JPS6114458Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバインダー綴具の取付装置に関する。
弾発的に開閉するバインダー綴具は第１及び第２
図に示すように、細長い素板１，２に多数の用紙
綴環３，４をそれぞれ一体形成し、綴環３と４の
自由端が整列衝合するようになつておに、さらに
素板１，２の内縁は衝接して上下動自在になるよ
うに拘束されており、それらの外縁は金属板製の
弾性鞘５により保持されている。素板１，２の端
部（一方または両方）には開放操作用のツマミ
６，７がそれぞれ一体形成されている。ツマミ
６，７を相互の方向に押圧すると素板１，２は下
方安定位置から死点を超えて上側安定位置へと弾
発移動して綴環３，４を開き、用紙の挿入または
取外しを可能にする。一方綴環の閉鎖には綴環を
手で閉鎖方向に押圧することにより素板１，２を
上側安定位置から下側安定位置へ移動させる。

この綴具をバインダー表紙へ取付ける目的でで
素板１，２の衝接部に沿つて少なくとも２個所に
ポンチ挿入孔８が設けられており、またこれらの
位置に対応して鞘５の底面に鋲孔９が形成され
る。綴具をバインダー表紙への取付けるには第３
図のように表紙Ｂの孔と錠孔９とを合致させた
上、鋲１０を下から挿入して金敷上へ置き、ポン
チ挿入孔８にはかしめ用ポンチ１１を挿入し、打
撃力をポンチ上端へ加えて鋲１０の上端を鋲孔９
のまわりにかしめ付ける。この取付け装置はプレ
ス等を利用して行うけれども錠の挿入、ポンチの
挿入、かしめのように工程が多く作業が面倒であ
る。類似の綴具の取付手段も大同小異である。

本考案は上記の欠点を無くし、簡単な操作で綴
具の取付け作業を行うことができる取付装置を提
供する。

第４図ないし第６図は本考案によるバインダー
取付装置の構造を示す。金属板製の鞘５の底面の
長手方向中心線Ａ上に少くとも２個の離間した取
付孔１１（一方のみ図）が形成されている。取付
孔１１の縁部は等間隔のスリツト１２で離間され
た弾性を有する舌部片１３が取付孔１１の中心上
方へ向けて延び出しており、その内方縁端１４は
鋭い角に終端している。これらの内方縁端１４が
画成する円の直径は使用される鋲１０のシヤンク
部１５の直径よりも小さく形成され、シヤンク１
５を下方（第６図参照）から挿入するときは充分
な力さえ加えればシヤンクが摺動的に圧入できる
ような寸法にされている。この摺動的な圧入は弾
性片１３の傾斜角によつて規定されるものであ
り、この傾斜角と楠方縁端１４の直径とスリツト
１２の幅及び数とを適宜に選択組合せる。さら
に、舌部片１３の基部は鞘５が表紙Ｂに接する面
（第６図参照）よりも隆起した周部１７に支持さ
れている。この隆起周部１７は鋲の打込みに際す
る弾性を与えると共に、鋲の頭部１６で押された
ときに表紙Ｂの素材が撓みうるための空所を与え
る。上記の取付部は、鞘５が平板のうちにスリツ
ト１２及び孔１１に相当する外形を有する打抜き
型を用いて打抜きを行い、次で絞り型で図によう
に成形する。或いは打抜きと絞りとを同時に行う
型を用いて作ることも可能である。隆起周部は環
状の平らな上面を有することが好ましく、その寸
法は鞘の材質やプラスチツク鋲の材質や寸法から
経験的に決定すれば良い。

鋲１０はシヤンク部１５と頭部１６とより構成
されており、好ましくはプラスチツク製として後
述のように取付孔の弾性舌部片１３が十分に食込
むようにする。頭部１６は装飾機能を兼ねてもよ
い。シヤンク部１５は前述のように取付孔１１の
最内径よりも充分に大きくする。このにより鋲は
取付孔１１に圧入されるときに弾性舌部片１３を
押し拡げながら侵入し、一旦侵入したら内方縁端
１４のシヤンク部外周への食込みによりその位置
にとどまる。綴具と表紙を引離そうとする力に対
しては弾性片は益々シヤンクへ食込むので確実な
鋲着力が得られる。鋲１０の取付けには治具を一
切使用しないで済むことは明らかであろう。

使用において、バインダー表紙Ｂの鋲孔にバイ
ンダー綴具の鞘の取付孔１１を正しく位置づけ、
こうして整列した孔に鋲１０のシヤンク部１５を
下から圧入する（第６図参照）。そうすると取付
孔の弾性片１３が押押し拡げられて内方縁端１４
が画成する円が大きくなつてシヤンク部１５は摺
動しつつ取付孔１１に侵入する。シヤンク部１５
はプラステツク材製であるから同様に多少の弾性
変形を行う。こうして取付位置までシヤンク部１
５が侵入すると、弾性片１３の弾力と、その内方
縁端１４の鋭い角による食込みとによりシヤンク
部従つて鋲は取付位置にしつかりと保持される。

鋲の打込み時に、第６図に示すように、鋲の頭
部１６は表紙Ｂを鞘５の隆起周部１７によつて画
成されている空所中へ強く押入させて撓ませるか
ら、鋲のシヤンク１５は充分に取付孔１０へ侵入
し、打込みが終ると、表紙が復元しようとする弾
力によつてシヤンク１５は強力に下方へ引張られ
舌部片１３のシヤンク１５への食込みを非常に強
くし、これにより綴具の表紙への固定は強固とな
る。

比較のため、第７図に隆起周部１７に相当する
部分を省略したバインダー綴具の取付装置を示す
（第４〜６図の例と対応する部分は同一のの参照
符号で示した）。実験によると本考案に従つて製
作した取付装置は、鋲と鞘を第７図に示したもの
よりもかなり大きな力で引張つても緩みを生じな
かつた。

本考案によると、バインダー綴具のバインダー
表紙への取付操作が、ワンタツチ形式で実行でき
るから、製造工程が簡単になり、工程コストが安
くなり、当業者に資するところが大である。

尚、上に説明した実施例では、３個のスリツト
により分割された弾性舌部片を取付孔の周りに配
置したが、スリツトの数は変化してもよいし、ま
た内方縁部はナイフエツジ状でもよいし、鋸歯状
でもよい。また鋲はプラスチツクが好ましいが金
属シヤンクのまわりにギザギザをつける等による
構成することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のバインダー綴具の部分平面図、
第２図は同正面図、第３図は従来のバインダー綴
具の取付装置及び取付方法を示す断面図で第１図
の線−に対応するもの、第４図は本考案の取
付孔を有する鞘の（素板を除いて示した）断面図
で第５図の線−から見たもの、第５図は同平
面図及び第６図は取付状態にある本考案の取付装
置の断面図、及び第７図は比較例による取付装置
の断面図である。図中主要な部材は次の通りであ
る。 ５……鞘、１０……鋲、１１……取付孔、１２
……スリツト、１３……弾性舌部片、１４……内
方縁端、１５……シヤンク部、１６……頭部、１
７……隆起周部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属板製背部を有するバインダー綴具を表紙に
   鋲着するための取付装置において、前記取付装置
   は前記背部に形成された取付孔とこれに嵌合する
   拡大頭付き鋲とから成り、前記取付孔の周知は前
   記背部が表紙に接する面であつて前記拡大頭の直
   径よりも大きい個所から内方へ延びる隆起した隆
   起周部と、前記周部から前記取付孔の中心線へ向
   けて且つ前記鋲の進入方向へ向けて斜めに延長し
   且つ前記取付孔の直径よりも小さい円上に終端す
   る複数の舌部とむり構成され、しかも前記舌部内
   端は鋭い角を有することを特徴とする、バインダ
   ー綴具の取付装置。