JPS6113523B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は蒸気使用機器等に発生する復水をボイ
ラ等へ圧送するドレン回収装置に関する。

従来熱水を給水タンクの冷水に混入して温度を
下げ、それを給水ポンプでボイラへ圧送すること
が行われていたが、ポンプのキヤビテーシヨン発
生の為に比較的低温の水しか送れない問題があつ
た。そこでまた、給水ポンプの吐出口と吸込口を
結ぶ循環通路を設け、そこにエゼクタを介在して
復水を吸引し、ポンプの吸込口の圧力を高めてキ
ヤビテーシヨン発生を防ぐことが行われたが、制
御が難しく、ポンプ効率が著しく低い問題があつ
た。

本発明は給水ポンプがキヤビテーシヨンを発生
することなく、高いポンプ効率で復水を圧送する
ドレン回収装置を提供せんとするものである。

本発明によるドレン回収装置は、密閉タンクで
ドレン溜を形成し、ドレン溜を可動の仕切部材で
可変的に二分し、給水ポンプとドレン溜の一方の
室を逆止弁を介在した圧入通路で連結し、電気操
作の排水弁を介在した排水通路をドレン溜の当該
一方の室に連結し、ドレン溜の他方の室に逆止弁
を介在した、ボイラ等に連結する圧送通路を取り
付け、逆止弁を介在した復水の導入管をドレン溜
の当該他方の室に連結せしめ、給水ポンプの運転
時に排水弁を閉弁せしめ、停止時に開弁せしめる
様に排水弁を操作を制御する手段を設けたもので
ある。

好ましくは、ドレン溜の一方の室から圧送通路
の逆止弁とボイラ等の間を連結するバイパス通路
形成し、バイパス通路に逆止弁を介在せしめたも
のである。

上記のドレン回収装置の作用を説明する。給水
ポンプは給水タンクの水を汲上げる様に据付ける
圧送通路はボイラ等の圧送先に連結する。復水の
導入管は蒸気使用機器等の復水の発生箇所に、通
常はスチームトラツプを介在して、連結する。流
出通路は通常は給水タンクに余分な水を戻す様に
連結する。

給水ポンプが停止している時は、排水弁は開弁
位置に操作されている。圧入通路と圧送通路に於
ては各々に配置した逆止弁の作用で、ドレン溜の
一方の室から給水ポンプに、ボイラからドレン溜
の他方の室に向う逆流はできない。従つて復水は
導入管を通つてドレン溜の他方の室に入り、仕切
部材を移動させてドレン溜の一方の室内の水を排
水通路を通して押出す。

次に、給水ポンプを運転すると、同時に排水弁
が閉弁位置に操作され排水通路が閉じられる。給
水ポンプから出た水は逆止弁を押し開けて圧入通
路を通りドレン溜の一方の室に入り、仕切部材を
移動させる。復水の導入管の逆止弁が閉じられる
ので復水はドレン溜の他方の室に流入できなくな
る。一方、圧送通路の逆止弁は押し開けられるの
で、ドレン溜の他方の室内の復水がボイラ等に圧
送される。

ドレン溜の一方の室から圧送通路の逆止弁とボ
イラ等の間を連結するバイパス通路で形成し、バ
イパス通路に逆止弁を介在せしめれば、ドレン溜
の他方の室内の復水を圧送後、一方の室内の水を
バイパス通路を通してボイラ等に圧送することが
できる。

給水ポンプの運転、停止は、従来通り、ボイラ
の水位等に応じて制御され、上記の作動を繰り返
して、自動的に復水を回収し、給水を行う。

従つて、本発明によれば、ドレン溜を可動の仕
切部材で可変的に二分しているので、復水と補給
水が混合し難く、高温の復水が冷水よりも優先的
にボイラに圧送されるのでドレン回収効率が高く
なり、また、給水ポンプは冷水を圧送するだけで
高温の熱水は圧送しなくてもよいからキヤビテー
シヨンを発生することもない。

次に図示の実施例を詳細に説明する。給水タン
ク１の水源から補給水を圧送する給水ポンプ２と
ボイラ３の間にドレン溜４が設けられている。ボ
イラ３の水位が高水位BHと低水位BLの間にある
とき、水位検出器５の信号で給水ポンプ２は駆動
停止状態にあり、補給水圧入通路６を通してのド
レン溜４から給水タンク１への逆流は逆止弁７で
阻止されており、排水通路８は電気操作の排水弁
９で開けられ、排出通路１０を通してドレン溜４
内は圧力調節弁１１で設定した圧力に保たれてい
る。従つて、ボイラ３で発生した蒸気は輪送管１
２を通つて蒸気使用機器１３に運ばれ、そこで発
生した復水はスチームトラツプ１４で選択的に排
出され、ドレン溜控室１５に流入する。ドレン溜
控室１５は均圧管１６で排出通路１０に連通して
おり、再蒸発蒸気が排出されて控室１５もドレン
溜４とほぼ同圧に保たれる。従つて控室１５の復
水はドレン溜４の水を排水通路８から押し出しな
がら導入管１７を下り逆止弁１８を通つてドレン
溜４内に入る。このときドレン溜４内はドレン溜
４内液体とほぼ等しい比重の仕切板１９で上下に
可変的に二分され、復水は下の部屋に導入され、
上の部屋の水が排水通路８から排出される。従つ
て復水と補給水が混合し難く、また断熱作用に優
れた材料で仕切板１９を作れば熱伝達も少なくな
る２０は仕切板１９の可動範囲を定めるストツパ
である。

こうして復水がドレン溜４に導入される間にボ
イラ３内水位が蒸発により低水位BLまで下がる
と、水位検出器５の信号で、排水弁９は閉じら
れ、給水ポンプ２は駆動され、補給水がドレン溜
４内に圧入される。このとき圧入通路６はドレン
溜４の上部に開口し仕切板１９の上の部屋に圧入
され仕切板１９を下方へ押し下げる。導入管１７
を通つての控室１５への逆流は逆止弁１８で阻止
されるから、仕切板１９の下の部屋の復水はドレ
ン溜４の下部に開口した圧送通路２１を通り、逆
止弁２２を押し開けてボイラ３へ送り込まれる。
ドレン溜４の上部と圧送通路２１の間にはバイパ
ス通路２３が設けてあり、仕切板１９が下のスト
ツパ２０に当るまで復水が圧送されてもまだ給水
不足の場合には、補給水がバイパス通路２３を通
り、逆止弁２４を押し開いてボイラ３へ圧入され
る。

そしてボイラ３内の液位が高水位BHまで上昇
すれば水位検出器５の信号で給水ポンプ２は駆動
停止され、排水弁９は開けられ、蒸発が進めばボ
イラ３内の水位は図示の如く高水位BHと低水位
BLの間に位置し、上記のような動作を繰り返し
てドレン回収を行う。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例のドレン回収装置の概略
図である。 ２は給水ポンプ、３はボイラ、４はドレン溜、
９は排水弁、１１は圧力調節弁、１３は蒸気使用
機器、１４はスチームトラツプ、１５はドレン
溜、控室、１９は仕切板、２３はバイパス通路、
２４は逆止弁である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 密閉タンクでドレン溜を形成し、ドレン溜を
   可動の仕切部材で可変的に二分し、給水ポンプと
   ドレン溜の一方の室を逆止弁を介在した圧入通路
   で連結し、電気操作の排水弁を介在した排水通路
   をドレン溜の当該一方の室に連結し、ドレン溜の
   他方の室に逆止弁を介在した、ボイラ等の圧送先
   に連結する圧送通路を取り付け、逆止弁を介在し
   た復水の導入管をドレン溜の当該他方の室に連結
   せしめ、給水ポンプの運転時に排水弁を閉弁せし
   め、停止時に開弁せしめる様に排水弁を操作する
   手段を設けた、ドレン回収装置。 ２ ドレン溜の一方の室と、逆止弁２２とボイラ
   ３の間の圧送通路部分とをバイパス通路で連結
   し、バイパス通路に逆止弁を介在せしめた、特許
   請求の範囲第１項記載のドレン回収装置。