JPS6113063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、触媒の作用によつて排煙の脱硝を行
なう装置であつて、充分なシール性を有するプレ
ート型排煙脱硝触媒装置に関する。

通常のプレート型排煙脱硝装置の概略を第１図
〜第３図に基づいて説明する。すなわち、上下方
向の煙道１内に配設された横梁２上に、多数の触
媒ブロツク３を複数段（第１図〜第３図では３段
のものを例示する）ずつ複数列（第１図〜第３図
は幅方向14列、奥行方向３列のものを例示する）
積層してプレート型触媒層４を形成し、煙道１内
を流れる排煙５は、該触媒層４を通過することに
よつて脱硝され、脱硝後の排煙６は、外部に排出
されるものである。上述の通り触媒層４は、ハン
ドリングを容易にするため分割方式とされ、それ
ぞれを触媒ブロツク３化して多段に積層されるも
のであるが、各触媒ブロツク３間は、該触媒ブロ
ツク３の排煙５による熱膨張吸収と、ハンドリン
グの容易さを確保するために隙間７を設ける必要
がある。しかし、この隙間７への排煙の浸入は、
脱硝効率の低下原因となるため、排煙へのシール
対策が必要となる。

そこで本考案は隙間に適当な充填物を挿入する
とともに隙間の上縁を断面Ｕ字状のメンブレンシ
ールで塞ぐことにより、上述の熱膨張を吸収しな
がら十分なシール効果を得ることを目的とするも
のである。

この目的を達成するため本考案は、上下方向の
煙道内の配設された横梁上に、多数の触媒ブロツ
クを複数段ずつ積層して形成された触媒ブロツク
側壁を複数列有してなるプレート型触媒層を載置
し、触媒ブロツク側壁間および触媒ブロツク側壁
と煙道壁の間の隙間に充填物を挿入するととも
に、最上段の触媒ブロツクの側壁上端間および最
上段の触媒ブロツクの側壁上端と煙道壁との間
に、上下方向にＵ字状の断面を有するメンブレン
シールを両壁面に密着させて配設し、前記メンブ
レンシールどうしの交差部は、この交差部を横断
して配設された第１のメンブレンシールと、この
第１のメンブレンシールに横方向から接当可能な
断面Ｊ字状の板体で側端が塞がれた一対の第２の
メンブレンシールとを、前記板体の上部にて第１
のメンブレンシールの上縁を巻き込むことにより
互いに接合した構成とされているようにしたもの
である。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

第４図は第２図の要部に相当する部分を拡大し
て示したものである。すなわち、横梁２上に積層
載置された触媒層４を構成する触媒ブロツク３側
壁間の隙間部には、ロツクウールあるいは適当な
保温材等の充填材８が挿入されて隙間部への排煙
の侵入を防止しており、また、最上段の触媒ブロ
ツク３の側壁上端間には、両側壁面に密着されて
上下方向にＵ字状の断面を有するメンブレンシー
ル９が配設されている。該Ｕ字状の断面を有する
メンブレンシール９は、第１図のＡ部に相当する
部分を拡大した第５図に示すように、触媒層４上
面全域に亘つて設けられており、隙間７の上縁を
塞いでいる。

第６図〜第７図はメンブレンシール９の触媒ブ
ロツク３の側壁３ａおよび煙道壁１ａへの取付状
態を示す。第６図は第５図のＢ−Ｂ断面図であつ
て、触媒ブロツク３の側壁３ａと煙道壁１ａの間
に亘つて取り付けられた状態を示し、断面Ｕ字状
のメンブレンシール９の両直線部はセツテングプ
レート１０と煙道壁１ａあるいは触媒ブロツク３
の側壁３ａ上端より立設された取付板１１とで挾
まれた状態でボルト締めされている。１２は締付
用ボルト、１３は締付用スタツドボルト、１４は
ナツトである。両直線部の中間は円弧状の曲線と
なつており、側壁３ａと煙道壁１ａとの間の熱膨
張を吸収するものである。８は前記充填物、ま
た、１５は触媒ブロツク３吊上げ用の吊り金具で
ある。第７図は第５図のＣ−Ｃ断面図であつて、
触媒ブロツク３の側壁３ａ間に亘つてメンブレン
シール９を取り付けた状態を示す。

メンブレンシール９は第８図〜第９図に示す第
１のメンブレンシール９ａと第１０図〜第１１図
に示す第２のメンブレンシール９ｂとからなり、
第１のメンブレンシール９ａはその両側端が開放
され、また、第２のメンブレンシール９ｂは、そ
の両側端が、第１のメンブレンシール９ａに横方
向から接当可能な断面Ｊ字状の板体１６で塞がれ
ている。板体１６の上部１６ａは第２のメンブレ
ンシール９ｂの上縁よりも所定量だけ上方に突出
している。１７はボルト通し穴である。

第５図に示す第１のメンブレンシール９ａと第
２のメンブレンシール９ｂの交差部１８は、第１
２図のように構成されている。すなわち、第２の
メンブレンシール９ｂの側端部の板体１６が第１
のメンブレンシール９ａの外面の接当され、板体
１６の上部１６ａにて第１のメンブレンシール９
ａの上縁を巻き込むことによつて両メンブレンシ
ール９ａ、９ｂが接合されるものである。

以上述べた構成によれば、隙間７に充填材８を
挿入するため、該隙間７への排煙の侵入が防止さ
れ、かつメンブレンシール９によつてシール性が
確実になり、また、該メンブレンシール９によつ
て触媒ブロツク３間の熱膨張を吸収することにな
る。

以上述べたように本考案によると、充填物とメ
ンブレンシールとの共働作用により、十分なシー
ル効果を得ることができて脱硝効率が向上できる
のみならず、触媒ブロツク間の熱膨張を容易に吸
収することができ、しかもメンブレンシールどう
しの交差部においては第２のメンブレンシールの
板体を第１のメンブレンシールに接当させている
ため、この交差部においてもシール性を確保で
き、さらに前記板体にて第１のメンブレンシール
の上縁を巻き込んで接合するため両メンブレンシ
ールどうしを確実に固定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は通常のプレート型排煙脱硝触
媒装置の概略を示し、第１図は同縦断平面図、第
２図は同欠取正面図、第３図は同欠取側面図、第
４図〜第１２図は本考案に基づく一実施例を示す
図であつて、第４図は第２図の要部に相当する部
分の拡大正面図、第５図は第１図のＡ部に相当す
る部分の拡大平面図、第６図は第５図のＢ−Ｂ断
面図、第７図は第５図のＣ−Ｃ断面図、第８図〜
第９図は第１のメンブレンシールを示し、第８図
は同側面図、第９図は同正面図、第１０図〜第１
１図は第２のメンブレンシールを示し、第１０図
は同側面図、第１１図は同正面図、第１２図は第
１のメンブレンシールと第２のメンブレンシール
の交差部を示す斜視図である。 １……煙道、１ａ……煙道壁、２……横梁、３
……触媒ブロツク、３ａ……側壁、４……プレー
ト型触媒層、７……隙間、８……充填物、９……
メンブレンシール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下方向の煙道内に配置された横梁上に、多数
   の触媒ブロツクを複数段ずつ積層して形成された
   触媒ブロツク側壁を複数列有してなるプレート型
   触媒層を載置し、触媒ブロツク側壁間および触媒
   ブロツク側壁と煙道壁の間の隙間に充填物を挿入
   するとともに、最上段の触媒ブロツクの側壁上端
   間および最上段の触媒ブロツクの側壁上端と煙道
   壁との間に、上下方向にＵ字状の断面を有するメ
   ンブレンシールを両壁面に密着させて配設し、前
   記メンブレンシールどうしの交差部は、この交差
   部を横断して配置された第１のメンブレンシール
   と、この第１のメンブレンシールに横方向から接
   当可能な断面Ｊ字状の板体で側端が塞がれた一対
   の第２のメンブレンシールとを、前記板体の上部
   にて第１のメンブレンシールの上縁を巻き込むこ
   とにより互いに接合した構成とされていることの
   特徴とするプレート型排煙脱硝触媒装置。