JPS6111307B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS6111307B2 JPS6111307B2 JP56030185A JP3018581A JPS6111307B2 JP S6111307 B2 JPS6111307 B2 JP S6111307B2 JP 56030185 A JP56030185 A JP 56030185A JP 3018581 A JP3018581 A JP 3018581A JP S6111307 B2 JPS6111307 B2 JP S6111307B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crystal grains
- iron
- phosphorus
- phase
- sintered
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 21
- 229910052698 phosphorus Inorganic materials 0.000 claims description 21
- 239000011574 phosphorus Substances 0.000 claims description 21
- OAICVXFJPJFONN-UHFFFAOYSA-N Phosphorus Chemical compound [P] OAICVXFJPJFONN-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 20
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 18
- 238000005245 sintering Methods 0.000 claims description 18
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 claims description 17
- 239000013078 crystal Substances 0.000 claims description 15
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims description 10
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 claims description 9
- 239000000696 magnetic material Substances 0.000 claims description 7
- JZQOJFLIJNRDHK-CMDGGOBGSA-N alpha-irone Chemical compound CC1CC=C(C)C(\C=C\C(C)=O)C1(C)C JZQOJFLIJNRDHK-CMDGGOBGSA-N 0.000 claims description 6
- 230000009466 transformation Effects 0.000 claims description 6
- 229910000859 α-Fe Inorganic materials 0.000 claims description 6
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 claims description 5
- 239000000956 alloy Substances 0.000 claims description 5
- 239000000843 powder Substances 0.000 claims description 4
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims description 3
- 239000002994 raw material Substances 0.000 claims description 3
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims 4
- 230000001747 exhibiting effect Effects 0.000 claims 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 12
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 11
- 238000000034 method Methods 0.000 description 7
- 230000035699 permeability Effects 0.000 description 7
- 238000010587 phase diagram Methods 0.000 description 5
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 3
- 239000000314 lubricant Substances 0.000 description 3
- 239000010419 fine particle Substances 0.000 description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 2
- 238000002834 transmittance Methods 0.000 description 2
- 229910001339 C alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N Hydrogen Chemical compound [H][H] UFHFLCQGNIYNRP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 1
- 238000005275 alloying Methods 0.000 description 1
- 229910002056 binary alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 150000001721 carbon Chemical class 0.000 description 1
- 238000005255 carburizing Methods 0.000 description 1
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 1
- 238000009770 conventional sintering Methods 0.000 description 1
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 1
- 229910002804 graphite Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010439 graphite Substances 0.000 description 1
- 229910052739 hydrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000001257 hydrogen Substances 0.000 description 1
- 239000011812 mixed powder Substances 0.000 description 1
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 1
- 229910000889 permalloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 238000004513 sizing Methods 0.000 description 1
- 229910002058 ternary alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- XOOUIPVCVHRTMJ-UHFFFAOYSA-L zinc stearate Chemical compound [Zn+2].CCCCCCCCCCCCCCCCCC([O-])=O.CCCCCCCCCCCCCCCCCC([O-])=O XOOUIPVCVHRTMJ-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 1
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
本発明は、主として直流用継電器の鉄心などに
使用するFe―P系の軟磁性焼結材に関するもの
である。 このような用途の軟磁性材料では、パーマロイ
ほどの高度の軟磁特性を必要としないので、特に
量産品の場合は、価格面で有利なFe―P焼結材
が用いられている。この材料は純鉄粉にFe―P
母合金粉を添加して成形・焼結を行なつたもので
あり、特に高価な原料を必要とせず、また高密度
材を比較的容易に製造できるという特長を持つて
いる。 しかるに、この材料には次の欠点がある。即ち
この材料はリンの含有量が0.7〜1.4%の範囲でそ
の磁気特性が最高値を示すが、しかしこの組成で
は脆化が甚だしく、製品の寸法精度向上に必要な
サイジングに耐えられない。そこで脆化の生じな
い0.45%程度までリンを減らし、磁気特性は若干
犠性にした形で実用に供していた。 発明者らは上述の事情に鑑み種々研究の結果、
0.5〜1.4%のリンを含む鉄系焼結合金で、且つそ
〓〓〓〓〓
の組織がγ→α変態による微細結晶粒子とα相の
粗大結晶粒子との混粒状態である場合に脆性の無
い、しかも透磁率の高い磁性材料となること;更
に、この様な組織を得るには焼結時の昇温速度が
毎分10℃以上の急速焼結を行なうか、または焼結
による合金化の過程に0.005〜0.05%の炭素を存
在させればよい;ことを見出してこれを骨子とす
る本発明に到達したものである。 以下本発明を、その実施例および比較例を含む
実験結果に基づいて詳細に説明する。 先ず、Fe―P系の焼結材における磁気特性と
脆性に対するリンの影響を調べる目的で、下記の
実験を行なつた。 実験 1 原料粉として100メツシユ以下の粒度の純鉄粉
と、リンを15.6%含有するフエロフオスホルを用
意し、各種のリン含量の混合粉を調整した後潤滑
剤としてステアリン酸亜鉛を1.0%配合し、密度
7.1g/cm3の圧粉体を形成した。これを水素雰囲気
中で、温度1140℃で30分間焼結して各試料を得
た。各試料中の炭素の平均分析値は約0.015%
で、この炭素は主に潤滑剤に由来している。 次に各試料について、軟治性特性および脆性の
評価尺度としてそれぞれ最大透磁率および伸びを
測定した。その結果を第1図に示す。図の白丸の
曲線は最大透磁率、黒丸の曲線が伸びを表わす。 本図は、リンの添加によつて最大透過率は増加
して約1%を頂点とする山を生じ、一方、伸びは
一様に低下し、約0.65%以上では、殆ど塑性を失
なうことを示している。 第2図にFe―P2元状態図の、リンが1.2%以下
の部分を示す。図中の点線は前記の焼結温度1140
℃を示したもので、γ相およぴγ+α相のP量が
ほぼ最大となる温度に相当している。これらの点
のP量は、γ相で0.25%、γ+α相で約0.5%で
ある。 また、Fe―P―C合金の、温度1140℃におけ
る3元状態図を第3図に示す。本実験で作製した
各試料の組成は図に示した点線1上にあり、第1
図において伸びの激減する限界値が、第3図のγ
+α相との境界組成に一致することを見出した。 この点を解析するため、各試料毎に焼結温度に
おけるα相およびγ相の量を第3図から算出し、
全量α+γに対するγ相の量の比と伸びの関係を
求めて第4図に示した。本図は、焼結時にγ相が
有る場合、即ちγ相が残るように焼結された場合
に脆化が防止され、γ相が増すにつれて、伸びが
著しく改善されることを示唆している。 ちなみに、α鉄相だけの焼結はγ鉄相の焼結に
比べて数百倍も速く進行し、しかも結晶が大きく
成長してゆくため、全体として粒径100μ以上の
ような粗大組織になり、材料が脆くなる。 一方、α+γ相で焼結される場合は、γ鉄から
析出されるα鉄はγ鉄の結晶粒界から析出するた
めに粒径20μ以下の微細な粒子が現われ、全体と
して、粗大結晶と微細結晶の混粒組織になる。そ
して、この様な組織の場合に伸びのある材料とな
る。しかし従来の焼結方法では平衡状態で焼結が
進行するため、この様な組織が得られない。 そこで、この様な組織を得る方法の一つとして
平衡に達しない状態で焼結させるため、次の実験
を行なつた。 実験 2 純鉄粉に所定量のフエロフオスホルを添加して
試料の所定の形状に成形して2分し、その一方は
通常の焼結条件である毎分5℃の速度で昇温させ
1250℃で3時間焼結して試料1とし、他方は1250
℃まで毎分20℃で急速昇温させて焼結し、試料2
とした。両試料とも、分析結果は炭素0.002%、
リン0.7%、焼結密度は7.1g/cm3である。 両試料の伸びと最大透過率の測定結果を第1表
に示す。急速焼結した試料2の場合、その伸びが
著しく向上していることがわかる。 また、両試料の熱膨脹率の測定結果を第5図に
示す。伸びの小さい試料1の熱膨脹曲線2は単調
で、異常点は認められない。一方、伸びの大きい
試料2の熱膨脹曲線3では、約940℃の所に、α
―γ変態に相当する屈折点が認められる。 これらの結果から、平衡状態に達しないように
急速焼結することによつて粗大結晶と微細結晶の
混粒する所望の組織が得られ、伸びのある材料と
なることが確認された。 〓〓〓〓〓
使用するFe―P系の軟磁性焼結材に関するもの
である。 このような用途の軟磁性材料では、パーマロイ
ほどの高度の軟磁特性を必要としないので、特に
量産品の場合は、価格面で有利なFe―P焼結材
が用いられている。この材料は純鉄粉にFe―P
母合金粉を添加して成形・焼結を行なつたもので
あり、特に高価な原料を必要とせず、また高密度
材を比較的容易に製造できるという特長を持つて
いる。 しかるに、この材料には次の欠点がある。即ち
この材料はリンの含有量が0.7〜1.4%の範囲でそ
の磁気特性が最高値を示すが、しかしこの組成で
は脆化が甚だしく、製品の寸法精度向上に必要な
サイジングに耐えられない。そこで脆化の生じな
い0.45%程度までリンを減らし、磁気特性は若干
犠性にした形で実用に供していた。 発明者らは上述の事情に鑑み種々研究の結果、
0.5〜1.4%のリンを含む鉄系焼結合金で、且つそ
〓〓〓〓〓
の組織がγ→α変態による微細結晶粒子とα相の
粗大結晶粒子との混粒状態である場合に脆性の無
い、しかも透磁率の高い磁性材料となること;更
に、この様な組織を得るには焼結時の昇温速度が
毎分10℃以上の急速焼結を行なうか、または焼結
による合金化の過程に0.005〜0.05%の炭素を存
在させればよい;ことを見出してこれを骨子とす
る本発明に到達したものである。 以下本発明を、その実施例および比較例を含む
実験結果に基づいて詳細に説明する。 先ず、Fe―P系の焼結材における磁気特性と
脆性に対するリンの影響を調べる目的で、下記の
実験を行なつた。 実験 1 原料粉として100メツシユ以下の粒度の純鉄粉
と、リンを15.6%含有するフエロフオスホルを用
意し、各種のリン含量の混合粉を調整した後潤滑
剤としてステアリン酸亜鉛を1.0%配合し、密度
7.1g/cm3の圧粉体を形成した。これを水素雰囲気
中で、温度1140℃で30分間焼結して各試料を得
た。各試料中の炭素の平均分析値は約0.015%
で、この炭素は主に潤滑剤に由来している。 次に各試料について、軟治性特性および脆性の
評価尺度としてそれぞれ最大透磁率および伸びを
測定した。その結果を第1図に示す。図の白丸の
曲線は最大透磁率、黒丸の曲線が伸びを表わす。 本図は、リンの添加によつて最大透過率は増加
して約1%を頂点とする山を生じ、一方、伸びは
一様に低下し、約0.65%以上では、殆ど塑性を失
なうことを示している。 第2図にFe―P2元状態図の、リンが1.2%以下
の部分を示す。図中の点線は前記の焼結温度1140
℃を示したもので、γ相およぴγ+α相のP量が
ほぼ最大となる温度に相当している。これらの点
のP量は、γ相で0.25%、γ+α相で約0.5%で
ある。 また、Fe―P―C合金の、温度1140℃におけ
る3元状態図を第3図に示す。本実験で作製した
各試料の組成は図に示した点線1上にあり、第1
図において伸びの激減する限界値が、第3図のγ
+α相との境界組成に一致することを見出した。 この点を解析するため、各試料毎に焼結温度に
おけるα相およびγ相の量を第3図から算出し、
全量α+γに対するγ相の量の比と伸びの関係を
求めて第4図に示した。本図は、焼結時にγ相が
有る場合、即ちγ相が残るように焼結された場合
に脆化が防止され、γ相が増すにつれて、伸びが
著しく改善されることを示唆している。 ちなみに、α鉄相だけの焼結はγ鉄相の焼結に
比べて数百倍も速く進行し、しかも結晶が大きく
成長してゆくため、全体として粒径100μ以上の
ような粗大組織になり、材料が脆くなる。 一方、α+γ相で焼結される場合は、γ鉄から
析出されるα鉄はγ鉄の結晶粒界から析出するた
めに粒径20μ以下の微細な粒子が現われ、全体と
して、粗大結晶と微細結晶の混粒組織になる。そ
して、この様な組織の場合に伸びのある材料とな
る。しかし従来の焼結方法では平衡状態で焼結が
進行するため、この様な組織が得られない。 そこで、この様な組織を得る方法の一つとして
平衡に達しない状態で焼結させるため、次の実験
を行なつた。 実験 2 純鉄粉に所定量のフエロフオスホルを添加して
試料の所定の形状に成形して2分し、その一方は
通常の焼結条件である毎分5℃の速度で昇温させ
1250℃で3時間焼結して試料1とし、他方は1250
℃まで毎分20℃で急速昇温させて焼結し、試料2
とした。両試料とも、分析結果は炭素0.002%、
リン0.7%、焼結密度は7.1g/cm3である。 両試料の伸びと最大透過率の測定結果を第1表
に示す。急速焼結した試料2の場合、その伸びが
著しく向上していることがわかる。 また、両試料の熱膨脹率の測定結果を第5図に
示す。伸びの小さい試料1の熱膨脹曲線2は単調
で、異常点は認められない。一方、伸びの大きい
試料2の熱膨脹曲線3では、約940℃の所に、α
―γ変態に相当する屈折点が認められる。 これらの結果から、平衡状態に達しないように
急速焼結することによつて粗大結晶と微細結晶の
混粒する所望の組織が得られ、伸びのある材料と
なることが確認された。 〓〓〓〓〓
【表】
次に、この様な組織を得るための第2の方法に
ついて述べる。上述した第1の方法は非平衡状態
で焼結する必要から操炉条件が大幅に変更される
ので、多種類の製品を焼結する汎用炉では適用し
難い面がある。 そこで、平衡状態での焼結により所望の組織を
得たのが、この第2の方法である。 第2図のFe―P2元状態図に戻つて熟考する
と、γ+α相とα相の境界線をさらに右の方に、
つまり高リン側に移動できれば、平衡状態におい
ても、高リンの組成をγ相の存在する状態で焼結
できることがわかる。そしてその手段としては、
適当な第3元素の添加が考えられる。 この目的の第3元素としては、炭素が簡便且つ
最適である。第3図のFe―P―C系3元状態図
において、γ+α相領域とα相領域との境界線は
勾配が緩い右上がりの曲線で、従つてこの境界上
の組成は、炭素の僅かな添加によつてリンが著し
く増加することを示している。 しかしながら、炭素の増加は軟磁特性を害する
ことが従来知られている。そこで、添加量の許容
限界を求めるために、次の実験3を行なつた。 実験 3 リンの含有量は0.7%に一定し、黒鉛の添加に
よつて炭素含有量を0.002%〜1.5%まで変化させ
た各試料を実験1と同様にして作製した。 第6図は各試料の最大透磁率および伸びを測定
した結果を示したもので、図の白丸の曲線は最大
透磁率、黒丸の曲線は伸びを表わす。 同図から、焼結材の伸びは炭素0.005%以上で
急激に向上して0.02%でピークに達し、以後漸減
することと、最大透過率は炭素の増加につれて一
様に劣化し、0.05%を越えると、低リンの従来材
に対する優位性が失われることがわかる。 この事実から、炭素の適正含有量は0.005〜
0.05%と定められる。なお、炭素が多い場合は黒
鉛粉で普通に添加すればよいが、微量で均一な添
加が困難な場合は、潤滑剤中の炭素に依存した
り、浸炭性の雰囲気から焼結中に浸炭させること
ができる。 この第2の方法により、第3図における点線4
(C=0.05%)と、γ+α相とα相の境界線の交
点P=1.4%まで、リンの最大含有量を通常の焼
結条件で高めることができた。
ついて述べる。上述した第1の方法は非平衡状態
で焼結する必要から操炉条件が大幅に変更される
ので、多種類の製品を焼結する汎用炉では適用し
難い面がある。 そこで、平衡状態での焼結により所望の組織を
得たのが、この第2の方法である。 第2図のFe―P2元状態図に戻つて熟考する
と、γ+α相とα相の境界線をさらに右の方に、
つまり高リン側に移動できれば、平衡状態におい
ても、高リンの組成をγ相の存在する状態で焼結
できることがわかる。そしてその手段としては、
適当な第3元素の添加が考えられる。 この目的の第3元素としては、炭素が簡便且つ
最適である。第3図のFe―P―C系3元状態図
において、γ+α相領域とα相領域との境界線は
勾配が緩い右上がりの曲線で、従つてこの境界上
の組成は、炭素の僅かな添加によつてリンが著し
く増加することを示している。 しかしながら、炭素の増加は軟磁特性を害する
ことが従来知られている。そこで、添加量の許容
限界を求めるために、次の実験3を行なつた。 実験 3 リンの含有量は0.7%に一定し、黒鉛の添加に
よつて炭素含有量を0.002%〜1.5%まで変化させ
た各試料を実験1と同様にして作製した。 第6図は各試料の最大透磁率および伸びを測定
した結果を示したもので、図の白丸の曲線は最大
透磁率、黒丸の曲線は伸びを表わす。 同図から、焼結材の伸びは炭素0.005%以上で
急激に向上して0.02%でピークに達し、以後漸減
することと、最大透過率は炭素の増加につれて一
様に劣化し、0.05%を越えると、低リンの従来材
に対する優位性が失われることがわかる。 この事実から、炭素の適正含有量は0.005〜
0.05%と定められる。なお、炭素が多い場合は黒
鉛粉で普通に添加すればよいが、微量で均一な添
加が困難な場合は、潤滑剤中の炭素に依存した
り、浸炭性の雰囲気から焼結中に浸炭させること
ができる。 この第2の方法により、第3図における点線4
(C=0.05%)と、γ+α相とα相の境界線の交
点P=1.4%まで、リンの最大含有量を通常の焼
結条件で高めることができた。
第1図は炭素含有量が0.015%の鉄系軟磁性材
料における、リンの含有量と最大透磁率および伸
びの関係を示すグラフ、第2図はFe―P2元合金
の状態図、第3図はFe―P―C3元合金の1140℃
における断面状態図、第4図はγ相の割合と伸び
との関係を示すグラフ、第5図は昇温速度を変え
て焼結した試料の熱膨脹率を比較したグラフ、第
6図はリンの含有量0.7%における、炭素含有量
と最大透過率および伸びの関係を示すグラフであ
る。 点線1…実験1における各試料の組成、直線2
…実験2における試料1の熱膨脹率、曲線3…実
験2における試料2の熱膨脹率、点線4…許容最
大炭素量(0.05%)。 〓〓〓〓〓
料における、リンの含有量と最大透磁率および伸
びの関係を示すグラフ、第2図はFe―P2元合金
の状態図、第3図はFe―P―C3元合金の1140℃
における断面状態図、第4図はγ相の割合と伸び
との関係を示すグラフ、第5図は昇温速度を変え
て焼結した試料の熱膨脹率を比較したグラフ、第
6図はリンの含有量0.7%における、炭素含有量
と最大透過率および伸びの関係を示すグラフであ
る。 点線1…実験1における各試料の組成、直線2
…実験2における試料1の熱膨脹率、曲線3…実
験2における試料2の熱膨脹率、点線4…許容最
大炭素量(0.05%)。 〓〓〓〓〓
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量比で0.5〜1.4%のリンを含む鉄系焼結合
金で、かつ、その組織がγ→α変態による微細結
晶粒子と、α鉄相の粗大結晶粒子との混粒状態を
呈することを特徴とする鉄系焼結軟磁性材料。 2 重量比で0.5〜1.4%のリンを含む鉄系焼結合
金で、かつ、その組織がγ→α変態による微細結
晶粒子と、α鉄相の粗大結晶粒子との混粒状態を
呈する鉄系焼結軟磁性材料の製造に際し、上記組
成の粉末成形体を所定の焼結温度まで毎分10℃以
上の昇温速度で急速省温させることを特徴とする
製造方法。 3 重量比で0.5〜1.4%のリンを含む鉄系焼結合
金で、かつ、その組織がγ→α変態による微細結
晶粒子と、α鉄相の粗大結晶粒子との混粒状態を
呈する鉄系焼結軟磁性材料の製造に際し、上記組
成の粉末原料中にさらに0.005〜0.05%の炭素を
添加して成形および焼結を行なうか、または同量
の炭素を浸炭させながら焼結することを特徴とす
る製造方法。 4 重量比で0.5〜1.4%のリンおよび0.005〜0.05
%の炭素を含む鉄系焼結合金で、かつ、その組織
がγ→α変態による微細結晶粒子と、α鉄相の粗
大結晶粒子との混粒状態を呈することを特徴とす
る鉄系焼結軟磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3018581A JPS57145962A (en) | 1981-03-03 | 1981-03-03 | Sintered soft magnetic material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3018581A JPS57145962A (en) | 1981-03-03 | 1981-03-03 | Sintered soft magnetic material |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57145962A JPS57145962A (en) | 1982-09-09 |
JPS6111307B2 true JPS6111307B2 (ja) | 1986-04-02 |
Family
ID=12296692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3018581A Granted JPS57145962A (en) | 1981-03-03 | 1981-03-03 | Sintered soft magnetic material |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57145962A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2226520A (en) * | 1939-11-29 | 1940-12-24 | Gen Motors Corp | Iron article and method of making same |
-
1981
- 1981-03-03 JP JP3018581A patent/JPS57145962A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2226520A (en) * | 1939-11-29 | 1940-12-24 | Gen Motors Corp | Iron article and method of making same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57145962A (en) | 1982-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5098648A (en) | Production process for sintered fe-co type magetic materials | |
Watanabe | On new ferromagnetic intermetallic compounds PtMnSn and PtMnSb | |
US4415528A (en) | Method of forming shaped metal alloy parts from metal or compound particles of the metal alloy components and compositions | |
JPH11501700A (ja) | ステンレス鋼粉末およびその粉末から粉末冶金により製造された製品 | |
JP3400027B2 (ja) | 鉄系軟磁性焼結体の製造方法およびその方法により得られた鉄系軟磁性焼結体 | |
US2988806A (en) | Sintered magnetic alloy and methods of production | |
US4529445A (en) | Invar alloy on the basis of iron having a crystal structure of the cubic NaZn13 type | |
KR100245510B1 (ko) | 연자성을 갖는 철 기초 분말합금 | |
JPH09223617A (ja) | 耐食性および磁気特性に優れた希土類−B−Fe系焼結磁石およびその製造方法 | |
JPH02164008A (ja) | Fe―Si合金軟質磁性焼結体の製造方法 | |
US2508705A (en) | Pulverulent iron of improved electromagnetic properties | |
JPS6111307B2 (ja) | ||
US4069043A (en) | Wear-resistant shaped magnetic article and process for making the same | |
US4582535A (en) | Invar alloy on the basis of iron having a crystal structure of the cubic NaZn13 type, an article herefrom | |
US5073214A (en) | Magnetic material for a magnetic head | |
Sands et al. | Sintered Stainless Steel: II—THE Properties of Stainless Steel Powders Sintered in Dissociated Ammonia | |
JPH0320001A (ja) | 耐食性および磁気特性に優れた希土類―B―Fe系焼結磁石 | |
JPS5823462B2 (ja) | 高密度を有するFe−Cr−Co系スピノ−ダル分解型焼結磁性材料 | |
JPH05222481A (ja) | 新規高クロムニッケルメカニカル合金およびその製造方法 | |
KR930006442B1 (ko) | Fe-Co계 소결자성재로 및 그 제조방법 | |
JPS6227546A (ja) | 快削性を有する磁気遮蔽用鉄系焼結部材の製造方法 | |
JPS59232242A (ja) | 焼結パ−マロイの製造法 | |
JPH03122258A (ja) | 焼入性に優れた射出成形粉末冶金用合金鋼 | |
JPH03271334A (ja) | 耐食性のすぐれた焼結合金の製造方法 | |
JPH03249101A (ja) | 焼結用鉄系粉末原料 |