JPS61181037A - マグネトロン用陰極 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、長寿命化を図ったマグネトロン用陰極に関す
る。

（従来技術） マグネトロンの陰極には、ヒータの加熱によって充分な
量の電子が放出されるように、バリウム、ストロンチウ
ム、カルシウムの酸化物等でなるオキサイドの粉末状の
電子放射性物質が塗布形成されるが、この電子放射性物
質は動作中の高温により一部が気化し、またそこから一
旦放射された電子の一部が磁界の作用によって進路を曲
げられてその電子放射性物質を逆衝撃するので、その電
子放射性物質が損傷を受は侵食される。

また、マグネトロンはパルス動作させることが多く、そ
の場合は大きなピーク電流が流れるが、電子放射性物質
は導電率が低いので、局所的なスパークやアークが発生
して上記同様にその電子放射性物質が損傷を受ける。

そこで、このような電子放射性物質の損傷侵食を少なく
するように、第７図及び第８図に示すように構成した陰
極が提案されている。

第７図において、１はタングステン等でなるヒータ、２
はそのヒータｌを収納するニッケル或いはその合金等で
なる中空円筒形状の陰極スリーブで、このスリーブ２に
ベーン（陽極）の幅に対応した間隔でエンドハツト　（
鍔）３．４が形成され、そのエンドハツト３．４の間に
おけるスリーブ２の周囲に、上記した電子放射性物質に
金属粉末を混在させた混成電子放射性物質５が塗布され
ている。この例では、金属粉末が電子の逆衝撃から電子
放射性物質を保護し、また電子放射性物質の実効抵抗を
低下させる。

第８図の構成は、エンドハツト３．４の間におけるスリ
ーブ２の周囲に金属メソジュロを溶着させて、そのメツ
ジュロの目を埋めるように電子放射性物質７を塗布した
ものである。この例では、金属メソジュロが上記金属粉
末と同様な作用を行う。

ところが、第７図に示した構成は、上記した効果はある
ものの、使用が長期間に亘ると、混成電子放射性物質５
内の電子放射性物質が侵食や気化により減少して薄くな
り、混成電子放射性物質５の表面が金属リッチとなり、
逆衝撃電子（２次電子）の放射が少なくなって、電子放
射能率が低下するという問題がある。

また、第８図に示した構成は、マグネトロンのオン・オ
フによる熱ストレスよって、金属メソジュロがスリーブ
２の表面から剥離される事故が発生し易く、この場合は
、電気抵抗が増加して電子放射性物質７の損傷が著しく
なるのみならず、熱抵抗が大きくなって種々不都合を招
くという問題がある。

（発明の目的） 本発明はかかる点に鑑みて成されたもので、その目的は
、電子放射能率が低下せず、しかも実効抵抗も増加せず
、熱抵抗も増加せず、長期に亘って安定した電子放射が
行われるようにしたマグネトロン用陰極を提供すること
である。

（発明の構成） このために本発明の陰極は、両エンドハント間における
陰極スリーブの周囲に独立した突起を複数個ほぼ規則的
に一体的に形成し、該複数の突起の間を上記電子放射性
物質で充填して構成したものである。

（実施例） 以下、本発明の実施例について説明する。第１図はその
一実施例の陰極を示すものである。第７図及び第８図に
おけるものと同一のものには同一の符号を附した。本実
施例では、エンドハツト２．３の間におけるスリーブ２
の表面に、独立した突起としての角錐台１０を一体的・
規則的に複数個形成して、その各角錐台１０の間に電子
放射性物質７を塗布・充填している。その充填量は、表
面が角錐台１０の頂面１０ａ　（第２図参照）と同一レ
ベルとなり、且つその頂面１０ａを露出させる程度であ
る。この角錐台１０は例えば高さＨが０．２〜０．６ｍ
ｍ、相互間隔ピッチＰが例えば０．４〜０．８鶴である
。

この角錐台１０を有するスリーブ２を形成する方法とし
ては、アヤ目のローレットを使用した冷間鍛造方式（圧
縮成形）がある。これを利用する場合は、ムクのニッケ
ル棒状体を素材として、その角錐台１０を形成させるべ
き箇所が所定の直径となるように旋盤により予め切削加
工を施しておき、その切削した部分にアヤ目のローレッ
ト加工を施し角錐台１０を形成してから、エンドハツト
３．４の切削加工や、ヒータ１を挿入すべき中空部のく
り、ぬき加工を施す。

このように角錐台１０を形成して、その間を電子放射性
物質７で充填すると、角錐台１０はスリーブと一体成形
であるので剥離の恐れはなく、よって実効電気抵抗や熱
抵抗の増大の恐れはなく、また電子放射性物質７自体が
侵食や気化によって充填厚みが減少しても、その電子放
射性物質７の電子放射に寄与する表面積は大きくは変化
しないので金属リッチの表面とはならず、電子放射能率
が低下することはない。

ｆｆ１ｌチ、エンドハツト３．４の間のスリーブ表面積
に占める角錐台１０の合計面積（スリーブ２の法線方向
からの投射面の合計面積）の割合が少ない場合（例えば
５０％以下）には、その角錐台ｌＯの斜面１０ｂの傾斜
角度が例え４５度程度に緩やかであっても、その斜面１
０ｂの上記投射方向への露出の割合は少なく、電子放射
性物質７の表面積の減少は少ない。逆に角錐台１０の上
記合計面積の割合が多い場合（例えば５０％以Ｌ）には
、その斜面ｌＯｂの傾斜を急峻にすることにより、電子
放射性物質７の表面積減少を抑止することができる。

第３図は独立した突起として、円錐台１１をスリーブ２
に一体的・規則的に複数形成したもので、この場合も上
記角錐台１０の場合と同様な効果を得ることができ、ま
た同様にローレットにより形成することができる。

第４図は独立した突起として、半球体１２をスリーブ２
に一体的・規則的に複数形成したもの、第５図は針状体
１３をスリーブ２に一体的・規則的に形成したもので、
いずれも上記第１図及び第２図に示した角錐体１０と同
様な効果がある。

なお、独立した突起としては、他に角柱、円柱等があり
、また第６図に示すように、角錐台１０の下部が平坦で
はなく、そこに溝１４が形成されるようにすることもで
きる。これは他の形状の突起についても同様である。更
に、上記各突起の形成方法は、ローレット加工の他に機
械的切削加工、電鋳加工、エツチング加工、レーザ加工
によることもできる。

（発明の効果） 以上から本発明のマグネトロン用陰極によれば、電子放
射能率が低下することはなく、導電率低下の恐れもなく
、長期間に亘って安定した動作を行わせることができる
という特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のマグネトロン用陰極の断面
図、第２図は第１図におけるスリーブの一部の展開拡大
図、第３図乃至第５図は別の突起を形成したスリーブの
一部の展開拡大図、第６図は変形例の角錐台の突起を形
成したスリーブの一部の展開拡大図、第７図及び第８図
は従来のマグネトロン用陰極の断面図である。 １・・・ヒータ、２・・・陰極スリーブ、３．４・・・
エンドハツト、訃・・混成電子放射性物質、６・・・金
属メツシュ、７・・・電子放射性物質、１０・・・角錐
台、１１・・・円錐台、１２・・・半球体、１３・・・
針、状体、１４・・・溝。 特許出願人　新日本無線株式会社 代　理　人　弁理士　　長尾常明 第３図 第４図 第５図 第６図

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）、中空円筒形状に形成した陰極スリーブと、該陰
   極スリーブの中空部に挿入したヒータと、上記陰極スリ
   ーブの周囲に所定間隔で形成した２個のエンドハットと
   、該両エンドハット間における上記陰極スリーブの周囲
   に装填した電子放射性物質とでなるマグネトロン用陰極
   において、 上記両エンドハット間における上記陰極スリーブの周囲
   に独立した突起を複数個ほぼ規則的に一体的に形成し、
   該複数の突起の間を上記電子放射性物質で充填してなる
   ことを特徴とするマグネトロン用陰極。
2. （２）、上記独立した突起の形状が、角錐台、円錐台、
   半球体、針状体、角柱或いは円柱であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載のマグネトロン用陰極。
3. （３）、上記突起が、冷間鍛造加工、機械的切削加工、
   電鋳加工、エッチング加工或いはレーザ加工により形成
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   のマグネトロン用陰極。