JPS6117657B2

JPS6117657B2 -

Info

Publication number: JPS6117657B2
Application number: JP1944180A
Authority: JP
Inventors: Tomyoshi Tanaka; Koji Shibata; Hideo Saito
Original assignee: SANHO JUSHI KOGYO KK
Current assignee: SANHO JUSHI KOGYO KK
Priority date: 1980-02-19
Filing date: 1980-02-19
Publication date: 1986-05-08
Also published as: JPS56115258A

Description

【発明の詳細な説明】従来立体的表面被覆成形物としては、各種の方
法が提案されている。その１つは熱可塑性樹脂板
に表面を印刷等で化粧した熱可塑性樹脂と熱圧着
による押出し同時ラミネーシヨン法を行ない、こ
れを真空成形又は圧空成形し、立体的表面被覆成
形物とする方法、或いは射出成形において、所望
の化粧をしたシートを射出成形金型に合うよう、
あらかじめ真空成形等を行ない、射出成形の金型
に同シートを装着した後、熱可塑性樹脂を射出成
形し、立体的表面被覆成形物とする方法、又は所
望の形状に成形した基材、例えば木製品又は樹脂
成形品に接着剤を塗布して、真空成形又は圧空成
形法を用いてシートを被覆成形する方法等が行な
われている。

しかし、これらは、いずれもその成形物は硬く
クツシヨン状ソフト感に欠けるため、意匠性に乏
しく用途によつては不向きな面があつた。特に自
動車の内装部品においては、衝突時の人体危険を
防止するために、その表面はクツシヨン性やソフ
ト感が有り、芯材部は硬く、強固な立体成形物が
要望されている。

本発明は、かかる問題点を解決したものであ
る。即ち本発明は樹脂性クツシヨン層より成る中
間層の表面に、所望の化粧を施した熱可塑性樹脂
層を設け、さらに該中間層の裏面に熱可塑性樹脂
層を形成して成る三層化したるサンドイツチ構成
体を層成し、このサンドイツチ構成体の下面に芯
材としての成形用熱可塑性樹脂でもつて成形一体
化して立体的成形物とすることにより、その表面
に、クツシヨン性ソフト感を与えることを特徴と
する立体的表面被覆成形物に係るものであつて、
良好なるクツシヨン性にして且ソフト感を有する
表面感触を持ち、芯材部は強固で硬い立体成形物
となることを特徴とするものである。本発明にお
いては芯材成形物樹脂としては、用途の広い塩化
ビニール系樹脂、ABS系樹脂及びスチロール系
樹脂が考えられ、被覆用表面材としては、意匠
性、印刷性、諸物性にすぐれた特性を持つている
塩化ビニール系樹脂又はウレタン系樹脂が最も適
しており、クツシヨン層として軟質塩化ビニール
系樹脂発泡体、エチレン−酢酸ビニール系共重合
樹脂発泡体、エチレン−酢酸ビニール−塩化ビニ
ール系共重合樹脂発泡体、ウレタン系樹脂発泡
体、ポリエチレン系樹脂発泡体、ポリプロピレン
系発泡体、合成ゴム類、軟質塩化ビニール系厚
板、軟質ウレタン系厚板、エチレン−酢酸ビニー
ル系共重合樹脂厚板、エチレン−酢酸ビニール−
塩化ビニール系共重合樹脂厚板等が考えられ、さ
らに芯材成形樹脂と接触する層には、芯材成形樹
脂と同系統の樹脂層か又はそれと相容性のある樹
脂層がその接着において、望ましい。

本発明の三層構造体の大きな特徴は、発泡層が
直接芯材樹脂と接触するいわゆる二層構造にした
場合特に、射出成形を用いて行なう同時立体表面
被覆成形法及び真空成形又は圧空成形を用いて行
なう立体表面被覆成形法においては、前者の場合
は、発泡層の空洞内に、射出成形樹脂流動時の圧
力によつて、加熱溶融樹脂が流入浸透し、発泡層
を破壊させる現象又後者の場合は、被覆層自体を
加熱し、軟化させ、芯材成形と圧着させるため、
加熱圧着時において、発泡層の軟化変形によるヘ
タリ現象が発生し、当初の発泡層としてクツシヨ
ン性ソフト感は完全に消失してしまうか、部分的
に発泡層が残つて、不規則な凹凸が表面に発生
し、いずれの場合も、その意匠性は全くそこなわ
れてしまう結果となる。さらに、軟質系樹脂の厚
物をクツシヨン層とする場合、射出成形を用いて
行なう同時立体表面被覆成形法では、表面被覆層
の真空成形後に、収縮，変形等が起こり、射出成
形金型への装着が極めて困難となるし、又被覆層
は柔軟性のある、非常に軟らかい樹脂層であるた
め、射出成形樹脂の熱及び流動時の圧力によつ
て、射出成形樹脂が被覆層に喰い込み、厚味によ
つては、表面化粧層を突き破つて成形樹脂が表面
に露出する。この現象は、射出成形のゲート附近
で特に顕著である。又真空成形、圧空成形を用い
て行なう立体表面被覆成形法では、被覆層が極め
て軟らかい樹脂層であるため、加熱時に、被覆が
垂れてしまい、適切な温度にまで、加熱できない
ため、接着剤を介して成形するも、実用に耐える
に充分な接着力は出ない致命的欠陥があり満足の
できる立体的表面被覆成形物はできない。

この成形後のクツシヨン層の破壊、ヘタリ、破
れ及び成形樹脂との接着力の不足を完全に解消す
るための研究を積み重ねた結果、クツシヨン層の
裏面にさらに一層成形用樹脂と相容性のある熱可
塑性樹脂層との一体化を行うことにより、解決す
ることを見出した。つまり、三層構成にすること
により成形後の被覆成形物は、凹凸の曲面部にお
いては、多少、クツシヨン性はそこなわれるが、
平面部においては、成形前と同様なクツシヨン性
ソフト感を保持することが可能となつた。

以下この三層構造体を図によつて説明する。

ラミネート法（第１図参照）まず表面化粧シート１とクツシヨン層２さらに
クツシヨン材保持シート３とを接着剤４及び５を
介してラミネーシヨン法にて一体化し、最後に、
その裏面に成形樹脂との接着力を高めるための接
着剤６を塗布する。

コーテイング法（第２図ａ，ｂ，ｃの工程を参
照）離型紙等の上面に表面層としての樹脂溶液１を
リバースコーター又はナイフコーター等でコーテ
イングし、その上に発泡剤等を配合した樹脂溶液
２又は極めて柔らかい軟質樹脂溶液３を同じくコ
ーテイングし、さらにクツシヨン材保持シート４
を必要に応じ接着剤５を介して貼り合せ、発泡炉
等で、樹脂の乾燥及び発泡させ、最後にその裏面
に成形樹脂との接着力を高めるための接着剤６を
塗布する。

次に、実施例によつて説明する。

実施例１まず表面層として、塩化ビニール樹脂シートを
下記の配合でカレンダー法にて0.25m／ｍ厚のシ
ートを製造した。

配合、塩化ビニール樹脂（重合度1100） 100重量部エチレン−酢酸ビニール共重合体樹脂 50 〃ポリエステル系高分子可塑剤 20 〃安定剤（カドミウム−バリユーム系）３〃炭酸カルシウム 10 〃顔料７〃この塩化ビニールシートの表面にグラビア印刷
機にて皮目の印刷を施しその裏面に、ウレタン系
接着剤を12μの厚味にリバースコーターにてコー
テイングし同時にポリエチレン発泡体（厚味
3m／ｍと貼り合せした。さらに、押出機を用い
て0.3m／ｍ厚味のABS樹脂シートを製造し、そ
の表面に、ウレタン系接着剤を同じく12μの厚味
にリバースコーターにてコーテイングし、同時
に、上記二層体と貼り合せし三層構成体とし、そ
の裏面に常温で不活性で80℃以上で熱再活性型の
アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液型接着剤を15μ
の厚味にリバースコーターにてコーテイングし
た。これを真空成形法にて成形し、同形状の皮目
エンボス柄入りの射出成形の金型に装着し、
ABS樹脂にて射出成形を行なつた。得られた立
体的表面被覆成形物の、射出樹脂との接着力は
4.2Kg／cmで実用上充分であり表面クツシヨン性
は凹凸曲面は多少劣るが平面では極めて良好なも
のが得られた。

実施例２表面化粧層及びクツシヨン層は実施例１と同材
質を用い、クツシヨン層保持層として、0.3m／
ｍ厚味のハイインパクトスチロール樹脂シートを
押出機を用いて製造し、実施例１で用いた接着剤
で同厚味にコーテイングし貼り合せ三層構成体と
し、その裏面に同じく実施例１で用いた接着剤を
同厚味にコーテイングし、圧空成形法にて、ハイ
インパクトスチロール樹脂の芯材成形物に表面被
覆を行なつた。圧空成形における条件は表面被覆
層自体の温度150℃、圧空圧3.5Kg／cm²芯材成形物
は常温にて行なつた。得られた立体的表面被覆成
形物は芯材成形物との接着力は3.7Kg／cmで実用
上充分であり、表面クツシヨン性も実施例１とほ
ぼ同等程度の感触を有する成形物を得た。

実施例３離型紙上面に表面層として、乳化重合塩化ビニ
ール樹脂溶液を下記の配合にて、0.25m／ｍ厚味
にナイフコーターにてコーテイングし、165℃、
30秒間乾燥させた。

配合、塩化ビニール樹脂（乳化重合、重合度1200）
100重量部 DOP（ジオクチルフタレート） 55 〃ポリエステル系高分子可塑剤 25 〃カドミウム−バリユーム系安定剤３〃炭酸カルシウム 25 〃顔料 10 〃鉱物油８〃その上にクツシヨン層として、同じく発泡剤配
合の乳化重合塩化ビニール樹脂溶液を下記の配合
にて0.5m／ｍ厚味にナイフコーターにてコーテ
イングし、165℃、40秒間乾燥し一体化させた。

実施例４塩化ビニール樹脂（乳化重合、重合度1200）
100重量部 DOP（ジオクチルフタレート） 35 〃ポリエステル系高分子可塑剤 15 〃 DOA（ジオクチルアジペート） 15 〃スズ系安定剤 1.5 〃発泡剤８〃炭酸カルシウム 12 〃顔料２〃鉱物油 17 〃さらに、塩化ビニール樹脂100重量部、ABS樹
脂35重量部、スチロール樹脂20部の樹脂配合から
成るクツシヨン材保持シートを0.3m／ｍ厚味に
カレンダー法にて製造し、裏面に実施例１で用い
たウレタン系接着剤を12μの厚味にリバースコー
ターでコーテイングした。これを、上記二層の上
に貼合せ三層構成体とし、離型紙より剥がし巻物
とし、この表面にグラビア印刷機にて皮目印刷を
施し、これを発泡炉（温度190℃、40秒）に入
れ、６倍に発泡させ、発泡体厚味を3m／ｍと
し、裏面に実施例１で用いたアクリル系接着剤を
同厚味、同方法にてコーテイングした。これを真
空成形法にて成形し、同形状の皮目エンボス柄入
りの射出成形の金型に装着し、ハイインパクトス
チロール樹脂にて射出成形を行なつた。得られた
立体的表面被覆成形物の射出樹脂との接着力は
3.9Kg／cmで実用上充分であり、表面クツシヨン
性も実施例１とほぼ同等程度の感触を有する成形
物を得た。上述の如く本発明によるときは複雑な
形状をした立体的樹脂成形品の表面をクツシヨン
状で然かもソフト感を持たせた他に比を見ざる新
規な製品を得ることができた。

【図面の簡単な説明】

第１図はラミネート法の説明図、第２図ａ、同
図ｂ、同図ｃはいづれもコーテイング法の説明図
である。

Claims

【特許請求の範囲】

１樹脂性クツシヨン層より成る中間層の表面
に、所望の化粧を施した熱可塑性樹脂層を設け、
さらに該中間層の裏面に熱可塑性樹脂層を形成し
て成る三層化したるサンドイツチ構成体を層成
し、このサンドイツチ構成体の下面に芯材として
の成形用熱可塑性樹脂でもつて真空もしくは圧空
成形にて三層サンドイツチ構成体と芯材とを一体
化して立体的成形物とすると共にその表面に、ク
ツシヨン性ソフト感を与えるようにしたことを特
徴とする立体的表面被覆成形物。