JPS6110405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は防滴形電気機器収納箱、特に容器本
体と扉とが当接する部分の扉内面周囲に装着され
る防滴部材の改良に関するものである。

一般に、分電盤等の電気機器収納箱はその設置
場所により例えば船舶における様に防滴性が要求
される場合がある。この様な電気機器収納箱は、
例えば第１図にその一例が示される様に、開口部
縁の内側に密着して折返された密着折返し部２か
らほゞ直角に折り曲げられ且つ底部に対してほゞ
平行に延びる棚受部３が形成された容器本体１
と、折曲縁部５を有していて容器本体１の開口部
を覆い蝶番６により容器本体１の開口部外周縁に
かぶさるように開閉自在に取付けられた扉４とか
ら主に構成されている。容器本体１の棚受部３は
容器本体１内に収納される電気機器に直接手を触
れると危険を伴う場合があるので、この様な電気
的危険部分を覆う保護板を受けて装着するための
ものである。また、容器本体１の開口部が当接す
る扉４の内面に防滴部材としてゴム等よりなるパ
ツキング７が取付けられている。

このパツキング７は従来は扉４の内側から見て
第２図に示されるように扉４の内面周囲に夫々の
直線部分の４つの周縁に沿つて４つの直線状のパ
ツキング７を接着等により貼り付けていた。とこ
ろが、この場合にゴム等のパツキング７は弾性体
であるために、貼り付け作業時の伸縮により所定
通りに扉内面に沿つてぴつたりと装着することが
困難で、寸法的に長かつたり短かつたりする、そ
こで、パツキング７を鋏等で寸法切りすることに
なるが、仲々直角に切断することが難しく、特に
角隅接合部の仕上がりがすつきり上手にできず、
この部分に生じる隙間により収納箱の防滴性能が
落ちることになり、またパツキングの装着作業は
慎重に行なう必要があり、生産性も低下する等の
欠点がみられた。

従つて、この考案の主たる目的は上述の問題点
を解消して防滴性、生産性および美観性を向上さ
せた防滴形電気機器収納箱を提供することにあ
る。

この考案を要約すれば、容器本体の開口部周縁
と扉とが当接する扉の内面周囲に防滴部材が装着
される防滴形電気機器収納箱において、防滴部材
をＬ形の角隅用パツキングと直線状部パツキング
とに分割し、各パツキングの対応する接合部を凹
凸状或は山形状に夫々形成して嵌め合せて接合で
きるようにしたものである。

この考案の他の目的および特長は以下の添付図
面に沿つての詳細な説明から明らかとなろう。

第３図は第１図で説明した電気機器収納箱に実
施したこの考案の一実施例を示す扉の内面からみ
た裏面図で、第４図にはこの考案の一実施例を示
す防滴部材の接合部拡大図で、第５図ならびに第
６図はこの考案の一実施例での角隅用パツキング
と直線状部パツキングの形状を示す図である。

この考案に従えば、第３図に示されるように扉
４の内面周縁に沿つて装着される防滴部材はＬ形
の角隅用パツキング８と直線状部パツキング９と
に分割されて接合される。角隅用パツキング８は
第５図に示されるように天地左右が対称形となる
同一寸法のＬ形のものが四隅の部分に適切に配置
できるもので、両端部には角度αがほゞ90゜の山
形のくぼみ８ａが形成されている。直線状部パツ
キング９の両端部は角隅用パツキング８の山形の
くぼみ８ａと適合する角度αがほゞ90゜の突起９
ａを備えており、その長さｌは扉内面の縦部材お
よび横部材の寸法が異なる場合は夫々対応する長
さの直線状部パツキング９，９′が用意されるべ
く適宜決められる。従つて、角隅用パツキング８
の山形のくぼみ８ａと適合する山形の突起９ａと
は同一のプレス金形を利用して切断することによ
り凹凸が適合するものとなる。このようなＬ形の
角隅用パツキング８を扉内部の角隅に沿つて四隅
に貼付することは作業上簡単であり、また直線状
部パツキング９の貼付作業も端部突起９ａを角隅
用パツキング８のくぼみ８ａに嵌め込み扉内面の
折り曲げ縁５に沿うように貼付けることにより一
層簡単となる。従つて、直線状部パツキング９の
長さを伸縮誤差を加味して所定長さより短かめに
設定することによつて寸法合せの切断作業はなく
なる。

また、直線状部パツキング９を所定長さより短
かめに設定して第４図の如く接合部に隙間ｇを生
じたとしても、接合部の隙間が山形に形成されて
いるために万一水滴が隙間ｇより侵入しようとし
ても直線的に侵入できないので、水滴の侵入が防
止されて防滴効果は損われない。更に、対応する
パツキング８，９のくぼみ８ａと突起９ａとが同
一金形で切断されているためにパツキング８，９
の品質および美観が一層向上されるようになる。

更に、収納箱の扉寸法が標準的に定められてい
る場合、当然角隅用パツキング８も直線状部パツ
キング９も標準化されて量産ならびに部品在庫が
可能となる。

この考案は上述の如く、パツキングの装着作業
が体裁良く且つ迅速に行うことができて生産性が
向上され、且つ防滴性能も一層安定した防滴形電
気機器収納箱が得られる効果がある。図示説明し
たこの考案の実施例では角隅用パツキング８にく
ぼみ８ａが、直線状部パツキング９に突起９ａが
夫々設けられているが、くぼみと突起が反対に設
けられても差支えなく、また突起やくぼみの形状
も山形や凹凸状等、他の任意の形にすることもで
き、角度αも適宜定めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は防滴形電気機器収納箱の一例を示す要
部断面図、第２図は従来の扉内面よりみた防滴部
材の配置を示す裏面図、第３図はこの考案の一実
施例を示す扉内面からみた防滴部材の配置を示す
裏面図、第４図はこの考案の実施例での角隅パツ
キングと直線状部パツキングとの接合部を示す拡
大図、第５図ならびに第６図はこの考案の一実施
例の角隅用パツキングと直線状部パツキングの形
状を示すものである。図中、１：容器本体、４：
扉、７：パツキング、８：角隅用パツキング、８
ａ：くぼみ、９a′：直線状部パツキング、９ａ：
突起。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一側に開口部をもつ容器本体と、容器本体の
   開口側を覆う開閉自在な扉とから成り、前記容
   器本体の開口周囲縁と前記扉とが当接する扉の
   内面周囲に防滴用パツキンが装着される電気機
   器収納箱において、前記防滴用パツキンをＬ形
   の角隅用パツキンと直線状部パツキンとに分割
   して前記角隅用パツキンと直線状部パツキンの
   端部の対応する接合部をくぼみ部と突起部とが
   嵌め合せられるように形成された防滴形電気機
   器収納箱。 ２ 上記角隅用パツキンと直線状部パツキンとの
   対応接合部が山形状に形成された実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の防滴形電気機器収納
   箱。