JPS6118730Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として野球、サツカー、ラグビー、
ゴルフ等靴底にスパイクを有する運動靴の靴底に
装着する中底の改良に関するものである。

従来より中底の構造として、単板の硬質弾性体
で形成したもの、或いは硬度の相異する薄板状の
弾性体を複数枚重合形成したもの等が知られてい
る。然るところこれ等の中底は靴底全体に略均一
の広がりを有する構成であるため、靴底全体の弾
性、復元性を強化して靴の保形性を良好となすこ
とができるが例えばランニングフツトワークを行
うに際しキツク力を助長するための屈曲性が特に
必要とされる、前部踏付部分、即ち足裏の骨格上
所謂中足支節関節群の底面に沿う部辺の屈曲を重
点的に促進させる構成を有するものはなく、加え
て比較的硬質でかつ厚層の中底では靴全体に重量
を負荷し軽快性を損う等の欠陥がある。さらにス
パイクの突上げを防止するために中底全体を硬質
の薄板状に形成したものでは足裏との接触感を悪
くし靴着用者に不快感をもたらすのみならず肉
刺、或いは足底筋膜炎等の傷害発生の原因ともな
りかねない。

本考案はこうした従来品の欠陥に鑑みこれを改
良したものである。即ち本考案の構成は前部踏付
部におけるスパイク取付相当部の周辺を除く主と
して中央部辺に空間部を形成した薄層の硬質シー
トを該硬質シートより厚層でかつやや硬度の低い
クツシヨン層とからなり、該クツシヨン層の下面
側に前記硬質シートを当着形成したことを新規な
構成とするものである。

本考案を図面に従つて説明すると第１図に示
す如く靴型に裁断形成したクツシヨン層Ａの下面
イ側に予め硬質シートＢを埋設する凹状の窪み４
を形成し、かつ硬質シートＢは第２図に示す如く
予め靴底の前部踏付部においてそのスパイク取付
相当部１の周辺（ナツト部）を覆う大きさを除く
中央部辺に空間部２を形成し、第３図に示す如く
該硬質シートＢを前記クツシヨン層の下面側の窪
み４内に当着形成したものである。

前記クツシヨン層Ａには、足沿いが良好で接触
感が良く、しかも衝撃緩和を促進できる柔軟性を
有する。例えば硬度50乃至80程度のものが使用さ
れる通常係るクツシヨン層Ａに用いられる素材と
して例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、
ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニト
リル−ブタジエンゴム、ハイスチレンレンジンの
如きエラストマ−又はそれらの二種以上の混合物
でなる素材にて形成される。つぎに硬質シートＢ
には少くともクツシヨン層Ａよりやや硬度が高く
耐屈曲性並びに耐衝撃性の良好で折れにくい素材
として例えばナイロン、ビニロン、塩化ビニール
等の熱可塑性樹脂体で形成するものである。

従つて本考案は前述した構成を有しているため
第４図及び第６図に示す如くスパイク取付相当部
１の上部に形成した硬質弾性シートＢがスパイク
８の突上げを該部分で受けかつ突上げによつて生
じた押圧力を周側部辺５等に分散させかつその上
面に当着したクツシヨン層Ａによつて衝撃を完全
に吸収緩和するものである。しかも本考案の中底
は硬質弾性シートＢの前部中央部辺に空間部２を
設け該空間部２にクツシヨン層Ａを露呈する構成
となすためクツシヨン層Ａの有する柔軟性を十分
に生かし、該部分の屈曲性を促進させキツク力を
最大限に生ずることができる。即ち本考案はスパ
イクの突上げをスパイク取付相当部１に当接する
硬質シートＢで緩和することは勿論靴底のキツク
力を生かす最大の要である前部踏付部の屈曲性向
上を測り靴本来の運動機能たるランニングスピー
ドの促進強化を測ることを可能とするものであ
る。また足裏面と接する部分を柔軟性のあるクツ
シヨン層Ａで形成しているため足裏面に快適な着
用感とフイツト感を付与するのみならず足裏に発
生する足底筋膜炎、肉刺発生を未然に防止し得
る。第５図は本考案の中底の修正形のものを示
し、前部踏付部に露呈するクツシヨン層Ａの左右
方向即ち足の骨格上殊に屈曲運動が促進される中
足指節関節に沿つて数条の切り溝３を凹設したも
のである。このように切り溝３を形成すれば足裏
の運動機能に基ずいて更にスムーズな屈曲運動が
促進され、キツク力向上に大きく貢献できる。ま
た硬質シートＢに穿設した空間部２を除く周側辺
５の殊に爪先方向に形成した狭間部辺６，６同じ
く周側辺５の中央部辺に形成した狭間部辺７，７
によつても硬質シートＢの対応面積が狭くなつた
分だけ屈曲が促進され、かつまた前記切り溝３を
これ等狭間部辺６と６並びに７と７等を結ぶ位置
に形成すれば更に有効な屈曲性が得られる。勿論
これ等硬質シートＢの形状はスパイク取付相当部
１の形状、配置数によつてある程度限定されるも
のであるが靴本体の屈曲性軽量性を助長するため
に殊に空間部２の大きさ並びに硬質シートＢの厚
み、形状等を勘案して適宜形成することが望まし
い。また本考案は前述した如き構成であるため製
造が簡単で大量製産にも適し、極めて実用的価値
の高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は図面は本考案の中底を示す一実施例であ
つて、第１図及びはクツシヨン層を示し、
はその上面側はその下面側を示す平面図、第２
図は硬質シートを示す平面図である。第３図はク
ツシヨン層と硬質シートを結合した状態を示す平
面図である。第４図は第３図のＸ−Ｘ線断面略
図、第５図及びは修正型の中底を示しはそ
の平面略図はＹ−Ｙ線に沿う断面図、第６図は
使用状態を示す要部格大断面略図である。 符号の説明、Ａ……クツシヨン層、Ｂ……硬質
シート、イ……下面、ロ……上面、１……スパイ
ク取付相当部、２……空間部、３……切り溝、４
……窪み、５……周側辺、６，６，７，７……狭
間部辺、８……スパイク。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 前部踏付部におけるスパイク取付相当部１の
   周辺を除く主として中央部辺に空間部２を形成
   した薄層の硬質シートＢと該硬質シートＢより
   厚層でかつやや硬度の低いクツシヨン層Ａとか
   らなり、該クツシヨン層Ａの下面イ側に前記硬
   質シートＢを当着形成したことを特徴とする主
   としてスパイクを有する運動靴の靴底に装着す
   る中底。 ２ 前記クツシヨン層Ａは前部踏付部の空間部２
   と対応する部内において、靴着用者の足裏の中
   足指節関節群の底面に沿う左右方向に数条の切
   り溝３を適宜凹設したことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の主としてスパイ
   クを有する運動靴の靴底に装着する中底。 ３ 前記クツシヨン層Ａは天然ゴム、スチレン−
   ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレン
   ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ハ
   イスチレンレジンの如きエラストマ−又はそれ
   らの二種以上の混合物からなる50乃至80の硬度
   を有する部材で形成したことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の主としてスパ
   イクを有する運動靴の靴底に装着する中底。 ４ 前記硬質シートＢは少なくともクツシヨン層
   Ａよりやや硬度の高いナイロン、ビニロン、塩
   化ビニル等の熱可塑性樹脂体で形成したことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の主としてスパイクを有する運動靴の靴底に装
   着する中底。