JPS61155454A - 電磁波遮蔽用組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は電磁波遮蔽用に用いる導電性樹脂組成物、特に
従来の電磁波遮蔽用組成物に比較して良好な電磁波遮蔽
効果を有する電磁波遮蔽用組成物に関するものである。

〔発明の背景〕

欧米諸国においては、電子機器の近傍に置かれた他の電
子機器あるいは電気製品の誤動作および電子機器を操作
する人間の健康上の配慮から前記の電子機器、すなわち
コンピュータ、ワードプロセンサーなどのハウジングに
前記電子機器の放射する電磁波を遮蔽するような処理を
したものを用いることが義務付けられている。

前述のような電子機器における電磁波遮蔽は、我が国に
おいても早暁義務付けられる傾向にあり、種々の電磁波
遮蔽方法が検討されている。

前述のような電磁波の遮蔽は、基本的には電子機器を覆
うハウジングに適度の導電性を付与することにより達成
しえるわけであり、従来はハウジング内壁に亜鉛を溶射
して亜鉛被膜を形成させ、ハウジングに導電性を付与す
る方法、またハウジング内部に導電性塗料を塗布し、ハ
ウジングに導電性を付与する方法などが良く知られてい
る。

さらに、ハウジングの本体となる熱可塑性樹脂に導電性
材料を導入し、ハウジング自体を導電性にしたものも知
られている。

しかしながら、前述の亜鉛溶射による方法ないし導電性
塗料をハウジング内壁に塗布する方法にあっては、あら
かじめ成型されたハウジング内壁に亜鉛を溶射あるいは
導電性塗料を塗布するわけであるから、製造上手間が掛
かるとともに、特に導電性塗料にあっては、導電性塗料
自体が高価であるために、コスト高にならざるをえない
という欠点があった。

また、導電性材料を熱可塑性樹脂に混合したハウジング
は、導電性を電磁波遮蔽効果のある、体積固有抵抗１０
−１〜１０−３Ω国に保持しようとすると、導電性材料
の混入量を多くしなければならず強度的に低下する欠点
があり、一方充分な強度を有するハウジングを製造しよ
うとすると、導電性が前記の値にならないという欠点が
あった。もちろん導電性の良好な金属繊維を混入させ、
少ない導電性材料で良好な電磁波遮蔽効果を有する電磁
波遮蔽用組成物を製造すればよいのであるが、前記良好
な導電性を有する金属は銅を除いて極めて高価であり、
事実上使用できない。しかしながら、銅繊維を熱可塑性
樹脂に混入させる場合、前記銅繊維は酸化しやすいため
に、当初は良好な電磁波遮蔽効果を示すものの、徐々に
酸化されて導電性が低下し、電磁波遮蔽効果も著しく低
下するという欠点があり、このため鋼繊維を混入した電
磁波遮蔽用組成物は実用に供しえなかった。

〔発明の概要〕

本発明は上述の点に鑑みなされたものであり、充分な強
度と導電性を有する電磁波遮蔽用の製品を製造しえる電
磁波遮蔽用組成物、さらに詳細には銅繊維を混入し、し
かも電磁波遮蔽効果が経時的に低下しない電磁波遮蔽組
成物を提供することを目的とする。

したがって、本発明による電磁波遮蔽用組成物は、熱可
塑性樹脂に銅繊維を添加するとともに、イオン化傾向が
銅より大なる金属の粉末を前記記熱可塑性樹脂１００重
量部に対し１〜８０重量部添加したことを特徴とするも
のである。

さらに本発明による第二の電磁波遮蔽用組成物は、熱可
塑性樹脂に銅繊維を添加するとともに、イオン化傾向が
銅より大なる金属の粉末を前記記熱可塑性樹脂１００Ｍ
量部に対し１〜８０重量部、脂肪酸アミドおよび金属石
鹸からなる群より選択された滑剤の一種以上を０．１〜
２重口部添加したことを特徴とするものである。

本発明によれば、銅繊維とともにイオン化傾向が銅より
大なる金属の粉末を添加しているので、鋼繊維の酸化を
防止することが可能になり、したがって電磁波遮蔽効果
が経時的に低下しない銅繊維含有の電磁波遮蔽用組成物
を提供可能になるという利点がある。

また、本発明による第二の電磁波遮蔽用組成物によれば
、前述のような銅繊維とともに銅よりイオン化傾向の大
きな金属の粉末を添加し、さらに適宜量の滑剤を添加し
ているので、さらに高い電磁波遮蔽効果を達成できると
ともに、ｆＪ織繊維ファイバボールの形成を防止できる
。このため、前記銅繊維を均一に分散でき、銅繊維を一
度に多量に投入可能になる。したがって、作業性が著し
く向上し、再現性が向上するという利点がある。

〔発明の詳細な説明〕

本発明を更に詳しく説明する。

本発明による電磁波遮蔽用組成物は、基本的には、熱可
塑性樹脂中に銅繊維を混合したものであるが、このよう
な熱可塑性樹脂は、基本的に限定されるものではなく、
従来この種の電子機器のハウジングなどに用いられる樹
脂を有効に用いることができる。たとえば、ポリプロピ
レン樹脂、ＡＢＳ樹脂、変性ＰＰＯ樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ＰＰＳ樹脂などの一種以上
であることができる。

本発明において用いられる導電性物質は、前述のように
銅繊維である。ｗ４ＩＪｌｉ維は導電性が極めて良好で
あり、少ない添加量で所定の導電性を確保できる。した
がって、良好な強度と電磁波遮蔽効果を有する電磁波遮
蔽用組成物を製造できる。

本発明による熱可塑性樹脂への銅繊維の添加量は、好ま
しくは銅繊維が３〜２０容量％であり、単位体積あたり
の存在本数は、好ましくは４００本／−以上である。銅
繊維の添加量が３容量％未満であると、充分な導電性を
付与できない虞があり、また２０容量％を超えると、電
磁波遮蔽用組成物の成形が困難になる虞を生じるからで
ある。また、単位体積あたりの存在本数が４００本／本
末−であると、充分な導電性を発揮できない虞があるか
らである。

このような組成物にイオン化傾向が銅より大なる金属の
粉末を熱可塑性樹脂１００重量部に対し、５〜８０重量
部添加する。

このようなイオン化傾向が銅より大なる金属の粉末を添
加することにより、銅繊維の酸化が防止されるからであ
る。すなわちＣｕのイオン化傾向よりおおきなイオン傾
向を持つ金属の粉末を添加することにより、 Ｃｕ”　　＋　　Ｍ　　−□、Ｃｕ　　＋　　Ｍ”の反
応が生じ、イオン化した銅はただちに金属化するため、
銅の酸化が防止されるのである。

前述の金属粉末のイオン化傾向は、理論的には銅のイオ
ン化傾向よりも大きければ上述の効果が達成できるので
あるが、実用的にはイオン化傾向にある程度の差がある
ことが要求される。

前述のようなイオン化傾向が銅より大きな金属としては
、たとえばＫ　％　Ｎａ５Ｃａ−＝　Ｍｇｓ　Ａｌ、Ｚ
ｎ、　Ｆｅ。

Ｎｉなどの一種以上を挙げることができる。

このような金属粉末は熱可塑性樹脂１００重量部に対し
、５〜８０重量部添加する。金属粉末の添加量が５重量
部未満であると、金属粉末を添加した効果が表れず、一
方８０重量部を超えて添加すると強度が低下し、また流
動性が悪化するからである。

最も好ましくは５〜４０ｉｉｉ量部である。

このような金属粉末の粒径は好ましくは０゜１〜１０μ
−であり、最も好ましくは０．２〜５μｍである。０．
１μｍより小さいと、樹脂に添加したときの溶融粘度を
上昇させるため、銅繊維の切断等を促進し、添加効果が
認め難くなり、また、１０μｍより大きいと、少量の添
加により樹脂強度が低下し実用性を損なう欠点を生じる
可能性がある。

本発明による第二の電磁波遮蔽用組成物にあっては、こ
のような電磁波遮蔽用組成物にさらに、脂肪酸アミドお
よび金属石鹸からなる群より選択された滑剤の一種以上
を添加する。

このような滑剤は、銅繊維のファイバボール化、すなわ
ち銅繊維が丸まってボール状になることを防止すること
により、銅繊維および前記金属粉末が樹脂中に均一に分
散するように添加される。このため、本発明による電磁
波遮蔽用組成物を使用して製造された成形品は安定な電
磁波遮蔽効果を示すことになり、再現性よく電磁波遮蔽
用組成物を製造できるようになる。また、この滑剤を添
加することにより銅繊維を一度に多量に添加可能になる
とともに、押出機のノズルの詰まりを防止でき、また金
属繊維の切断を防止できるので、電磁波遮蔽効果も向上
させることができる。

このような脂肪酸アミドとしては、たとえばエチレンビ
スステアリン酸アミド、オキシステアリン酸アミド、ス
テアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどの一種以上
を例として挙げることができ、また金属石鹸としては、
ステアリン酸カドミウム、ラウリン酸カドミウム、リシ
ノール酸カドミウム、ナフテン酸カドミウム、２−エチ
ルへキソイン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ラ
ウリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ナフテン酸
バリウム、２−エチルへキソイン酸バリウム、ステアリ
ン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸
カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン
酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、２−エチ
ルへキソイン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステア
リン酸鉛、ナフテン酸鉛、ステアリン酸スズ、ステアリ
ン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの一
種以上を挙げることができる。

このような脂肪酸アミドおよび金属石鹸からなる群より
選択された滑剤の一種以上は、熱可塑性樹脂１００正量
部に対し、０．１〜２重量部、好ましくは０．５〜１．
５重量部添加される。滑剤の添加量がｏ、ｉ　１ｍ部未
満であると、滑剤を添加した効果がなく、一方２重量部
を超えると、樹脂成形品に機械強度が不足する虞を生じ
るからである。

次ぎに本発明の実施例について説明する。

実施例Ｉ ＡＢＳ樹脂１００重量部に対し、径３０μｍ、長さ２龍
、アスペクト比６７の銅繊維を１３容量％（１２７重量
部）滑剤としてエチレンビスステアリン酸アミド　１．
２　重量部を添加するとともに、イオン化傾向は銅より
大きい金属の粉末として亜鉛粉末をそれぞれ添加量を変
化させて添加し、成形後電磁遮蔽効果を測定した。

次に、２０℃１５０％ＲＨ−５０℃／８５％ＲＨ→２０
℃１５０％ＲＨ−−２０℃−２０℃１５０％ＰＨ−５０
どしｍ−／３０％Ｒ）１−２０℃１５０％ＲＨ−−２０
℃の湿熱サイクルを一工程２時間合計１６時間で１０サ
イクルおこなったときの電磁波遮蔽効果の低下率を測定
した。測定はタケダ理研製のシールド材評価器（ＴＲ−
１７３０１）とスペクトルアナライザー（Ｔｉｌｌ−４
１７２）を併用し、磁界波（ＳＥＷ）（どちらも１００
ＭＨ２〜６００ＭＨ２の平均値で示す〕について行った
。

結果を第１図に示す。図中、実線が湿熱サイクル前の電
磁波遮蔽効果、破線が温熱サイクル前の電磁波遮蔽効果
を示す。

実施例２ ＡＢＳ樹脂１００笛量部に対し、径３０ｃｒ＋＋、長さ
２Ｈ１アスペクト比６７の銅繊維を１３容量％（１２７
重量部）を添加するとともに、金属粉末として亜鉛粉末
を１７．２重量部添加した電磁波遮蔽用組成物を製造し
た。このときのＡＢＳ樹脂とｗ４繊維との混練速度はＩ
Ｋｇあたり１８分を要した。比較として実施例１のエチ
レンビスステアリン酸アミドを１゜２重量部添加した場
合はＩ　Ｋｇあたり８分で良好に混練可能であったから
、滑剤の添加により混練時間は約半分以下に短縮できる
ことが明らかになった。

このような電磁波遮蔽組成物より試験片を作成し、電磁
波遮蔽効果を測定した。結果を下記の第１表に示す。

第１表 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明による電磁波遮蔽用放物は
、良好な電磁波遮蔽効果を有する電磁波遮蔽用製品を製
造することができるとともに、滑剤を併用することによ
り作業性良く電磁波遮蔽用組成物を製造することも可能
になるという利点がある。さらに、銅繊維とともにイオ
ン化傾向が銅より大きな金属を添加しているので、電磁
波遮蔽効果が低下せず、耐久性の良好な電磁波遮蔽組成
物を提供できるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による電磁波遮蔽用組成物の電磁波遮蔽
効果を測定したときのグラフおよび湿熱サイクルによる
電磁波遮蔽効果の低下を示すグラフである。 出願人代理人　　　　　雨　宮　正　季手続補正書輸如 昭和６咋１２月２７日

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）熱可塑性樹脂に銅繊維を添加するとともに、イオ
   ン化傾向が銅より大なる金属の粉末を前記記熱可塑性樹
   脂１００重量部に対し１〜８０重量部添加したことを特
   徴とする電磁波遮蔽用組成物。
2. （２）熱可塑性樹脂に銅繊維を添加するとともに、イオ
   ン化傾向が銅より大なる金属の粉末を前記記熱可塑性樹
   脂１００重量部に対し１〜８０重量部、脂肪酸アミドお
   よび金属石鹸からなる群より選択された滑剤の一種以上
   を０．１〜２重量部添加したことを特徴とする電磁波遮
   蔽用組成物。