JPS6111638B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば洗濯時にはパルセータを回転さ
せるとともに脱水時には脱水槽兼洗濯槽を回転さ
せる脱水洗濯機において、特にそのパルセータの
回転時における吐出圧にて、洗濯水をその上面に
配したフイルターに送り込み、さらに洗濯水中に
環流させる構造に係り、目詰まりを生じ難く強度
が大なるフイルターを提供することを目的とす
る。

以下、本発明の実施例を説明する。第１図にお
いて、１は洗濯水を受ける受筒、２は受筒１内部
に設けた脱水槽兼洗濯槽で、底部にパルセータ３
を配し、側壁には小穴４を多数設けている。５は
脱水槽兼洗濯槽２を補強するタンク補強板、６は
脱水槽兼洗濯槽２とタンク補強板５を固定保持し
たシヤフトフランジで、中央の脱水シヤフト７の
回転により脱水槽兼洗濯槽２を回転させる。８は
パルセータ３を回転させる洗濯シヤフトである。
９はパルセータ３の裏面に設けた羽根であり、こ
のパルセータ３は脱水槽兼洗濯槽２に設けた凹部
１０に収納され、この凹部１０の底面には吸込口
１１を、又、凹部１０の外周には、吐出口１２が
連接して設けてある。１３は脱水槽兼洗濯槽２内
面の縦方向一部に着脱可能に固定したタンクカバ
ー、１４は脱水槽兼洗濯槽２の開口部に挿入固定
したバランサーケースである。１５は脱水槽兼洗
濯槽２の吐出口１２の底面に挿入固定したタンク
パツキングで、タンクカバー１３とともに循環水
路１６を構成し、この循環回路１６の開口部１７
がバランサーケース１４の凹部内に設けてある。

脱水槽兼洗濯槽２内において洗濯物より出た糸
くずは、小穴４より受筒１内に流れ、吸込口１１
を通り、凹部１０内に入るか、又は、直接脱水槽
兼洗濯槽２内より凹部１０に吸込まれる。凹部１
０に入つた糸くずは、パルセータ３の裏面の羽根
９の作用で吐出口１２より開口部１７へ循環され
る。この時にバランサーケース１４に取付けた洗
濯水過用のフイルター１８で、糸くずを取り除
く。１９はフイルター１８を保持するフイルター
フレームであり、バランサーケース１４に着脱可
能に固定されている。

２０は受筒２底部に設けた排水ホースであり、
排水弁を開閉するコツク２１に連結してある。２
２は洗濯と脱水を切替えるクラツチ機構部であ
り、２３は脱水槽兼洗濯槽２を回転させるモータ
である。

第２図は上記フイルター１８の具体形状を示
し、このフイルター１８は一端が開口、他端が閉
じたいわゆる袋形状をなしており、全体をポリエ
ステル、ナイロン等の柔軟性を有する繊維材料に
て織り上げている。そして、この織り上げによ
り、全体に亘つて多数の格子状部２４に形成して
いる。

上記した繊維材料は第３図に示すように、格子
状部２４を形成するための枠糸２５を構成し、そ
の大きさは0.3mm程度である。そして、前記格子
状部２４には枠糸２５よりも細い柔軟性に富む繊
維材料、例えば0.2mmの程度の大きさをもつ生糸
よりなる細糸２６を配設し、格子状部２４をさら
に網目の細かい状態に区切つている。

枠糸２５が形成する格子状部２４の形状は、循
環水流方向Ａと同じ方向に長い長方形とし、この
循環水流Ａ方向を横切る様に細糸２６に張り付け
ている。即ち、枠糸２５間に複数本の細糸２６を
格子状部２４を形成するように配しているが、こ
れら枠糸２５、細糸２６は一体に織り上げられて
いるものである。

上記構成において、次に作用を説明する。

従来のフイルター形状としては、第４図に示す
様に、単に正方形の格子状部をもつフイルター２
７であるとか、第５図に示すように、くさり形状
を有する円形状のフイルター２８が主であつた。
しかし、フイルターを形成する繊維の太さは全て
一定であるために、第４図、第５図に示す様に、
繊維間にはある一定のすきま寸法を必要とする。
このすきまが狭いと、目詰まりが起こり、フイル
ターの役割を無くしてしまうし、すきまが広い
と、フイルターの網目を糸くずが通過してしまう
ものであつた。

一方、繊維の太さを細くしておけば、フイルタ
ー自体が洗濯物や異物に接触して耐久性を失なつ
てしまう。そこで、普通は0.3mm程度の太さを標
準としている。そこで、糸の太さを耐久性が十分
である大きさにて一定にするならば、フイルター
の網目は大きいほど目づまりが起こりにくいが、
反面、フイルターの糸くず収集率は低下するとい
つた矛盾を生じていた。

しかるに、上記実施例によれば、枠糸２５の使
用によつて格子状部２４を形成するとともにこの
格子状部２４を仕切つて枠糸２５よりも小さい細
糸２６を配設しているために、糸くずは、上記両
糸２５，２６に引掛かつて収集されるが、細糸２
６に引掛かつた糸くずは、細糸２６が細いため
に、洗濯水や洗濯物に当るだけでゆらされて洗わ
れ、糸くずはフイルター１８における流水路先端
へ流されて、目づまりの発生を防止できる。ま
た、枠糸２５の太さが0.3mm程度であれば、これ
自身の柔軟性が乏しく、こし折れが少なく、洗濯
水等では、洗い流すことは不可能である。そこ
で、細糸２６を用いてフイルター１８を設けれ
ば、糸くずを洗い流す作用を生む為、網目を小さ
くして、収集率を高めることができる。また、細
糸２６だけでは、耐久性が不足するが、この耐久
性を補なう為に枠糸２５を用いて構成している。

また、細糸２６は枠糸２５間に位置しているた
めに、洗濯物は枠糸２５に接触し、細糸２６には
直接洗濯物に接触させないという効果がある。

また、細糸２６は第２図のように、洗濯物の回
転する方向ＢまたはＣと同一方向に長く配してあ
る為に、細糸２６は洗濯物に引掛かることがな
く、耐久性を向上できる。又、洗濯水も、洗濯物
と同一のＢまたはＣ方向に撹拌されている為に、
細糸２６に付着した糸くずは、この洗濯水の流れ
に沿つて洗い流されるものである。

なお、実施例では脱水洗濯機について述べた
が、洗濯槽で洗濯を、脱水槽で脱水をそれぞれ行
ういわゆる二槽式の洗濯機においても本発明を実
施できることは言うまでもない。

以上のように本発明の洗濯機のフイルターは、
柔軟性を有する繊維材料よりなりこれを織りあげ
て多数の格子状部分を形成してなる枠糸と、この
枠糸よりも細い柔軟性を有する繊維材料よりなり
前記格子状部分仕切るように配した細糸とを備え
たものであり、洗濯物等との接触に対する耐久性
が大であり、しかも、細糸の洗濯水との接触によ
る洗いが確実に成されて、糸くずの除去がなさ
れ、目詰まり防止が図れて、効率の良いリント収
集効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における脱水洗濯機の
縦断面図、第２図はそのフイルターの外観斜視
図、第３図は同要部の拡大斜視図、第４図および
第５図は従来のフイルターの外観斜視図である。 ２……脱水槽兼洗濯槽（洗濯槽）、３……パル
セータ、１８……フイルター、２４……格子状
部、２５……枠糸、２６……細糸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パルセータの回転によつて生じる吐出圧で洗
   濯水の一部をその水面上方に配したフイルターを
   通過させ洗濯槽内に環流させる洗濯機であつて、
   柔軟性を有する繊維材料よりなりこれを織りあげ
   て多数の格子状部分を形成してなる枠糸と、この
   枠糸よりも細い柔軟性を有する繊維材料よりなり
   前記枠糸で形成した格子状部分を仕切つて配設し
   た細糸とを備え、前記枠糸が形成する格子状部は
   洗濯物の回転方向に対し直角となる方向が長い長
   方形とし、前記細糸は洗濯物の回転方向と同じ方
   向に前記格子状部を仕切つた洗濯機のフイルタ
   ー。