JPS6119060Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカツプ状容器を多数個収納して保管す
るための紙製トレイに関するものである。

一般にこの種の紙製トレイは段ボール紙で箱状
に形成され、トレイ本体の内部において中仕切を
所定の高さに位置させると共に全面に亘つて打抜
孔が設けられ、該打抜孔内に所定の商品を収納さ
せ、これら収納させたトレイを複数段積み重ね冷
蔵庫等に入れて保管するようにしている。しかし
ながら従来のトレイは全体が箱形状をしているた
めに、側面及び妻面が一体に形成されており、冷
蔵庫等に入れて保管する際に冷気が内部に均等に
行き渡るようにするために側面壁及び妻面壁に冷
気を通すための多数の孔を穿けなければならず、
材料を多く使用している割には全体の強度が低下
している。

本考案はこのような実情に鑑みなされたもので
あつて、その目的は材料の使用量を少なくし、強
度的に優れていると共に冷気の通りが良好な紙製
トレイを提供しようとするものである。

この目的を達成するためになされた本考案は、
厚紙素材で形成されたトレイ本体と中仕切とから
なり、トレイ本体は略四角形状の底壁の相対向す
る一対の側辺に折目を介して側面壁を一体的に連
設し、これら折目部分に積重ね時の係合用孔を複
数個設けると共に、これら孔に対応させて側面壁
の自由端部に夫々突起部を一体に形成し、前記中
仕切は全面に亘つて収納物品を保持するための所
定の打抜孔を多数個形成すると共に相対向する一
対の側面に折目を介して内側面壁を連設し、該内
側面壁の自由端部に前記係合用孔に対応する切欠
部を夫々形成し、前記トレイ本体の側面壁を上方
に立上がらせ、前記中仕切の内側面壁を下方に折
り曲げて前記トレイ本体の側面壁の内側に内側面
壁を当接させて一体的に貼着させたことを特徴と
する紙製トレイであつて、トレイ本体の側面壁と
中仕切の内側面壁とを貼着させることで両者の結
合が強度的に優れたものとなり、しかも箱体の妻
面となる部分に壁体が全くないことから、積み重
ね状態にあつてもトレイ内部への冷気の通りが非
常に良好となり、トレイとしての適正に優れてい
るのである。

次に本考案を図示の実施例により更に詳しく説
明すると、第１図において１は段ボール紙等の厚
紙素材で形成されたトレイ本体であり、全体的に
略四角形状を呈する底部２の相対向する一対の側
辺に、折目３，４を介して側面壁５，６を夫々一
体的に連設し、前記折目部分には四個の係合用孔
７，８，９，１０を設けると共に略中央部に手掛
け用の孔１１，１２を設けてある。尚、重量の軽
い収納物を入れる場合のトレイとしては必ずしも
手掛け用の孔は必要としない。

更に、側面壁５，６には、その自由端部に前記
係合用孔７，８，９，１０に夫々対応する突起１
３，１４，１５，１６を夫々設けてあり、これら
突起は完成したトレイを積重ねる時に上部のトレ
イにおける係合用孔が嵌り込んで安定した積重ね
ができる構成になつているのである。

第２図に示したものは中仕切２１であり、前記
トレイ本体と同じような段ボール紙等の厚紙素材
で形成され、略全面に亘つて円形状の多数個の打
抜孔２２が等間隔に整然と揃つて形成されると共
に相対向する一対の側辺に折目２３，２４を介し
て内側面壁２５，２６が一体的に連設され、これ
ら内側面壁２５，２６の自由端部に前記トレイ本
体の係合用孔７，８，９，１０に対応する切欠部
２７，２８，２９，３０を形成し更に手掛け用の
孔１１，１２に対応させて切欠孔３１，３２を形
成してある。この実施例にあつてはカツプ状の収
納物品３３が収納されるので中仕切２１の打抜孔
２２が円形に形成されているが、カツプ状ではな
く桝状のものであれば四角な打抜孔にすれば良
い。従つて、打抜孔の形状は円形に限らないので
ある。

このように構成されたトレイ本体１と中仕切２
１とを合体させて紙製トレイを完成させるには、
トレイ本体１の両側面壁５，６を上方に立上がら
せ、中仕切２１の両内側面壁２５，２６を下方に
折曲げ、各切欠部２７，２８，２９，３０を夫々
係合用孔７，８，９，１０に一致するようにし
て、トレイ本体１の内側に中仕切２１を嵌め、側
面壁５，６と内側面壁２５，２６との当接面を接
着剤により貼着させれば良いのである。この場
合、内側面壁２５，２６の高さは側面壁５，６の
高さよりも低く形成し、内側面壁２５，２６の自
由端部がトレイ本体１の底部２に突当つていなけ
ればならない。

このようにトレイ本体の側面壁５，６と中仕切
２１の内側面壁２５，２６とを接着剤で貼着さえ
すれば良いので、一方においては側面壁５，６を
上方に折曲げ、他方においては内側面壁２５，２
６を下方に折曲げるだけの作業であるため、その
作業が簡単であり、全自動の機械化が可能で大量
生産に適する構成である。

このようにして形成された本考案の紙製トレイ
は、通常の箱体に比べて妻面が全面的にオープン
になつているが、側面が内外二重になつて強度的
にはそれほど問題にはならず、側面壁５，６の起
立状態が安定しており、中仕切２１の打抜孔２２
に所定のカツプ状容器３３を嵌め込むようにして
収納させることができる。そしてカツプ状容器３
３を収納した紙製トレイは複数段積み重ねて保管
するものであり、上部に蓋をすることなく、次の
トレイがそのまま重ねられ、外側面壁の突起１
３，１４，１５，１６が上部に重ねられるトレー
の係合用孔７，８，９，１０に係合して積み重ね
状態が安定する。この係合に当つて、中仕切２１
が側面壁５，６に内側面壁２５，２６で接着して
いるので、側面壁５，６が全体的に直立していて
ふくらみがなく、突部と孔との係合がし易いばか
りでなく、係合が強固なものとなつて荷崩れしな
いのである。

以上説明したように本考案に係る紙製トレイ
は、トレイ本体に側面壁のみを連設形成している
ために使用材料が少なく、又この側面壁に接着さ
せるための内側面壁を中仕切に設けただけであ
り、中仕切の構成も簡単であり、全体として著し
く材料節約になつており、経済的に優れている。
又、紙製トレイを多段に積み重ねることによつて
冷蔵庫内で保管する場合でも、妻面側が全部オー
プンになつているので冷気の通りが良く、全体と
して積重ねてはいるが均等な温度で保管できると
云う優れた効果を奏する。

更に、トレイ本体も中仕切も側面壁及び内側面
壁を夫々折曲げ両者を接着させるだけの作業工程
であるため、製造が極めて簡単であり自動化ライ
ンに乗せて製造することができるため、大量生産
が可能で、更に安価に提供できると云う優れた効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の紙製トレイを構成するトレイ
本体の展開平面図、第２図は同トレイを構成する
中仕切の展開平面図、第３図は完成した紙製トレ
イの斜視図である。 １……トレイ本体、２……底部、３，４，２
３，２４……折目、５，６……側面壁、７，８，
９，１０……係合用孔、１１，１２……手掛用の
孔、１３，１４，１５，１６……係合用の突起、
２１……中仕切、２２……打抜孔、２５，２６…
…内側面壁、２７，２８，２９，３０……係合用
の切欠部、３１，３２……切欠孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 厚紙素材で形成されたトレイ本体と中仕切とか
   らなり、トレイ本体は略四角形状の底壁の相対向
   する一対の側辺に折目を介して側面壁を一体的に
   連設し、これら折目部分に積重ね時の係合用孔を
   複数個設けると共に、これら孔に対応させて側面
   壁の自由端部に夫々突起部を一体に形成し、前記
   中仕切は全面に亘つて収納物品を保持するための
   所定の打抜孔を多数個形成すると共に相対向する
   一対の側面に折目を介して内側面壁を連設し、該
   内側面壁の自由端部に前記係合用孔に対応する切
   欠部を夫々形成し、前記トレイ本体の側面壁を上
   方に立上がらせ、前記中仕切の内側面壁を下方に
   折り曲げて前記トレイ本体の側面壁の内側に内側
   面壁を当接させて一体的に貼着させたことを特徴
   とする紙製トレイ。