JPS6118086Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は住宅等の建築物における空気循環式
断熱壁に用いる通気孔付きスタツドに関するもの
である。

従来、省エネルギー対策の一つとして、住宅の
断熱効果を上げることが推奨されており、壁の断
熱の場合、一般にはグラスウール等の断熱材が壁
に挿入されている。しかしこのような断熱手段を
施しただけでは、結露等により壁内の鉄製および
木製の柱や土台が腐食するという問題が生じる。
この問題を解決した断熱壁として、壁における外
気側に壁内空間と断熱層とを組合わせて配置し、
かつその壁内空間の下部および上部を床下空間お
よび屋根裏空間に連通させ、温度差を利用して空
気を循環流動させるのがよいと云われている。

この考案はこのような空気循環式断熱壁におけ
る空気流の循環を均一にすることができる通気孔
付きスタツドを提供することを目的とするもので
ある。

次にこの考案を図示の例によつて詳細に説明す
る。

第１図はこの考案の第１実施例の通気孔付きス
タツドを示すものであつて、溝底板６の両側に側
板４および取付フランジ７が順次屈折連設され、
かつ前記溝底板６には、溝外側にほぼ直角に突出
する多数のラス係止用爪片８が、溝底板長手方向
に間隔をおいて切起し形成されて、スタツド３が
構成され、そのスタツド３における両側の側板４
に、その長手方向に間隔をおいて並ぶ多数の扁平
円形の通気孔５が打抜きにより形成されて、通気
孔付きスタツド９が構成されている。

第２図はこの考案の第２実施例の通気孔付きス
タツドを示すものであつて、スタツド３における
両側の側板４に、その長手方向に間隔をおいて並
ぶ多数のほぼ菱形の通気孔５が打抜きにより形成
されているが、その他の構成は第１実施例の場合
と同様である。

第３図はこの考案の第３実施例の通気孔付きス
タツドを示すものであつて、スタツド３における
両側の側板４にその長手方向に延長する多数の切
目がジグザグ状に設けられたのち、側板４がその
切目に直角な方向に引き伸ばされて、多数の通気
孔５が形成されているが、その他の構成は第１実
施例の場合と同様である。

第４図ないし第６図は第１実施例の通気孔付き
スタツドを使用した空気循環式断熱壁を示すもの
であつて、主柱１０および間柱１１の外面にわた
つて木質合板またはシート状断熱材等の断熱性板
体１２が釘等により固定され、かつその断熱性板
体１２の外面には、多数の通気孔付きスタツド９
が上下方向に延長するようにかつ左右方向に間隔
をおいて配置され、通気孔付きスタツド９の取付
フランジ７が断熱性板体１２に対し釘等により固
定され、さらに縦横方向に間隔をおいて設けられ
た多数の透孔１３を有する防水紙１４の表面およ
び裏面に、多数の縦金属線１５および横金属線１
６が配置されると共に、各金属線１５，１６が前
記透孔１３内で交叉して溶接等により相互に固着
されて、防水紙付きラス１７が構成され、その防
水紙付きラス１７は各通気孔付きスタツド９の外
面にわたつて配置され、通気孔付きスタツド９に
おけるラス係止用爪片８が前記透孔１３に挿通さ
れて上方に折曲げられることにより、防水紙付き
ラス１７が通気孔付きスタツド９に固定されてい
る。

防水紙付きラス１７の表面にはモルタルからな
る外装材１８が塗布され、かつ前記主柱１０およ
び間柱１１の内面にわたつて内装材１９が釘等に
より固定され、前記断熱性板体１２と防水紙付き
ラス１７および外装材１８とからなる外壁体１と
の間に壁内空間２０が形成されている。また基礎
２１の下部には前記壁内空間２０の下部と床下空
間とを連通させる通気口２２が設けられ、かつ前
記壁内空間２０の上部は屋根裏空間に連通してい
る。

温度差により壁内空間２０を空気が上昇流動ま
たは下降流動する場合、その空気流は、壁内空間
２０における隣り合う通気孔付きスタツド９の間
の部分、通気孔５および通気孔付きスタツド９の
内部等を自由に分散して通過しながら上昇流動ま
たは下降流動する。

第７図は通気孔付きスタツドの他の使用例を示
すものであつて、建築物における空気循環式断熱
壁に窓枠２３が設けられ、その窓枠２３の下部に
通気孔付きスタツド９が上下方向に延長するよう
に配置されているが、空気循環式断熱壁の構造は
第４図ないし第６図の場合と同様である。

第７図において、窓枠２３の下部にある通気孔
付きスタツドの間を上昇する空気は、窓枠２３の
近くに達したのち、通気孔付きスタツド９の通気
孔５を通つて横方向に流動し、次いで窓枠２３の
側部を通つて上昇するので、窓枠２３の下方の空
気をも循環流動させることができる。

この考案を実施する場合、通気孔５の形状は図
示以外の任意形状であつてもよい。またスタツド
３はフランジ７を有しない構造のものでもよく、
その場合は、断熱性板体１２に溝底板から釘打等
をしてスタツドを固定することができる。

この考案によれば、空気循環式断熱壁における
外壁体１と断熱性板体２との間に介在される壁内
空間形成用スタツド３が左右の両側板４，４およ
びその両側板４，４を連結する溝底板６により構
成され、前記両側板４，４にその長手方向に並ぶ
多数の通気孔５が設けられ、前記溝底板６にその
長手方向に並ぶ複数のラス取付用爪８が設けられ
ているので、ラスの形状に限定されずにスタツド
３に極めて簡単にラスを取付けることができ、そ
のため取付けたラスと断熱性板体との間に必然的
に空気循環用の通気孔が形成され、結露等により
壁内の鉄製および木製の柱や土台の腐食を防止す
ることができ、またスタツド３は両側板４，４と
溝底板６とからなるコ字状断面であるので大きな
外壁体支持強度を有する等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案の第１実施例な
いし第３実施例の通気孔付きスタツドを示す斜視
図、第４図は第１実施例の通気孔付きスタツドを
使用した空気循環式断熱壁を示す一部切欠斜視
図、第５図はその縦断側面図、第６図はそのＡ−
Ａ線断面図、第７図は通気孔付きスタツドの他の
使用例を示す縦断正面図である。 図において、１は外壁体、２は断熱性板体、３
は壁内空間形成用スタツド、４は側板、５は通気
孔、８はラス係止用爪片、９は通気孔付きスタツ
ド、１２は断熱性板体、１７は防水紙付きラス、
１８は外装材、１９は内装材、２０は壁内空間、
２２は通気口、２３は窓枠である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建築物の外壁体１と断熱性板体２との間に介在
   される壁内空間形成用スタツド３が左右の両側板
   ４，４およびその両側板４，４を連結する溝底板
   ６により構成され、前記両側板４，４にその長手
   方向に並ぶ多数の通気孔５が設けられ、前記溝底
   板６にその長手方向に並ぶ複数のラス取付用爪８
   が設けられていることを特徴とする空気循環式断
   熱壁用通気孔付きスタツド。