JPS6112303Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車の屋根に固定されるフレーム
を備えたルーフキヤリア、特に荒地走行用の乗用
車、救急車又はそれに類似したものに用いられる
ルーフキヤリアに関する。

自動車の車高が比較的高い場合、ルーフキヤリ
アに接近することは容易でなくひいては荷物の積
降ろしに手間がかかる。このことは特に荒地走行
用の救急車又は乗用車において言える。このよう
な自動車においては、車体の形状特に車体の高さ
は、好ましい外観よりもまず第一に機能を重視し
てデザインされている。

ゆえに本考案の課題は、高い車高を備えた自動
車においても容易に荷物の積降ろしができるルー
フキヤリアを提供することである。

この課題を解決するために本考案の構成では、
自動車の屋根に自動車長手方向か又は該方向に対
して直角に固定される互いに平行なビーム状の保
持体と、該保持体に保持された荷積み部分とを有
し、荷積み部分が保持体の一方の端部において、
該保持体に対して直角に延びる旋回軸を中心にし
て荷物の運搬安置から積降ろし位置に向かつて下
方に旋回可能である形式のルーフキヤリアにおい
て、保持体が該保持体の長手方向においてスライ
ド可能な往復台のためのガイドとして構成されて
おり、荷積み部分がその重心の側方で往復台に枢
着支承されていて、かつその重心の側においては
スライドガイドに支持されており、運搬位置から
積降ろし位置への荷積み部分の旋回時に該荷積み
部分を支持しかつ案内するこのスライドガイド
が、保持体の前記一方の端部における自動車屋根
縁部を取り囲んで延びている。

このように構成されていると、運搬位置から積
降ろし位置への荷積み部分の移動時に往復台はガ
イドとして働くビーム状の保持体に案内されなが
ら引き出され、この往復台に枢着支承されている
荷積み部分はスライドガイドに沿つて案内されて
旋回しながら、保持体の取付け位置に応じて自動
車のサイドパネルないしはリヤサイドパネルにま
で引き下げられる。従つて、積荷をルーフキヤリ
アに載せる際の荷積み高さは著しく低くなり、こ
の結果、人間の背たけよりも高い車高を有する自
動車においても荷物の積降ろしは無理なく行われ
る。いずれにせよ、荷積み及び荷降ろしは著しく
改善される。本考案のルーフキヤリアにおいてス
ライドガイド及び（又は）該スライドガイドに接
触している荷積み部分範囲が、例えばプラスチツ
ク又はそれに類似したものから成る摩擦を減少す
る被覆層を有していると、荷積み部分の運動がさ
らに容易になる。

本考案によるルーフキヤリアをスペアタイヤ保
持装置として使用すると有利である。この場合に
は、荷積み部分に、相応なスペアタイヤ保持機構
が配置されている。前記スペアタイヤ保持装置
は、特に、荒野走行用の乗用車又は救急車に適て
おりかつ、このようなスペアタイヤ保持装置は、
自動車を特別に改装することなく簡単な緊締装置
を介して自動車の屋根といに固定することができ
る。スペアタイヤを屋根に載せておくことは特に
救急車のために有利である。なぜならば、衛生上
の理由からスペアタイヤは自動車内部に持ち込ま
れるべきではないし、リヤサイドプレートの外側
にスペアタイヤを保持することは、通常そこに設
けられている大きなリヤサイドドアを不都合に負
荷し、ひいてはリヤサイドドアヒンジを補強しな
くてはならないからである。自動車サイドパネル
にスペアタイヤを配置することは、これによつて
他の道路使用者を危険にさらすので望ましくな
い。自動車床下にスペアタイヤを吊設すること
は、ロードクリアランスを減少せしめるので禁止
されている。

また荷積み部分の、積降ろし位置において下側
の縁部に、荷積み部分の下方旋回時に積荷を支持
する積荷支持部材が設けられていると有利であ
り、このように構成されていると、荷積み及び荷
降ろしはさらに容易になる。

本考案の別の実施態様では、ガイドとして働く
保持体が、Ｕ形溝を備えたＵ形成形体から構成さ
れていて、往復台に配設されたガイドローラのよ
うなガイド機構がＵ形溝に係合している。

次に図面につき本考案の実施例を説明する。

符号１で示されているルーフキヤリアは、スペ
アタイヤ２を保持するために役立つており、自動
車の屋根５の屋根とい４に公知の形式で支持部材
３によつて固定されている。このために、支持部
材３は屋根とい４のなかに差し込まれ山形材６を
介して嵌合並びに摩擦によつて屋根とい４に固着
される。この場合、山形材６の片方の脚は支持部
材３とねじ締結されており、他方の脚は屋根とい
４に下から係合している。

ルーフキヤリア１は後で述べる往復台９のため
ガイドとして働く互いに平行なビーム状の２つの
保持体７，７′を有しており、図示の実施例では
両保持体７，７′は互いに距離をおいて自動車長
手方向に対して直角に自動車の屋根５にわたつて
延びていて、図示されていない縦ステー及び（又
は）デイアゴナルブレースを介してねじれに対し
て強いフレームの形で互いに結合されている。こ
の場合保持体７，７′はＵ形溝８を備えたＵ形成
形体として構成されている。

このＵ形溝８のなかには縦方向ビーム１０，１
０′と横方向１１，１１′から成る往復台９が移動
可能に案内されている。横方向ビーム１１，１
１′にはガイドローラ１２，１２′が配置され、こ
のガイドローラ１２，１２′は保持体７，７′のＵ
形溝８のなかに係合している。

Ｕ形溝８はその端面側の端部にストツパ（図示
せず）を有しており、ガイドローラ１２，１２′
は前記ストツパに突き当たるので、これによつて
往復台９が保持体７，７′から飛び出して落ちる
ことはない。

往復台９の一辺において荷積み部分１３は、自
動車長手方向軸線と平行に延びている旋回軸を中
心にして旋回できるように、ヒンジ１４を介して
横方向ビーム１１，１１′に支承されている。荷
積み部分１３は、横つなぎ１６と共に方形のフレ
ームを形成する支持ビーム１５，１５′から成つ
ている。

荷積み部分１３は、ヒンジ１４によつて規定さ
れている旋回軸の側方でスライドガイド１７に接
触しており、このスライドガイド１７は屋根５の
縁部を円弧状に取り囲んで延び、保持体７，７′
及び（又は）支持部材３に固定されている。この
スライドガイド１７は摩擦を減少せしめるプラス
チツクによつて被覆されている。荷積み部分１３
の、スライドガイド１７に接触している部分、図
示の実施例においては支持ビーム１５，１５′も
また、その接触面において相応に被覆されていて
もよい。

荷積み部分１３は、この荷積み部分１３が自動
車の側方において自動車サイドパネルに接触する
まで下方に旋回されている積降ろし位置（第２図
〜第４図参照）から運搬位置（第１図参照）へと
もたらされることが可能である。このためには荷
積み部分１３が幾分持ち上げられ、同時に往復台
９が側方にずらされることによつて、荷積み部分
１３はスライドガイド１７に沿つて屋根５上方に
押しずらされる。

荷積み部分１３を屋根５上方に容易に押し上げ
るために、図示されていない引戻しばねが設けら
れていてもよい。この場合この引戻しばねは、ル
ーフキヤリア１のフレームと往復台９との間で緊
張されておりかつこの往復台９を第４図で見て右
方向に引つぱる。

積降ろし位置においては、荷積み部分１３は一
方でスライドガイド１７に接触し、他方では往復
台９に取り付けられているヒンジ１４に吊設され
ている。荷積み部分１３は往復台９を側方に向か
つて引き出そうとするので、前側のガイドローラ
１２は、保持体７，７′の端面側に配置されてい
るストツパに当接する。これによつて、荷積み部
分１３の状態は安定する。強い負荷がかかつた場
合に支持部材３の弾性に基づいて荷積み部分１３
が弾発することを回避するために、荷積み部分１
３の、運搬位置において下側の端部に例えばゴム
又はそれに類似したものから成る緩衝部材１８が
配置されている。この緩衝部材１８は積降ろし位
置において荷積み部分１３を自動車のサイドパネ
ルに向かつて支持している。

荷物の積降ろしを容易にするために、荷積み部
分１３の、積降ろし位置において下側の縁部には
積荷支持部材１９が配置されており、この積荷支
持部材１９は、積荷（図面においてはスペアタイ
ヤ２）が荷積み部分１３から取り外される場合又
は荷積み部分１３に載せられる場合に積荷を支持
するために役立つている。また、積荷支持部材１
９の端部が場合によつては緩衝部材１８を形成し
ていてもよい。

さらに、荷積み部分１３の、積降ろし位置にお
いて下側の縁部にはグリツプ２０が配置されてお
り、このグリツプ２０は、荷積み部分１３が運搬
位置にある場合に屋根５の縁部を越えて幾分突出
している。このように構成しておくと、荷積み部
分１３を運搬位置から積降ろし位置へ又はその逆
に移動及び旋回する間中、利用者は荷積み部分１
３を良好に掴んでおくことができる。

運搬位置においては、荷積み部分１３は一方で
は屋根５の上のスライドガイド１７に載つてお
り、他方では往復台９に取り付けられているヒン
ジ１４に支承されている。この場合、図示されて
いない錠止装置が往復台９及び（又は）荷積み部
分１３をフレーム部分に例えばルーフキヤリア１
の保持体７，７′に錠止する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示すものであつて、
第１図はルーフキヤリアの、運搬位置にある荷積
み部分を備えた荒地走行用自動車の正面図、第２
図は積降ろし位置にある荷積み部分を備えた荒地
走行用自動車の正面図、第３図はルーフキヤリア
を第２図の矢印の方向から見た側面図、第４図
はルーフキヤリアの、第３図の−線に沿つた
断面図、第５図はルーフキヤリアの、第４図の
−線に沿つた断面図である。 １……ルーフキヤリア、２……スペアタイヤ、
３……支持部材、４……屋根とい、５……屋根、
６……山形材、７，７′……保持体、８……Ｕ形
溝、９……往復台、１０，１０′縦方向ビーム、
１１，１１′……横方向ビーム、１２，１２′……
ガイドローラ、１３……荷積み部分、１４……ヒ
ンジ、１５，１５′……支持ビーム、１６……横
つなぎ、１７……スライドガイド、１８……緩衝
部材、１９……積荷支持部材、２０……グリツ
プ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 自動車の屋根５に自動車長手方向か又は該方
   向に対して直角に固定される互いに平行なビー
   ム状の保持体７，７′と、該保持体に保持され
   た荷積み部分１３とを備えたルーフキヤリヤで
   あつて、荷積み部分１３が保持体７，７′の一
   方の端部において、該保持体に対して直角に延
   びる旋回軸を中心にして荷物の運搬位置から積
   降ろし位置に向かつて下方に旋回可能である形
   式のものにおいて、 保持体７，７′が該保持体の長手方向におい
   てスライド可能な往復台９のためのガイドとし
   て構成されており、 荷積み部分１３がその重心の側方で往復台９
   に枢着支承されていて、かつその重心の側にお
   いてはスライドガイド１７に支持されており、 運搬位置から積降ろし位置への荷積み部分１
   ３の旋回時に該荷積み部分を支持しかつ案内す
   るこのスライドガイド１７が、保持体７，７′
   の前記一方の端部における自動車屋根縁部を取
   り囲んで延びていることを特徴とするルーフキ
   ヤリア。 ２ 荷積み部分１３に、スペアタイヤ２又はそれ
   に類似したものを保持するためのタイヤ保持機
   構が配置されている実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のルーフキヤリア。 ３ 山野走行用の救急車に取付りけられている実
   用新案登録請求の範囲第２項記載のルーフキヤ
   リア。 ４ 荷積み部分１３の、積降ろし位置において下
   側の縁部に、荷積み部分１３の下方旋回時に積
   荷を支持する積荷支持部材１９が設けられてい
   る実用新案登録請求の範囲第１項から第３項ま
   でのいずれか１項記載のルーフキヤリア。 ５ ガイドとして働く保持体７，７′が、Ｕ形溝
   ８を備えたＵ形成形体から構成されていて、往
   復台９に配設されたガイドローラ１２，１２′
   のようなガイド機構がＵ形溝８に係合している
   実用新案登録請求の範囲第１項から第４項まで
   のいずれか１項記載のルーフキヤリア。