JPS61180143A - 免疫拡散による蛋白の定量分析方法 - Google Patents

免疫拡散による蛋白の定量分析方法

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JPS61180143A
JPS61180143A JP60156187A JP15618785A JPS61180143A JP S61180143 A JPS61180143 A JP S61180143A JP 60156187 A JP60156187 A JP 60156187A JP 15618785 A JP15618785 A JP 15618785A JP S61180143 A JPS61180143 A JP S61180143A
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protein
sedimentation
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sedimentation zone
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、混合液中に存在する蛋白の定量分析技術、特
に試料の量が微量である場合における定量分析方法に関
するものである。
近年、健康及び疾病に関して蛋白の果たす役割に関する
知識が急速に一発展するに及び血清、を髄液、細胞抽出
液等の液の蛋白を迅速かつ比較的経済的に定量測定する
必要性が一般に高まっている。
このような液中の蛋白は、特定の蛋白に対して特異的な
抗体によって起こる各蛋白の沈降を利用した免疫化学的
方法によって同定(定性分析)されることが多い。この
ような特定の抗体は生体中に異種蛋白(抗原〉が侵入し
て刺激することによって産生される。抗血清は、このよ
うな既知の抗体の混合物である。ある蛋白試料を生゛体
外で、このような抗血清と反応させ、その結果得られる
沈降の存否を観察すると、試料の中にある蛋白の種類に
ついての有力な手がかりをつかむことができる。
本発明の主目的は従来単なる定性的手段と考えられてい
た免疫拡散法において、抗原溶液中に存在する一種また
は多種の蛋白の濃度の定量値を求めることである。
本発明は、特定の蛋白に対して特異的な抗体を含む抗体
源と抗原試料とで免疫拡散を行って、抗原試料中の蛋白
濃度を測定する方法である。即ち、通常、蛋白と抗体は
初めに反応物質を含んでいない支持体中で相互に拡散し
、接触反応を起こして有限長さを持つ沈降ゾーンを少な
くとも一個形成し、これを定量的に測定するためにその
ゾーンの内外にわたって分布している2次元配列の各位
置を光学的に走査し、各位置における沈降物濃度に相当
する電気信号を発生させ、上記蛋白濃度によって特性的
に異なるゾーンのパラメータを、その信号から電気的に
誘導する。そして、その結果を、一方で既知量の上記蛋
白を含んでいる対照抗原溶液について、試料の場合と同
様な免疫拡散を行って得られた対照ゾーンから求めたい
くつかのパラメータ対照値と比較する方法である。
上記の実験結果及びその結果に関する計算は、必要に応
じてマニュアルに行うこともできるし、また光学的及び
電気的走査装置を用いて、半自動でデータを求めること
もできる。また必要なデータ処理は、適当な容量の汎用
コンピュータによって全自動で行うこともできる。
前述した本発明において、最初の抗原の混合物中の各種
蛋白は、初めに、各種蛋白間の特性の相異に比例して一
方向に移動させることによって一部を分画しておく。こ
のような選択的移動は、例えば、簡単な拡散や、電気泳
動、或いは、クロマトグラフィのような更に複雑な方法
によっても行なうことができるが、その後の免疫拡散に
よって形成される沈降ゾーンは、いずれの方法で分画さ
れた場合にも、基本的に変らない。例えば電気泳動の場
合、異なった蛋白間の泳動易動度の差によって各蛋白は
電界方向に沿って、易動度の差に応じて移動分布する。
このような初期分画を行った後に、蛋白は異った方向に
移動して抗血清と接触し、一般にはアガールやアガロー
スのような適当な支持体中で相互拡散を行うことによっ
てその結果基本的な直線的分布を形成する。各蛋白の沈
降ゾーンは一般に完全に分離し、明らかに弁別される。
もしも抗原と抗体が、初めの拡散方向を横切る方向に沿
って、ある限られた長さの沈降ゾーンを形成するような
形で、相互に拡散するようにすることができれば、別個
の蛋白がいくつもある場合でも、初期分画のステップを
経ずに、各沈降ゾーンを分離させることができる。異っ
た蛋白、あるいはまた抗体の拡散易動度には、元来、こ
のような沈降ゾーンをはっきり弁別するのに足るだけの
充分な差がある。ゾーンのオーバラップは一部に限られ
ているから、ゾーンのエンドポイントは、はっきりと弁
別することができる。本発明による定量法は、そのよう
な形式の免疫拡散に応用するのに適した方法である。
同様に、免疫拡散を行うために抗原と抗体を穴の中に入
れて、抗原と抗体が相互に移動する速度を高めるために
電気免疫拡散のような方法で電場をかけた場合でも、そ
の結果形成される沈降ゾーンは電界をかけなかった場合
と同じ基本形を保っている。またもし、免疫電気泳動に
おいて免疫拡散のステップが、適当な電場によって加速
された場合も、上記と同様である。従って、本明細書に
おける免疫拡散なる語は、加速電場を伴う場合と、伴わ
ない場合の双方を意味している。
以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して説明する
が、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。
免疫電気泳動は定性法として良く知られており、それを
行うために多種の装置が発表されているがいずれも大同
小異である。本発明においては、電気泳動と、それに続
く拡散と免疫反応は、通常、光学的に透明な板の上に乗
せられた数分の1ミリメータから数ミリメータの厚さの
単層ゲルの中で行なわれる。支持媒体としては今日一般
に用いられている、pH約866でイオン強度が約0.
1のバルピタール緩衝液で飽和させたアガロースが用い
られる。そして試料は、ゲル層に切り込まれた穴とか、
ゲル層をキャリアに乗せる時にモールドして作られた穴
の中に入れられる。
第1図にはプレート20が図示してあり、その上に電気
泳動の方向と平行に延びる軸25に沿った抗体溝24と
、その両側に等間隔で配置された円形の抗原穴21と2
2がある。穴の配置によって、2種の別個の溶液又は同
種の溶液の2つの試料は、各プレートの上で同じ抗体溶
液に向って同時に移動する。各プレートの上で2つの抗
原穴の外側に更に2つの抗体溝を追加し、更にその外側
に2つの抗原穴を追加して、プレートの容量を倍加させ
ても′よい。同様にして、パターンのオーバーラツプを
防ぐために、穴21と22から電気泳動の方向に沿って
充分に離れた所に、抗原穴を追加してもよい。
第1図Aの陰影部26と28は、穴21と22の中に入
れられて矢印23の方向に一定時間電気泳動を行った後
の一対の同種の試料中にある4種の蛋白a。
b、c及びdの代表的な分布を近似的に示したものであ
る。通常、すべての蛋白は、液体媒質中では同じ方向に
移動するが、溶媒自体が純電荷を運ぶ性質を持っている
ため、結果としてゲルの流れやゲルに対して電気浸透を
引き起す。従って蛋白は穴に対して両方向に移動する。
電気泳動が終ると、溝24に抗体が入れられ、第1図A
のa、b、c、及びdの蛋白とそれに対応する抗体との
相互拡散によって沈降ゾーンが形成される。第1図のB
、C,Dは、代表的なゾーン出現の各段階を示している
関係のない抗原の沈降アークは、それぞれの抗体と反応
して別個に形成されるが、充分に接近してくると第1図
りのように交差し、免疫化学的に関係のある沈降アーク
同志は連続した反応線として融合する。第1図C及びD
における沈降ゾーンd′は、第1図Aにおける領域dが
、実は2つの別個の蛋白を含んでおり、同じ電気泳動易
動度を持っている2つの蛋白であっても、別個の沈降ゾ
ーンを形成する事実を例示している。ゾーンdとd−は
、2つの異った蛋白が穴21に入れられて、初期の電気
泳動のステップを経ないで免疫拡散を適用されたと考え
ることもできる。夫々のゾーンエンドがはっきり分れて
いる理由は、各蛋白酸いは抗体の拡散率が異っているた
めである。いずれの場合にも、このような各ゾーンは以
下に述べる方法を用いると別々に分析することができる
本発明によると、免疫電気泳動による沈降ゾーンを、直
接定量的に測定することができる。このような測定によ
ってプレート上で目的とする蛋白の各沈降ゾーンの特定
の特徴的な物理的な配置を決めることができるし、それ
とともに光学的方法によって光強度の測定を行うことも
できる。いずれの方法に対しても、時間的要素が加えら
れており、これが観測データの重要な要素となっている
しかし、インキュベーションを平衡に達するまで行って
、安定したゾーンの形成を待つのであれば、このような
時間を測定しても無意味である。
スライド20の上での位置測定は、例えば低倍率の顕微
鏡で行うことができる。第2図に図示されているように
、光源ランプ36と黒のベルベットのような吸光性の暗
視野34を持つ光源箱30の可変開口部32の上にプレ
ート20が置いである。顕微M40には対物レンズ41
、接眼レンズ42及び焦点面に照準用の十字線43がつ
いている。光源箱30の上にはダブルスライド機構45
が載置されており、詳細に図示してないがねじによる駆
動装置46と正確な目盛が施されていて、その上に乗せ
られている顕微鏡の位置を2つの座標軸に対して正確に
読み取ることができるようになっている。この図では分
り易くするために1つの座標軸についてのみ示しである
。通常は第1図Aに示されているように、X軸を電気泳
動の方向、つまり抗体溝と平行に定め、座標軸の原点を
軸25の上か、その近くに定めると便利である。
光の濃淡の測定のために、顕微鏡には斜めになっている
光束分割用のハーフミラ−48が設けてあり、光の一部
を接眼部に送り、他の部分でダイヤフラム52の上で実
像を結ばせている。ダイヤフラム52は、プレート20
の上で十字線43に一致している範囲からの光のみを、
感光トランスジューサ50に送る。トランスジューサ5
0は増幅回路54とメータ56に電気的に接続されてい
る。メータ56の代りに直接眼で見てマニュアルに記録
してもよいし指令信号に応じて、自動的に光の強弱を記
録するようなプリント回路やAD変換器を接続させても
よい。第2図においては、例えば暗視野照明の代りに、
直接照明とか、ゾーンからの反射光を直接測定できるよ
うな上からの照明等、種々の変更が可能である。完全な
自動測定を行うための方法及び装置の実施例を以下に説
明する。
第3図はゾーンが出現した際に、本発明によってゾーン
の位置測定を行うために、定められた沈降ゾーンのある
特徴を図示したものである。y−yAbにおける水平の
線61は免疫電気泳動スライドの抗体溝の端である。座
標(Xe 、 Ye )及び(Xf 、 Yf )にお
ける点E及びFは展延するゾーン60の左及び右のエン
ドポイントである。
ゾーンエンドポイントE及びFの他に、各ゾーンの中で
何個所かの中間点を測定する方がよい。
第3図において座標CXa 、Ya )における1点G
はこのようq点の例である。
ゾーンはy方向にある幅を持っているので、Gのような
各中間点のy座標は、抗体溝に最も近い前縁63、ゾー
ンの後縁65、或いはゾーンの中で、光の強度の最も強
い部分も含めて、1個所或いはそれ以上の点64を定め
ると便利である。
インキュベーション時間の経過に伴って、ゾーンが出現
すると、点E、F及びGの絶対及び相対位置が変化する
。時間の関数として、第4図に例示されているXeとX
fの値は代表的な蛋白濃度を表わしている。このような
未知の溶液の位置値を同じ時間で既知の濃度の蛋白によ
って得られた対照値と比較することによって、直接蛋白
濃度を測定することもできる。しかし、このような初期
の測定結果からパラメータとして有効であると考えられ
る1つか或いはそれ以上の関数を誘導すれば、通常更に
信頼性の高い正確な結果が得られる。
本発明で用いられる沈降ゾーンの重要なパラメータの1
つは座標の差(Xf −Xe )であり、それは特定の
測定時間における沈降ゾーンの最ざLである。第4図が
表わすデータとして、第5図にインキュベーション時間
に対するこのパラメータの変化を示しである。
ゾーン長し以外の位置パラメータは、ゾーンが出現する
につれて計算することができる。例えば、ゾーンの曲率
と、その曲率のゾーンの長さに沿っての変化は、有効な
パラメータであって異常蛋白に関する情報を与えてくれ
る(後記参照)。ゾーン全体にわたって大体の曲率の測
定、或いはゾーンの特定の一部についての測定は、ゾー
ンの軸に沿った3つの相関点のX及びy座標を比較する
ことによって比較的簡単に求められる。ゾーンの曲率に
ついて更に正確な値を求めるには、ゾーンの軸がy−f
(x)で表わされるような曲線にほぼ一致しなければな
らない。ここでf(x)は適当なXの関数を表わしてい
る。従って曲率半径Rは、一般式 で与えられる。ここでy′ とV nはXに対するyの
一次及び二次の導凋数である。
カーブに合う適当な関数例として、y軸に平行な軸を持
つ放物線がある。このような放物線は下 。
の公式のいずれでも表わされる。
y=aO+aIx+a2x2−・・・−(2a)y −
A (x−B)2 +C・・・・・・・・・(2b)こ
こでA−a 2 、 B=−a 1/2a 2 、 C
−a 。
a+2/4a2である。
式(2a)及び(2b)の中の定数の値は、ゾーンの軸
の上の任意の3点の座標から求めることができるし、或
いはこれらの点の任意の個所について最小二乗法、或い
は、その他の既知の方法で求めることができる。放物線
の対称軸はx −3であり、軸上のカーブはX軸からC
だけ離れている。
式(1)を用いて曲率半径Rは次のように表わされる。
この半径は対称軸の個所で最大値ROとなり、(3)式
は、 R・″2A          ・−・rクプとなる。
ゾーンの軸の最低3ケ所から誘導された上の値は、本発
明のパラメータとして使用することができる。
本発明によって蛋白濃度を測定するためのその他の有力
なパラメータはゾーンの初出現時間T。
である。この時間を直接観察によって求めることは困難
である。本発明の一例によって、初出現時間を高い信頼
性と再現性で求めることが可能である。
第4図及び第5図において、実線は実際の実験から求め
た値をプロットしたものである。これらの図にはまた、
実線を時間の少ない方向に向って延長(外挿)した値が
示されている。この延長は破線で示しである。第4図で
延長線が交わる点66はゾーンの長さがOであった点を
表わしている。
第5図の延長(外挿)線は点67で時間軸と交わり、同
様にToを求めることができる。このような延長(外挿
)によって沈降ゾーンの初出現時間を実際的に正確に求
めることができる。TOを定めるためのこの方法は、プ
レートを連続的に常時観察する必要がないので有利な方
法である。
次にゾーンの光学的濃度(輝度)の定量的測定について
説明する。単なる輝度の読み取りだけでは、蛋白濃度を
実用的に測定することはできない。
その理由は、ゾーンの形とゾーン形成速度が変化して、
ゾーンが大きくなるにつれて、輝度が変化するからであ
る。
一方これらの要素の変化は、適切に選ばれたいくつかの
場所において一連の輝度の読み取りを行い、それを輝度
パラメータを求めるために総合的に処理することによっ
て、大幅に補償することができる。その方法は、沈降ゾ
ーンを横切る直線に沿って等間隔で輝度を測ることであ
り、通常Xの特定の値においてy方向に行われる。この
ような一連の読み取りでは、ゾーンの両側で数個所の輝
度値を求めることが望ましい。このようなオフセット値
を平均して、バックグラウンド強度を求め、ゾーンの中
における輝度値から、バックグラウンド値を差引くのに
用いられる。その結果、修正された輝度値は集計され、
特定の×の値においてゾーンを横切るラインに沿った輝
度のリニアインテグラルを求めることができる。このよ
うなリニアインテンシテイサム(直線輝度総計)Ixは
、正規の再現可能な方法においてインキュベーション時
間の増加と共に増加し、その値はどの所定時間において
も、広い範囲の実験条件にわたって反応する蛋白の濃度
と共に増加する傾向を持つことを見出した。
このクロスゾーン走査によって観察される輝度の変化を
プロットした代表例が第9図に示されている。2つのカ
ーブは以下に述べる半自動の装置でプロットされ、沈降
ゾーンが抗体溝に最も近い点xgにおいてy方向に走査
されたものである。
第9図において、ピーク74と17は第1図と同様なプ
レートにおいて2つの抗原穴に入れられたものと同じ蛋
白の試料によって抗体溝の両側にできたゾーンによるも
のである。75と76の2つの小さなピークは抗体溝の
夫々の緑によるものであり、その溝から、ゾーンの特定
の点までの距離りを測るのに都合の良い対照となってい
る。前記のように定義したパラメータlxは、本質的に
は、例えば第9図のピーク74又は77の下の面積に相
当するものである。
第9図の2つのピーク74と77は人血清アルブミンの
同じ試料によって作られたものである。それらは、イン
キュベーション時間が2時間(実線のカー170)の時
と、4時間(破線のカー112)の時との沈降ゾーンの
成長の様子を代表的に示している。この2組の測定の間
に、ゾーンの位1は大変安定していることがわかるが、
各ピークの下の面積は顕著に増加している。ピーク74
と71のカーブは図をわかりやすくするために縦方向に
適当な距離だけずらしであるので、その不一致について
は問題にする必要はない。
第10図は種々の濃度の蛋白で作られたプレートを、同
じインキュベーション時間でy方向に走査したものにつ
いてプロットしである。グラフによってAからCに蛋白
濃度が増加するにつれて、各ピークの面積が増加し、ま
たゾーン全体が抗体溝の方に移動している様子が明らか
に読み取れる。
パラメータ■×が蛋白濃度の決定に極めて有用であるこ
とから、このようなリニアインテンシテイサムを数個の
Xの値について求め、それを集計又は平均し、多数の輝
度パラメータにより求める方法によると結果は更に向上
する。その代表的な方法はリニアインテンシテイサムを
xg及びその両側で適当な間隔を置いて選ばれたいくか
の点について求めることである。予め等間隔に定められ
、た何点かのインテンシテイサムを平均又は集計すると
実験誤差を減らして全体としての蛋白濃度測定の精度を
向上させることができる。
その他、前述の方法において、沈降ゾーンの長さが増加
するにつれて、リニアサムの計算等に含まれるリニアサ
ムの数は、プレートを走査する度に増加する。そのため
の方法の一例はXQにおけるリニアインテンシテイサム
を定めてからXgの両側においてリニアインテンシテイ
サムの値が、ある閾値以下になるまで測定を続けること
である。
すべてのリニアインテンシテイサムの総和は、パラメー
タ■z (トータルインテンシテイサム)となり、これ
は本質的には、沈降ゾーンを走査した時の輝度の積分で
ある。この近似値は機器の分解能の許す範囲内で測定を
行う度毎にX及びyの変化分を小刻みにすることによっ
て希望通りに向上させられる。Izの幅は広い範囲の実
験条件にわたって、蛋白濃度の関数として、特に激しく
変動する。その理由は濃度が増加するにつれて、X。
y両方の寸法が増加し、またゾーンの平均輝度も増加す
る傾向を持つからである。蛋白濃度に対するこの強い依
存性のゆえにリニアインテンシテイの総和であるパラメ
ータ■zは濃度測定のための判定条件として、特に効果
的である。
分析される試料について、1つかそれ以上のパラメータ
を求めるための実験値が得られると、これらの値は、各
蛋白の標準値を適当に相合ぜた値と比較される。これら
の標準値は既知量の目的の蛋白を含む一連の溶液を用い
て、測定と同じ条件下で作られたものである。このよう
な標準値の組合せを得るために、このような標準蛋白溶
液を用いて標準操作を行い、各プレートの対応する点で
、インキュベーションの進行につれて、引続いて測定を
行う。標準操作は、すべての条件をできるだけその標準
が適用されるべき測定操作と同じ状態で行うことが望ま
しい。事実、対照値は、各測定操作に対して個々に対応
する独特なものであることが望ましい。しかし日常の測
定において前回の測定で対照曲線の勾配が既知であるよ
うな場合には、1回の標準操作で充分なこともある。
希望するパラメータの標準値は、各濃度について、この
ような標準操作を数回行って導出される。
こうして測定されたパラメータの標準値は、従って、濃
度と時間の双方の関数であると考えられる。
個々のリニアインテンシテイサム(Xを別々に考える場
合には、全部を測定するために、Xの値の明細が必要に
なる。
パラメータとしてゾーンの初出現時間を用いると、標準
値TOが変数としての時間を含まないという利点°があ
る。即ち、これまでに述べた方法でToを決めるには、
ある特定の時間で、何回かにわたって測定をしなければ
ならない。しかしこれらの測定によって−HToが定ま
ってしまうと、各測定値は不要になってしまう。こうし
て、Toの値は、蛋白濃度の関数としてプロットされ、
1つの標準曲線を得ることができる。このような曲線は
第6図に図示されている。これは第4図及び第5図に関
して述べた外挿法によって、各濃度についての値を求め
ることによって作られたものである。第6図の曲線によ
って、未知の蛋白のTo   。
がわかりさえすれば濃度値を直接読み取ることができる
例えば、L、IX、IZのようなパラメータの場合、標
準曲線を作ることは、より間接的になる。
これらの値は、測定が行なわれた時間に関係しているの
で、対照標準は時間の範囲をカバーするように作られな
ければならない。すべての濃度に対して同時にデータを
測ることは困難である。従って各測定値は測定の時間に
関連を持たせて、各蛋白濃度の最終的な標準値を時間の
関数として別々の曲線にプロットする。
第7図はこのようなグループの代表例であって、3つの
濃度に対するパラメータの標準値が時間軸に対してプロ
ットされている。これらの曲線を、L−0の方向に延長
したものがToの標準値を与え、それによって第6図の
Toがプロットされ、或いは第6図と比較するためのT
oの実験値を与えることができる。第7図には、任意の
時間’Itt2及びで3で垂直な線が引いである。これ
らのLの多値は濃度の関数の別々の曲線として再プロッ
トすることができる。その結果得られた一組の曲線の組
合せは、それぞれの時間に対して、蛋白濃度の関数とし
てのしを示している。この組合せは第8図に示されてお
り、実験値を比較する際には第7図の時間に対するプロ
ットよりは、便利である。
他のパラメータの実験値と比較すべき標準値は、パラメ
ータLについて述べたのと同様の方法で得ることができ
る。
トータルインテンシテイサムIzを、ゾーンの形成中に
連続的に測定すると、時間と共に直線的に増加すること
がわかっている。この直線的な特性は第11図に示して
あり、これはイムノグロブリン蛋白の既知量を含む4つ
の溶液についてIzと時間との関係をプロットしたもの
である。イムノグロブリンの標準値はここに述べられる
一般的な方法によってゾーンの位置の2次元の組合せを
自動的に測定した値から適当にプログラムされた汎用コ
ンピュータを用いて誘導したものである。第11図に示
す各点はもとは自動的にプロットされたもので、直線は
コンピュータによって得られた各点に一致させたもので
ある。この図は目盛を変更するためにマニュアルで再プ
ロットしたものである。
第11図に示す直線的関係は、パラメータIzの実測値
に対応する蛋白濃度を読み取ることができるような標準
または対照を予めプロットするのに役立つ。この−例と
して2.4時間(0,1日)に対する濃度の函数として
、Izの値が第11図から誘導され、第12図に線70
で示されている。Izの時間に対する直線的な依存性は
時間の微分dlz/dtまたはIzの時間に対する変化
率が一定であることを示している。従って、それは時間
に依存しないので実用上有利なパラメータである。第1
2図の曲線72はそのパラメータの蛋白濃度の関数とし
ての代表的な例であり、各点は第11図の曲線の1つの
勾配を示している。パラメータTOと第6図について既
に説明した通り、第12図の曲線72のような1つの曲
線はパラメータdlz/dtの対照曲線として有用であ
る。
本発明の他の特徴は、正確度を改善することにあり特に
測定しようとする試料中の目的の蛋白の一種又はそれ以
上の濃度が比較的低い場合に有効である。そのような場
合には試料溶液にそのような蛋白の既知量を整数比でい
くつか補足することが望ましい。そして、その溶液と既
知量の蛋白を含む標準とを並行して測定操作を行うので
ある。
夫々の溶液に対して所要のパラメータを求めるための値
が必要であれば、時間に対して上に述べた補間によりす
べての時間について求めることができる。正規の標準に
ついて得られたパラメータ値Pを第13図のカー180
に示すように通常の方法で蛋白濃度に対してプロットす
る。同様にもとの抗原試料及び既知量の蛋白を加えた一
部に対するPの値を各点り、i、j及びkに対して、あ
たかもその溶液が追加された蛋白だけしか含んでいなか
ったようにプロットされる。従って、もとの試料に対す
る値りは、濃度がOの位置にプロットされる。これらの
点を通って曲線81が引かれる。このデータの処理例で
は、もとの試料の蛋白濃度は数種の方法で計算すること
ができ、いずれも基本的には同じ値を与えてくれるはず
である。こうして希望する数種の方法を用いて計算し、
結果の平均を採ればよい。
まず、hから水平に延長して曲線80とh′で交わる直
線はchで示されている値の濃度を示す。
これは先に述べた一般の比較法に相当する。更に同様に
して、i、j及びkから、直線80に交わるように引い
た延長線は、i→i’、j−+j’及びk −、k ’
 の直線の長さに応じて濃度を与えてくれ、それらの長
さは、論理的にはすべて同じである。
もしhにおけるPの値が何らかの理由、例えば観察した
ゾーンが不明瞭なために不確実である場合には、4つの
すべての間隔の平均によって、信頼できる値を得ること
ができる。
もう1つの方法は、hにおける測定の不正確を改善でき
るばかりでなく、もとの試料中の蛋白の濃度が、測定可
能な沈降線を形成するのに必要な限界値以下であるよう
な場合にも、値を求めることができるという利点を持っ
ている。後者の場合、曲線81の上の蛋白は得られた点
1.j及びkを結んで得られ、更にP軸の方に延長(外
挿)され、hにおけるPを決める。このように曲線81
を延長する際に曲線80はガイドとして役に立つ。例え
ば第13図の曲線80は、それが点1.j及びkを表わ
すようになるまで全体として左に移動させたものである
。こうして移動させた曲線80とP軸との交点は点りの
値を与え、それから濃度Chを求めることができる。ま
た曲線81を横軸の負側−Chまで延長すると、濃度値
chに合致する濃度を直接読み取ることができる。
上に述べた補足された標準線81による方法は、実験用
及び対照用として、同じ溶液が使えるという大きな利点
を持っている。特にその試料が特定の病気の患者の人血
清である場合には、この利点によって標準線を延長する
ことによるいかなる小さな誤差も解消することができる
。種々の量の蛋白を補足した試料の数を増やすことによ
って、第13図に示しである3点のみならず、数個所で
測定を行うことによって、この外挿の信頼性はほとんど
無制限に向上させることができ、含まれる測定誤差につ
いての正しい認識を得ることができる。
本発明はまた、抗原試料中のある種の蛋白の異常を自動
的に検出することができる。例えば正常及び異常ガンマ
グロブリンは両者の間で、通常、電気泳動易動度の範囲
に僅かの差を持っていて、しかも同じ抗体と反応し、異
常な沈降ゾーンを形成して一般にゾーンの長さに沿って
非対称に分布する沈降を形成する。このような異常性は
、インテンシテイパラメータlxの測定値を、例えばX
の異なった値と比較して検出することができる。
非対称性とかその他のこのような値の異常性を観察する
ことによって異常が発生していることを知ることができ
る。そしてこの異常性は、もしXのある値において数個
の独立した測定が行われ、また測定誤差を計算した結果
が統計的に顕著な変化を示したら異常の存在が示された
ことになる。
この方法は目的とする異常に対して、異なった応答をす
るようなパラメータについて、実測で得られた値を比較
するという一般的な方法の特別なケースであると考えら
れる。このような挙動を示すある種のパラメータに対し
ては、夫々のパラメータの測定値に相当する蛋白濃度値
を比較する方が、パラメータ値自体を直接比較するより
も効果的である。例えば異常ガンマグロブリンの存在に
よって上述のようにゾーンに沿って起る輝度の異常分布
は、通常の場合よりもゾーンの出現を速め、その結果と
して濃度の計算値が高くなるが、一方トータルインテン
シティパラメータizは、正常及び異常蛋白に対してほ
ぼ等濃度値を示す傾向にある。このようにしてToによ
って得られる濃度値と、12によって得られる濃度値の
間の顕著な不一致が、異常蛋白の存在を表示する。
異常蛋白の存在に対して、鋭敏に応答するその他のパラ
メータは、ゾーンの軸方向の曲率である。
異常の存在によって、ゾーンの長さ方向に沿った曲率は
、異常に且つ非対称に変化する傾向があり一方全体とし
ての曲率は正常以下になる傾向がある。
例えば上述の輝度、又は、位置パラメータのように、2
つ或いはそれ以上のパラメータの特異な関数から成る多
価パラメータを用いると更に有利である。例えばゾーン
の長ざLと輝度パラメータの合計は、測定誤差を適当に
考慮に入れると、個々の成分を1つずつ使用するよりは
信頼性の高い結果を与えてくれるような新しいパラメー
タになる。
その他に2つのパラメータの導関数もパラメータとして
有利であり、一方は蛋白濃度の増加に伴って増加し、一
方は低下する。こうしてこれらのパラメータの商とか、
差を用いると、それらを個々に用いるよりも、濃度に対
して鋭い依存性を持つパラメータを得ることができる。
ゾーンの初出現時間TOは、蛋白濃度に対して逆の関係
を持っている例であり、特にこのような商を求める際に
利用できる。x軸の任意に希望する値XΩにおける抗体
溝とゾーンとの距離もまた、蛋白濃度と逆の関係を持っ
ており、このような商もパラメータとして用いられる。
一般的には、濃度に直接依存するパラメータを、濃度に
逆依存するパラメータで割算しその結果の多価パラメー
タが、濃度に対して逆依存でなく、直接依存となるよう
にする方がよい。
未知の試料について、実測によって定められた多価パラ
メータに対して比較のために適した対照値は、既に述べ
たように、各成分のパラメータの対照値から導出するこ
とができる。
既述の如り、位置及び輝度の測定やパラメータの誘導は
、直接観察やマニュアルな方法で行うことができるが、
本発明の特徴として、これらの操作は特に一部又は全体
を自動化するのに適しているということである。
本発明に必要な測定を行うについて、特に便利で有効な
方法は、スライドを光学的に走査する方法であって、テ
レビカメラのように、電荷結合型走査装置又は、それと
同等な方法で走査範囲の2次元の組合せの見かけ上の輝
度を表わすようなビデオ信号を得る方法である。各エレ
メントの信号は一般にデジタル変換され、プレート上の
位置に対応するX及びX座標、或いは測定時間と共に電
気的に記憶される。このような位置全体の信号の組合せ
又は、特定の位置の信号は、その後のデータ処理に際し
て、呼び出すことができる。またスライド上の像のいか
なる部分でもCRT又はそれに相当するような方法で、
走査中又はその後を問わず表示することができる。走査
や映像の記憶、再生や像の特定の点をデジタル信1号と
して抽出するシステムは、エレクトロニクス技術では既
知の方法であり、この要求に合うような形で購入するこ
とができる。
第14図は、このような装置の一例を図示するもので、
テレビカメラ90はレンズ91によってカメラの感光面
、モニタCRT92、走査コントロール装置94及び汎
用コンピュータ1ooにプレート2oの像を結ばせる。
レンズ91の調整によってプレート2゜は任意の倍率で
像を作ることができる。プレートの任意の位置を中心に
もってくるためには、例えば第2図の光源箱30のよう
な照明性の支持台の上でプレートの位置を変えたりカメ
ラ回路で従来の電子的なバイアス制御を行ってもよい。
特に、もし走査装置としてモニターCRTに同期した走
査機構を用いることができるならば、スクリーン上での
両座標軸方向の動きが連続的に等しいような細かいステ
ップで機構を駆動することができる。像は面積要素に分
割され、例えばXとX座標によって識別される。マニュ
アル又は半自動操作のために、モニター表示器には通常
カーソルがついており、電子的に作られた輝点が、各走
査毎にスクリーン上で面積要素からビデオ信号が抽出さ
れている位置を示す。オペレータのためにマニュアルで
コントロールできるスイッチがあり、目で見ながらカー
ソルを自由に動かすことができる。装置はまた、デジタ
ルなコマンドアドレスによるX及びX座標の値に応じて
、カーソルを直接希望の点に合わせることもできる。こ
のような信号はマニュアルでも、又は汎用コンピュータ
によるプログラムからでも得ることができる。
第14図に例示されるようにカウンタ102はクロック
103からのパルスを計数し、分岐線104に連続的に
X座標を表わすデジタル信号を与える。回路106はラ
イン107にその信号に応じてX座標の最小単位毎のア
ナログのステップ状電圧を発生させる。分割回路108
はX軸方向のビームの走査計数を行ない分岐線109に
各掃引毎にX座標を表わすデジタル信号を与える。回路
110はこの計数に応じて、X座標の最小単位毎のアナ
ログのステップ状電圧を、ライン111に送り出す。ラ
イン107と111のステップ電圧は、カメラ90とC
RT92のX及びy方向の走査を制御し、両者の同期状
態を保つ。カメラ90からのビデオ信号は、ライン11
2を経てモニターCRT92に送られ、スクリーン面で
スライド20の輝度の変化を再現する。
選択回路118は通常X及びYカウンタから成っており
、119で示される操作桿を手動で動かすと、1個又は
何個かのパルスを計数して上下にカウントアツプ又はカ
ウントダウンする。その結果のデジタル信号は測定対象
となっている場所のX及びX座標を表わし、レジスタ1
17に記憶される。比較回路114は、レジスタ117
からの特定の測定対象位置の座標とライン104と10
9から走査ビームのX及びX座標を常に比較する。走査
スポットが記憶されていた位置(アドレス)に来ると、
通常多走査について1回ずつ、比較回路114からスイ
ッチング回路120に動作信号が送られる。こうしてレ
ジスタ 125はそのライン123にスライド上の特定
された測定点を走査した時の輝度に相当するデジタル信
号を受ける。回路114からの動作信号はカーソルコン
トロール回路126にも送られ、ビデオ信号に輝度変調
パルスを重畳して、127で示されるように、モニター
スクリーン上で選択された点を識別させる。
レジスタ125はまたライン115と116からX及び
X座標信号を受け、また時間回路128によって作られ
た連続的な時間信号を受ける。これらの信号は全てレジ
シタ125に蓄えられ、ライン129からのマニュアル
コントロール、又はライン130からのコンピュータコ
ントロールによる読取り信号に応じコンピュータ100
に送られる。
コンピュータ100は測定点を個々に識別し、またどの
ようなプログラムの要求にも応じてプレート20のスポ
ットの入力情報を受は入れる。このような測定方法は、
回路的には選択回路118、レジスタ117及び比較回
路114と似ており、選択回路118は測定点の動きの
方向を選択的に指示したり、必要な位置のデジタルアド
レスを指示する電気信号に従って動作する。このような
装置を2つ作るよりも、第14図に示すように、スイッ
チ133がマニュアルからオートマチックの方に切替え
られると、操作桿119は切り離されて、選択回路11
8は分岐線132を経てコンピュータ 100によって
コントロールされる。コンピュータ 100によるこの
ようなコントロールをするために、既に述べたようにコ
ンピュータ 100には位置や輝度の測定や、一般のパ
ラメータ誘導のプログラムが組み込まれている。
ゾーンを自動的に走査するために、プレート−はインキ
ュベーションチャンバから適当に照明されて、正確に定
められた走査位置に移される方がよい。特に光学走査装
置が電荷結合装置のように軽量でコンパクトな場合には
、例えば免疫拡散や免疫電気泳動のプレートが並んでい
る上で2次元方向に動くことのできるプラットホーム上
に走査装置を取付ける方が望ましい。このようにすると
、走査装置を用いて抗原や抗体を穴や溝に入れる目的に
も使用することができる。その目的でデジタル信号でコ
ントロールできるピペットが走査装置から少し外れたと
ころに取付けである。走査装置からのビデオ信号は、コ
ンピュータに送られ、コンピュータは個々の穴の形を識
別したり、自動読取りによる識別ができるようにプログ
ラムされている。走査装置のピペットを取付けたプラッ
トホームがコンピュータコントロールによってプレート
の上を動き、走査軸が、ある定められた抗原穴の上に正
しく来た時に停止することができる。それからプラット
ホームは、ピペットが丁度穴の上に来るように定められ
たある距離だけ移動し、一定量の試料が正しく穴の中に
注入される。
こうして各操作毎に適当にピペットを洗いながら全ての
穴の中に抗原溶液が注入されると、電気泳動が始まる。
同様にして電気泳動が終った後で、或いは電気泳動を行
わない場合には抗原穴に抗原を入れた直後に、この装置
によって抗体溝に抗体が入れられる。一定時間の拡散の
後に同じ走査装置が、プレートの組合せの上に沈降ゾー
ンの上を動いて走査を行う。
走査装置の走査能力はまた、穴に試料を注入する前にも
発揮される。コンピュータは抗原穴と抗体溝の相対位置
を測定するようにプログラムされており、プレートの中
で穴や溝の相対位置や寸法の正しくないものを記憶して
いる。そして規格から太き(外れたものは、試料注入の
段階で排除され、規格から僅かにずれたものについては
、最終的にパラメータを誘導する段階で、自動的に補正
される。
最初のゾーンの走査過程は、ゾーンの形成が予想される
区域の上で特定のXの値と、一定の間隔で移動するyの
値によって、連続的に測定されるアドレスからのビデオ
信号を得るために、コンピュータによってコントロール
される段階である。
レジスタ125から受は入れたビデオ輝度値は、各測定
点毎にx、y及び(がデータとして記憶される。このよ
うな各々のy走査が終ると、×座標は一定間隔だけ移動
し、同様にy走査が行なわれて結果が記録され、目的の
全区域をカバーするまでこれをくり返す。測定された各
輝度値は通常前回に測定され、記憶された値と比較され
る。もし測定された輝度がバックグラウンドg域の閾値
以上であれば沈降ゾーンの存在を示すように定められて
いる。また各々のy走査についても、ゾーンを横切る時
の最高輝度が定められ記憶されていて、等間隔なXの値
に対する一連のyの値から、ゾーンの軸が確定される。
各ゾーンのエンドポイントはXの各方向において、輝度
の最高点(ピーク)が認められるようなXの最端値によ
って認識される。更に精密な位置測定が必要な場合には
エンドポイント付近の一定区域で、x、yの間隔を更に
細かくして走査するようプログラムされる。
このように位置し、記録された実際の沈降ゾーンに対し
て記録されたデータに直接数学的な処理を施し、y方向
にゾーンを横切る各走査に対して、上述のインテンシテ
イサムパラメータixを得る。
そしてこれらの多値の総和を求めるとそのゾーンに対す
るトータルインテンシテイパラメータlzになる。ゾー
ンエンドのX値を引き算するとパラメータLになる。そ
の他のパラメータは要求に応じて適当な計算によって求
められる。
上記の測定は、1つ又はそれ以上の未知の試料とそれに
関する上記のいくつかの標準溶液を含み、未知の試料に
ついての判定が完全にできるようなプレートの1セツト
について単位測定として行うのが望ましい。このような
プレートのセットの各走査の後にコンピュータは、沈降
ゾーンが見つかった各蛋白の濃度を導出する。もしも既
に述べたように、多数の標準測定が含まれている場合は
、考えられる測定濃度は各々計算された濃度値について
求められる。コンピュータによってこのような計算を行
うことは既知である。試料の中に各蛋白の濃度から、い
くつかの独立した測定を行うことができる。一般には異
なったいくつかのパラメータを参考にして予想される誤
差に従って重みづけをして平均を求める。
もし、その平均値に対する誤差の計算値が、測定中の試
料に対して一定の範囲内に収まれば、それ以上他の測定
を行う必要はない。コンピュータはそれによって一般の
プリントアウトか最終結果の記録をしたりプログラムに
必要なできるだけ多くのオリジナルデータの収集を行う
。例えば、解析を依頼した医師がすべてのデータを磁気
テープなどに入れて将来の参考のために要求することも
できる。また免疫拡散を行ったプレートの写真を、モニ
ターCRTを通して、又は直接にでも撮ることができる
。通常、蛋白の濃度が高くない場合には、1サイクルの
走査で、対象とする蛋白の濃度を決めるのは良くない。
ある時間、即ち数分から1時間或いはそれ以上の時間、
インキュベーションを追加した後、上記の走査をくり返
し、測定用のプレートと、それに対応する標準用プレー
トが走査される。コンピュータは通常前回の走査ではゾ
ーンがなかった所に現われる新しいゾーンを探したり、
また前回に沈降ゾーンが見つかって記録されている区域
を走査し、前回の記録からゾーンの動きや拡大の細度を
探索するようにプログラムされている。こうして、コン
ピュータは走査の度毎にデータ処理を続ける。
時には別個の蛋白による2つの沈降ゾーンが極めて接近
し、正常に沈降が形成されたものが最後に交差すること
がある。免疫電気泳動によって作られたゾーンでは、こ
のようなゾーンの交差を予測するようにプログラムされ
ており、いつ交差が起るかを予測して、種々のパラメー
タを誘導する過程で適当な補正を行う。
測定中の蛋白が交差するような種類のものであれば、第
1図Bのように各プレートがゾーン出現の早期で、まだ
交差が起る前に走査される。そしてゾーンの軸とエンド
ポイントは確実に定位される。コンピュータは正規の各
走査の一部としても、実際の交差をチェックできるよう
にプログラムされている。例えば、各ゾーンの軸の測定
点の(X。
y)座標を、隣りのゾーンのそれらと比較することによ
って、交差を示す特定の閾値での座標の一致を求める。
走査にはすべて、交差の可能性のチェックも含まれてい
る。例えばコンピュータはすべてのエンドポイントを実
測値以上に延長し、隣りのゾーンの延長されたエンドポ
イントと比較する。このような軸の延長は各エンドポイ
ント付近で軸の勾配方向へ、リニアに延長するという簡
単な方法をとっている。または、観察されたゾーン軸を
、放物線、又は他の曲線に一致させて正しく延長するよ
うにしてもよい。
ゾーンの交差は、また、ゾーンの軸の勾配の変化率を計
算することによっても検出できる。或いは、ゾーンに沿
った一連の点によって軸の曲率半径を計算して検出する
こともできる。これらの関数のなめらかな普通の変化か
ら何か躍び離れた値が出ればゾーンは2つか或いはそれ
以上の交差区域を含むことを示す。
実際の交差がゾーンの半分に及ぶ時でも、交差区域内で
観測した輝度値を、交差していない残り半分で観測した
輝度値で置換することによって、充分に正確な補正を行
うことができる。このような免疫電気泳動によるゾーン
の2点間の対応は、抗体溝に最も近い点)lを中心とし
て、その両側にXの等しい値の間隔の所で求められ、ま
た直接免疫拡散を行ったゾーンに対しては、ゾーン軸の
両側について、yの等しい値の間隔の所で求められる。
交差している区域内にある軸は、外挿によって定位され
る。
必要に応じて更に正確な補正の方法も可能である。例え
ば、コンピュータはゾーンの交差していない半分側にお
いて選ばれた対称な点において測定結果を調整し、ゾー
ンの非対称性を考慮に入れるようにプログラムしである
。非対称性が検知されると、例えば交差する以前に観察
された2点と比較して、これらの値の間の比を求めて補
正係数とすることもできる。
その他の補正の例としては、実際に交差している区域で
実測された輝度値が、一部は一方のゾーンによるもので
あり、他の一部は他のゾーンによるものであることを考
慮に入れて補正する方法である。コンピュータは交差区
域での輝度値を適当な値に分割するようプログラムされ
ている。適当な分割比を決めるためには、既に述べたよ
うに、交差区域と対称な部分の夫々の値を比較すればよ
く、この際上述の調整は行っても、行わなくともよい。
可能であれば、交差区域の補正には2つかそれ以上の別
々の針棒をあてはめ、その結果を平均して誤差を決定す
ることが望ましい。しかし、元来は交差の区域はゾーン
全体に比べると小さな一部にすぎない。従って、交差の
区域内で正しい値を近似する場合の誤差は、受容できる
程度のものであり、最終結果に大きい影響を与える程度
のものでない。
また上述の交差の各タイプに対しても、交差に影響され
ないゾーンの部分によって得られたパラメータによって
、濃度を決めることもできる。即ち、免疫電気泳動に近
い方法に対しては、ゾーンの中央付近での測定が適して
おり、直接免疫拡散に近い方法に対してはゾーンエンド
付近での測定が適している。
当業者には既に述べた方法の多くの特徴は、本発明の範
囲内で種々の等価的な代替技術で実現させることができ
ることが了解されよう。
例えば、インキュベーション時間について連続的測定を
行う必要のないようなパラメータ値は、インキュベーシ
ョンが平衡に達したあとで求めることができる。このよ
うな測定はゾーンの構成がスタティックで安定しており
、測定を行う時間が重大な要素でないという利点を持っ
ている。
更にインキュベーションのどの時期においても沈降ゾー
ンの測定は特定の光で行うことができる。
この方法は精密な時間測定を必要としないので、通常、
反応が平衡に達した後において便利である。
以上要するに生理学的な液体中の個々の蛋白の濃度の真
の定量的測定を行うために、免疫拡散法、免疫電気泳動
及びアナログ的手段を用いて測定を行う方法及び装置を
説明した。ここに述べた方法を実際に使用する際には、
蛋白濃度の5%又はそれ以下の精度で測定されることが
実証された。本発明はこのようにして広い範囲にわたっ
て実験又は診断のための測定技術を提供するものである
【図面の簡単な説明】
第1図は免疫電気泳動のプレートの図であって、第1図
のAは電気泳動後の代表的な各種蛋白の分布を示し、第
1図のB、C,Dはその後の拡散と免疫沈降反応の各段
階を示している。 第2図は、スライドを測定するための装置の縦断面図で
ある。 第3図は、本発明に関して、沈降ゾーンの特性を例示す
る図である。 第4図はゾーンエンドポイントと時間との代表的な関係
を示すグラフである。 第5図はゾーン長と、時間との代表的な関係を示すグラ
フである。 第6図はゾーンの初出現時間と蛋白濃度との代表的な関
係を示すグラフである。 第7図及び第8図はゾーン長に対する時間と蛋白濃度の
代表的な関係を示すグラフである。 第9図は2種のインキュベーション時間において、沈降
ゾーンの濃淡を走査した実例を示すグラフである。 第10図は各蛋白濃度が形成する沈降ゾーンの濃淡を走
査したグラフである。 第11図はパラメータIzと時間との関係の一例を表わ
すグラフである。 第12図はパラメータIzと、蛋白濃度におけるパラメ
ータdlz/dtの関係例を示すグラフである。 第13図は、未知の蛋白に既知の蛋白を追加することに
よって蛋白濃度値を誘導する例を示すグラフである。 第14図は、本発明における電子走査装置の実施例のブ
ロックダイヤグラムである。 20・・・プレート 21.22・・・抗原穴 24・
・・抗体溝90.91.92・・・光学的手段 94・
・・制御手段特許出願人 フレデリック・ジエイ・アラ
ジェム(外1名) 兵30 第7m 無q図 具10図 纂12図 /、 纂13閉 )?! 品14に    7劣 手  続  補  正  書 昭和60年8月16日 特許庁長官 宇 賀 道 部  殿 1、事件の表示  昭和60年特許願第156187号
2、発明の名称  免疫拡散による蛋白の定量分析方法
3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 住所 アメリカ合衆国カリフォルニヤ用91105゜バ
サデナ、ラス・パルマス・ロード 845氏名 フレデ
リック・ジエイ・アラジェム住所 アメリカ合衆国カリ
フォルニヤ用91105゜パサデナ、ラス・パルマス・
ロード 845氏名 パドマシニ・ケイ・アエンガー 4、代理人 東京都新宿区下落合二丁目14番1号 〒161N話951−1181   r−1<5960
)弁理士  古  村     悟i、   □1゜ 1、−−−−−、  、シ 5、補正命令の日付  出願審査の請求と同時にする補
正明      細      書 1、発明の名称 免疫拡散による蛋白の定量分析方法 2、特許請求の範囲 (1)  蛋白を含有する抗原試料と、該抗原試料中の
蛋白に特異的な抗体を含有する抗体源とを免疫拡散させ
て該抗原試料中の蛋白濃度を定量測定する方法であって
、 上記蛋白及び抗体を、当初これら反応物質がいずれも存
在しない支持媒体の領域を通じ反応しながら拡散し合う
ようになして、少なくとも一つの有限長さの細長い沈降
ゾーンを形成させることと、光学的手段により上記沈降
ゾーンを走査して一部が該沈降ゾーン内に分布し一部が
該沈降ゾーンの外に分布した二次元の配列のそれぞれの
位置における沈降濃度に応答して複数の電気的信号を発
生させることと、 上記蛋白濃度に特有な変化を表わす上記細長い沈降ゾー
ンの形状に関するパラメータ値を、上記細長い沈降ゾー
ン長−に沿った少数の位置において測定した複数の上記
電気的信号から電子的に導出することと、 上記抗原試料中の上記蛋白濃度を定量測定する指標を得
るために、それぞれ既知の濃度の上記蛋白を含有する複
数の対照抗原溶液の等価的な免疫拡散により生成された
対照沈降ゾーンから導出された基準パラメータ値と上記
パラメータ値と比較することと、 上記細長い沈降ゾーン長に沿った位置の関数としての上
記パラメータを比較して上記沈降ゾーンに沿って分布し
た不規則または非対称の沈降伏態の存在を検知し、これ
により蛋白の異常性の存在を検出すること を含むことを特徴とする蛋白の定量分析方法。 ■ 前記パラメータが沈降ゾーンの曲率である特許請求
の範囲第(1)項に記載の蛋白の定量分析方法。 (3〉  前記パラメータが2前記沈降ゾーンを横切っ
て分布された複数の位置における電気的信号か一部゛ 
 れた° \−ン の    である特許請求の範囲第
(1)項に記載の蛋白の定量分析方法。 (4)  蛋白を含有する抗原試料と、該抗原試料中の
蛋白に特異的な抗体を含有する抗体源とを免疫拡散させ
て該抗原試料中の蛋白濃度を定量測定する方法であって
、 上記免疫拡散に先立ち、上記抗原試料を、上記抗体源と
相互に拡散する方向とは直交する方向に選択的な蛋白の
移動を行なわせることと、上記蛋白及び抗体を、当初こ
れら反応物質がいずれも存在しない支持媒体の領域を通
じ反応しながら拡散し合うようになして、少なくとも一
つの有限長さの細長い沈降ゾーンを形成させることと、
光学的手段により上記沈降ゾーンを走査して一部が該沈
降ゾーン内に分布し一部が該沈降ゾーンの外に分布した
二次元の配列のそれぞれの位置における沈降濃度に応答
して複数の電気的信号を発生させることと、 上記蛋白濃度に特有な変化を表わす上記細長い沈降ゾー
ンの形状に関するパラメータ値を2上記細長い沈降ゾー
ンニーに沿った複数の位置において泗」Lユニ左−複数
の上記電気的信号から電子的に導出することと、 上記抗原試料中の上記蛋白濃度を定量測定する指標を得
るために、それぞれ既知の濃度の上記蛋白を含有する複
数の対照抗原溶液の等価的な免疫拡散により生成された
対照沈降ゾーンから導出された基準パラメータ値と上記
パラメータ値と比較することと、 上記細長い沈降ゾーン長に沿った位置の関数としての上
記パラメータを比較して上記沈降ゾーンに沿って分布し
た不規則または非対称の沈降伏態の存在を検知し、これ
により蛋白の異常性の存在を検出すること を含むことを特徴とする蛋白の定量分析方法。 ([有] 前記パラメータが沈降ゾーンの曲率である特
許請求の範囲第(4)項に記載の蛋白の定量分析方法。 (Q 前記パラメータが、前記沈降ゾーンを横切って分
布された複数の位置におけるl入江信号f)s−ら導 
された゛ \−ン の    である特許請求の範囲第
(4〉項に記載の蛋白の定量分析方法。 3、発明の詳細な説明 本発明は、混合液中に存在する蛋白の定量分析方法、特
に試料の量が微量である場合における定量分析方法に関
し、さらに詳しくはこの種の分析において、蛋白の定量
と共に蛋白の異常性の存在を検知することのできる分析
方法に関する。 近年、健康及び疾病に関して蛋白の果たす役割に関する
知識が急速に発展するに及び血清、を髄液、細胞抽出液
等の液の蛋白を迅速かつ比較的経済的に定量測定する必
要性が一般に高まっている。 このような液中の蛋白は、特定の蛋白に対して特異的な
抗体によって起こる各蛋白の沈降を利用した免疫化学的
方法によって同定(定性分析)されることが多い。この
ような特定の抗体は生体中に異種蛋白(抗原)が浸入し
て刺激することによって産生される。抗血清は、このよ
うな既知の抗体の混合物である。ある蛋白試料を生体外
で、このような抗血清と反応させ、その結果得られる沈
降の存否を観察プると、試料の中にある蛋白の種類につ
いての有力な手がかりをつかむことができる。 このような免疫化学的方法を利用して蛋白の定量分析を
行なう方法としては、抗体または抗原の一方の試薬を有
するゲルの表面に他方の試薬を接触せしめ、形成された
沈澱に基づく散乱光を検知する方法(特開昭50−10
7123)が知られているが、この方法によって得られ
る定量分析のためのパラメータは一つの測定点における
ゲル中の沈澱濃度に相応する値であるから、ゲル中の拡
散速度に大きく影響されるため不正確であるとともに、
単一成分のものにしか適用できないという欠点がある。 また、正常な蛋白中に異常な蛋白が含まれている場合、
これらの拡散は同心円状になされるので、この従来方法
では異常な蛋白の存在を検知することができない。 したがって、このような免疫化学的方法は蛋白の分析に
おいては一般的に定性的手段と考えられており、定量分
析に有効な具体的方法は見い出されていない。 本発明の目的は、信頼性及び再現性の高い免疫化学的方
法による蛋白の定量分析方法を提供することであり、さ
らには定量分析と同時に異常な蛋白の存在を検知し得る
分析方法を提供することである。 また本発明の他の目的は、上記目的に加えてさらに多種
の蛋白を含む試料の各蛋白の定量分析方法を提供するこ
とである。 本発明は、特定の蛋白に対して特異的な抗体を含む抗体
源と抗原試料とで免疫拡散を行って、抗原゛試料中の蛋
白濃度を測定する方法である。即ち、蛋白と抗体は初め
にこれらの反応物質を含んでいない支持媒体中で相互に
拡散し、接触反応を起こして有限長さを持つ細長い沈降
ゾーンを少なくとも一個形成し、これを定量的に測定す
るためにそのゾーンの内外にわたって分布している二次
元配列の各位置を光学的に走査し、各位置における沈降
物濃度に相当する電気信号を発生させ、上記蛋白濃度に
特有な変化を表わす上記細長い沈降シー′  ンの形状
に関するゾーンのパラメータ値を、そのゾーン長に沿っ
た複数の位置において測定した複数の上記電気的信号か
ら電気的に誘導する。そして、その結果を、一方で既知
量の上記蛋白を含んでいる対照抗原溶液について、試料
の場合と同様な免疫拡散を行って得られた対照ゾーンか
ら求めたパラメータ対照値と比較して定量を行なうと共
に、ゾーン長に沿った位置の関数としての上記パラメー
タ値を比較してゾーンの不規則性または非対称性を検知
し、これによって蛋白の異常性の存在を検知する方法で
ある。 上記の実験結果及びその結果に関する計算は、必要に応
じてマニュアルに行うこともできるし、また光学的及び
電気的走査装置を用いて、半自動でデータを求めること
もできる。また必要なデータ処理は、適当な容量の汎用
コンピュータによって全自動で行うこともできる。 本発明者らは、蛋白及び抗体を相互に拡散させて形成し
た有限長さの細長い沈降ゾーンの形状因子が、蛋白の定
量測定のための有効なパラメータを有しており、また、
この細長い沈降ゾーンの長平方向の不規則性または非対
称性を検知することにより蛋白の異常性を検知すること
ができることを見い出し、本発明に至ったもので、この
パラメータとしては、例えば、沈降ゾーンの曲率を用い
ることができるし、また、沈降ゾーンの長手方向に沿っ
た各位置において、沈降ゾーンを横切る直線に沿って等
間隔で電気的信号を発生させ、これら電気的信号により
導出された沈降ゾーン内における光強度の和をパラメー
タとして用いることができる。沈降ゾーンを横切る直線
に沿って等間隔の位置で測定された沈降ゾーン内の光強
度の和は、沈降ゾーンを横切る直線に沿った沈降ゾーン
内の光強度の積分値と相関するものであるが、沈降ゾー
ンの長手方向における各測定位置の形状因子を内包する
パラメータと言える。 前述した本発明において、最初の抗原の混合物中に多種
の蛋白を含む場合には、初めに、各種蛋白間の特性の相
異に比例して、上記抗体源と相互に拡散する方向とは直
交する方向に移動させることによって一部を分画してお
く。このような選択的移動は、例えば、簡単な拡散や、
電気泳動、或いは、クロマトグラフィのような更に複雑
な方法によっても行なうことができるが、その後の免疫
拡散によって形成される沈降ゾーンは、いずれの方法で
分画された場合にも、基本的に変らない。 例えば電気泳動の場合、異なった蛋白間の泳動易動度の
差によって各蛋白は電界方向に沿って、易動度の差に応
じて移動分布する。このような初期分画を行った後に、
蛋白は異った方向に移動して抗血清と接触し、一般には
アガールやアガロースのような適当な支持媒体中で相互
拡散を行うことによってその結果基本的な直線的分布を
形成する。 各蛋白の沈降ゾーンは一般に完全に分離し、明らかに弁
別される。 異った蛋白、あるいはまた抗体の拡散易動度には、元来
、このような沈降ゾーンをはっきり弁別するのに足るだ
けの充分な差がある。ゾーンのオーバラップは一部に限
られているから、ゾーンのエンドポイントは、はっきり
と弁別することができる。本発明による定量法は、その
ような形式の免疫拡散に応用覆るのに適した方法である
。 免疫拡散を行うために抗原と抗体を穴の中に入れて、抗
原と抗体が相互に移動する速度を高めるために電気免疫
拡散のような方法で電場をかけた場合でも、その結果形
成される沈降ゾーンは電界をかけなかった場合と同じ基
本形を保っている。 またもし、免疫電気泳動において免疫拡散のステップが
、適当な電場によって加速された場合も、上記と同様で
ある。従って、本明細書における免疫拡散なる語は、加
速電場を伴う場合と、伴わない場合の双方を意味してい
る。 以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して説明する
が、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものでは
ない。 免疫電気泳動は定性法として良く知られており、それを
行うために多種の装置が発表されているがいずれも大同
小異である。本発明においては、電気泳動と、それに続
く拡散と免疫反応は、通常、光学的に透明な板の上に乗
せられた数分の1ミリメータから数ミリメータの厚さの
単層ゲルの中で行なわれる。支持媒体としては今日一般
に用いられている、I)H約8.6でイオン強度が約0
.1のバルビタール緩衝液で飽和させたアガロースが用
いられる。そして試料は、ゲル層に切り込まれた穴とか
、ゲル層をキャリアに乗せる時にモールドして作られた
穴の中に入れられる。 第1図にはプレート20が図示してあり、その上に電気
泳動の方向と平行に延びる軸25に沿った抗体溝24と
、その両側に等間隔で配置された円形の抗原穴21と2
2がある。穴の配置によって、2種の別個の溶液又は同
種の溶液の2つの試料は、各プレートの上で同じ抗体溶
液に向って同時に移動する。各プレートの上で2つの抗
原穴の外側に更に2つの抗体溝を追加し、更にその外側
に2つの抗原穴を追加して、プレートの容量を倍加させ
てもよい。同様にして、パターンのオーバーラツプを防
ぐために、穴21と22から電気泳動の方向に沿って充
分に離れた所に、抗原穴を追加してもよい。 第1図Aの陰影部26と28は、穴21と22の中に入
れられて矢印23の方向に一定時間電気泳動を行った後
の一対の同種の試料中にある4種の蛋白a。 b、c及びdの代表的な分布を近似的に示したものであ
る。通常、すべての蛋白は、液体媒質中では同じ方向に
移動するが、溶媒自体が純電荷を運ぶ性質を持っている
ため、結果としてゲルの流れやゲルに対して電気浸透を
引き起す。従って蛋白は穴に対して両方向に移動する。 電気泳動が終ると、溝24に抗体が入れられ、第1図A
のa、b、c、及びdの蛋白とそれに対応する抗体との
相互拡散によって沈降ゾーンが形成される。第1図のB
、C,Dは、代表的なゾーン出現の各段階を示している
。 関係のない抗原の沈降アークは、それぞれの抗体と反応
して別個に形成されるが、充分に接近してくると第1図
りのように交差し、免疫化学的に関係のある沈降アーク
同志は連続した反応線として融合する。第1図C及びD
における沈降ゾーンd′は、第1図Aにおける領域dが
、実は2つの別個の蛋白を含んでおり、同じ電気泳動易
動度を持っている2つの蛋白であっても、別個の沈降ゾ
ーンを形成する事実を例示している。ゾーンdとd′は
、2つの異った蛋白が穴21に入れられて、初期の電気
泳動のステップを経ないで免疫拡散を適用されたと考え
ることもできる。夫々のゾーンエンドがはっきり分れて
いる理由は、各蛋白酸いは抗体の拡散率が異っているた
めである。いずれの場合にも、このような各ゾーンは以
下に述べる方法を用いると別々に分析することができる
。 本発明によると、免疫電気泳動による沈降ゾーンを、直
接定量的に測定することができる。このような測定によ
ってプレート上で目的とする蛋白の各沈降ゾーンの特定
の特徴的な物理的な配置を決めることができるし、それ
とともに光学的方法によって光強度の測定を行うことも
できる。いずれの方法に対しても、時間的要素が加えら
れており、これが観測データの重要な要素となっている
。 しかし、インキュベーションを平衡に達するまで行って
、安定したゾーンの形成を待つのであれば、このような
時間を測定しても無意味である。 プレート20の上での位置測定は、例えば低倍率の顕微
鏡で行うことができる。第2図に図示されているように
、光源ランプ36と黒のベルベットのような吸光性の暗
視野34を持つ光源箱30の可変開口部32の上にプレ
ート20が置いである。顕微鏡40には対物レンズ41
、接眼レンズ42及び焦点面に照準用の十字線43がつ
いている。光源箱30の上にはダブルスライド機構45
が載置されており、詳細に図示してないがねじによる駆
動装置46と正確な目盛が施されていて、その上に乗せ
られている顕微鏡の位置を2つの座標軸に対して正確に
読み取ることができるようになっている。この図では分
り易くするために1つの座標軸についてのみ示しである
。通常は第1図Aに示されているように、x軸を電気泳
動の方向、つまり抗体溝と平行に定め、座標軸の原点を
軸25の上か、その近くに定めると便利である。 光の濃淡の測定のために、顕微鏡には斜めになっている
光束分割用のハーフミラ−48が設けてあり、光の一部
を接眼部に送り、他の部分でダイヤフラム52の上で実
像を結ばせている。ダイヤフラム52は、プレート20
の上で十字線43に一致している範囲からの光のみを、
感光トランスジューサ50に送る。トランスジューサ5
0は増幅回路54とメータ56に電気的に接続されてい
る。メータ56の代りに直接眼で見てマニュアルに記録
してもよいし指令信号に応じて、自動的に光の強弱を記
録するようなプリント回路やAD変換器を接続させても
よい。第2図においては、例えば暗視野照明の代りに、
直接照明とか、ゾーンからの反射光を直接測定できるよ
うな上からの照明等、種々の変更が可能である。完全な
自動測定を行うための方法及び装置の実施例を以下に説
明する。 第3図はゾーンが出現した際に、本発明によってゾーン
の位置測定を行うために、定められた沈降ゾーンのある
特徴を図示したものである。y=yAil  における
水平の線61は免疫電気泳動スライドの抗体溝の端であ
る。座標(Xe 、 ”y’e )及び(Xf 、 Y
f )における点E及びFは展延するゾーン60の左及
び右のエンドポイントである。 ゾーンエンドポイントE及びFの他に、各ゾーンの長手
方向に沿って何個所かの中間点を測定する。第3図にお
いて座標(Xo 、Yg)における1点Gはこのような
点の例で必る。 ゾーンはy方向にある幅を持っているので、Gのような
各中間点のy座標は、抗体溝に最も近い前縁63、ゾー
ンの後縁65、或いはゾーンの中で、光の強度の最も強
い部分も含めて、1個所或いはそれ以上の点64を定め
ると便利である。 インキュベーション時間の経過に伴って、ゾーンが出現
すると、点E、F及びGの絶対及び相対位置が変化する
。 本発明で用いられる沈降ゾーンの重要なパラメータの1
つはゾーンの曲率であり、その曲率のゾーンの長さに沿
っての変化は、蛋白定量のための有効なパラメータであ
ると共に、異常蛋白に関する情報を与えてくれる(後記
参照)。ゾーン全体にわたって大体の曲率の測定、或い
はゾーンの特定の一部についての測定は、ゾーンの軸に
沿った3つの相関点のX及びy座標を比較することによ
って比較的簡単に求められる。ゾーンの曲率について更
に正確な値を求めるには、ゾーンの軸がy=f(x)で
表わされるような曲線にほぼ一致しなければならない。 ここでf(x)は適当な×の関数を表わしている。従っ
て曲率半径Rは、一般式 で与えられる。ここでy′とy”はXに対するyの一次
及び二次の導関数である。 カーブに合う適当な関数例と゛して、y軸に平行な軸を
持つ放物線がある。このような放物線は下の公式のいず
れでも表わされる。 y =a、) +al x +a2 x2−−−−−−
(2a )V =A (x−8)2+C−−−−−−−
−・(2b )ここでA=a 2 、 B=−a + 
/2a 2 、 C=a 。 −8+ 2/4a 2 T:アル。 式(2a)及び(2b)の中の定数の値は、ゾーンの軸
の上の任意の3点の座標から求めることができるし、或
いはこれらの点の任意の個所について最小二乗法、或い
は、その他の既知の方法で求めることができる。放物線
の対称軸はx=3であり、軸上のカーブはX軸からCだ
け離れている。 式(1)を用いて曲率半径Rは次のように表わされる。 この半径は対称軸の個所で最大値Roとなり、(3)式
は、 Ro=2A              −・・(q−
)となる。 ゾーンの軸の最低3ケ所から誘導された上の値は、本発
明のパラメータどして使用することができる。 本発明はまた、抗原試料中にある種の蛋白の異常を自動
的に検出することができる。例えば正常及び異常ガンマ
グロブリンは両者の間で、通常、免疫拡散及び電気泳肋
易初度の範囲に僅かの差を持っていて、しかも同じ抗体
と反応し、異常な沈降ゾーンを形成して一般にゾーンの
長さに沿って非対称に分布する沈降を形成する。沈降ゾ
ーンの曲率はこのような異常性に鋭敏に応答する。沈降
ゾーンの曲率は、異常蛋白の存在によって、異常に且つ
非対称に変化する傾向があり、−万全体としての曲率は
正常以下になる傾向がある。 次にゾーンの光学的濃度(光強度)の定量的測定につい
て説明する。単なる光強度の読み取りだけでは、蛋白濃
度を実用的に測定することはできない。その理由は、ゾ
ーンの形とゾーン形成速度が変化して、ゾーンが大きく
なるにつれて、光強度が変化するからである。 一方これらの要素の変化は、適切に選ばれたいくつかの
場所において一連の光強度の読み取りを行い、それを光
強度パラメータを求めるために総合的に処理することに
よって、大幅に補償することができる。その方法は、沈
降ゾーンを横切る直線に沿って等間隔で光強度を測るこ
とであり、通常Xの特定の値においてy方向に行われる
。このような一連の読み取りでは、ゾーンの両側で数個
所の光強度値を求めることが望ましい。このようなオフ
セット値を平均して、バックグラウンド強度を求め、ゾ
ーンの中における光強度値から、バツクグラウンド値を
差引くのに用いられる。その結果、修正された光強度値
は集計され、特定のXの値においてゾーンを横切るライ
ンに沿った光強度のリニアインテグラルを求めることが
できる。 このような直線光強変相lxは、正規の再現可能な方法
においてインキュベーション時間の増加と共に増加し、
その値はどの所定時間においても、広い範囲の実験条件
にわたって反応する蛋白の濃度と共に増加する傾向を持
つことを見出した。 このクロスゾーン走査によって観察される光強度の変化
をプロットした代表例が第4図に示されている。2つの
カーブは以下に述べる半自動の装置でプロットされ、沈
降ゾーンが抗体溝に最も近い点xgにおいてy方向に走
査されたものである。 第4図において、ビーク74と77は第1図と同様なプ
レートにおいて2つの抗原穴に入れられたものと同じ蛋
白の試料によって抗体溝の両側にできたゾーンによるも
のである。75と76の2つの小さなビークは抗体溝の
夫々の縁によるものであり、その溝から、ゾーンの特定
の点までの距離りを測るのに都合の良い対照となってい
る。前記のように定義したパラメータIxは、本質的に
は、例えば第4図のビーク74又は77の下の面積に相
当するものである。 第4図の2つのビーク74と77は人血清アルブミンの
同じ試料によって作られたものである。それらは、イン
キュベーション時間が2時間(実線のカー770)の時
と、4時間(破線のカー772)の時との沈降ゾーンの
成長の様子を代表的に示している。この2組の測定の間
に、ゾーンの位置は大変安定していることがわかるが、
各ビークの下の面積は顕著に増加している。ビーク74
と77のカーブは図をわかりやすくするために縦方向に
適当な距離だけずらしであるので、その不一致について
は問題にする必要はない。 第5図は種々の濃度の蛋白で作られたプレートを、同じ
インキュベーション時間でy方向に走査したものについ
てプロットしである。グラフによってAからCに蛋白濃
度が増加するにつれて、各ビークの面積が増加し、また
ゾーン全体が抗体溝の方に移動している様子が明らかに
読み取れる。 パラメータIxが蛋白濃度の決定に極めて有用であるこ
とから、このような直線光強変相を数個のXの値につい
て求め、それを集計又は平均し、多数の光強度パラメー
タにより求める方法によると結果は更に向上する。その
代表的な方法は直線光強変相をXg及びその両側で適当
な間隔を置いて選ばれたいくかの点について求めること
である。 予め等間隔に定められた何点かの直線光強変相を平均又
は集計すると実験誤差を減らして全体としての蛋白濃度
測定の精度を向上させることができる。 その他、前述の方法において、沈降ゾーンの長さが増加
するにつれて、光強変相の計算等に含まれる直線光強変
相の数は、プレートを走査する度に増加する。そのため
の方法の一例はXgにおける直線光強変相を定めてから
Xaの両側において直線光強変相の値が、ある閾値以下
になるまで測定を続けることである。 直線光強変相lxは、細長い沈降ゾーン長に沿った各X
座標におけるゾーンの形状因子を内包しているものであ
り、各X座標の位置におけるIx値を比較することによ
って、沈降ゾーンの不規則性または非対称性を検知する
ことができ、これにより、異常蛋白を検知することが可
能である。即ち、例えば正常ガンマグロブリンと異常ガ
ンマグロブロブリンは、前述の通り、同じ抗体と反応・
し、しかも拡散の程度に僅かの差を有している。そのた
め、ゾーンの長さに沿って非対称に分布する沈降を形成
する。したがって、例えば、X(lから両側に等間隔離
れたXにおけるIx値を比較すれば、異常が発生してい
ることを知ることができる。 すべての直線光強変相の総和はパラメータIZ(総光強
変相)となり、これは本質的には、沈降ゾーンを走査し
た時の光強度の積分である。この近似値は機器の分解能
の許す範囲内で測定を行う度毎にX及びyの変化分を小
刻みにすることによって希望通りに向上させられる。I
zの幅は広い範囲の実験条件にわたって、蛋白濃度の関
数として、特に激しく変動する。その理由は濃度が増加
するにつれて、×、y両方の寸法が増加し、またゾーン
の平均光強度も増加する傾向を持つからである。蛋白濃
度に対するこの強い依存性のゆえに、直線光強度用の総
和であるパラメータIzは濃度測定のための判定条件と
して、特に効果的である。 分析される試料について、1つかそれ以上のパラメータ
を求めるための実験値が得られると、これらの値は、各
蛋白の標準値を適当に組合せた値と比較される。これら
の標準値は既知量の目的の蛋白を含む一連の溶液を用い
て、測定と同じ条件下で作られたものである。このよう
な標準値の組合せを得るために、このような標準蛋白溶
液を用いて標準操作を行い、各プレートの対応する点で
、インキュベーションの進行につれて、引続いて測定を
行う。標準操作は、すべての条件をできるだけその標準
が適用されるべき測定操作と同じ状態で行うことが望ま
しい。事実、対照値は、各測定操作に対して個々に対応
する独特なものであることが望ましい。しかし日常の測
定において前回の測定で対照曲線の勾配が既知であるよ
うな場合には、1回の標準操作で充分なこともある。 希望するパラメータの標準値は、各濃度について、この
ような標準操作を数回行って導出される。 こうして測定されたパラメータの標準値は、従って、濃
度と時間の双方の関数であると考えられる。 個々の直線光強度用■xを別々に考える場合には、全部
を測定するために、Xの値の明細が必要になる。 例えば、ix、lzのようなパラメータの場合、標準曲
線を作ることは、より間接的になる。これらの値は、測
定が行なわれた時間に関係しているので、対照標準は時
間の範囲をカバーするように作られなければならない。 すべての濃度に対して同時にデータを測ることは困難で
ある。従って各測定値は測定の時間に関連を持たせて、
各蛋白濃度の最終的な標準値を時間の関数として別々の
曲線にプロットする。 総光強変相izを、ゾーンの形成中に連続的に測定する
と、時間と共に直線的に増加することがわかっている。 この直線的な特性は第6図に示してあり、これはイムノ
グロブリン蛋白の既知量を含む4つの溶液についてIz
と時間との関係をプロットしたものである。イムノグロ
ブリンの標準値はここに述べられる一般的な方法によっ
てゾーンの位置の2次元の組合せを自動的に測定した値
から適当にプログラムされた汎用コンピュータを用いて
誘導したものである。第6図に示す各点はもとは自動的
にプロットされたもので、直線は]ンビュータによって
得られた各点に一致させたものである。この図は目盛を
変更するためにマニュアルで再プロットしたものである
。 第6図に示す直線的関係は、パラメータIzの実測値に
対応する蛋白濃度を読み取ることができるような標準ま
たは対照を予めプロットするのに役立つ。この−例とし
て2.4時間(0,1日)に対する濃度の函数として、
IZの値が第6図から誘導され、第7図に線70で示さ
れている。IZの時間に対する直線的な依存性は時間の
微分dIz /dtまたはIzの時間に対する変化率が
一定であることを示している。従って、それは時間に依
存しないので実用上有利なパラメータである。第7図の
曲線72はそのパラメータの蛋白濃度の関数としての代
表的な例であり、各点は第6図の曲線の1つの勾配を示
している。第7図の曲線72のような1つの曲線はパラ
メータdIz/dtの対照曲線として有用である。 パラメータIz及びdlz/dtは、細長い沈降ゾーン
の長手方向に沿ったゾーンの形状因子を内包するパラメ
ータixから導出されるパラメータであり、これらのパ
ラメータもまた、沈降ゾーンの形状に関するパラメータ
ということができるが、これらのパラメータを蛋白定量
のための直接のパラメータとする場合には、異常性の検
知にはゾーンの非対称性を検知するためにパラメータl
xを用いればよい。 本発明の他の特徴は、正確度を改善することにあり特に
測定しようとする試料中の目的の蛋白の一種又はそれ以
上の濃度が比較的低い場合に有効である。そのような場
合には試料溶液にそのような蛋白の既知量を整数比でい
くつか補足することが望ましい。そして、その溶液と既
知量の蛋白を含む標準とを並行して測定操作を行うので
ある。 夫々の溶液に対して所要のパラメータを求めるための値
が必要であれば、時間に対して上に述べた補間によりす
べての時間について求めることができる。正規の標準に
ついて得られたパラメータ値Pを第8図のカーフ80に
示すように通常の方法で蛋白濃度に対してプロットする
。同様にもとの抗原試料及び既知量の蛋白を加えた一部
に対するPの値を各点り、i、j及びkに対して、あた
かもその溶液が追加された蛋白だけしか含んでいなかっ
たようにプロットされる。従って、もとの試料に対する
値りは、濃度がOの位置にプロットされる。これらの点
を通って曲線81が引かれる。このデータの処理例では
、もとの試料の蛋白濃度は数種の方法で計算することが
でき、いずれも基本的には同じ値を与えてくれるはずで
ある。こうして希望する数種の方法を用いて計算し、結
果の平均を採ればよい。 まず、hから水平に延長して曲線80とh′で交わる直
線はchで示されている値の濃度を示す。 これは先に述べた一般の比較法に相当する。更に同様に
して、i、j及びkから、直線80に交わるように引い
た延長線は、i→”+J−+J’及びk −+k ’の
直線の長さに応じて濃度を与えてくれ、それらの長さは
、論理的にはすべて同じである。 もしhにおけるPの値が何らかの理由、例えば観察した
ゾーンが不明瞭なために不確実である場合には、4つの
すべての間隔の平均によって、信頼できる値を得ること
ができる。 もう1つの方法は、hにおける測定の不正確を改善でき
るばかりでなく、もとの試料中の蛋白の濃度が、測定可
能な沈降線を形成するのに必要な限界値以下であるよう
な場合にも、値を求めることができるという利点を持っ
ている。後者の場合、曲線81の上の蛋白は得られた点
i、j及びkを結んで得られ、更にP軸の方に延長(外
挿)され、hにおけるPを決める。このように曲線81
を延長する際に曲線80はガイドとして役に立つ。例え
ば第8図の曲線80は、それが点i、j及びkを表わす
ようになるまで全体として左に移動させたものである。 こうして移動させた曲1i180とP軸との交点は点り
の値を与え、それから濃度chを求めることができる。 また曲線81を横軸の負側−chまで延長すると、濃度
値chに合致する濃度を直接読み取ることができる。 上に述べた補足された標準線81による方法は、実験用
及び対照用として、同じ溶液が使えるという大きな利点
を持っている。特にその試料が特定の病気の患者の人血
清である場合には、この利点によって標準線を延長する
ことによるいかなる小さな誤差も解消することができる
。種々の量の蛋白を補足した試料の数を増やすことによ
って、第8図に示しである3点のみならず、数個所で測
定を行うことによって、この外挿の信頼性はほとんど無
制限に向上させることができ、含まれる測定誤差につい
ての正しい!!!識を得ることができる。 既述の如(、位置及び光強度の測定やパラメータの誘導
は、直接観察やマニュアルな方法で行うことができるが
、本発明の特徴として、これらの操作は特に一部又は全
体を自動化するのに適しているということである。 本発明に必要な測定を行うについて、特に優利で有効な
方法は、スライドを光学的に走査する方法であって、テ
レビカメラのように、電荷結合型走査装置又は、それと
同等な方法で走査範囲の2次元の組合せの見かけ上の光
強度を表わすようなビデオ信号を得る方法である。各エ
レメントの信号は一般にデジタル変換され、プレート上
の位置に対応する×及びy座標、或いは測定時間と共に
電気的に記憶される。このような位置全体の信号の組合
せ又は、特定の位置の信号は、その後のデータ処理に際
して、呼び出すことができる。またスライド上の像のい
かなる部分でもCRT又はそれに相当するような方法で
、走査中又はその後を問わず表示することができる。走
査や映像の記憶、再生や像の特定の点をデジタル信号と
して抽出するシステムは、エレクトロニクス技術では既
知の方法であり、この要求に合うような形で購入するこ
とができる。 第9図は、このような装置の一例を図示するもので、テ
レビカメラ90はレンズ91によってカメラの感光面、
モニタCRT92、走査コントロール装置94及び汎用
コンピュータ100にプレート20の像を結ばせる。レ
ンズ91の調整によってプレート20は任意の倍率で像
を作ることができる。プレートの任意の位置を中心にも
ってくるためには、例えば第2図の光源箱30のような
照明付の支持台の上でプレートの位置を変えたりカメラ
回路で従来の電子的なバイアス制御を行ってもよい。 特に、もし走査装置としてモニターCRTに同期した走
査機構を用いることができるならば、スクリーン上での
両座標軸方向の動きが連続的に等しいような細かいステ
ップで機構を駆動することができる。像は面積要素に分
割され、例えばχとy座標によって識別される。マニュ
アル又は半自動操作のために、モニター表示器には通常
カーソルがついており、電子的に作られた輝点が、各走
査毎にスクリーン上で面積要素からビデオ信号が抽出さ
れている位置を示す。オペレータのためにマニュアルで
コントロールできるスイッチがあり、目で見ながらカー
ソルを自由に動かすことができる。装置はまた、デジタ
ルなコマンドアドレスによるX及びy座標の値に応じて
、カーソルを直接希望の点に合わせることもできる。こ
のような信号はマニュアルでも、又は汎用コンピュータ
によるプログラムからでも得ることができる。 第9図に例示されるようにカウンタ102はクロック1
03からのパルスを計数し、分岐線104に連続的にX
座標を表わすデジタル信号を与える。回路106はライ
ン107にその信号に応じてX座標の最小単位毎のアナ
ログのステップ状電圧を発生させる。分割1回路108
はX軸方向のビームの走査計数を行ない分岐線109に
各掃引毎にy座標を表わすデジタル信号を与える。回路
110はこの計数に応じて、y座標の最小単位毎のアナ
ログのステップ状電圧を、ライン111に送り出す。ラ
イン107と111のステップ電圧は、カメラ9oとC
RT92のX及びy方向の走査を制御し、両者の同期状
態を保つ。カメラ90からのビデオ信号は、ライン11
2を経てモニターCRT92に送られ、スクリーン面で
スライド20の光強度の変化を再現する。 選択回路118は通常X及びYカウンタから成っており
、119で示される操作桿を手動で勤がすと、1個又は
何個かのパルスを計数して上下にカウントアツプ又はカ
ウントダウンする。その結果のデジタル信号は測定対象
となっている場所のX及びy座標を表わし、レジスタ1
17に記憶される。比較回路114は、レジスタ117
がらの特定の測定対象位置の座標とライン+04と10
9から走査ビームの×及びy座標を常に比較する。走査
スポットが記憶されていた位@(アドレス)に来ると、
通常各走査について1回ずつ、比較回路114がらスイ
ッチング回路120に動作信号が送られる。こうしてレ
ジスタ 125はそのライン123にスライド上の特定
された測定点を走査した時の光強度に相当するデジタル
信号を受ける。回路114がらの動作信号はカーソルコ
ントロール回路126にも送られ、ビデオ信号に光強度
変調パルスを重畳して、127で示されるように、モニ
タースクリーン上で選択された点を識別させる。 レジスタ125はまたライン115と116がらX及び
y座標信号を受け、また時間回路128によって作られ
た連続的な時間信号を受ける。これらの信号は全てレジ
シタ125に蓄えられ、ライン129がらのマニュアル
コントロール、又はライン130がらのコンピュータコ
ントロールによる読取り信号に応じコンピュータ100
に送られる。 コンピュータ100は測定点を個々に識別し、またどの
ようなプログラムの要求にも応じてプレート20のスポ
ットの入力情報を受は入れる。このような測定方法は、
回路的には選択回路118、レジスタ117及び比較回
路114と似ており、選択回路118は測定点の動きの
方向を選択的に指示したり、必要な位置のデジタルアド
レスを指示する電気信号に従って動作する。このような
装置を2つ作るよりも、第9図に示すように、スイッチ
133がマニュアルからオートマチックの方に切替えら
れると、操作桿119は切り離されて、選択回路118
は分岐線132を経てコンピュータ 100によってコ
ントロールされる。コンピュータ 100によるこのよ
うなコントロールをするために、既に述べたようにコン
ピュータ 100には位置や光強度の測定や、一般のパ
ラメータ誘導のプログラムが組み込まれている。 ゾーンを自動的に走査するために、プレートはインキュ
ベーションチャンバから適当に照明されて、正確に定め
られた走査位置に移される方がよい。特に光学走査装置
が電荷結合装置のように軽量でコンパクトな場合には、
例えば免疫拡散や免疫電気泳動のプレートが並んでいる
上で二次元方向に動くことのできるプラットホーム上に
走査装置を取付ける方が望ましい。このようにすると、
走査装置を用いて抗原や抗体を穴や溝に入れる目的にも
使用することができる。その目的でデジタル信号でコン
トロールできるピペットが走査装置から少し外れたとこ
ろに取付けである。走査装置からのビデオ信号は、コン
ピュータに送られ、〕ンビュータは個々の穴の形を識別
したり、自動読取りによる識別ができるようにプログラ
ムされている。走査装置のピペットを取付けたプラット
ホームがコンピュータコントロールによってプレートの
上を動き、走査軸が、ある定められた抗原穴の上に正し
く来た時に停止することができる。それからプラットホ
ームは、ピペットが丁度穴の上に来るように定められた
ある距離だけ移動し、一定量の試料が正しく穴の中に注
入される。 こうして各操作毎に適当にピペットを洗いながら全ての
穴の中に抗原溶液が注入されると、電気泳動が始まる。 同様にして電気泳動が終った後で、或いは電気泳動を行
わない場合には抗原穴に抗原を入れた直後に、この装置
によって抗体溝に抗体が入れられる。一定時間の拡散の
後に同じ走査装置が、プレートの組合せの上に沈降ゾー
ンの上を動いて走査を行う。 走査装置の走査能力はまた、穴に試料を注入する前にも
発揮される。コンピュータは抗原穴と抗体溝の相対位置
を測定するようにプログラムされており、プレートの中
で穴や溝の相対位置や寸法の正しくないものを記憶して
いる。そして規格から大きく外れたものは、試料注入の
段階で排除され、規格から僅かにずれたものについては
、最終的にパラメータを誘導する段階で、自動的に補正
される。 最初のゾーンの走査過程は、ゾーンの形成が予想される
区域の上で特定の×の値と、一定の間隔で移動するyの
値によって、連続的に測定されるアドレスからのビデオ
信号を得るために、コンピュータによってコントロール
される段階である。 レジスタ125から受は入れたビデオ光強度値は、各測
定点毎に×、y及びtがデータとして記憶される。この
ような各々のy走査が終ると、X座標は一定間隔だけ移
動し、同様にy走査が行なわれて結果が記録され、目的
の全区域をカバーするまでこれをくり返す。測定された
各光強度値は通常前回に測定され、記憶された値と比較
される。もし測定された光強度がバックグラウンド領域
の閾値以上であれば沈降ゾーンの存在を示すように定め
られている。また各々のy走査についても、ゾーンを横
切る時の最高光強度が定められ記憶されていて、等間隔
な×の値に対する一連のyの値から、ゾーンの軸が確定
される。各ゾーンのエンドポイントは×の各方向におい
て、光強度の最高点(ピーク)が認められるようなXの
最端値によって認識される。更に精密な位置測定が必要
な場合にはエンドポイント付近の一定区域で、x、yの
間隔を更に細かくして走査するようプログラムされる。 このように位置し、記録された実際の沈降ゾーンに対し
て記録されたデータに直接数学的な処理を施し、y方向
にゾーンを横切る各走査に対して、上述の直線光強変相
であるパラメータlxを得る。 そしてこれらの多値の総和を求めるとそのゾーンに対す
る総光強変相パラメータizになる。その他のパラメー
タは要求に応じて適当な計算によって求められる。 上記の測定は、1つ又はそれ以上の未知の試料とそれに
関する上記のいくつかの標準溶液を含み、未知の試料に
ついての判定が完全にできるようなプレートの1セツト
について単位測定として行うのが望ましい。このような
プレートのセットの各走査の後にコンピュータは、沈降
ゾーンが見つかった各蛋白の濃度を導出する。もしも既
に述べたように、多数の標準測定が含まれている場合は
、考えられる測定濃度は各々計算された濃度値について
求められる。コンピュータによってこのような計−を行
うことは既知である。試料の中に各蛋白の濃度から、い
くつかの独立した測定を行うことができる。一般には異
なったいくつかのパラメータを参考にして予想される誤
差に従って重みづけをして平均を求める。 もし、その平均値に対する誤差の計算値が、測定中の試
料に対して一定の範囲内に収まれば、それ以上能の測定
を行う必要はない。コンピュータはそれによって一般の
プリントアウトか最終結果の記録をしたりプログラムに
必要なできるだけ多くのオリジナルデータの収集を行う
。例えば、解析を依頼した医師がすべてのデータを磁気
テープなどに入れて将来の参考のために要求することも
できる。また免疫拡散を行ったプレートの写真を、モニ
ターCRTを通して、又は直接にでも撮ることができる
。通常、蛋白の濃度が高くない場合には、1サイクルの
走査で、対象とする蛋白の濃度を決めるのは良くない。 ある時間、即ち数分から1時間或いはそれ以上の時間、
インキュベーションを追加した後、上記の走査をくり返
し、測定用のプレートと、それに対応する標準用プレー
トが走査される。コンピュータは通常前回の走査ではゾ
ーンがなかった所に現われる新しいゾーンを探したり、
また前回に沈降ゾーンが見つかって記録されている区域
を走査し、前回の記録からゾーンの動きや拡大の程度を
探索するようにプログラムされている。こうして、コン
ピュータは走査の度毎にデータ処理を続ける。 時には別個の蛋白による2つの沈降ゾーンが極めて接近
し、正常に沈降が形成されたものが最後に交差すること
がある。免疫電気泳動によって作られたゾーンでは、こ
のようなゾーンの交差を予測するようにプログラムされ
ており、いつ交差が起るかを予測して、種々のパラメー
タを誘導する過程で適当な補正を行う。 測定中の蛋白が交差するような種類のものであれば、第
1図Bのように各プレートがゾーン出現の早期で、まだ
交差が起る前に走査される。そしてゾーンの軸とエンド
ポイントは確実に定位される。コンピュータは正規の各
走査の一部としても、実際の交差をチェックできるよう
にプログラムされている。例えば、各ゾーンの軸の測定
点の(X。 y)座標を、隣りのゾーンのそれらと比較することによ
って、交差を示す特定の閾値での座標の一致を求める。 走査にはすべて、交差の可能性のチェックも含まれてい
る。例えばコンピュータはすべてのエンドポイントを実
測値以上に延長し、隣りのゾーンの延長されたエンドポ
イントと比較する。このような軸の延長は各エンドポイ
ント付近で軸の勾配方向へ、リニアに延長するという簡
単な方法をとっている。または、観察されたゾーン軸を
、放物線、又は他の曲線に一致させて正しく延長するよ
うにしてもよい。 ゾーンの交差は、また、ゾーンの軸の勾配の変化率を計
算することによっても検出できる。或いは、ゾーンに沿
った一連の点によって軸の曲率半径を計算して検出する
こともできる。これらの関数のなめらかな普通の変化か
ら何か躍び離れた値が出ればゾーンは2つか或いはそれ
以上の交差区域を含むことを示す。 実際の交差がゾーンの半分に及ぶ時でも、交差区域内で
観測した光強度値を、交差していない残り半分で観測し
た光強度値で置換することによって、充分に正確な補正
を行うことができる。このような免疫電気泳動によるゾ
ーンの2点間の対応は、抗体溝に最も近い点Xgを中心
として、その両側に×の等しい値の間隔の所で求められ
、また直接免疫拡散を行ったゾーンに対しては、ゾーン
軸の両側について、yの等しい値の間隔の所で求められ
る。交差している区域内にある軸は、外挿によって定位
される。 必要に応じて更に正確な補正の方法も可能である。例え
ば、コンピュータはゾーンの交差していない半分側にお
いて選ばれた対称な点において測定結果を調整し、ゾー
ンの非対称性を考慮に入れるようにプログラムしである
。非対称性が検知されると、例えば交差する以前に観察
された2点と比較して、これらの値の間の比を求めて補
正係数とすることもできる。 その他の補正の例としては、実際に交差している区域で
実測された光強度値が、一部は一方のゾーンによるもの
であり、他の一部は他のゾーンによるものであることを
考慮に入れて補正する方法である。コンピュータは交差
区域での光強度値を適当な値に分割するようプログラム
されている。 適当な分割比を決めるためには、既に述べたように、交
差区域と対称な部分の夫々の値を比較すればよく、この
際上述の調整は行っても、行わなくともよい。 可能であれば、交差区域の補正には2つかそれ以上の別
々の計算をあてはめ、その結果を平均して誤差を決定す
ることが望ましい。しかし、元来は交差の区域はゾーン
全体に比べると小さな一部にすぎない。従って、交差の
区域内で正しい値を近似する場合の誤差は、受容できる
程度のものであり、最終結果に大きい影響を与える程度
のものでない。 また上述の交差の各タイプに対しても、交差に影響され
ないゾーンの部分によって得られたパラメータによって
、濃度を決めることもできる。即ち、免疫電気泳動に近
い方法に対しては、ゾーンの中央付近での測定が適して
おり、直接免疫拡散に近い方法に対してはゾーンエンド
付近での測定が適している。 当業者には既に述べた方法の多くの特徴は、本発明の範
囲内で種々の等価的な代替技術で実現させることができ
ることが了解されよう。 例えば、インキュベーション時間について連続的測定を
行う必要のないようなパラメータ値は、インキュベーシ
ョンが平衡に達したあとで求めることができる。このよ
うな測定はゾーンの構成がスタティックで安定しており
、測定を行う時間が重大な要素でないという利点を持っ
ている。 更にインキュベーションのどの時期においても沈降ゾー
ンの測定は特定の光で行うことができる。 この方法は精密な時間測定を必要としないので、通常、
反応が平衡に達した後において便利である。 以上要するに生理学的な液体中の個々の蛋白の濃度の真
の定量的測定を行うために、免疫拡散法、免疫電気泳動
及びアナログ的手段を用いて測定を行う方法及び装置を
説明した。ここに述べた方法を実際に使用する際には、
蛋白濃度の5%又はそれ以下の精度で測定されることが
実証された。本発明はこのようにして広い範囲にわたっ
て実験又は診断のための測定技術を提供するものである
。 4、図面の簡単な説明 第1図は免疫電気泳動のプレートの図であって、第1図
のAは電気泳動後の代表的な各種蛋白の分布を示し、第
1図のB、C,Dはその後の拡散と免疫沈降反応の各段
階を示している。 第2図は、スライドを測定するための装置の縦断面図で
ある。 第3図は、本発明に関して、沈降ゾーンの特性を例示す
る図である。 第4図は2種のインキュベーション時間において、沈降
ゾーンの濃淡を走査した実例を示すグラフである。 第5図は各蛋白濃度が形成する沈降ゾーンの濃淡を走査
したグラフである。 第6図はパラメータIlと時間との関係の一例を表わす
グラフである。 第7図はパラメータlzと、蛋白濃度におけるパラメー
タdlz/dtの関係例を示すグラフである。 第8図は、未知の蛋白に既知の蛋白を追加することによ
って蛋白濃度値を誘導する例を示すグラフである。 第9図は、本発明における電子走査装置の実施例のブロ
ックダイヤグラムである。 20・・・プレート21.22・・・抗原穴 24・・
・抗体溝90.91.92・・・光学的手段 94・・
・制御手段第1図 第2図 第3図 第4図 第5図 第6図 第7図 5 10 15 20 25 °!。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)蛋白を含有する抗原試料と、該抗原試料中の蛋白
    に特異的な抗体を含有する抗体源とを免疫拡散させて該
    抗原試料中の蛋白濃度を定量測定する方法であって、 上記蛋白及び抗体を、当初これら反応物質がいずれも存
    在しない支持媒体の領域を通じ反応しながら拡散し合う
    ようになして、少なくとも一つの有限長さの細長い沈降
    ゾーンを形成させることと、光学的手段により上記沈降
    ゾーンを走査して一部が該沈降ゾーン内に分布し一部が
    該沈降ゾーンの外に分布した二次元の配列のそれぞれの
    位置における沈降濃度に応答して複数の電気的信号を発
    生させることと、 上記蛋白濃度に特有な変化を表わす上記細長い沈降ゾー
    ンの形状に関するパラメータ値を上記細長い沈降ゾーン
    に沿った複数の位置において複数の上記電気的信号から
    電子的に導出することと、上記抗原試料中の上記蛋白濃
    度を定量測定する指標を得るために、それぞれ既知の濃
    度の上記蛋白を含有する複数の対照抗原溶液の等価的な
    免疫拡散により生成された対照沈降ゾーンから導出され
    た基準パラメータ値と上記パラメータ値と比較すること
    と、 上記細長い沈降ゾーン長に沿った位置の関数としての上
    記パラメータを比較して上記沈降ゾーンに沿って分布し
    た不規則または非対称の沈降状態の存在を検知し、これ
    により蛋白の異常性の存在を検出すること を含むことを特徴とする蛋白の定量分析方法。
  2. (2)前記パラメータが複数のゾーンセグメントにおけ
    る沈降ゾーンの曲率である特許請求の範囲第(1)項に
    記載の蛋白の定量分析方法。
  3. (3)前記パラメータのそれぞれが前記沈降ゾーンを横
    切って分布された複数の位置における信号値の総計であ
    る特許請求の範囲第(1)項に記載の蛋白の定量分析方
    法。
  4. (4)蛋白を含有する抗原試料と、該抗原試料中の蛋白
    に特異的な抗体を含有する抗体源とを免疫拡散させて該
    抗原試料中の蛋白濃度を定量測定する方法であって、 上記免疫拡散に先立ち、上記抗原試料を、上記抗体源と
    相互に拡散する方向とは直交する方向に選択的な蛋白の
    移動を行なわせることと、 上記蛋白及び抗体を、当初これら反応物質がいずれも存
    在しない支持媒体の領域を通じ反応しながら拡散し合う
    ようになして、少なくとも一つの有限長さの細長い沈降
    ゾーンを形成させることと、光学的手段により上記沈降
    ゾーンを走査して一部が該沈降ゾーン内に分布し一部が
    該沈降ゾーンの外に分布した二次元の配列のそれぞれの
    位置における沈降濃度に応答して複数の電気的信号を発
    生させることと、 上記蛋白濃度に特有な変化を表わす上記細長い沈降ゾー
    ンの形状に関するパラメータ値を上記細長い沈降ゾーン
    に沿った複数の位置において複数の上記電気的信号から
    電子的に導出することと、上記抗原試料中の上記蛋白濃
    度を定量測定する指標を得るために、それぞれ既知の濃
    度の上記蛋白を含有する複数の対照抗原溶液の等価的な
    免疫拡散により生成された対照沈降ゾーンから導出され
    た基準パラメータ値と上記パラメータ値と比較すること
    と、 上記細長い沈降ゾーン長に沿った位置の関数としての上
    記パラメータを比較して上記沈降ゾーンに沿って分布し
    た不規則または非対称の沈降状態の存在を検知し、これ
    により蛋白の異常性の存在を検出すること を含むことを特徴とする蛋白の定量分析方法。
  5. (5)前記パラメータが複数のゾーンセグメントにおけ
    る沈降ゾーンの曲率である特許請求の範囲第(4)項に
    記載の蛋白の定量分析方法。
  6. (6)前記パラメータのそれぞれが前記沈降ゾーンを横
    切って分布された複数の位置における信号値の総計であ
    る特許請求の範囲第(4)項に記載の蛋白の定量分析方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021080014A1 (ja) * 2019-10-25 2021-04-29 メタウォーター株式会社 濃度測定方法、濃度測定装置およびプログラム

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54137399A (en) * 1978-04-14 1979-10-25 Jiei Arajiemu Furederitsuku Method and device for analyzing quantity of protein by immunological electrophoresis

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