JPS6141364B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は蒸気使用機器等に発生する復水をボイ
ラ等へ圧送するドレン回収装置に関する。

従来熱水を給水タンクの冷水に混入して温度を
下げ、それを給水ポンプでボイラへ圧送すること
が行われていたが、ポンプのキヤビテーシヨン発
生の為に比較的低温水しか送れない問題があつ
た。また、給水ポンプの吐出口と吸込口とを結ぶ
循環通路を設け、そこにエゼクタを介在して復水
を吸い込み、吸込口の圧力を高めてポンプのキヤ
ビテーシヨンを防ぐことが行われていたが、制御
が難しく、ポンプ効率が著しく低下する問題があ
つた。

本発明は給水ポンプがキヤビテーシヨンを発生
することなく、また高いポンプ効率で復水をボイ
ラ等に圧送する、簡単かつ便利なドレン回収装置
を提供せんとするものである。

本発明によるドレン回収装置は、密閉タンクで
ドレン溜を形成し、給水ポンプとドレン溜の下部
の間を逆止弁を介在した圧入通路で連結し、ドレ
ン溜の上部に逆止弁を介在した、ボイラ等に連結
する圧送通路を取り付け、逆止弁を介在した復水
の流入通路をドレン溜の上部に連結し、排水弁を
介在した排水通路をドレン溜の下部に連結し、ド
レン溜の上部に排気弁を取り付け、給水ポンプの
停止時に排気弁を開弁せしめ、運転時に排水弁を
閉弁せしめる手段を設け、ドレン溜内の水位を検
出する手段を設けて、給水ポンプの運転時にドレ
ン溜の水位が所定の高位に達したら排気弁を閉弁
せしめ、排水通路に温度検出器を取り付けて、給
水ポンプの停止時に温度検出器の信号で排水弁を
開閉操作した設定温度以下の残留水を排出する様
にした、ものである。

上記のドレン回収装置の作用を説明する。給水
ポンプは給水タンクの水を汲上げる様に据付け
る。圧送通路はボイラ等の圧送先に連結する。復
水の流入通路は蒸気使用機器等の復水の発生箇所
に、通常はスチームトラツプを介在して、連結す
る。排水通路は通常は給水タンクに余分な水を戻
す様に連結する。

給水ポンプが停止している時は、排水弁は温度
検出器により開閉操作される。圧入通路と圧送通
路に於ては各々に配置した逆止弁の作用で、ドレ
ン溜から給水ポンプに、ボイラからドレン溜に向
う逆流はできない。従つて、ドレン溜内の設定温
度よりも低い水は排水通路を通つて排出され、復
水は流入通路を通つてドレン溜に入る。

次に、給水ポンプを運転すると、同時に排水弁
が閉弁位置に操作され排水通路が閉じられる。給
水ポンプから出た水は逆止弁を押し開けて圧入通
路を通りドレン溜に入る。そして、ドレン溜の内
の水位の上昇と共に上部の気体が排気弁から排出
され、水位が所定の高位に達すれば排気弁が閉弁
する。すると、ドレン溜りの圧力が高まり、流入
通路の逆止弁が閉じられるので復水はドレン溜に
流入できなくなる。圧送通路の逆止弁は押し開け
られるので、ドレン溜内の水がボイラ等に圧送さ
れる。

給水ポンプの運転、停止は、従来通り、ボイラ
の水位等に応じて制御され、上記の作動を繰り返
して、自動的に復水を回収し、給水を行う。

ここで、ドレン溜内には上部程高温に、下部程
低温に水が自然に溜るので、給水時には上部のよ
り高温の水程早く圧送通路を通してボイラ等に送
られる。排出通路をドレン溜の下部に開口せしめ
れば、給水停止時には下部のより低温の水程早く
排出通路を通つて排出せしめられる。

従つて、本発明によれば、給水ポンプの停止時
にドレン溜内の低温の残留水を排出して、運転時
には高温の復水が冷水よりも優先的にボイラに圧
送されるのでドレン回収効率が高くなり、また、
給水ポンプは冷水を圧送するだけで高温の熱水は
圧送しなくてもよいからキヤビテーシヨンを発生
することもない。

次に図示の実施例につき詳細に説明する。ボイ
ラ１の水位が高水位BHと低水位BLの間にあると
き、給水タンク２とドレン溜３の底部を連通する
圧入通路４に配した給水ポンプ５は、液位検出器
６の信号で停止しており、ドレン溜３から給水タ
ンク２への逆流は逆止弁７で阻止されている。ド
レン溜３の上部を給水タンク２へ連通する排気通
路８の排気弁９は電気的操作で開かれており、一
次圧調節弁１０によつてドレン溜３内は上部の気
体を排出しつつ調節弁１０で設定された圧力に維
持されている。ドレン溜３内は比較的低圧で、圧
送通路１１を通してのボイラ１からドレン溜３へ
の逆流は逆止弁１２で阻止されており、蒸気使用
機器で発生し、スチームトラツプ１３で選択的に
排出された復水は流入通路１４を通り、逆止弁１
５を通つてドレン溜３に導入される。ドレン溜３
の底部と給水タンク２を連通する排水通路１６に
は電気的に操作される排水弁１７と、通路１６の
温度を検出する検出器１８が配されている。ドレ
ン溜３内の液位が高水位THと低水位TLの間にあ
るときに、排水通路１６の温度が設定温度よりも
低い場合、それを検出した温度検出器１８の信号
で排水弁１７は開けられ、ドレン溜内の液位が低
水位TLまで下がつたとき、液位検出器１９の信
号で排水弁１７は閉じる。かくしてドレン溜３内
の低温水は自動的に排出される。ドレン溜３内の
液位が復水の流入によつて高水位THまで達した
ら、それを検出した液位検出器１９の信号で排水
弁１７は開き、ドレン溜３内の復水は排出され、
液位がTLまで下がつたとき、液位検出器１９の
信号で排水弁１７は閉じる。ドレン溜３の容積は
ボイラ１の一回の給水量を考慮して設計されるの
で、上記の如き排水は、実際には復水発生量の急
増の場合に行われる。ボイラ１内の液位がBLま
で下がると、液位検出器６の信号で、排水弁１７
は閉じ、そして給水ポンプ５が駆動され、給水タ
ンク２内の補給水はドレン溜３内に圧入される。
流入通路１４は逆止弁１５で逆流が阻止され、圧
送通路１１にはボイラ１の高圧が作用しているの
で逆止弁１２は開かず、結局、ドレン溜３内の液
位上昇と共に、上部の残留気体は排気通路８を通
つて排気され、液位が高水位THまで上昇する
と、液位検出器１９の信号で排気弁９は閉じら
れ、ドレン溜３内は更に高圧となり、高温水は補
給水に後押されて圧送通路１１の逆止弁１２を押
し開きボイラ１へ送り込まれる。そして、ボイラ
１内の液位が高水位BHまで達すると、液位検出
手段６の信号で給水ポンプ５の駆動は停止し、ド
レン溜３内の液位は高水位THにあるから排水弁
１７は開き、低水位TLまで排水を行い、同時に
排気弁９が開き、流入通路１４の復水をドレン溜
３内に導入する。このとき導入管２０の浸液部の
周壁には小孔が多数穿設されており、復水が再蒸
発を抑えられて残留冷水と混合する。そしてドレ
ン溜３内の液位は上昇し、一方ボイラ１内の液位
は蒸発に伴つて下降し、図示の状態となつて、以
後上述の動作を繰り返してドレン回収を行う。こ
こで、ドレン溜３の設定上下水位TH，TL、ある
いは排水通路の温度検出器１８の設定温度はドレ
ン回収の収況に合わせて自由に調節でき、効率の
よい回収を行うことができる。また、給水ポンプ
５は熱水を圧送することはなくキヤビテーシヨン
を発生しない。ドレン溜３内の熱水が給水タンク
２の補給水に先き立つてボイラ１へ圧送されるの
でドレン回収効率は高い。上記から明らかな如
く、気体がボイラ１へ圧送されることがなく、ま
たドレン溜３への復水導入も容易である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例のドレン回収装置の概
略図である。 １はボイラ、２は給水タンク、３はドレン溜、
５は給水ポンプ、９は排気弁、１０は圧力調節
弁、１３はスチームトラツプ、１７は排水弁、１
８は温度検出器、１９は液位検出器である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 密閉タンクでドレン溜を形成し、給水ポンプ
   とドレン溜の下部の間を逆止弁を介在した圧入通
   路で連結し、ドレン溜の上部に逆止弁を介在し
   た、ボイラ等の圧送先に連結する圧送通路を取り
   付け、逆止弁を介在した復水の流入通路をドレン
   溜の上部に連結し、排水弁を介在した排水通路を
   ドレン溜の下部に連結し、ドレン溜の上部に排気
   弁を取り付け、給水ポンプの停止時に排気弁を開
   弁せしめ、運転時に排水弁を閉弁せしめる手段を
   設け、ドレン溜内の水位を検出する手段を設け
   て、給水ポンプの運転時にドレン溜の水位が所定
   の高位に達したら排気弁を閉弁せしめ、排水通路
   に温度検出器を取り付けて、給水ポンプの停止時
   に温度検出器の信号で排水弁を開閉操作して設定
   温度以下の残留水を排出する様にした、ドレン回
   収装置。