JPS61171414A

JPS61171414A - 皮ふ施用料

Info

Publication number: JPS61171414A
Application number: JP1222785A
Authority: JP
Inventors: Keiichi Uehara; 計一植原; Yoshiharu Nakao; 中尾　芳治; Minoru Fukuda; 実福田; Yasuharu Kawajiri; 康晴川尻; Tetsuo Sakamoto; 哲夫坂本; Fusako Shimada; 島田　房子
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1985-01-25
Filing date: 1985-01-25
Publication date: 1986-08-02

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、不飽和脂肪と硫黄との反応物を有効成分とす
る皮ふ施用料に関する。

この皮ふ施用料は、特にアクネ（いわゆるニキビ）の予
防、治療、処置に有効に働き、また、頭皮に使用してフ
ケを有効に予防することが゛できる。

［従来の技術］従来、硫黄は皮ふ用軟こう薬剤又は皮ふ用化粧料に配合
して使用されてきたが、この場合硫黄の形態は粉末状又
は分散状であった。

［従来の技術］このため従来品を皮ふに施用したとき、大部分の硫黄は
単に皮ふ表面を覆う役割を果たすにとどまり、極く一部
の硫黄しか薬効ないし化粧効果の発現に関与しなかった
。したがって、従来品に満足のいく効果を期待すること
はできず、強いて効果を挙げようとするふ使用量を多く
する必要があり、その結果、皮ふ刺激により炎症を起す
おそれがあった。また、粉末状の硫黄は皮ふ表面上で、
いわゆるザラツキを生じ使用性がよくないという欠点も
あった。

［問題点を解決するための手段］本発明者らは、このような欠点を解消すべく研究を行っ
た結果、不飽和脂肪酸と硫黄との反応物を有効成分とし
て使用すると前記欠点のない有効な皮ふ施用料が得られ
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。

すなわち、本発明は、分子中に１個又は２個以上の不飽
和結合を有する脂肪酸と硫黄との反応物を有効成分とし
て含有してなる皮ふ施用料である。

本発明の皮ふ施用料は、皮ふ外用剤例えば軟こうとして
、又は皮ふ化粧料例えばクリーム、頭皮用料として皮ふ
に通用される。特に、このものは皮ふに適用してアクネ
の予防、治療、処置に有効であり、また頭皮に適用して
フケの防止に著効を発揮するので、皮ふ施用料として極
めて有用なものである。

本発明において分子中に１個又は２個以上の不飽和結合
を有する脂肪酸は、好ましくは炭素数６〜３６の二重結
合を有する直鎮または分岐状のものであり、代表的なも
のとして、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リ
ルン酸、ステアロール酸、ブラシジン酸、エルカ酸、ペ
トロセリン酸、オクタデセン酸等を挙げることができる
。

本発明の有効成分は、かかる不飽和脂肪酸と硫黄との反
応物である。

反応は、不飽和脂肪酸と硫黄を通常１３０〜２２０℃、
望ましくは１５〜１５０℃で触媒の存在下又は不存在下
で行う。不飽和脂肪酸１００重量部に対し硫黄を通常０
．１〜１５０重量部、望ましくは０．５〜５０重量部使
用する。

得られる反応物は、硫黄量の増加に応じて粘度が大とな
る。このため硫黄量により反応物は室温で液状のものか
ら粘稠状、ワックス状、固体状のものまでがある。

反応物は、不飽和脂肪酸の不飽和結合の部位における硫
黄による架橋反応により生成したものが主体をなすが、
他の硫化反応物例えばメルカプト化物、さらには未反応
物を含んでいてもよい。

例えばオレイン酸８０重量部に硫黄２０重量部を反応さ
せた反応物は、褐色の液状物（室温）であり、このもの
をＧＰＣ（ゲルろ過クロマトグラフィー）、ＮＭＲ（核
磁気共鳴）、質量分析、赤外スペクトル等で調べた結果
、二重結合の部位において硫黄により２分子のオレイン
酸が結合した架橋反応物、３分子のオレイン酸が結合し
た架橋反応物、４分子のオレイン酸が結合した架橋反応
物、さらに未反応物を含むことが確認された。

本発明における反応物は、粉末硫黄と異なり、エタノー
ルに溶解し、種々の界面活性剤によって可溶化又は乳化
される特性を有し、また、油性成分例えばオリーブ油等
に対し酸化防止能を有する。

本発明の皮ふ施用料は有効成分として前記反応物を含有
し、他に通常の成分を配合してなるものである。通常の
成分としては油分、水、乳化剤、保湿剤、粉末、増粘剤
、酸化防止剤、防腐剤、香料等を挙げることができる。

量関係について、有効成分の反応物の配合量は全量１０
０重量部に対し０．０１〜２０、好ましくは０．１〜１
０重量部である。

［発明の効果］本発明の皮ふ施用料にあっては、粉末硫黄と異なり、硫
黄の大部分は薬効ないし化粧効果の発現に関与し、した
がって、硫黄量も少なくてすみ、皮ふ炎症等の副作用を
起こすことがなく、また、皮ふ上でザラツキを生じるこ
とがなく使用感が良好である。そして驚くべきことに、
本発明の皮ふ施用料は頭皮に使用して特にフケ、アクネ
等を顕著に防止することができる。本発明の皮ふ施用料
は、油性成分が配合されている場合に油の酸化変性によ
る品質低下を起こすことがない。

次に、フケの防止効果について述べる。

フケの防止効果はウサギと人に対する使用テストの結果
により判定した。

（１）　　ウサギに対する使用テスト動物としてウサギを用い、ウサギの両側の耳翼の外側に
オレイン酸の２０％メタノール溶液を塗布した。ついで
、オレイン酸塗布後、片側の耳翼の外側に設定濃度のオ
レイン酸−硫黄反応物のメタノール溶液を塗布した。

この操作を１日１回延べ４日間行った。オレイン酸のみ
塗布した耳翼はフケ状物質が形成されたのに対して、オ
レイン酸とオレイン酸硫黄反応物を塗布した耳翼では、
オレイン酸硫黄反応物の濃度に比例して、フケ状物質の
形成が認められなくなった。

この結果を表（１）に示した。

（以下余白）表（１）しフケ状物質の形成］（注１）＋：ニッケ物質の形成が認められる。

１二フケ状物質の形成がほとんど認められない。

一；フケ状物質の形成が認められない。

（注２）患５は比較例（２）　　人に対する使用テスト下記表（２）のとおり、オレイン酸−硫黄反応物、エラ
イジン酸−硫黄反応物を各配合したシャンプー及びヘア
トニックを調製し、フケ防止効果を検討した。

対象者として２２〜３９才のフケ症の男性４０名を選び
、各試料につき１０名づつ計４０名についてテストを行
った。

シャンプー試料は洗髪時に、ヘアトニック試料は洗髪後
のみ１回使用することとし、試験開始前のフケ量と１ケ
月間の試験終了時の洗髪２日目のフケ量を比較し、試験
終了時のフケ量が少ない場合をフケ防止効果ありとし、
フケ量が変化ない場合、及び逆に増加した場合をフケ抑
制効果なしと判定した。

電気掃除機を用いて頭部を吸引し、採取したフケの蛋白
質量を測定して下記表（２）に示す結果を得た。

（以下余白）　　　　　　　　　　　　　　　　　１表
（２）さらに、アクネの治療効果について述べる。アクネは、
脂腺の分泌活動が盛んになり、毛孔に角化増殖が起って
毛孔が塞がれるといわれている。

さらに炎症を起こす原因はアクネ菌によって皮脂が分解
して生ずる遊離脂肪酸の刺激であるともいわれる。した
がって現在アクネの治療にはアクネ菌に対する殺菌作用
をもつ殺菌剤や毛孔を開口させる角質剥離等がよく用い
られている。

そこで本発明品のアクネに対する有効性を確認すること
を目的とし角質剥離作用を調べた。

（１）　アクネ菌に対する殺菌テストアクネ菌（ｐｒｏｐｉｏｎｉｂａｃｔｅｒｉｕ＋ｗ　ａ
ＣｎｅＬ当研究所分離株、約５　Ｘ　１０８ｃｅｌｌｓ
　／輸ｌ）を試料とリン酸緩衝液（ｐＨ７，０）中で混
合した。この際、試料の不飽和酸−硫黄化合物、不飽和
酸は水に不溶であるので、２％のＴｈｅｅｎ　８０を添
加し、分散状態にして試験を行った。

６０分後に０．１ｉ＋１をサンプリングし、１／１００
倍に希釈した。その後ＣＡＭ寒天平板培地（日水製薬株
式会社）にその菌体のＯ，１ｍｌを接種し、３７℃で４
日間嫌気的に培養した。生じたコロニーの生菌数を測定
し、試料濃度０％のときの生菌数に対する割合を計算し
、その値より死滅率を出し各試料の殺菌効果を比較した
。結果は下記表（３）のとおりであった。

（以下余白）表（３）（注）Ｎｃｔｌ、隘６は比較例（２）角質剥離テスト角質に特異的に結合するダンシル（ｄａｎｓｙｌ）クロ
ライドをマーカとしてテストを行った。

５％ダンジルクロライド（基剤、白色ワセリン）１００
μ！をバッチテスト用絆創膏（直径１ａｎ）に薄く塗り
、このものをヘアレスマウス（♀体重１０〜２０ｇ　）
　２５匹の背部に２４時間閉塞塗布したのち角質層を螢
光染色した。次に、各種濃度の試料５０μｌをそれぞれ
１日１回螢光部に塗布した。判定は暗室で長波長紫外縁
下既存角質層の螢光が消失した日を終点とし、螢光が消
失するのに要した日数（２５匹の平均）により試料の角
質剥離効果を測定した。結果は下記表（４）に示すとお
りであった。

（以下余白）表（４）（以下余白）上記表（４）の結果から、本発明例の場合が比較例に比
し、螢光消失所要日数が少なく、アクネ患部を開口する
角質剥離がすみやかに起こり、したがってアクネの治療
効果において優れていることがわかる。

以上から明らかなように、本発明の皮ふ施用料は優れた
フケ防止効果と７タネ治療効果を有するものである。

［実施例］以下、本発明の実施例と合成例を示す。

実施例１　（乳液の製造）（Ａ）の成分　　　　　　　　配合量（重量％）セタノ
ール　　　　　　　　　　　　１．５ステアリン酸　　
　　　　　　　　　１．０パルミチン酸　　　　　　　
　　　０．５液状ラノリン　　　　　　　　　　　ｉ、
。

スクワラン　　　　　　　　　　　　２．０ミリスチン
酸イソプロピル　　　　　１．０モノステアリン酸グリセリル　　　　１．５Ｔｗｅｅｎ　　２０　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　０．５オレイン酸１０％硫黄反応物　　　　　０．５防腐剤及び香料　　　　　　　　　　適量（Ｂ）の成分プロピレングリコール　　　　　　　３．０ポリエチレ
ングリコール４００　　　　２．０トリエタノールアミ
ン　　　　　　　　１．０精製水　　　　　　　　　　
　　　　８４．５上記（Ａ）の各成分を混合して混合物
を得た。

別に、同様にして（Ｂ）の混合物を得た。（Ａ）の混合
物及び（Ｂ）の混合物を各別に７０”Ｃに加熱溶解し、
（Ａ）の混合物を（Ｂ）の混合物の中に加え、乳化機に
より乳化したのち熱交換、冷却した乳液を製造した。

この乳液はアクネの治療とフケの防止に著効を示した。

実施例２（クリームの製造）（Ａ）の成分　　　　　　　　配合量（重量％）セタノ
ール　　　　　　　　　　　　　４．０ステアリン酸　
　　　　　　　　　　２．０ワセリン　　　　　　　　
　　　　　４．０流動パラフイン　　　　　　　　　１
０．０ミリスチン酸イソプロピル　　　　　５．０°モ
ノステアリン酸グリセリル　　　　３．０オレイン酸２０％硫黄反応物　　　　　１．０（Ｂ）の成分グリセリン　　　　　　　　　　　５．０プロピレング
リコール　　　　　　　５．０水酸化カリウム　　　　
　　　　　　０．２精製水　　　　　　　　　　　　　
６０．８実施例１と同様にしてクリームを製造した。こ
のものもアクネの治療とフケの防止に著効を示した。

実施例３（クリームの製造）（Ａ）の成分　　　　　　　　“！Ｉ　［１ｔｘ）　　
　　　　。

セタノール　　　　　　　　　　　　４．０ステアリン
酸　　　　　　　　　　　２．０ワセリン　　　　　　
　　　　　　　４．０流動パラフイン　　　　　　　　
　１０．０ミリスチン酸イソプロピル　　　　　５．０
モノステアリン酸グリセリル　　　　３．０オレイン酸２０％硫黄反応物　　　　　１．５（Ｂ）の成分グリセリン　　　　　　　　　　　５．０プロピレング
リコール　　　　　　　５．０水酸化カリウム　　　　
　　　　　　０．２精製水　　　　　　　　　　　　　
６０．３実施例１と同様にしてクリームを製造した。こ
のものもアクネの治療とフケの防止に著効を示した。

実施例４（クリーム状洗浄料）（Ａ）の成分　　　　　　　　配合量（重量％）ステア
リン酸　　　　　　　　　　　６．０バルミチン酸　　
　　　　　　　　１０．０ミリスチン酸　　　　　　　
　　　　　１０．０ラウリン酸　　　　　　　　　　　
　８．０モノステアリン酸グリセリル　　　　２．０グリセリン　　　　　　　　　　２０．０プロピレング
リコール　　　　　　１０．０オレイン酸２０％硫黄反応物　　　　　０．５香料　　　　　　　　　　　　　　　適量（Ｂ）の成分水酸化カリウム　　　　　　　　　　７．０精製水　　
　　　　　　　　　　　２６．５実施例１と同様にして
クリーム状洗浄料（頭皮施用料）を製造した。このもの
はフケの防止に著効を示した。

実施例５　（軟こう）成分　　　　　　　　　　　　配合量（重量％）固体パ
ラフィン　　　　　　　　　　１０．０ピースワツクス
　　　　　　　　　　１０．０スクワラン　　　　　　
　　　　　１０．０オレイン酸１０％硫黄反応物　　　　　１．０香料　　　　　　　　　　　　　　　通量ワセリン　　
　　　　　　　　　　　６９．０上記酸分を混合し、混
合物を８０℃に加熱熔解した後、攪拌冷却を行い軟こう
を得た。このものはアクネの治療に著効を示した。

実施例６（シャンプー）成分　　　　　　　　　　　　配合量（重量％）ソジウ
ム・ポリオキシエチレン（２）ラウリルエーテルサルフェート　　　　　　　　　　　　２５．０ヤシ油脂
肪酸エタノールアミド　　　　５．０オレイン酸２０％硫黄反応物　　　　　０．５防腐剤・香料　　　　　　　　　　　適量精製水　　　
　　　　　　　　　　６９．５実施例６と同様にしてシ
ャンプーを得た。このものは頭皮に施用してフケの防止
に著効を示した。

実施例７　（リンス）（Ａ）の成分　　　　　　　　配合量（重量％）セタノ
ール　　　　　　　　　　　　２．０モノステアリン酸グリセリル　　　　３．０オレイン酸２０％硫黄反応物　　　　　１．０防腐剤・香料　　　　　　　　　　　通量（Ｂ）の成分塩化ステアリルトリメチルアンモニウム　　　　　２．５プロピレング
リコール　　　　　　　７．０精製水　　　　　　　　
　　　　　８４．５実施例１と同様にしてリンスを得た
。このものも頭皮に施用してフケの防止に著効を示した
。

実施例８（ヘアトニック）エチルアルコール５５ｇにオレイン酸−２０％硫黄反応
物０．５ｇ、ニソコールＨＣＯ−６０，１，０ｇ及び香
料を適当量室温下に熔解してアルコール相を得た。

別に精製水４２．５ｇにグリセリン１．０ｇ及び色素を
適当量、加熱下に熔解し冷却した。得た水相に前記アル
コール相を加え可溶化してヘアトニックを得た。

このものは頭皮に施用してフケの防止に著効を示した。

合成例１　（オレイン酸−２０％硫黄反応物の合成）オ
レイン酸８０ｇに硫黄粉末２０ｇを加え、窒素気流下１
５０〜１６０℃で約２時間反応を行い、褐色油状物を得
た。

合成例２（オレイン酸−１０％硫黄反応物の合成）オレ
イン酸９０ｇに硫黄粉末１０ｇを加え、合成例１と同様
にして褐色油状物を得た。

合成例３（エライジン酸−５％硫黄反応物の合成）エラ
イジン酸９５ｇに硫黄粉末５ｇを加え、合成例１と同様
にして褐色油状物を得た。

合成例４（エルカ酸−２０％硫黄反応物の合成）エルカ
酸８０ｇに硫黄粉末２０ｇを加え、合成例１と同様にし
て褐色油状物を得た。

合成例５（リノール酸−２０％硫黄反応物の合成）リノ
ール酸８０ｇに硫黄粉末加え、合成例１と同様にして褐
色油状物を得た。

特許出願人　株式会社　資　生　堂手続補正書（自発）昭和６０年３月２６日

Claims

【特許請求の範囲】

（１）分子中に１個又は２個以上の不飽和結合を有する
脂肪酸と硫黄との反応物を有効成分として含有してなる
皮ふ施用料。
（２）オレイン酸と硫黄との反応物を有効成分として含
有してなる特許請求の範囲（１）の皮ふ施用料。