JPS6115395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガス湯沸器の水制御機構に関し、より
詳細には蒸気もしくは沸謄水を安定して発生する
ことのできる瞬間ガス湯沸器において、その熱交
換器の管理壁面へのスケールの付着堆積を防止す
ると共に、該熱交換器への急激な熱化を与えない
ようにするための水制御機構に関するものであ
る。

なお、本明細書中「蒸気」なる語句は、蒸気お
よび沸謄水を含むものとする。

最近、熱交換器へ通じる水路に蒸気発生最適口
径の絞り弁を設けることによつて蒸気を安定的に
発生できるようにした瞬間ガス湯沸器が提案さ
れ、実用に供されつつあるが、この型式のガス湯
沸器において、蒸気の発生を休止すべく水元栓を
閉止すると、蒸気発生時に極めて高温度に加熱さ
れている熱交換器の管路内で水蒸気中から抽出遊
離されたカルシウムやマグネシウム等が通水停止
後の熱交換器の残留熱により加熱され、該熱交換
器の管路内の壁面上にスケールとして凝固付着す
るに至り、このスケール付着は周知の通り熱交換
器部分での管路径の縮小を招き圧力損失が大とな
ると共に、熱伝導率の低下を齎すなどの悪影響を
与える。

他方、水元栓を開放すると同時に蒸気発生に最
適水量の水を熱交換器へ通水して蒸気を発生させ
ることは熱交換器部分に急激な熱変化を与えるの
で器材材質の保全上好ましくない。

本考案は、上記のような不都合な事態を解消
し、熱交換器の管路壁面へのスケールの付着堆積
を防止すると共に、該熱交換器への急激な熱変化
を与えないようにした蒸気発生可能なガス湯沸器
の水制御機構を提案するものである。

以下に本考案の図示例を掲げて説明する。第１
図において、本案湯沸器は水元栓１を備える給水
管２から水圧調整弁３を経て供給される水の圧力
の変化に応動するダイヤフラム５を内蔵する水圧
応動ガス弁装置４を包含する。

水圧応動ガス弁装置４は、ダイアフラム５上に
立設された連杆６により主ガスバーナー７へのガ
ス供給路に設けられたガス弁８と連結し、水圧調
整弁３を経て一次水圧室４ａに供給される水の圧
力変化により前記ガス弁８を開閉して主ガスバー
ナ７へのガス供給を制御することは周知の通りで
ある。

なお、図中、９はガスコツク１０を介してガス
供給路から分岐し、主ガスバーナ７の近傍に設置
されたパイロツトバーナである。

主ガスバーナ７と相対し、該バーナにより加熱
される熱交換器１１は、一側において主水路１２
により水圧応動ガス弁装置４の一次水圧室４ａと
連結され、他側において先端に出湯口１４，１
４′を備える出湯路１３と接続する。

本考案によれば、水圧応動ガス弁装置４の一次
水圧室４ａを経て熱交換器１１へ至る主水路１２
の前記一次水圧室４ａより以降において該主水路
１２から分岐した蒸気発生用通路１６が、該主水
路１２と並列的に設けられ、また該流路１６は蒸
気を発生させるに最適の口径に調整された絞り部
１５を備える。

さらに、主水路１２の蒸気発生用流路１６との
合流点以前の位置に水元栓１と操作軸（以下の説
明において“操作ツマミ”と言い換える）を介し
て連動する開閉弁１７を設け、該開閉弁１７は、
前記操作ツマミが蒸気を発生させるべき位置まで
回動された時、閉塞されて前記蒸気発生用流路の
みを通水させるが、該操作ツマミが前記水元栓１
を閉塞させて給水を停止する位置と該水元栓１を
開放して温湯を発生させる給湯位置ないし蒸気を
発生させる直前の位置との間にある時、常に開放
された状態にあるように構成されている。

即ち、第２図イに参照されるように、操作ツマ
ミを「止」位置から左方向へ回動すると、第２図
ロに示すように水元栓１は開放されるが、この時
開閉弁１７は開弁状態にあり、この開弁状態か操
作ツマミを「給湯」位置へ回動するまで持続され
る。したがつて給水管２から水圧調整弁３を経て
水圧応動ガス弁装置４の一次水圧室４ａに供給さ
れる水は、開弁状態にある開閉弁１７を通過し、
更に主水路１２を経て熱交換器１１に至る。

他方、水圧応動ガス弁装置４の一次水圧室４ａ
に供給された水の圧力によりダイアフラム５が図
中左方向へ移動し、連杆６を介してガス弁８を開
放し、主ガスバーナ７にガス供給されて予め点火
されているがパイロツトバーナ９により該主ガス
バーナ７が点火するので、先述のごとく熱交換器
１１への流通された水はここで加熱されて温湯と
なり、出湯口１４より出湯される。

さらに、操作ツマミを左方向へ「蒸気」位置ま
で回動すると、開閉弁１７は閉止されるので、給
水管２から一次水圧室４ａへ供給さた水は絞り部
１５により蒸気発生に最適量だけが流路１６およ
び主水路１２を経て熱交換器１１へ供給され、そ
こで加熱され蒸気となつて出湯路１３へ送出され
る。

本考案のガス湯沸器においては以上の通り構成
されているので、仮に操作ツマミを「止」」位置
から左方向へ一気に「蒸気」位置まで回動して
も、熱交換器において蒸気を発生するに至るまで
に、必ず比較的大量の水が通水されて温湯を発生
する過程を経るので、熱交換器１１部分に急激な
熱変化を与えることはない。

他方、蒸気を発生している時これを休止すべ
く、操作ツマミを「蒸気」位置から右方向へ回動
すると、「給湯」位置において開閉弁１７が開弁
され、該弁１７を経て比較的大量の水が主水路１
２から熱交換器１１へ供給されて温湯を発生した
のち、「止」位置において水元栓１が閉止されて
止水される。

かように本考案のガス湯沸器においては、蒸気
発生状態から止水までの間に必ず比較的大量の水
が熱交換器１１へ供給されるので、蒸気発生中に
水蒸気から抽出遊離されたカルシウムやマグネシ
ウム等のスケール形成成分は、前記大量の水の流
通により出湯口へ押し流され、かくて熱交換器１
１の残留熱によるスケール形成を防止する。

開閉弁１７は第２図に例示のごとく動作するも
ののほか、「止」位置から「蒸気」位置への操作
ツマミの回動角度に応じてその開弁度を漸減する
型式のものとすることができる。

本考案に係るガス湯沸器の水制御機構は、以上
詳述した通り、水圧の変化に応動するダイアフラ
ムにより主ガスバーナーへのガス供給を制御する
水圧応動ガス弁装置の一次水圧室を経て熱交換器
へ至る主水路と、蒸気発生量最適口径に調節され
た絞り部を備えると共に、前記水圧応動ガス弁装
置の一次水圧室もしくは該水圧室より以降の主水
路から分岐して該主水路と並列的に設けられた蒸
気発生用流路とを備えるガス湯沸器において、前
記蒸気発生流路との合流点以前の前記主水路に、
水元栓と操作軸（操作ツマミ）を介して連動する
開閉弁を設け、該開閉弁は、前記操作ツマミが蒸
気を発生させるべき位置まで回動された時、閉塞
されて前記蒸気発生用流路のみに通水させるが、
該操作ツマミが前記水元栓を閉塞させて給水を停
止する位置と該水元栓を開放して温湯を発生させ
る給湯位置ないし蒸気を発生させる直前の位置と
の間にある時、常に開放された状態にあるように
構成されているので、この型式の湯沸器では蒸気
発生状態から直ちに止水状態へ、また止水状態か
ら蒸気発生状態へ操作するような使用状態がしば
しば行われるが、本案装置では蒸気発生状態から
止水状態に至る以前に必ず大量の水が熱交換器に
流通され、該熱交換器の管路内で抽出遊離されて
いるスケール形成成分を押し流してスケール付着
といつた不都合な事態の発生を防止すると共に、
止水状態から蒸気発生状態への移行の際にも、必
ず大量の水が流通されたのちに蒸気を発生させる
のに最適の水量に絞られるので、熱交換器に急激
な熱変化を与えることがなく、器材の損傷や材質
の劣化が防止される等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ガス湯沸器の水制御機構の説明
図、第２図イは本案機構の操作ツマミの正面図、
第２図ロは本案機構の操作手順を示す時系列図あ
る。 １……水元栓、２……給水管、３……水圧調整
弁、４……水圧応動ガス弁装置、４ａ……一次水
圧室、５……ダイアフラム、６……連杆、７……
主ガスバーナ、８……ガス弁、９……パイロツト
バーナ、１０……ガスコツク、１１……熱交換
器、１２……主水路、１３……出湯路、１４……
出湯口、１５……絞り部、１６……蒸気発生用流
路、１７……開閉弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水圧の変化に応動するダイアフラムにより主ガ
   スバーナーへのガス供給を制御する水圧応動ガス
   弁装置の一次水圧室を経て熱交換器へ至る主水路
   と、前記水圧応動ガス弁装置の一次水圧室もしく
   は該水圧室より以降の主水路から分岐して該主水
   路と並列的に設けられ、かつ蒸気発生最適口径に
   調節された絞り部を有する蒸気発生用流路とを備
   えたガス湯沸器において、前記蒸気発生用流路と
   の合流点以前の前記主水路に水元栓と操作軸を介
   して連動する開閉弁を設け、該開閉弁は、前記操
   作軸が蒸気を発生させるべき位置まで回動された
   時、閉塞された時、閉塞されて前記蒸気発生用流
   路のみに通水させるが、該操作軸が前記水元栓を
   閉塞させて給水を停止する位置と該水元栓を開放
   して温湯を発生させる給湯位置ないし蒸気を発生
   させる直前の位置との間にある時、常に開放され
   た状態にあるように構成されていることを特徴と
   するガス湯沸器の水制御装置。