JPS6115149Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリート電柱の根元側開口端を閉
塞させる底蓋に関するものである。

コンクリート電柱を建てるに当たつては土中に
埋め込まれる根元側開口端（元口）より電柱内に
土砂が侵入してくると電柱が沈降したり傾いたり
することがあるので、そのようなことのないよ
う、従来からその元口に底蓋を被せるようにして
いる。ところでこの底蓋は土圧に耐えるだけの強
度が要求されるため、従来はこれをコンクリート
ブロツクで形成し、これをモルタル等の接合材に
より電柱の元口に接合するようにしていた。しか
るにこのようなコンクリートブロツク製の底蓋で
は、それ自体が重量物となるために底蓋自体の製
造やコンクリート電柱の元口への接合に手間が掛
かり、また、モルタル等の接合材による接合手段
では接合材の乾燥にも時間が掛かり作業能率が極
めて悪いといつた問題があつた。

本考案はこのような不都合を解消せんとするも
ので、コンクリート電柱への底蓋の取付作業を容
易ならしめると同時に底蓋自体の軽量化並びに生
産性向上によるコスト低減化等を達成せんとする
ものであり、この目的を達成するため本考案の底
蓋は同一形状の半円弧状をした二つの半割体に分
割可能なドーナツ盤状をした外部材と、該外部材
の内径に合致する外径寸法の円盤状の内部材を
夫々プラスチツクにより成形したものであつて、
前記各半割体は内周縁に内壁を立設して該内壁の
内周面に下向き鉤状の内向係合片を延設し、また
外周縁寄り上面にはコンクリート電柱の元口より
同心円状に突出する鉄筋を嵌入する一対の挾着壁
を同心的に対向立設し、さらに両端縁に夫々端壁
を延設して一方の端壁には他方の端壁を嵌入する
やはり下向き鉤状の横向係合片を延設し、前記内
部材は周縁に前記内向係合片に嵌入する外壁を設
けてなることを特徴とするものである。

以下に本考案の一実施例を図面と共に説明す
る。本考案の底蓋１は同一形状の半円弧状をした
半割体３ａ，３ｂに２分割可能なドーナツ盤状を
した外部材３と、外径寸法が該外径部材３の内径
に一致する円盤状をした内部材２とからなり、該
各半割体３ａ，３ｂおよび内部材２はいずれもプ
ラスチツク成形したものである。しかして前記各
半割体３ａ，３ｂは、内周縁に沿つて内壁８を、
また外周縁と中間に夫々外壁１０と中間壁１１
を、さらに該外壁１０と中間壁１１との間には一
対の挾着壁１２，１２′を夫々同心的に立設する
と共に、両端縁には端壁１５，１５′を立設す
る。そして前記内壁８の内周縁に沿つて下向き鉤
状の内向係合片９を延設し、該内向係合片９に適
当間隔置きに複数の切欠溝１３を設けると共に、
前記端壁１５の外縁にやはり下向き鉤状の横向係
合片１６を延設し、該横向係合片１６の前記中間
壁１１の延長上に他方の端壁１５′側の中間壁１
１端縁を嵌入させる切欠溝１７を設ける。なお、
前記内壁８と中間壁１１との間、中間壁１１と挾
着壁１２′との間、および挾着壁１２と外壁１０
との間には夫々補強のため適数のリブ１４を架設
している。

一方、前記内部材２は中心に水抜孔４を開設す
ると共に該水抜孔４の周縁に内壁５を立設し、ま
た、外周縁に沿つて前記外部材３の内向係合片９
に嵌入させる外壁７を立設し、該外壁７と前記内
壁５との間には適数本のリブ６を放射状に設ける
が、該各リブ６は外壁７との交わり部が前記切欠
溝１３に嵌入しうるよう外壁７よりやや背を高く
している。

しかして本考案の底蓋１は、半割体３ａ，３ｂ
を相互に一方の端壁１５と他方の端壁１５′とが
向かい合うように対向させて半割体３ａの横向係
合片１６に半割体３ｂの端壁１５′を半割体３ｂ
の横向係合片１６に半割体３ａの端壁１５′を、
そして切欠溝１７に中間壁１１を夫々嵌入させて
外部材３を組み立てする。しかるのち該外部材３
の内側に内部材２をその外壁７を両半割体３ａ，
３ｂの内向係合片９，９に嵌込み、かつリブ６を
切欠溝１３に嵌入して一体的に組し立てする。

第７図はこのようにして一体に組付けられた底
蓋１の使用例を示したもので、図中Ａは電柱のコ
ンクリート本体、Ｂは該電柱のコンクリート本体
Ａに長手方向にかつ同心円状に複数本埋設された
鉄筋であり、該鉄筋Ｂの下端は夫々元口Ｃから突
出させてある。この元口Ｃに対して底蓋１を当て
がい、元口Ｃから同心円状に突出している鉄筋を
挾着壁１２，１２′の間に挿入させた状態で底蓋
１をさらに元口Ｃに対して押付けてやれば、挾着
壁１２，１２′の弾発性により鉄筋Ｂを挾圧し底
蓋１を強固に固定させることができる。

しかして本考案に係る底蓋は、プラスチツク成
形により一対の挾着壁が弾発力を発揮し、コンク
リート電柱の元口への取り付けが容易化されるも
ので、モルタル等の接合材も不要であり作業能率
が著しく向上する。また、建柱現場で取り付ける
ようにしてもよく作業に融通性がきく便利さもあ
る。

さらに、プラスチツク成形によるため底蓋自体
の生産性が良いことはもとより、外部材を同一形
状の２つの半割体より形成し、２つの半割体と内
部材とに分割成形するようにしたものであるから
金型を小型化できてより一層生産コストの低減が
図れその経済的メリツトも大きい。

さらに各半割体、および内部材を適宜嵌合手段
により一体化することにより耐衝撃、耐圧強度も
備えており、実用上極めて有益なものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例に係わるもので第１図は
分解斜視図、第２図は平面図、第３図は低面図、
第４図は第２図のＡ−Ａ線断面図、第５図は第２
図のＢ−Ｂ線断面図、第６図は第２図のＣ−Ｃ線
断面図、第７図は使用状態の断面図である。 １……底蓋、２……内部材、３……外部材、３
ａ，３ｂ……半割体、７……外壁、８……内壁、
９……内向係合片、１２，１２′……挾着壁、１
５，１５′……端壁、１６……横向係合片、Ａ…
…コンクリート電柱、Ｂ……鉄筋、Ｃ……元口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同一形状の半円弧状をした二つの半割体に分割
   可能なドーナツ盤状をした外部材と、該外部材の
   内径に合致する外径寸法の円盤状の内部材を夫々
   プラスチツクにより成形したものであつて、前記
   各半割体は内周縁に内壁を立設して該内壁の内周
   面に下向き鉤状の内向係合片を延設し、また外周
   縁寄り上面にはコンクリート電柱の元口より同心
   円状に突出する鉄筋を嵌入する一対の挾着壁を同
   心的に対向立設し、さらに両端縁には夫々端壁を
   延設して一方の端壁には他方の端壁を嵌入するや
   はり下向き鉤状の横向係合片を延設し、前記内部
   材は周縁に前記内向係合片に嵌入する外壁を設け
   てなることを特徴とするコンクリート電柱用底
   蓋。