JPS6114816Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はランナングシユーズ等の運動靴に関
するものであつて、その目的とするところは走行
時における安定性に優れたものを提供しようとす
るものである。

従来、ランナングシユーズ等の運動靴において
走行時における衝撃吸収という観点から中間底を
弾性発泡体で形成したものは一般に周知である。
走行時に足裏に付加される体重負荷は踵部後方外
側部の着地に始まり踵部、不踏部外側辺、第５指
のボール部、第１指のボール部の接地を径て、第
１指部、第２〜５指の蹴り動作に対応して順次移
動されるものであるが着地動作から接地動作にか
けて、靴の踵部が横振れし、この踵部の横振れが
足首や膝関節の故障の原因として指摘され、この
ような欠点を除去するため、従来、特公昭57−
21321号、実開昭57−74708号、実開昭57−76504
号によつて取りつけ辺の外周に胛部の踵外周形状
に踵補強壁を一体に形成した硬質のカウンターを
取りつけ辺を胛部の吊込み辺とクツシヨン性の中
間底間に介在接着させ、踵補強壁を胛部の踵外周
部に装着させた運動靴が提案されているが、取り
つけ辺と踵補強壁とがほぼ直角に交わつており、
しかも中間底がクツシヨン性を有しているため踵
部が横振れしようとする際、体重負荷がカウンタ
ーの取りつけ辺と踵補強壁との稜線に沿つてクツ
シヨン性の中間底が部分的に過度に圧縮され、走
行の際の靴の踵部の横振れ防止が不充分であるば
かりか、上記の稜線に沿つてカウンターと中間底
とが剥離される欠点があつた。

この考案はこれらの欠点を除去したものであつ
て、以下実施例に従つて説明すれば、馬締形の取
りつけ辺１１の外周に胛部４の踵部外周形状に沿
つた踵補強壁１２を半硬質乃至硬質のゴム、また
は合成樹脂で一体に形成した内カウンター１の踵
補強壁１２の外側に、下端に外方向へ指向する鍔
２１を半硬質乃至硬質のゴム、または合成樹脂で
一体に形成した外カウンター２を接着、溶着等に
より重層したカウンターを、取りつけ辺１１を胛
部の吊込み辺４１とクツシヨン性の中間底５間に
介在接着させ、踵補強壁１２を胛部４の踵外周部
に装着させるとともに鍔２１を中間底の外周辺５
１に装着させて、靴の踵部に取りつけたことを特
徴とする運動靴を要旨とするものである。

この考案において内カウンター１と外カウンタ
ー２とは一体に成形されていてもよいが、内カウ
ンター１よりも硬質材で形成された外カウンター
２を内カウンター１に重層したものを使用すれ
ば、踵部が横振れしようとする際の体重負荷に対
して内カウンター１と外カウンター２との硬度差
によつて段階的に抵抗するので、踵部の横振れが
より効果的に防止されるとともにカウンターの耐
久性をより一層増加できる。そしてこの場合、外
カウンター２をガラス繊維、炭素繊維等の無機質
で強化した合成樹脂で構成しておけばカウンター
を軽量で強靫性に優れたものにすることができ、
このようなカウンターを踵部に取りつけた運動靴
は、カウンターによる靴の重量増を極力回避し、
耐久性に優れたものとすることが可能である。そ
してこの考案において、内カウンター１を半硬質
に、外カウンター２を硬質に形成し、カウンター
の内側辺（内胛側）ａにおいて、内カウンター１
と外カウンター２との背の高さをほぼ同一とし、
カウンターの後側辺（後胛側）ｂと外側辺（外胛
側）ｃにおいて、内カウンター１を外カウンター
２よりも背高に形成しておけば、カウンターの内
側辺ａにおいては全体的に剛直性を保持しなが
ら、カウンターの後側辺ｂと外側辺ｃにおいては
内カウンターのみからなる内カウンターの上方部
１０で多少の屈曲性を保持し得るので着用感が阻
害されることなく、しかも走行の際靴の踵部が過
度に内回転しようとすること、即ちオーバープロ
ネーシヨンがカウンターの内側辺ａで効果的に防
止される。またこの考案において、外カウンター
の鍔２１の縁に中間底５の外側辺５２の形状に沿
つた補助鍔２２を一体に形成しておき、補助鍔２
２を中間底５の外側辺５２に接着しておけば補助
鍔２２によつてカウンターと中間底５との接着性
が強化され、しかも補助鍔２２によつて中間底５
の外側辺５２に隣接する部分において中間底５の
クツシヨン性が部分的に制限されるので走行の際
の踵部の横振れが一層効果的に防止される。

またこの考案において、内カウンターの後側辺
ｂにおいて、取りつけ辺１１に、取りつけ辺の内
縁１１１に開口する切り込みまたは切欠部１１２
を設けておけば切り込みまたは切欠部１１２によ
つてカウンターの内側辺ａと外側辺ｃとを相互に
彎曲させることができるので、カウンターの靴に
対する取りつけ作業が便利である。

この考案において、踵補強壁１２は接着縫着等
の手段によつて胛部の踵部外周に装着されてお
り、胛部の踵部は従来と同様、胛被４２、月形補
強片４３、踵補強皮４４等を重層して補強されて
いることが好ましい。

この考案は以上のように内カウンター１の踵補
強壁１２の外側に外カウンター２を重層したもの
を靴の踵部に取りつけたので踵部が著しく補強さ
れ、しかも外カウンター２の下端に一体に形成さ
れた鍔２１を中間底の外周辺５１に装着したので
走行の際、靴の踵部が横振れしようとする際の体
重負荷は、鍔２１全体に分散されるので、従来の
ようにカウンター取りつけ辺と踵補強壁との稜線
に沿つてクツシヨン性の中間底が部分的に過度に
圧縮されることがない。したがつて走行の際の靴
の踵部の横振れが効果的に防止され、しかも上記
したように体重負荷が鍔２１全体に分散されるの
でカウンターと中間底５とが従来のようにカウン
ターの取りつけ辺と踵補強壁との稜線に沿つて剥
離することもない。

【図面の簡単な説明】

図面は実施例を示すものであつて、第１図は本
考案の運動靴の見取り図であり、第２図は第１図
Ａ−Ａ線における断面図であり、第３図はカウン
ターの見取り図である。 符号の説明、１……内カウンター、１０……上
方部、１１……取りつけ辺、１１１……内縁、１
１２……切り込みまたは切欠部、１２……踵補強
壁、２……外カウンター、２１……鍔、２２……
補助鍔、４……胛部、４１……吊込み辺、４２…
…胛被、４３……月形補助片、４４……踵補強
皮、５……中間底、５１……外周辺、５２……外
側辺、６……中底、ａ……カウンターの内側辺、
ｂ……カウンターの後側辺、ｃ……カウンターの
外側辺。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 馬締形の取りつけ辺１１の外周に胛部４の踵外
   周形状に沿つた踵補強壁１２を一体形成した内カ
   ウンター１の踵補強壁１２の外側に、下端に外方
   向へ指向する鍔２１を一体に形成した外カウンタ
   ー２を重層したカウンターを、取りつけ辺１１の
   胛部の吊込み辺４１とクツシヨン性の中間底５間
   に介在接着させ、踵補強壁１２を胛部４の踵外周
   部に装着させるとともに鍔２１を中間底の外周辺
   ５１に装着させて、靴の踵部に取りつけたことを
   特徴とする運動靴。