JPS6112986Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、女性が生理時に着用するいわゆる生
理用シヨーツに関する。

従来、この種のシヨーツとしては、素材、構
造、意匠等の各面において種々の改良が提案され
て実用に供されている。とくに、着用者の体型に
適合するように生地をいわゆる立体裁断して縫合
し、かつスパンテツクスを縦横方向に織込んだい
わゆるフオーウエイ（4WAY）生地を使用したシ
ヨーツは、全体的に体型に対する適合性が良好で
あり、生理時に着用するものとして好適である。
しかるに、この種のシヨーツとしては、単に全体
的に体型に対する適合性が良好であるばかりでな
く、経血を吸収処理するために着用するいわゆる
生理用ナプキンを着用者の陰裂部に正常に密着保
持させ得る機能を有することが必要であり、その
密着保持機能が得られないと、経血が漏れて下着
を汚損し不快感を与えることになる。経血が漏れ
る原因は単にシヨーツの機能にあるとは必ずしも
いえないが、その主たる原因はシヨーツによるナ
プキンの密着保持機能に問題があるといえ、前述
した従来のシヨーツにおいては、その問題を有効
に解決し得ていない。ちなみに、近年一般に実用
に供されているナプキンは、経血の吸収防漏性が
著しく向上しており、これが女性陰部に正常に密
着保持される限り、ナプキン自体から経血が漏れ
ることはほとんどない。

本考案の目的は、前述の問題を有効に解決し得
る生理用シヨーツを提供することにある。

本考案を図示の実施態様に基づいて説明する
と、以下のとおりである。

第１図は本考案にかかるシヨーツを構成する各
部材の平面図、第２図は該各部材の一部を縫合し
た平面図、第３図は該各部材を縫合して本考案に
かかるシヨーツを完成した正面図を示す。

シヨーツ本体１は、前身頃２と左右後身頃３と
から構成し、股当片４と伸縮性テープ５とを備え
ている。前身頃２と左右後身頃３とは、好ましく
は縦横方向に伸縮性を有する公知のフオーウエイ
織布が、かつ股当片４は、防水通気性はもちろん
のこと、好ましくは前記同様の伸縮性を有する織
布、さらに好ましくは縦方向の伸縮性が横方向の
それより強い織布が、それぞれ使用される。伸縮
性テープ５は、好ましくは巾３〜20mmのウレタン
繊維を織込んだバイアステープが使用される。

前身頃２と左右後身頃３とは、縁２ａと３ａ、
縁３ｂと３ｂ、縁２ｂの上部と縁３ｄにおいて縫
合してシヨーツ本体１を構成し、縁２ａと３ａと
による股下縫合線６から縁３ｂと３ｂとによる中
央縫合線７に沿つて腰囲縁３ｅに至る間に伸縮性
テープ５を縫合し、さらに本体１の所定部位に股
当片４を縫合してある。

ここで留意すべき第１点は、左右後身頃３，３
の中央縫合線７である縁３ａ，３ａは、互いに外
側へ弯曲させるとともに股下における該曲線が上
部における該曲線よりも内側へせり出すように形
成して縫合してあることである。留意すべき第２
点は、シヨーツ（本体１）を着用したとき、股下
縫合線６は、着用者の腟口部が対向する部位８と
肛門部が対向する部位９との間に位置するよう
に、すなわち、本体１を腰囲縁２ｃと３ｅとが重
なるように中央で折返したときのその折返線１０
を中心とする前後方向25mm以内に位置するように
設計してあることである。留意すべき第３点は、
伸縮性テープ５は、本体１に縫合した股当片４の
後縁４ａから左右後身頃３の腰縁３ｅへ向う適宜
長さＬの部分に伸縮性ギヤザー部５ａを設けてあ
ることである。伸縮性ギヤザー部５ａを設けるに
は、伸縮性テープ５の当該部分を伸長させて本体
１に縫合するか、本体１の当該部分にギヤザーを
作つた状態で伸縮性テープ５を縫合するなどの手
段が採られる。伸縮性ギヤザー部５ａの長さＬ
は、15〜70mmであり、その伸長率は、伸長させる
ものが伸縮性テープ５であり、かつ該テープがウ
レタン繊維を織込んでなる巾５〜20mmであり、か
つ本体１の生地がこの種のシヨーツに一般に使用
されているもの、たとえば、トリコツト織りで縦
方向の伸縮性100〜200％、横方向の伸縮性50〜
100％のものの場合、40〜60％であり、その伸長
応力は、130〜270gであることが、それぞれ好ま
しい。前記長さＬが前記下限以下であると、所期
の効果が低く、前記上限以上であると、シヨーツ
を着用したとき、そのウエストラインの一部が下
方向に引張られてＶ型状になり好ましくない。ち
なみに、伸縮性ギヤザー部５ａの位置は、着用者
の腟口部が対向する部位を除く着用者の尾底骨部
が位置する近傍である。

股当片４の付法は、ナプキンを保持するに必要
な大きさであることはいうまでもないが、これを
考慮して、一般的には、股下縫合線６から前上方
へ80〜90mm、後上方へ85〜95mmの長さに形成され
る。

上述のように本考案にかかるシヨーツは構成し
てあるから、これをナプキンとともに着用したと
き、次のような作用効果が生じ、これをシヨーツ
の股当部域を平面的に示す第４図を参照して記述
する。

ナプキン１１（仮想鎖線で示す）を当接したシ
ヨーツの股当部１２は、伸縮性テープ５、とくに
伸縮性ギヤザー部５ａにより矢印方向へ引張ら
れ、その応力は股下縫合線６を中心とする近傍区
域に集中するとともに、着用者の腟口部が対向す
る部位８と肛門部が対向する部位９との間の区域
においてナプキン１１に対して強い押圧力が作用
し、しかも前記部位８を中心とする近傍区域にお
いては平面状に、かつ該区域から後上方への区
域、具体的には股下縫合線６から後上方へかけて
は線状、点状に押圧力が作用する。ところで、前
記部位８を中心とする近傍は経血を吸収するうえ
で量も重要な区域であつて、該区域に位置するナ
プキン１１は、着用者の腟口部を中心とする近傍
区域に平面状に当接することが好ましく、しかも
該区域から着用者の肛門部へかける区域において
はいわばＶ型溝になつているので、これに沿つて
強く押圧することが該溝に沿つて経血が漏れるの
を効果的に防止するうえで好ましい。とくに中央
縫合線７である左右後身頃３，３の対向内側縁３
ａ，３ａは、互いに外側へ弯曲させるとともに股
下における該曲線が上部における該曲線よりも内
側へせり出しているから、前記伸縮テープ５によ
る前記作用がより一層確実に発揮される。しかる
ところ、股当部１２には前述のように押圧力が作
用するので、ナプキン１１は前述の好ましい状態
で着用者の体に密着される。かかる密着状態は、
従来のシヨーツに比較して強いので、充分に保持
される。なお、かかる作用効果は、本体１、股当
片４が伸縮性を有している場合にさらに一層発揮
されるが、本考案の構成によれば、必ずしもそれ
らが伸縮性を有していることを要しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるシヨーツを構成する各
部材の平面図、第２図は該各部材の一部を縫合し
た平面図、第３図は本考案にかかるシヨーツを完
成した正面図、第４図は同背面図、第５図は股当
部に作用する状態を説明する平面図である。 １……本体、２……前身頃、３……左右身頃、
４……股当片、５……伸縮性テヘプ、５ａ……伸
縮性ギヤザー部、６……股下縫合線、１０……中
央縫合線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 前身頃と左右後身頃とを縫合してシヨーツ本
   体を構成した生理用シヨーツにおいて、前記左
   右後身頃の対向内側縁である中央縫合線を互い
   に外側へ弯曲させるとともに股下における該曲
   線が上部における該曲線よりも内側へせり出す
   ように形成して縫合し、前記前身頃と左右後身
   頃との股下縫合線を前記シヨーツ本体の中央折
   返線を中心として前後方向25mm以内の部位に位
   置させ、前記シヨーツ本体に股当片を縫合し、
   伸縮性テープを前記股下縫合線から前記シヨー
   ツ本体の腰囲縁に至る間の前記左右後身頃の中
   央縫合線に沿つて縫合するとともに前記股当片
   の後縁から前記腰囲縁へ向う適宜長さの間で該
   中央縫合線に沿つて伸縮性ギヤザー部を設けて
   あることを特徴とする生理用シヨーツ。 (2) 股下縫合線から股当片の後縁までの長さが85
   〜95mmである実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の生理用シヨーツ。 (3) 伸縮性ギヤザー部の長さが15〜70mmである実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の生理用シヨ
   ーツ。 (4) 伸縮性ギヤザー部の伸長応力が130〜270gで
   ある実用新案登録請求の範囲第１項記載の生理
   用シヨーツ。 (5) 伸縮性テープの巾が３〜20mmである実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の生理用シヨーツ。