JP2005291759A - 二次元画像による病症診断システム - Google Patents

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通雅 岸本
Hisao Otake
久夫 大竹
Takeshi Omasa
健史 大政
Katsuhiko Tomita
勝彦 冨田
Koichi Okumura
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Abstract

【課題】 病症診断に対する客観的な判断の指標を提供し、これを用いた簡便かつ高精度の病症診断システムを提供する。
【解決手段】 2以上の診断用画像の対比による病症診断において、標本1をもとに造影手段によって二次元画像を作製するとともに、該画像に現出するスポットに対し、位置補正および濃淡補正に加え、造影に伴うバックグランドの経時変化の補正を行うことを特徴とする。前記二次元画像を得るために、造影操作および撮像操作を制御された一定時間ごとに交互に繰返し行うことを特徴とする。前記二次元画像が、外部標準を加えた標本1をもとに作製されたものであることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二次元画像による病症診断システムに関するもので、特に二次元電気泳動画像を用いて肝臓癌などの癌の組織を高感度で、かつ簡便に検出する場合に有用である。
近年、病症診断においては、直接対象となる細胞を基に行う診断が重要な地位を占めるようになってきている。特に、癌の診断においては、異常な組織とその周辺の正常組織とを取り出し、その比較解析を行うことで、癌組織の進み具合あるいは良性や悪性の判断が可能な場合あるいは実行される診療機関も増加してきている。
例えば、固形上皮腫瘍または他の異常性(例えば、直腸結腸炎)の診断の方法として、上皮細胞から間質をサイズ分離する工程、依然として存在するほとんどの他の組織から、上皮細胞に特異的なモノクローナル抗体と該組織とを反応させることによって上皮細胞を分離する工程、抗体に結合した反応細胞を採集し、そして抗体からそれらを放出させることによって上皮細胞を分離する工程であって、それにより該サンプルが、サンプルの全組織の体積で少なくとも90%の上皮細胞を含む、工程、およびサンプルの少なくとも1つの表現型または遺伝子型の特徴を対応する正常上皮細胞と比較する工程を包含する、方法が提案されている。図9は、この方法によって作製された、細胞調製物の正常な結腸直腸上皮細胞に存在するタンパク質の二次元ゲルマップである(例えば特許文献1参照)。
また、組織あるいはたんぱく質を二次元電気泳動により分析し、作製された二次元画像をもとに病症診断を行う方法が提案されている。図10は、その発明の一実施形態にかかる電気泳動装置および画像処理装置について説明するための模式図であり、電気泳動パターンを撮像した電気泳動画像のコントラストを強調させて目視で容易にスポットを確認できるようにしている。つまり、図10(A)に示すように、電気泳動装置10を用いて例えば二次元電気泳動法によってタンパク質(生体高分子,測定対象物)を含む測定標本を電気泳動させてプレートPに電気泳動パターンを形成する。次に、図10(B)に示すように、電気泳動パターン中のタンパク質を例えばCBB染色法,銀染色法,蛍光染色法等によって染色する。次いで、図10(C)に示すように、染色された電気泳動パターンをデジタル化して電気泳動画像(電気泳動パターンの画像データ)として取り込む。そして、画像読取装置11によって読み込まれた電気泳動画像を電気泳動画像処理装置12に取り込んで電気泳動画像を解析している(例えば特許文献2参照)。
特表2001−521631号公報 特開2003−29304号公報
しかしながら、病症診断においては、正常あるいは異常と見られる細胞を処理し画像上で両者を比較することが好ましく、両画像を形成するスポットが明確であることが適切な判断を導く上で非常に重要である一方、作製された画像全体に対して、上記のように一律的に画像強度分割によって境界を認定することは、正確なスポットを確認していない、との発明者の知見が得られている。
つまり、従来技術で述べた病症診断方法では、こうしたスポットの明確な画像の形成が困難であり、以下のような課題が生じることがあった。
(1)染色法のような処理を施すと画像自体に経時変化が生じることから、対比する画像が同等視できない。
(2)スポット領域同士が重なりをもった場合においては、その境界が不明確になることから、やはり正確な対比が困難となる。
(3)画像の撮像時におけるゲルの条件あるいはゲルマップや電気泳動パターンと撮像装置との配置関係によって、画像におけるスポット位置のズレが生じることから、正確な対比が困難となる。
また、二次元電気泳動のみでは微量たんぱくの検出が困難であり、汎用性のある病症診断は実質的にできず、特に癌組織の診断においてはスポットの境界の認定が困難となり、正確な判断ができない状況であった。ここで、二次元電気泳動と銀染色の組合せは、比較的検出感度の高いことから、画像を作製した場合であっても、高感度化に伴い上記のような経時変化の影響を大きく受けることから、特定対象を撮像したスポットの境界の認定は一層困難であった。
つまり、本発明は、複数画像の比較による同一スポットの特定・比較において、(1)スポット位置のずれ、(2)スポットごとの濃淡の相違、(3)画像の経時変化およびスポットごとの変化の相違、(4)領域の重なりによる境界の不明確さ、などによる誤差の排除が課題となる。
また、画像上に現れるスポットには、病症診断特有の非常に重要なスポットがあり、専門医の判断時にこうした特異点の見過ごしがないように、スポットの重要性に応じた明示も必要となる。
さらに、現在、癌などの疾病に対しては、現状専門医の経験による判断に頼るしかない状況であるが、こうした専門医の経験による判断に加え、より客観的な判断の指標が求められており、今後、こうした指標を提供しうる病症診断システムが要請されている。
つまり、本発明の解決しようとする課題は、病症診断に対する客観的な判断の指標を提供し、これを用いた簡便かつ高精度の病症診断システムを提供する点である。特に、二次元電気泳動画像を用いて肝臓癌などの癌の組織を検出する場合における、より客観的な判断の指標を提供が重要である。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す病症診断システムにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、2以上の診断用画像の対比による病症診断において、標本をもとに造影手段によって二次元画像を作製するとともに、該画像に現出するスポットに対し、位置補正および濃淡補正に加え、造影に伴うバックグランドの経時変化の補正を行うことを特徴とする。
つまり、細胞や蛋白質などの生体標本をもとに造影手段を用いて作製された画像による病症診断においては、対比する画像、具体的には画像に現出されるスポットの位置や濃淡のズレや誤差を補正する必要がある。本発明者は、さらに、こうした画像においてはバックグランドが変化しており特定時間における画像だけでは正確な診断は困難であることを見出しもので、前記補正に加え、バックグランドの経時変化の補正を行うことで、より客観的な判断の指標を提供することができる。また、こうした補正によって、上記の課題解決のみならず、重なり合ったスポットが時間を遡ることにより、元は複数スポットからなることを自動的に明らかにすることができる。本方法は、こうした点にも、従来にはない一歩進んだ大きな利点がある。さらに、画像全体に対する一律的な決定方法ではなく、個々のスポットの特性に応じた補正が可能であり、より精度の高い指標の提供を行うことができる。
なお、本願並びに特許文献にいう「スポット」とは、二次元画像上に表された小領域あるいはその集合体であって、測定対象の特性を示すためにバックグランドと区分された領域をいう。また、「位置補正」「濃淡補正」「バックグランドの経時変化の補正」とは、後述する補正方法に基く画像データに対する補正をいう。
本発明は、上記病症診断システムにおいて、前記二次元画像を得るために、造影操作および撮像操作を制御された一定時間ごとに交互に繰返し行うことを特徴とする。
上記のように、造影段階における画像については、バックグランドの経時変化の補正が必要であるが、正確な補正を確保するためには造影操作および撮像操作を時間管理することが好ましい。こうした適切な時間制御を行うことで正確な補正を行い、より鮮明かつ客観的な判断の指標を提供することができる。
本発明は、上記病症診断システムにおいて、前記二次元画像が、外部標準を加えた標本をもとに作製されたものであることを特徴とする。
上記のように、病症診断に用いられる二次元画像は位置・濃淡・経時変化の補正を必要とするが、造影操作あるいは撮像操作を経由しても変化がなくかつ画像として分離可能な標準物質を加えて標本を作製し、これをもとに作製された二次元画像によれば、画像の補正における基準スポットとすることができる。
本発明は、上記病症診断システムにおいて、前記二次元画像が、二次元電気泳動をもとに作製されたものであることを特徴とする。
二次元電気泳動は、従来から蛋白質の分析などにおいては多く利用され、病理学にも大いに貢献してきたが、上記のような課題から、癌組織などの病症診断には限界があった。本発明の手法によって、こうした課題の多くを解消することができることから、二次元電気泳動は癌組織などの病症診断の有力手段といえる。つまり、二次元電気泳動によって作製された二次元画像を、全体ではなくスポット単位の補正、特に経時変化を補正することによって、画像自体の信頼性・客観性が向上し、病症診断における客観的な判断の指標とすることができることとなった。
本発明は、上記病症診断システムにおいて、前記二次元電気泳動をもとに銀染色反応を利用してプロテオーム解析を行うに際し、複数の経時画像を用いて銀染色の経時変化に基くバックグランドの変化を補正することを特徴とする。
癌組織などの病症診断には、微量蛋白質に対する識別能力が必要である一方、上記のような課題から二次元電気泳動による実用化は困難であった。本発明は、蛋白質に対する感度が高く、操作、保守の容易な方法として知られている銀染色反応を二次元電気泳動に適用するとともに、銀染色の経時変化を適切に補正してプロテオーム解析を行うことで、二次元画像による正確な病症診断を可能としたものである。
以上のように、本発明は、細胞や蛋白質などの生体標本をもとに造影手段を用いて作製された画像について、スポットの位置や濃淡の補正に加えバックグランドの経時変化の補正を行うことで、病症診断に対するより客観的な判断の指標を提供することができる。特に、二次元電気泳動をもとに銀染色反応を利用したプロテオーム解析においては、信頼性が高く高精度の画像による客観的な病症診断が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
以下に、標本採取から二次元画像の作製および画像に基くプロテオーム解析にいたる本発明に係る病症診断システムの操作プロセスを説明する。ここでは、標本として癌細胞およびその周辺の正常細胞、処理手段として二次元電気泳動法、造影手段として銀染色反応を利用し、二次元画像を作製した場合を例に挙げる。
(1)対比する標本の採取
図1(A)に示すように、手術で切除された2つの標本1を準備する。図1(B)のように、癌組織を一方の標本としたときには、他方はその生体部位周辺の正常組織であることが好適である。臓器が異なる場合や臓器と皮膚などのように生体部位が変わると、同一処理による比較が困難であるためである。
(2)標本の前処理
各標本を二次元電気泳動法によって処理するための試料溶液を作製する。具体的には、図2に示すように、標本1を高濃度尿素液などの膨潤液2を添加しながら、乳鉢3などですりつぶし混合することによって膨潤処理を行い、細胞たんぱくを溶液に溶解させる。これを、両方の標本について行い、2つの試料溶液を得る。
このとき、予め外部標準を添加することが好適である。例えば、二次元電気泳動法によって分離可能な物質と分離しない物質を添加することで、2つの標準点を含む二次元画像の作製が可能となる。従って、後述のように、画像データに対し外部標準を基準値として補正することが可能となるとともに、外部標準を基準値として画像情報を規格化することが可能となる場合には、規格化された二次元画像情報をもとに、各種の標本と比較することも可能となるという技術的効果を得ることができる。さらに、こうした画像情報をデータベース化しておくことで、標本の適正などの解析プロセスの検証を行うことも可能となる。具体的には、上記の例では、分離可能な物質として銀反応を生じる特定の標準たんぱく質(例えば、アルブミンなどが候補となる)や反応性ポリマーなどを挙げることができ、分離しない物質として不活性ナポリマーや金属体やセラミックスなどを挙げることができる。
(3)二次元電気泳動パターンの作製
各試料溶液を二次元電気泳動装置に注入し、各々の電気泳動パターンを作製する。つまり、電気泳動ゲルを用いて、一次処理としてタンパク質を電気的な性質で分ける等電点電気泳動を行い、二次処理としてタンパク質の分子量で分けるSDS電気泳動を行うことによって、図1(C)に示すような二次元の電気泳動パターンを図10と同様のプレートPに作製することができる。
(4)銀染色による二次元画像の作製
得られた二次元の電気泳動パターンに対し、蛋白質の銀染色反応を利用して造影する。ここで、染色方法としては、例えば、CBB染色法のような簡便な操作で容易に染色できる方法など適用することが可能であるが、検出感度の面では、銀染色反応が好ましい。また、この場合、特殊な装置を用いずに、例えばスキャナやデジタルカメラ等の画像読取装置によって取り込めるように、電気泳動パターンを染色できる方法が好ましい。
具体的には、プレートPに例えば硝酸銀溶液のような銀化合物の溶液を注入し、プレートPを揺動して、攪拌しながら均一に銀染色反応を進める。これを一定時間、例えば1分間隔ごとに揺動・撮像を繰り返すことで、一連の経時的画像の作製が可能となる。
図3は、このときの揺動・撮像装置を例示したもので、(A)現像液4中のプレートPを外部の振とう駆動手段5によって揺動する振とう型、(B)現像液4中のプレートPを現像液4の循環流6によって揺動する循環流型などが用いられる。特に(B)については装置のコンパクト化を図る場合に適している。ともにプレートP上に造影された画像を現像液4によってスポットを明瞭にするために現像処理をしながら一定時間ごとに光源7からの光によって形成された像をCCDカメラ8で撮影する。撮影時には、揺動を停止し静止状態での経時画像を得ることができる。
同一標本の反応の進行に伴う銀染色画像の経時変化を、図4(A)〜(H)に示す。時間の経過に伴い、特定の蛋白質に対応するスポットが明確になってくる様子が判る。
従来法においては、銀染色反応開始後のほぼ同一時間経過後の状態を画像化し比較していたが、実際には、例えば、図4(F)のデータと図4(E)あるいは(G)と比較していたことになっている場合も少なからずあり、正確さに欠ける結果となっていた。本発明においては、経時変化に伴う画像データを入手することで、比較する最適な画像の選択や下記の補正が可能となり、客観的な判断の指標とすることができる。
なお、本発明にいう「二次元画像」とは、撮像によって得られた表示画像だけではなく、デジタル化された画像情報およびその他のあらゆる形態での画像情報をも含むことはいうまでもない。また、こうした画像情報は、同一標本による情報だけではなく、同一臓器の同一部位における異なる標本、あるいは、同一臓器の別人の異なる標本などの広い対象についての情報をデータベース化されたものを画像表示する場合をも含み、特に規格化が可能な場合には、規格化された二次元画像情報を標本と比較することも可能である。
(5)二次元画像の経時変化の補正
上記の二次元画像の作製においては、例えば、図4(A)〜(H)に示すような画像の経時変化が生じることを述べた。これを、同図におけるa〜cのスポットおよびバックグランドgについての濃度の経時変化として捉えると、図5のような、バックグランドの上昇と各スポットの反応に伴う強度変化としての関係が得られる。このとき、各スポットの反応に伴う強度変化は、バックグランドの経時変化を補正すれば、ほぼ相似した曲線となり、近似した関数化が可能である。従って、経時変化の補正方法としては、バックグランドの経時変化量だけでなく、スポットの広がり(面積)の変化についても行うことが可能となる。具体的には、バックグランドの経時変化量を補正した後、各スポットの安定した強度を算定することができる。また、後述する濃淡補正におけるベースおよびスポットの強度の算定に、バックグランドの経時変化量を補正した強度を用いて濃淡補正を行い、次に、各スポットの同一時間での画像領域の設定を行うことで、各スポットの経時変化を補正した画像の作製ができる。さらには、各スポット単位での補正だけでなく、画像全体としての補正を行うことが、さらなる高精度化を図ることとなる。
あるいは、予め外部標準を加えた標本を用いた場合には、画像データに対し外部標準を基準値として画像の経時変化を補正することが可能となり、より簡便に精度よく補正することができる。また、外部標準を基準値として画像情報を規格化することができる場合には、規格化された二次元画像情報をもとに、各種の標本を補正することも可能となる。
(6)二次元画像の濃淡補正
本発明者の研究によって、二次元画像のスポットの境界近傍の画像の濃淡を調べると、次の傾向があることの知見が得られた。つまり、(a)図6に示すように、ベース領域を始点として、比較的フラットな領域Aから、急激に変化する領域Bを経て、濃度の高い領域Cに移行してスポットが形成されている。(b)各スポットの濃淡の差(最高強度DとD’の差)はあっても、その曲線は非常に相似的なものとなる。
そこで、スポットの領域設定においては、スポットごとに、上記曲線を関数化して領域Bの始点あるいは中間点を求め、それを結んで境界線を設定してスポット領域を決定する方法が挙げられる。また、最高強度の分数値、例えば1/10あるいは1/20など、の点を結んで境界線を設定してスポット領域として決定する方法が挙げられる。さらには、上記曲線の特異点を境界点と定め、これを結んで境界線を設定してスポット領域として決定する方法が挙げられる。ここで、「曲線の特異点」とは、予め設定可能な、境界決定の基準となりうる客観的条件を満たす点をいい、具体的には、最高強度までの分割点(例えば5%立上り点など)や曲線上の変曲点または関数の微分値が基準値を超える点のように傾斜が変化する点などが該当する。
あるいは、予め外部標準を加えた標本を用いた場合には、画像データに対し外部標準を基準値として濃淡の補正することが可能となり、より簡便に精度よく補正することができる。また、外部標準を基準値として画像情報を規格化することができる場合には、規格化された二次元画像情報をもとに、各種の標本を補正することも可能となる。
(7)二次元画像の位置補正
対比する2以上の画像におけるスポットの位置補正は、両画像を重ね合せ、比較的相似形で領域の重なりが大きな任意の2以上のスポットを選定し、両画像の同一スポットの特定を行い、両スポットが重なるように、二次元補正を行う。このとき、選定するスポットは極力大きい方が、重ねたときと補正精度の向上が期待できることから好ましく、また、3以上のスポットを選定し、最も重なりの悪いスポットを選定からはずすことによって、補正精度の向上が期待できる。
また、位置補正は、基本的には上記の濃淡補正処理を行った後に行うことが好ましい。濃淡補正前では、スポットの領域が不明確であり、領域の重なりの割合を判断することが難しく、結果補正精度の悪化を招くおそれがあるためである。
さらに、予め外部標準を加えた標本を用いた場合には、画像データに対し外部標準を基準値として位置の補正することが可能となり、より簡便に精度よく補正することができる。特に、例えば、二次元電気泳動法によって分離可能な物質と分離しない物質を添加することが可能な場合には、2つの標準点による補正ができ、さらに精度の向上を図ることができる。また、外部標準を基準値として画像情報を規格化することができる場合には、規格化された二次元画像情報をもとに、各種の標本を補正することも可能となる。
(8)二次元画像の表示
上記(5)〜(7)の補正をおこなうことで、対比すべき二次元画像が完成し、プロテオーム解析が可能となる。なお、上記(5)〜(7)の補正は、1度行うことで十分精度の向上を図ることができるが、これを繰り返すことで、さらに精度の高い補正が可能となる。プロテオーム解析に際しては、二次元画像を対比しやすいように、マルチ画面が好ましく、例えば、図7(a)各画像の全体画面、(b)比較する画像の任意の範囲の原画面、(c)比較する画像を重ね合わせた画面、(d)特定部位の拡大原画面、(e)特定部位を拡大し、比較する画像を重ね合わせた画面、のように、いずれか任意の画面を並列的に表示する方法が挙げられる。こうした画面の配列、大きさ、色彩などを任意に組合せることで、非常に使い勝手のよい病症診断システムができる。
(9)二次元画像の対比
二次元画像の対比は、図8(A)に示すように、両画像内の対応するスポット同士の照合によって行われる。具体的には、癌組織標本から得られた二次元画像中のスポットxが、正常組織標本から得られた二次元画像中にはないことが判る。
二次元画像の対比においては、図8(B)のように、対応するスポット同士にはその間に跨る記号を表示することが好ましい。目視の判断においても速やかに相違点が判り、診断の迅速化を図ることができる。むろん記号に限定されず、対応するスポットがない場合には、フラッシングや色彩を変化させるなど種々の明示方法の適用が可能であることはいうまでもない。
また、予め外部標準を加えた標本を用いた場合には、画像データに対し外部標準を明示することで、それを基準として対比することが可能となり、より迅速に判断することができる。また、外部標準を基準値として画像情報を規格化することができる場合には、規格化された二次元画像情報を基準とすることも可能となる。
(10)病症の診断
上記の例によれば、図8(B)のように、二次元画像の比較によって、スポットxに対応する組織あるいはたんぱく質が、発生した癌組織に関連する可能性を示していると判断され、係る部位を取出し、例えば、所定の前処理後にTOF−MASS(時間飛行式質量分析法)によって測定された結果と併せて、病症の判断が行われる。なお、発症の有無の判断については、画像のすべての点をもとに行う必要はなく、数〜数十の特異点をもとに行えば十分である。多くの症例から、病症特有の特異点があることが知られており、上記データベースの蓄積が進めば、自動的に病症を判断することも可能となる。
以上は、主として癌組織を含む生体試料を中心に述べたが、同様の技術は、癌組織以外の生体病症診断などにおいても非常に有効であり、上記に限定されるものでないことはいうまでもない。
また、二次元画像の作製において、電気泳動法を中心に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、生体試料における電荷あるいは抵抗値の分布などを画像処理することによって二次元画像の作製を行う場合においても適用可能である。
標的蛋白の検出方法(正常組織と癌組織)を例示する説明図 組織から二次元電気泳動用試料溶液を作製する方法を例示する説明図 銀染色反応による経時画像の作製手段を例示する説明図 銀染色画像の経時変化を例示する説明図 銀染色におけるバックグランドの経時変化とスポット強度の経時変化を例示する説明図 二次元画像におけるスポット領域の境界での強度分布を例示する説明図 本発明に係る二次元電気泳動装置および画像処理装置における表示画面を例示する説明図 二次元画像の対比によるスポットの比較、同定操作を例示する説明図 二次元画像の一例であるタンパク質の二次元ゲルマップを例示する説明図 二次元電気泳動装置および画像処理装置について説明するための模式図
符号の説明
1 標本
2 膨潤液2
3 乳鉢
4 現像液
5 振とう駆動手段
6 循環液
7 光源
8 CCDカメラ
P プレート
a〜c、x スポット
g バックグランド

Claims (5)

  1. 2以上の診断用画像の対比による病症診断において、標本をもとに造影手段によって二次元画像を作製するとともに、該画像に現出するスポットに対し、位置補正および濃淡補正に加え、造影に伴うバックグランドの経時変化の補正を行うことを特徴とする病症診断システム。
  2. 前記二次元画像を得るために、造影操作および撮像操作を制御された一定時間ごとに交互に繰返し行うことを特徴とする請求項1記載の病症診断システム。
  3. 前記二次元画像が、外部標準を加えた標本をもとに作製されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の病症診断システム。
  4. 前記二次元画像が、二次元電気泳動をもとに作製されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の病症診断システム。
  5. 前記二次元電気泳動をもとに銀染色反応を利用してプロテオーム解析を行うとともに、複数の経時画像を用いて銀染色の経時変化に基くバックグランドの変化を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の病症診断システム。
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