JPS6117949B2 - - Google Patents

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JPS6117949B2
JPS6117949B2 JP52083009A JP8300977A JPS6117949B2 JP S6117949 B2 JPS6117949 B2 JP S6117949B2 JP 52083009 A JP52083009 A JP 52083009A JP 8300977 A JP8300977 A JP 8300977A JP S6117949 B2 JPS6117949 B2 JP S6117949B2
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JP
Japan
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jelly
binder
water
fibers
web
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JP52083009A
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English (en)
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JPS5418965A (en
Inventor
Masanori Goto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
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Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、折り角がなく強靭で且つ柔軟性に優
れた繊維シートの製造方法に関する。
従来より、柔軟なシートを製造する一手段とし
て、シート構造体中の繊維と結合剤との間に空隙
を設けて繊維自体がある程度自由に動けるように
することにより柔軟性を得ようとする技術思想が
あり、例えば特公昭44−21835号、同47−21275
号、同48−28043号など数多くの技術が提唱され
ている。即ち、これらは繊維ウエブを水溶性高分
子で予め処理して繊維周面に付着させた後、次い
で結合剤を付与し凝固又は乾燥せしめ、しかる後
水溶性高分子を抽出することにより達成せられて
いる。
これら従来方法において抽出物質としては例え
ばポリビニルアルコール、カルボキシメチルセル
ロース、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル
アミド等の水溶性高分子が使用されており、一
方、主体となる結合剤としてはポリウレタン合成
ゴム等の水混和性有機溶剤溶液である場合が殆ん
どである。この理由として抽出物質が水溶性であ
るため、結合剤として水系のものを使用すると含
浸工程中に予め付着している水溶性高分子が結合
剤液中の水分により容易に溶解し繊維表面から結
合剤液中に分散してしまうため、結合剤粘度が上
がつたり含浸時のトラブルが起こるなど所望の目
的が全く達成されないからである。
従つて、水系結合剤を用いる場合の抽出物質と
しては、水不溶で有機溶剤可溶の例えばポリ酢酸
ビニルやポリ塩化ビニル等の合成樹脂を用いて後
処理としてメタノールや酢酸エチル等の有機溶剤
で抽出除去するものがある。しかしながらこれら
のプロセスは有機溶剤を必要とするためその毒
性、引火性等により取り扱いに特別な注意を要
し、実際にはこの方法では行なわれていない。
一方、このような抽出による造孔効果は、結局
抽出物質の付着体積に関係するから、これを大き
くするためには、かなり多量の抽出物質が必要で
あり、通常繊維ウエブ重量の1.5%〜30%程の重
量で付着さられているが、これは経済的にも不利
であるばかりか、多量の抽出物質で処理された基
材は、その後の結合剤含浸工程でその浸透性が著
しく阻害されたり、又最後の抽出工程では非常に
長時間を必要とするため、生産性の低下をひき起
こすものであつた。
そこで、本発明者は、この技術における造孔物
質について鋭意研究した結果、カードランの如き
グルコースを主たる構成糖とし、β−1.3結合を
主結合とする多糖類の水分散液が単に加熱するだ
けで水分を全て含んだ状態で水や溶剤に不溶性の
固い寒天状のようないわゆるゼリーになること、
及びこのゼリーは乾燥すると体積が著しく低減す
る現象を見い出し本発明に到つたものである。
つまり、本発明を簡単に説明すると、例えばカ
ードランのようなグルコースを主たる構成糖と
し、β−1.3結合を主結合とする多糖類の低濃度
水分散液を編織地、不織フリース等の繊維ウエブ
に含浸した後、水分散液を加熱することにより全
水分を含んだ状態でゲル化すなわちゼリーとなし
て構成繊維の周面にゼリー層を形成させ、次いで
結合剤液を含浸し凝固、乾燥することによりゼリ
ーを介して結合剤をウエブ内に沈積させ、ゼリー
層は結合剤の沈積と同時かあるいは沈積後に処理
し、例えばゼリーを乾燥、脱水して体積を激減さ
せたりあるいはゼリーをアルカリに溶かして抽出
して構成繊維と結合剤との間に空隙を生ぜしめる
ことよりなる。
ここで本明細書中に用いる「ゼリー」なる用語
について簡単に説明する。一般に、コロイド溶液
の凝固物をゲルと称するが、ゲルには全水相を含
み不動化水となつて固化するもの(ライオゲル)
と、水は全く含まないか、又は移動自由な水を含
んで凝固するもの(コアゲル、沈澱ゲル)とがあ
る。本明細書中に用いる「ゼリー」という用語は
前者を意味しており、このゼリーの性質を示す一
般的な例としては寒天やゼラチンがある。
さて、本発明において使用されるグルコースを
主たる構成糖とし、β−1.3結合を主結合とする
多糖類とは、分子構造の大部分が の繰り返し単位からな多糖類をさし、例えば、カ
ードラン、パラミロン、パキマン、カロースなど
がある。カードランはグルコースを構成糖とし、
β−1.3グルコシド結合を主結合とする多糖類
(β−1.3−グルカン)であり、 の構造式で表される。カードランは例えば、細菌
10C3(Alcaligenes faecalis var myxogenes
10C3)の変黄株Kをグルコール5%、酵母エキ
ス0.75%の培地で培養して生成される。カードラ
ンは不溶性の多糖類で、培養中には菌体の周囲を
とりまいた状態で沈澱するので、この沈澱物をア
ルカリ処理して菌体を除去した後、中和して抽出
すれば得られる。また、パラミロンとパキマンは
β−1.3のグルコサイド結合を大部分とする多糖
類で、パラミロンはコーグレナ(Euglena
gracilis)の細胞中の顆粒として知られており、
パキマンはマツホド(Pachyma hoelen
Rumphius)の菌核の成分として知られている。
この菌核は粉未にして茯苓と呼ばれている。カロ
ースはβ−1.3のグルコサイド結合を大部分とし
てウロン酸を少量含む多糖類で、高等植毛の根
毛、花粉管、導管などに含まれている。これらの
うちカードランはとくにゲル化度、ゲル速度など
の点で他より優れており、本発明の造孔物質とし
て最適である。
このように本発明では単に加熱するだけで瞬時
に全水相を固化してゼリーを形成する感熱凝固性
多糖類を利用しているため次のような多くの利点
を有している。
まず第1に、本発明に使用される多糖類の水分
散液は感熱凝固性を有しているので、従来のよう
な乾燥時のマイグレーシヨン現象は全く起こら
ず、含浸した時の状態のまま付着でき、従つて繊
維ウエブ内の構成繊維周面に均一に付着できるた
め生産速度、品質の再現性などが向上する。
第2に、このゼリーは95%以上の水分を含有す
る固型物であり、造孔効果はこの多量の水分が主
体であるため従来の造孔物質が水溶性高分子の乾
燥物であつたことから考えると非常に体積が大き
く繊維ウエブに対する造孔物質の付着量は極めて
少量で済むことになり非常に経済的である。
第3に、繊維ウエブ内の構成繊維周面に形成さ
れたゼリーは構成繊維に強固に固着され、ゼリー
の水分は全く外部に流出することがないため後処
理でウエブの絞搾、含浸等の機械的応力に対して
も何らの変形も生じないものであり、工程安定化
に寄与する。
第4に、このゼリーは水及び有機溶剤に対して
全く不溶性であるため、次の工程で含浸する結合
剤としては従来使用されている有機溶剤系結合剤
は勿論のこと、今まで殆んど使用されていなかつ
た例えばクロロブレン,NBR,SBR,MBR,ポ
リアクリレート、ポリウレタンなどのラテツク
ス、エマルジヨン型の水系結合剤も広く使用でき
るので作業性、経済性の面で非常に改善されると
同時に、特徴ある多種多様の製品の製造が可能と
なる。
第5に、結合剤が例えばリウレタンのDMF溶
液のように水を非溶媒とする場合、繊維ウエブ内
に含浸された結合剤は既に付着しているゼリーに
接触してその水分によりゼリー表面で凝固され
る。この場合ウエブ内部にはフリーの水分は全く
なく、又、ゼリー中の水分は移動し得ないため結
合剤の凝固は結合剤がウエブ内に完全に含浸され
てから経済的に起こるのであつて、ウエブ内部に
浸透するまでに凝固が生じてしまうことは決して
ない。この凝固作用により結合剤の造孔界面が完
全に固定されるので、その後の凝固工程時や乾燥
工程時にもその界面は流動せず、従つて均一且つ
確実に空隙部分が生じるのである。
最後に、本発明ではゼリーを単に乾燥するだけ
で自生的に空隙が生じるため、必ずしも造孔物質
を抽出する必要はなく、又、これは繊維との接着
力も実質的に弱いため単に引張加工や揉み加工な
どの機械的加工を施すだけで極めて柔軟なシート
が得られる。しかし、この残留多糖類はアルカリ
可溶であり従来のように抽出除去することも可能
である。ゼリーもまたアルカリに可溶であるので
結合剤液を凝固させた後乾燥、脱水しないでゼリ
ーを抽出することも可能である。
以上のように本発明は従来に比して数多くの利
点を有しており、得られる繊維シートは繊維と結
合剤との直接的な結合が殆んどなくシート内部に
数多くの空隙が存在するため極めて柔軟で通気性
を有する強靭な多孔構造体であつて、これは衣料
用や靴、鞄用の人工皮革、合成皮革として最適で
あるが、他に衣料用芯地、ワイピングクロス,テ
ーブルクロスなど広範囲な用途に有用である。
以下に実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明す
る。
実施例 1 3デニール、51mm長のポリエステルステーブル
繊維からなるランダムフリースを300本/cm2の針
密度でニールドパンチングを行い、重量200g/
m2のニードルフエルトを得た。これにカードラン
を微粉末の2%水分散液を固型分率で2%となる
よう均一に含浸し、直ちに160℃に加熱して付与
液をゼリーとなし、繊維周面に固着させた。次い
でNBR系ラテツクスの感熱配合組成物を均一に
含浸し、繊維/結合剤比が50/50となるよう絞り
ロールで調整した。これを150℃のオーブンで加
熱することにより結合剤を凝固させた後、乾燥し
ゼリーを脱水した。最後にこれを揉み加工で処理
して得られた不織布シートは、繊維と結合剤との
実質的な結合が殆んどなく極めて柔軟な風合を有
していた。
実施例 2 ナイロン系トリコツト編地に対して実施例1と
同様な方法でカードラン分散液を付与しゼリーと
なした後、ポリエーテル系ポリウレタンの15%
DMF溶液を含浸し、繊維/結合剤比が60/40とし
た。これを40℃の水中に含浸して完全に凝固さ
せ、洗浄した後乾燥し、ゼリーを脱水し最後に引
張加工機で処理した。得られた繊維シートは、編
地の特性が失なわれることなく結合剤が独立した
形で三次元的に付着しているので特に伸縮性に富
んだ風合のソフトなものであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 グルコースを主たる構成糖とし、β−1.3結
    合を主結合とする多糖類の水分散液を繊維ウエブ
    に付与し、該水分散液を加熱することによりゼリ
    ーとなして該繊維ウエブの構成繊維周面に付着さ
    せ、次いでゼリーを介して結合剤を該繊維ウエブ
    内に沈積させること及びゼリーを処理して該繊維
    ウエブの構成繊維と結合剤との間に空隙を形成す
    ることを特徴とする柔軟シートの製造方法。 2 ゼリーを処理する手段としてゼリーを脱水し
    て該ゼリーの体積を激減せしめる手段を用いる特
    許請求の範囲第1項記載の柔軟シートの製造方
    法。
JP8300977A 1977-07-13 1977-07-13 Production of flexible sheet Granted JPS5418965A (en)

Priority Applications (1)

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JP8300977A JPS5418965A (en) 1977-07-13 1977-07-13 Production of flexible sheet

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JP8300977A JPS5418965A (en) 1977-07-13 1977-07-13 Production of flexible sheet

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Publication Number Publication Date
JPS5418965A JPS5418965A (en) 1979-02-13
JPS6117949B2 true JPS6117949B2 (ja) 1986-05-09

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ID=13790240

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JP8300977A Granted JPS5418965A (en) 1977-07-13 1977-07-13 Production of flexible sheet

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JPS5855679A (ja) * 1981-09-29 1983-04-02 マツダ株式会社 溶解炉
EP0325425B1 (en) * 1988-01-20 1993-08-11 Takeda Chemical Industries, Ltd. Plastic compositions of inorganic powders and sintered bodies of the same

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