JPS6112001Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシエービングクリーム等の泡出し器に
係り、特に吸気用弁体として筒状の弾性変形体を
用いることにより形状を単純化し、もつて構造の
簡素化と長寿命を意図して泡出し器を提供するこ
とを目的とする。

以下添附図面を参照して本考案の一実施例を説
明する。各図において、１はプラスチツク等より
なる可撓性容器、２は該容器１の口部３頂面に載
置された支え板、４は該支え板２を介し前記口部
３に装着された段形筒状キヤツプである。即ち、
キヤツプ４は下半部が大径部、上半部が先端に泡
出し口５を設けた先細りテーパー状の小径部で、
その下半大径部の内周面には螺溝が凹設され、該
螺溝を前記口部３外周面に突設した螺条に螺合す
ることによりその段部で支え板２を固く押えて容
器１に装着される。尚、支え板２は第２図に示す
ように、中央の円形孔６ａを中心にこれに連ねて
十字形の空気通流用の窓６ｂを設けた円板状のも
のである。

次に７は下底を開放した有蓋筒状の発泡体から
なる多孔性体で、上半部の切欠き薄肉部の外周に
筒状弁体８の筒部９を嵌着して前記支え板２上に
底面が前記窓６ｂに連通して載置固定され、キヤ
ツプ４のテーパー状部の下半内部にこれと適宜の
間隙を介して配設されている。前記筒状弁体８は
軟質物、つまり弾性変形体からなり、第３図に示
すように下半部を変形自在のスカート状の逆し弁
部１０としたもので、定常状態において該逆し弁
部１０の下端周面がキヤツプ４のテーパー状部内
面に周設した凹溝部に稍々撓められた状態で喰込
み密接し、従つてこの部で容器内外を気密に封止
している。１１は前記多孔性体７に内設固定さ
れ、前記支え板２の中心円形孔６ａを通して容器
口部３中途まで垂下した筒部材で、その上端部周
りには複数の窓１２（図では１箇所のみ見える）
が明けられ、また下半拡径部で容器１内下方に垂
下するパイプ１３を連通支持している。

上記構成において、可撓性容器１を把持しその
胴部に圧搾すれば、内容液１４はＡ矢の如くパイ
プ１３を通り、筒部材１１の窓部１２を経て多孔
性体７に圧入される。このとき、前記圧搾により
同時に容器１内の空気も口部３に向けて圧出され
る。ここで、多孔性体７とキヤツプ４テーパー状
部との間には間隙があるが、この間隙部には前述
のように筒状弁体８の逆し弁部１０があり、圧出
された空気はこの逆し弁部１０を内側から押圧す
ることになるので該逆し弁部１０は外接体である
キヤツプ４内面に押付けられ、空気は通り抜ける
ことがきない。そこで前記圧出された空気はＢ矢
の如く支え板２の窓６ｂを通り多孔性体７に圧入
される。従つて容器１内から圧出された内容液１
４と空気とは多孔性体７部において撹拌され且つ
撹乱されることから内容液１４は泡状となつて多
孔性体７から押出され、泡出し口５から外部に注
出される。

ここで、前記筒状弁体８の逆し弁部１０は外接
体はあるが内接体がなく、従つて外側、つまり上
方からの圧力が加わると該逆し弁部１０は多孔性
体７外表面に当接する迄内側への変形が可能なの
で、一回の泡出しが終り容器１内が負圧になる
と、外気は前記逆し弁部１０を内側に押してこれ
をキヤツプ４内面から離反させ、この離反により
生じるキヤツプ４内面との間隙を通してＣ矢の如
く容器１内に吸気され、注出量に見合つた量の空
気の吸気が終つたことで逆し弁部１０は原状に復
帰する。

この種逆し弁体としては普通細いパイプ等の弁
孔に取付けられる小形のものが多く、しかも材料
に切込みを入れて構成するので細工が面倒なばか
りでなく反復使用により傷み易く寿命に難点があ
る。しかるに上記本考案における弁体８はスカー
ト状の末広がりの逆し弁部１０を持つ筒状体で形
状が極く単純なので構造が簡易であり、また切れ
目等の細工がなく且つ比較的大きなものなので受
圧面も広く、従つて厚めに構成でき、全体として
堅牢にできるので長寿命である。しかも該弁体８
は多孔性体７に単に嵌着するのみで装着できるの
で組立てが容易である。

上記実施例では、支え板２の空気通流用の窓６
ｂとして十字形に形成したが、これら窓６ｂはそ
の周りの板部で多孔性体７を支持できるように互
いを離して明ければよいので、その形状は任意で
よい。

第４図は異なる他の１例を示したものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の泡出し器の要部縦
断面図、第２図は同実施例の支え板の平面図、第
３図は同実施例の筒状弁体の外形斜視図、第４図
は異なる支え板の平面図である。 １……可撓性容器、２……支え板、４……キヤ
ツプ、７……多孔性体、８……筒状弁体、１０…
…逆し弁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓性容器１と、中心孔６ａ及び空気通流用の
   窓６ｂを明けて前記容器１の口部３頂面に載置さ
   れた支え板２と、大径の取付部と先端に泡出し口
   ５を持つ小径部との段形筒状からなり該段部で前
   記支え板２を押えて前記容器口部３に装着された
   キヤツプ４と、該キヤツプ４内周面との間に間隙
   を設け且つ底面を前記窓６ｂに対面させて前記支
   え板２上に取付けられた有蓋筒状の多孔性体７
   と、該多孔性体７に嵌着され末広がりのスカート
   状逆し弁部１０の周端部のみが前記キヤツプ内周
   面に離反可能に密接する弾性変形体からなる筒状
   弁体８と、前記多孔性体７に連通する窓１２を有
   し且つ容器内下方に垂下するパイプ１３を連通支
   持し前記中心孔６ａを通して多孔性体７に内設さ
   れた筒部材１１とからなる泡出し器。