JPS6111035B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スピーカ振動板のエツジを固定部に
取り付けるためのエツジ固定方法に関する。

従来から、ダブルエツジタイプ、すなわち平面
がドーナツ状のダイヤフラムを振動板とし、その
内外周を各別のエツジによつて固定したスピーカ
にあつては、そのエツジの固定部への取付及びそ
の調整が極めて困難であつた。

すなわち、エツジは極めて高いコンプライアン
スを有するために、通常の振動板のように、一端
を固定状態とし、それを基準にして他方を取り付
けることができず、このため特別な治具、特別な
調整が必要となり、また製品間にバラツキが生じ
やすかつた。

そこで本発明においては、ダブルエツジタイプ
の振動板のエツジを取り付けるに際して、外周エ
ツジを固定した後において、回転可能な内側支持
材に内周エツジを貼着し、その位置修正は内側支
持材を回転調整することにより行ない得るように
して、前記したような問題点を解決したエツジ固
定方法を提供しようとするものである。

以下、図を参照して一実施例を説明する。第１
図において、１はプレート、２はヨークで、図示
しないマグネツト共に磁気回路を構成し、マグネ
ツトからの磁束はこのプレート１とヨーク２によ
つて、ギヤツプ３に至る。そして、ギヤツプ３に
はボイスコイル４が位置しており、そのボビン５
は平面ドーナツ状のダイヤフラム６の内周に取り
付けられると共に、プレート１に固定される外周
エツジ７にも取り付けられる。

８は内側支持材で、第２図に示すように、中央
部には円柱状の内周エツジ９の取付部８ａが形成
され、周部には前記ヨーク２の段部２ａに載置す
るリング状の載置部８ｂがアーム８ｃによつて取
り付けられており、更に下部には手でつまむこと
のできる摘子８ｃが形成されている。

以上において、ダイヤフラム６を取り付けるに
は、ボイスコイル４、ボビン５、外側エツジ７を
一体化したものをゲージを用いてプレート１に取
り付けておき、また一方ダイヤフラム６には内周
エツジ９を取り付けておく。そして次に内側支持
材８をヨーク２の段部２ａに載置しておき、この
状態でダイヤフラム６の外周をボビンに接着する
と共に、内周エツジ９′を内側支持材８の取付部
８ｂに接着する。

ここにおいて、この取付部８ａは円柱状である
ため、内周エツジ９の取付位置が多少上下になつ
ても支障は起らない。

また、この内周エツジ９を取り付ける際には、
その正規の状態から上下方向にバラついた状態で
取り付けられることがあり、このときは内周エツ
ジ９と外周エツジ７が相対的に変位した状態とな
るが、この場合は接着部が固化する以前に、内側
支持材８の摘子８ｃをつまんで、その内側支持材
８をヨーク２に対して回転すれば、内周エツジ９
のバラツキは修正され、外周エツジ７に対する相
対的変位は修正される。

また、内周エツジ９が周方向に変位している場
合でも、前記と同様に内側支持材８を回転するこ
とにより、外周エツジ７に対する相対的変位を修
正することができる。

なお、内側支持材８は、修正後に必要に応じて
ヨーク２にボルトや接着剤により固定すれば良
い。このとき、その内側支持材８を磁性体とすれ
ば、マグネツトの磁石の作用を利用して固定する
ことができる。また接着剤を使用するときは修正
前に塗布しておき、修正はそれが固化する以前に
行なう。

以上から、本発明によれば、エツジ取付に特別
の治具を使用したり、貼着時に細かな調整をする
必要がなく、また内周エツジと外周エツジのアン
バランスは簡単にその修正ができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例を示すスピーカの部分断面
図、第２図は内側支持材の斜視図である。 ６……ダイヤフラム、７……外周エツジ、８…
…内側支持材、９……内周エツジ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 振動板の内外周にエツジが設けられるダブル
   エツジタイプのスピーカにおいて、振動板の外周
   エツジを固定した後に、該振動板の内周エツジを
   磁気回路に回転可能に支持された内側支持材の円
   柱状支持部に接着剤により貼着し、その接着剤の
   固化前に該内側支持材を回転調整するようにし
   た、スピーカにおけるエツジ固定方法。