空気管２内を後端から前端へ送られ
て噴孔２１から噴出し、燃料管１の噴孔１１から
噴出する燃料と混合してこれを燃焼させるのであ
る。

したがつて、バーナーＡを冷却するために奪わ
れた熱エネルギーが炉内に還元される結果となつ
て、炉の熱効率が著しく向上するのである。

次に、本考案の第２実施例を第２図に示す。本
実施例においては、ジヤケツトＢの空気排出口６
１とバーナーＡの空気供給口３３を接続するパイ
プ８′の途中が螺旋形に巻回されて、炉壁ａ内に
形成された空間ｄ内に納められており、ジヤケツ
トＢから排出された冷却用の空気はパイプ８′を
通る間に炉壁熱によりさらに高温度に加熱されて
からバーナーＡに供給されるのである。ここで、
パイプＡを加熱する炉壁熱は従来空気中に放出さ
れていたものであつて、これを回収して炉内に還
元することにより、熱効率が一層向上する結果と
なる。

なお、本実施例のバーナーＡ及びジヤケツトＢ
の構造は前記第１実施例と同一であるので説明を
省略する。

また、本考案は、液体、気体または粉体燃料を
燃焼させるための各種のバーナーに適用し得るも
のである。

以上の説明によつて明らかにしたように、本考
案の窯業用炉のバーナー装置は、空気管の中に燃
料管を略同心に嵌装し、該両管の後端部に設けた
供給口から各別に供給した空気と燃料を該両管の
先端に設けた噴孔から噴出して混合するようにし
たバーナーの外周を空冷用ジヤケツトで覆うとと
もに、該ジヤケツトの排出口と前記バーナーの空
気管の供給口とをパイプで接続し、前記ジヤケツ
ト内で加熱された冷却用空気を前記バーナーに燃
焼用空気として供給する構成としたことを要旨と
するものであつて、バーナーを冷却するために奪
われた熱エネルギーが炉内に還元されて炉の熱効
率が著しく向上するとともに、空気管の中に燃料
管を略同心に嵌装した通常のバーナーの外周をジ
ヤケツトで覆つたものであるから、バーナー自体
は通常のものであつて、空気の噴出の仕方に無理
がなくて圧力損失が小さく、また、従来のバーナ
ーをジヤケツトで覆つてその排出口を空気管の供
給口に接続し、または、水冷式のバーナーのジヤ
ケツトの排出口を空気管の供給口に接続するだけ
で製造することができ、低コストで製造できる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示し、第１図は第
１実施例の断面図、第２図は第２実施例の概要を
示す断面図である。 Ａ……バーナー、Ｂ……ジヤケツト、６１……
空気排出口、３３……空気供給口、８，８′……
パイプ、ａ……炉壁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 空気管の中に燃料管を略同心に嵌装し、該両
   管の後端部に設けた供給口から各別に供給した
   空気と燃料を該両管の先端に設けた噴孔から噴
   出して混合するようにしたバーナーの外周を空
   冷用ジヤケツトで覆うとともに、該ジヤケツト
   の排出口と前記バーナーの空気管の供給口とを
   パイプで接続し、前記ジヤケツト内で加熱され
   た冷却用空気を前記バーナーに燃焼用空気とし
   て供給する構成としてことを特徴とする窯業用
   炉のバーナー装置。 ２ 前記ジヤケツトの排出口と前記バーナーの空
   気管の供給口を接続するパイプを炉壁に沿わせ
   て配設し、前記ジヤケツトから流出した冷却用
   空気を炉壁熱で高温度に加熱して前記バーナー
   に供給する構成としたことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の窯業用炉のバー
   ナー装置。